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悪役令嬢はパラ萌えされる  作者: ハルノ_haruno
1年生
8/160

悩みのタネ

 さて、問題です。

 アルバート王子から借りたマント、どうすればいいでしょう。


「そのまま返す? 洗濯してから返す? うーん」


 私は私室のベッドの上で悶ていた。


 寮とはいえ、公爵令嬢ともなると当然個室。

 風呂トイレ完備はもちろん、趣味の良い派手すぎない調度品、3人は余裕で寝られそうな広いベッド。ふかふかの絨毯の上に、大理石の机。

 大理石の上で宿題する日が来るのでしょうか。前世では考えられませんね。


 そんなことより目下の課題は「マント返却」です。


 降り始めでほとんど濡れていないとはいえ、そのまま返すのは失礼ですよね。

 ならば洗濯室に持って行き、洗濯を頼まねばならないのですが。




1、マントは一旦私の部屋に返却してもらい、アルバート王子には自分で返す


2、洗濯係から、直接アルバート王子の部屋に返却してもらう




 あぁ、借りたくて借りたわけじゃないのに。

 むしろこれを押し付けられたせいで級友には誤解されるし、迷惑しか被ってないのに。

 なぜここまで気を揉まねばならぬのですか!






 私は答えが決まらないまま、とりあえずマントを抱えて地下のランドリーに向かう。


 ドン。


「ひゃっ」

「あぁ、失礼しました。お怪我は?」

「いえ、こちらこそ考え事をしていてーー」


 あれ?

 この眼鏡、見覚えが。


「リシリア? リシリアじゃないか?」

「もしかしてノア?」

「あぁ! 久しぶりだね!」


 おぉ!

 リシリア(悪役令嬢)の幼馴染設定の真面目眼鏡君ではないですか!


 初回プレイ時、アルバート王子狙いにも関わらず、パラメータが足りなかったのか告白されず、代わりに告白してきたノアではないですか!

 エモい。すっごいエモい。


「リシリア。少し話さない?」

「えぇ、是非」


 うーん、感慨深い。

 前世の私にとっては初彼のようなものですからね。


「ん? 何?」


 小型犬みたいな顔が少し傾げられてとっても可愛らしい。

 それにしてもこんなに背が高かったのか。可愛い系の顔だから小柄なのかと思ってたけど、実はかなりの長身。ゲーム画面ではよくわからないものですね。


「背が高いなぁと思って」

「ははは、子どもの頃は僕の方が小さかったもんね」


 はにかむ姿は天使のようです。


「リシリア、サロンも近いしそこで座らない?」

「そうですね」


 うん、悩みのタネのマントには一旦目をつむって、エモい初彼とのトークでも楽しみましょう!



ブックマーク&評価、感謝です!ありがとうございます!頑張ります!

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