表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

だからオフィーリアは軽んじられる

お久しぶりです。

遅くなってしまい申し訳ありません。

これも幕前部分の話になります。

なぜ、貴族からオフィーリアが軽んじられていたのか。


予定していたもう一つの第三者視点の短編は9月末は厳しそうなので十月頭になります。

重ね重ね申し訳ありません。


『オフィーリア嬢の事をよろしくお願いしますね。』

はい、王妃様。

『オフィーリア様の事は第2王子伴侶である貴女にしか支えられません。王妃教育の都合で力になれず申し訳ありませんが、よろしくお願いします。』

ーはい、第1王子である王太子の伴侶のセイレーン様。


なんて、たいして役に立てない私に押し付けてるだけでしょう!?

王族の伴侶は基本的に高位の紋章持ち、または紋章種類の判明していない子が優遇される。

亀王の紋章で、第二王子の紋章眼の持ち主の私は価値がないのだと。


そうやって今まで私のことを持ち上げてきた大臣も、お父様も、陛下もみんながっかりしたように見て、一切相手をしなくなった。

たとえ、紋章が一番下でも、国に恩恵は来る。

というのに、こんなに軽んじられるのはすでに王太子伴侶のセイレーン様が私と同じ亀王の紋章持ちだからだ。基本的に紋章の恩恵は重ね掛けできない。より上位の紋章のみ価値があるとされている。だから紋章持ちを量産するために王子を生むというやり方をすることはできない。


だから言われているのだ。


『失敗作の第二王子伴侶』

『いなくてもよかった伴侶』

『セイル王子殿下は優秀なのに紋章以外能のない伴侶』


なによ!なによなによ!

ただいるだけでいいって言ったのはあなたたちじゃないの!


生まれてからずっとそういってきたのに今更。

17歳になってからいきなり手のひらを返されたって、どうしていいのかわからないわ。

いくら前世の記憶があるといってもこちらの世界に生まれた瞬間に記憶も性格も前とは変わるのだ。

生まれも育ちも変わって、前の世界と同じ人格のままでいられるなんてことはない。


だから、次期王妃になるセイレーン様は厳しく、紋章持ちとしての期待しかされない私はただ甘やかされていただけ。どこの国だって基本はそう。それでも複数人の王子ができるようにするのはより低い紋章しかない国だけ。


『かわいそうな、アリーシアさま。』


…私は、可哀そうじゃない!

可哀そうなんかじゃないわ!


だってほら。

もっとかわいそうな子がいるもの。


ねぇ?リリーア。

モンテカルロ家の第四子、()()のはずだったあなたは。


紋章眼を持って生まれることのできなかった出来損ないって言われてモンテカルロ公爵から生まれてこなければよかったって言われているあなたのほうがかわいそうだもの。


だから大丈夫。紋章眼もちで、優秀な伴侶がいる私のほうがまだ、幸せなんだから。


「セイル様。」

「アリーシア。今日もお茶会を開くそうだけど、招待は「リリーアを招待していますわ。セイル様。」・・・そうか。」


「だってリリーアは、大変な立場ですもの。従妹として私の立場やお茶会へ招待することで守れるのなら、いくらでも私が守るもの。モンテカルロ公爵が野心家になったのも、そのあおりを受けているのも彼女には落ち度はありません。」


そういってほほ笑む。


「君を愛しているよ。…だから、いや、いいんだ。本当はただいてくれるだけでいいと思っているのに、君に負担になるようなことばかりですまない。」


何か言いたげだったのに、それ以上何もいわずに私の頬を撫でて抱きしめてくれるセイル様。

私も、愛してるわ。…でも、本当にあなたが望んでいるユリウス様の助けになることをしないでいる私を嫌いにならないで。


だってねぇ?

守る必要なんてないもの。

第三王子伴侶なんて。


まだ、紋章が判明していない伴侶は基本高位紋章も持ちとしての扱いを受ける。

だから、誰かが守るでしょう?


私の紋章が判明するまでそうだったように。

ーだから、もしあなたが、亀王の紋章で同じ扱いになるのなら、そうしたらかわいそうな子になるから守ってあげてもいいわよ?











第二王子伴侶(アリーシア)失った(高位紋章)待遇をもつはずの第三王子伴侶(オフィーリア)に嫉妬している



『本当に、アリーシア様はお茶会にオフィーリア様を呼ばないわね。』

『やはり価値がない、紋章もちではないはずの令嬢という噂は本当なのでは?』

『王妃様や王太子伴侶から守るべき対象として指示されていないということでしょうね。』

『そうですわね。アリーシア様は頭がかなり残念な方ですもの。』

『本当に、なんであのような中身のない方が、セイル殿下の伴侶なのかしら。』

『あのように苦労させるなんて・・!私なら絶対にさせませんのに!』

『あら、もう少しでアリーシア様がいらっしゃいますわね。』

『ではまた茶番でも演じましょうか、皆さま。』


冷たいあざ笑うかのような声色の中、冷たい張りぼてのお茶会が始まる。









とにかく精神年齢の幼い少女であるのが、アリーシアです。

幼いゆえに自分が自分がってなって最も大事なことを見失って自分勝手なことをするタイプの子です。

セイルはかなりしっかりしているのですが、アリーシアの幼さも含めて愛しています。

つまり盲目。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ