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悪役令嬢はパラ萌えされる  作者: ハルノ_haruno
1年生
28/160

初デート(ノア)

「正解、正解、正解……正解」


 私が採点するのをアンジュは得意げな顔で眺めていた。


「全問正解です」

「やったぁ!」

「よかったね、アンジュさん!」

「はい! ありがとうございますノア君!」


 いつの間にか「ノア君」呼びになっているのはいいとして、全問正解とは。


「頑張りましたね、アンジュ」

「ノア君が意外とスパルタで。でも頑張ってよかったー!」


 アンジュは両手を挙げて喜んだ。

 こういう仕草が子どもっぽくて可愛い。


「アンジュさんはこつこつやればちゃんと伸びるタイプだね」

「ほんとですか?」

「うん、教え甲斐があったよ。またいつでも力になるよ」

「ありがとうございます!」


 うーん、意外と良いペアかも?

 ずっと私が付きっ切りで教えるより、たまに講師が変わる方が新鮮で伸びるかしら。


「リシリアも、いつでも頼ってね」

「検討します」


 まぁ毎回デートを約束させられたのでは困ってしまうけど。






 そういうわけで三日後、私はノアとのデートための服を選んでいた。

 デートの場所は学園内にある美術回廊。

 ノアが好きなデートスポットだ。


 私は落ち着いたネイビーのドレスを選ぶ。

 イヤリングは小さなダイヤモンドがついたベーシックなもの。

 髪はバレッタでまとめましょう。

 靴は低めのヒールにして、白いショールをかければ完成。


 ノアが好む清楚系の服装に……って、ノアの好みを突いてどうする!

 ただでさえ好感度85%は確定だというのに!

 

 あぁでも時間がありません。

 このまま行きましょう。


 私がドアを開けると、ブラウンのチェック柄のスーツに身を包んだノアが立っていた。


「お待たせしました」

「リシリア。その服、すっごく素敵だよ」


 ぐっ。

 これは服装がツボにハマった時の定型会話ではありませんか。


「あ、ありがとう」

「じゃあ行こうか」


 私たちは園内にある美術回廊へと向かった。





 美術回廊はドーム状の大きな建物で、中はドームに沿うように螺旋階段が続いている。

 階段をぐるぐる回りながら美術品を見学出来るという、建物からして芸術的な施設だ。


「へぇ、絵画だけじゃないのね」


 ゆったりとしたスペースには彫刻や陶芸もならんでいた。

 中でも目を引いたのがガラスの工芸品だ。


「やっぱり女の子はこういうキラキラしたものが好き?」

「うん、とっても素敵」


 どの角度から見てもキラキラと美しいし、その透明感に吸い込まれる。


「僕も好きだよ」

「どれが好き?」

「あの青いやつ」

「ノアの持ってるガラスペンも青だものね」

「青いガラスって空を閉じ込めたみたいでさ。小さいのに、見つめてるとどこまでも広がってるような感じがして、何か好きなんだよね」

「ふふ、ノアって結構ロマンティック」

「え、えぇ!? そ、そうかな」


 ノアは顔を赤らめた。


「うん、私も素敵だと思うよ」

「そ、そっか」


 ノアはあからさまにホッとしたような顔をした。


「こういう滑らかな曲線が出せるのもガラスの魅力よね」


 私は丸みを帯びたランプシェードを見つめる。


「色のグラデーションもいいね」

「あ、それ私も思った」


 ノアとの初デート、どうなることかと思ったけど意外と楽しいぞ。

 やっぱり幼馴染だけあって話が合うんだろうか。


 それとも攻略済みだから、相手の好みを把握してるせい?





「今日は楽しかったよ」

「うん、私も!」

「もう少し一緒にいたいけど、どうかな」


 おぉ、おかわりデート来ました。

 でもこれ以上好感度を上げるわけには。


「休みも大事だなって思って。今日は部屋でゆっくり休むわ」

「そっか」

「うん、今日はありがとう。それからアンジュのことも」


 そう言うと、ノアは少し考える素振りをして言った。


「それなんだけどさ、週に1回僕が勉強を見るっていうのはどうかな。そうすればリシリアの負担が減るだろ?」

「負担なんて思ってないけど」


 アンジュは可愛いのだ。

 それでいて教えれば何でも吸収する頑張り屋さんヒロイン。


「でもこないだみたいに青い顔してると心配だよ」

「心配かけたのは悪かったけど」

「アンジュさんも心配してたよ。自分のせいでリシリアが倒れたらどうしようって」


 それはいけませんね。

 倒れるのは構いませんが、アンジュが気に病んでしまうのはいただけません。

 あの子ピュアだから、すっごく落ち込みそう。


「うーん、そうね」

「大丈夫。もう引き換えにデートしようなんて言わないよ」

「そう? じゃあ――」

「これからは正々堂々とデートに誘うから」

「!?」


 それはそれでどうなんでしょう。


「はは、リシリアも余裕のない顔をすることがあるんだね」

「誰のせいですか」

「ん?」


 ノアはぐっと顔を寄せ、耳元で囁くように言った。


「僕だったら嬉しいな」

「!! ノア!!」


 もう、恥ずかしくて顔から火が出そうです。


「リシリアにとっては友人かもしれないけど、僕はそうは思ってないからね」

「何でそんなこと言うの」

「きちんと自覚してもらわないと、いつまでも幼馴染から抜け出せなさそうだから」

「友達からって言ったじゃない」

「スタートは友達だけど、僕はゴールに向かうために努力するよ」


 ゴールって一体どこですか。

 努力だなんて勤勉なノアらしいですね、もう。


「あまり積極的だと引きます」

「リシリアは手厳しいなぁ」


 ノアは楽しそうに笑った。

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