#6 素材売却とギルドでのお約束
護衛のレオと別れた後、オルト商会に着いたタク一行。
タクはその建物に唖然としていた。
「オルトさん・・・。すごい実力者だったんですね・・・。
なんですか、この建物の大きさ・・・。えっ?本当に?」
「説明して無かったのは悪いですけど、オルト商会はこの国で一番の商会ですよ?
成り上がりですが。」
「・・・早く言ってくださいよ・・・。ますます、後ろ楯とか・・・合わないでしょう。私に・・・。」
「あなたこそ気づいてないと思いますが、収納、回復、攻撃とここまでの魔法を見ると ・・・規格外ですよ?あと解体も出来るのでしょう?十分です(苦笑)」
「そうだったんですね。まぁ、ありがたいので・・・よろしくお願いします。では、素材買い取りでよろしいでしょうか?。」
「はい、お願いします。解体室はこちらです。」
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~解体室にて~
「では、ゴブリン7体とオーク1頭を。」 さらっと、タクは取り出した。
「相変わらず、とんでもないスキルですね・・・。」
「ははは・・・。解体!!」
すると、なんということだろう。みるみるうちにモンスターが解体されていく。
手で触れたわけでもなく・・・。しかも、寸分の狂いもなく異常な精度でだ。
「・・・」 オルトはもう喋れないようで口をパクパクしている。
「どのくらいの金額になりますかね?」
「あ、ああ。すみません。意識がとびかけました。金額は・・・金貨20枚ほどでどうでしょうか?」
「高くないですか!?」
「あ、護衛料も含めさせて頂いてます。」
「なるほど。ちなみに、どんな内訳ですかね?」
「ゴブリンは、1体銀貨1枚、オークは金貨10枚、護衛は残り分です。」
「オークってそんなに高価なんですかね?」
「オークは危険度Bですから強いですし。かなり上です。といってもA,S,SS辺りは頭おかしいですから。強さが(苦笑)」
「もう、納得しておきます。ではギルド行ってきます。」
「先ギルド行くんですね?なら、身分証明書にこれを。」
すると、身分証明書にスタンプのように何かを押した。
証明書が光り、左上にオルト商会のマークが刻まれた。
「なんですか?これ・・・。」
「オルト商会公認の人です。その方はこの商会が保証しているという証明です。」
「そ・・・そんなものをもらっても良かったんですか・・・?」
「ですから、先行投資という判断で良いですよ。十分ですけれどね。」
「・・・了解です・・・。」
「では、行ってらっしゃい。頑張ってくださいね。あと、見た目が・・・学生ですので、絡まれると思います。この国の方でしたら、大丈夫ですが他国の冒険者は・・・
分かりませんから。」
「分かりました。これからもお願いしますね。では。」
タクはオルトと別れて、ギルドへ向かう。
ギルドは多くの冒険者がいた。タクは受付へ歩く。
「すみません。ここは、受付ですか?」
「ええ、そうですよ。依頼ですか?それとも・・・ギルド登録ですか?」
「登録でお願いします。」タクは証明書を出す。
「(クスッ)分かりました。実力計測はこちらです。」
「了解で・・・「おいちょっと待て。」」
「「なんでしょうか?」」タクと受付嬢が振り向く。
「そんな、貧弱な子供がなれるわけがねぇ。俺より弱いだろ(嘲笑)。
そんなやつ、弾き出せよ。」
「それはできません。規則ですから。それに、貴方より弱い証拠もありません。」
「なら、俺と戦わせろ。冒険者の質が下がっちまう。」
「ええ、構いませんよ。良いですか?タクさん。皆さんもどうぞ!!」
受付嬢は見えないようにタクにウィンクをした。
タクは頷いて、「分かりました。」そしてニヤリと笑った。
「試験場へ案内します。」
案内中、受付嬢は[死なない程度なら何でも良いですよ。やっちゃってください。]
と、耳打ちしてきた。
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~試験場にて~
観客が何人も居るなか、受付嬢が審判をし、タクとその冒険者が向かい合う。
「余裕だぜ。」冒険者は叫ぶ。
「良いですよ(苦笑)」受付嬢に合図を送る。
同時に作者へ念話を送る。そして、時が止まる。
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『毎回呼ぶようになったね(苦笑)』
「一応聞きますけど、あのイベントは絶対なんですかね?」
『だって、この系統の話には要るでしょ(笑)。悪かったって。スキルとかは?
何が要るの?(笑)』
「【未来視】と部位欠損ぐらいは治せる回復魔法、【次元簡易空間】に剣を一つ。
お願いします。」
『完全にボコボコにする気じゃん・・・。まぁ、いいんだけどね(笑)。はい、どうぞ。
回復は【高度回復】ね。じゃあ、行ってらっしゃい。』
「では。また、呼びます。」
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受付嬢が合図を出す。
「それでは、始め!!」
「おらぁ!!」
冒険者が切りかかる。
しかし・・・当たらない。
(おぉ、本当に見える・・・右から・・・。下からか。フェイントのあと上からか。全部その通りだ・・・。)
「チッ、なんで当たらないんだよ!!なんで!!フェイントも見切られてる!?」
戦いは熾烈ではなく、一方的を極めた。それどころか、タクは剣すら出していない。
「僕に剣くらい使わしてみてくださいよ。僕の方があなたより、弱いんでしょ。」
「ガキのくせにぃ!!」
「まぁ、いいや。剣使いますね。はぁ!!」
「・・・!!どこから、剣を出したんだよぉ!!」
「普通にだ、よっ !!」
冒険者の剣を叩き落とす。そしてそのまま、腕まで切り落とした。冒険者の腕から鮮血が飛び散る。
観戦者もざわめく。
「うわああ!!腕が!!痛い!!痛いー!!!」
「そこまで。」受付嬢が戦いの終了を知らせる。
それと同時にタクは冒険者に近づく。
「何をする気だ。やめろ!止めてくれ~!!(泣)。悪かった。悪かったってー!!(泣)」
「良いから、動かないでくださいね。【高度回復】。」
みるみるうちに、腕が治っていく。
「何が起こったんだ・・・。」
「何が起こっていたんだ・・・。」
呆然としている冒険者。観客もよく分かっていないようだ。
「治りましたからね。見た目で人を見くびらないように。」
タクはそう言うと、受付嬢のところまでいって、ギルド登録について聞きにいった。
早く登録してもらって、学校へ行かせたいです。かわいい女の子・・・出てくるかな?
ちなみに、ゴブリンとオークが安全な場所に出たのは伏線です。2話後くらいに出るかも。