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そう。それがいい
やがて、リチャードの車はスラムに着いた。
「心配ですから私も行きます」とリチャードは言い、ビクトリアに付いて行った。
角の新聞売りの少年にビクトリアは「チャンさんは、どうしています?」と聞いた。
「後遺症で体が自由に動かない様ですよ」と暗い顔して少年は答えた。
「チャンさんにお会いしたいのですけど、何処に行けばお会い出来るでしょうか?」とビクトリアは訪ねた。
「呼んで来ますから、待っていて下さい」と少年は言い、走って行った。
暫くして、包帯をし松葉づえを付いてチャンが現れた。
「お前か。ここに来るなと言ったろう」チャンが言うとビクトリアは「でも私、あなたの事好きなので」と告白した。
「止めとけよ。そのイギリス人があんたにはお似合いだ。あんたと俺とは住む世界が違うからな」とチャンは言い、その場を去ろうとした。
「そんな事ありません。では何で私が差し上げた真珠のネックレスをしているのですか?」とビクトリアは言った。
チャンは立ち止まり、振り向き、「別に意味は無い」と言った。
「お嬢さん、帰りましょう」とリチャードが言った。
「そう。それがいい」とチャンは言い、去って行った。




