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駆けゆく天馬の宙と、サファイアの月

作者: 逢乃 雫

時を羽ばたく


渡り鳥たちのように



行合いの空の


彼方から吹きゆく風に



小径に咲き始めた


想い草の花々は



夏空を映した


季節のポートレート



移りゆく時を


導く燈し火のように青く



リンドウが風に


ゆれる道の先には



月草がまるで


サファイアのように


風の中に映えて




天馬がいま


空へと駆けゆくときに



太陽の(しずく)のような


雨夜の星



アークトゥルスが


駆け抜けた空を



追いかけ上る


夏の大三角の彼方から



(そら)へと羽ばたく


煌めく天馬は


ペガスス座の星々




天馬がいま


宙へと駆けゆくときに



宙の泉から


姿を現す天馬のように



心という泉から


湧き出すものを



その手にすくいとり


大切にしながら



言の葉もまた


泉から溢れるこころ



葉の一つひとつにある


こころを感じて




道を歩むとき


時にできる


心の水たまりも


あるかも知れないけれど



流れる時の風と


やさしさの木洩れ日に



いつしか


そこに澄んだ空が


映ると信じて




リンドウが風に


ゆれる道の先には



月草がまるで


サファイアのように


風の中に映えて



(いにしえ)の人々が


この青い花を見て



月を想い浮かべた


その言の葉に



そして


そのこころに


想いを馳せながら



空があるから


月や星は輝いて



月や星があるから


空はいつもそばにあって



空があるなら


そこに煌めく月や星が


きっとあると




未来という空は


心に描く


青写真のように



天馬がいま


心を駆けゆくときに



広げた翼が


向かう宙には


きっと、サファイアの月





















サファイアは、9月の誕生石で、夜空のような色から「空の宝石」とも呼ばれ、石言葉は「誠実」「慈愛」です。「行合ゆきあいの空」は二つの季節の間の空です。


「想い草(思い草)」は、諸説ありますがリンドウの別名で、花言葉は「誠実」です。月草は、露草つゆくさの別名で、夏から秋に青い花が咲きます。


天馬の姿のペガスス(英語読みはペガサス)座は、9月の東の空から上り、語源は古代の「泉」とされます。うしかい座のアークトゥルスは「雨夜の星」とも呼ばれ、9月は西の地平線近くにあります。


季節の星や花をモチーフに詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
[良い点] タイトルの、サファイアの月、が言葉としても月としてもインパクトを感じました。サファイアや露草、りんどうのような九月の青いに、太陽の滴やアークトゥルスの暖色が散りばめられて、美しいです。そこ…
[良い点] 行合いの空、始めて聞いたのですが素敵な言葉ですね♪ リンドウの揺れるさまが心地よく綺麗でした。 吹き抜ける風とともに青い夜空まで運ばれた気持ちです。星を見たくなる詩を読ませていただきありが…
[良い点] リンドウやサファイアと9月がもう来たのだと実感しました。 「未来という空は 心に描く 青写真のように」という部分が、2人の色と重なり綺麗だなと思いました。 ただ、青写真という言葉にピンと来…
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