#17 ユキの家族
また、遅れてしまった・・・。申し訳ありません!!
~学園~
「今日は本格的な授業が始まった。みんな、どうだった?」
「楽しかった・・・?」「疲れた~。」
(まぁ、一年生じゃないから、どうも何もない気はする。)
「そうかそうか、まぁ、もちろん、もっと難しくなるからな。頑張ろう!」
「「「はい・・・。」」」
「今日は、これで授業は終わりだ。是非、予習復習してくれ。」
「・・・。」
「じゃあ、気を付けて帰るんだぞ。さようなら。」
「「「さようなら~。」」」
学園生活二日目が終わる。
タクもルナも学校の教室を出た。
すると・・・
「タク~。帰りましょ。」
ユキが話しかけてくる。
「そうだね、君の家に挨拶に行かないとね(苦笑)先にルナを送ってからでもいい?」
「いいけど・・・どこで待っとけば良いのかしら?」
「ああ、ここでいいよ。速攻で行ってくる。」
「あら、そう?ありがと。」
「いやいや、約束してたからね。当然だよ。ルナ~。」
「ん?」
「送るよ。」
「分かった~。けど、たまには、ゆっくり歩いて帰ろうね?」
「分かった。約束するよ。」
「ん。じゃあ、お願い(笑)」
「了解(笑)」
タクとルナは家へ跳ぶ。
「じゃあ、晩御飯までには帰れるよう頑張ってみるよ。」
「もちろん(笑)じゃあ、気を付けてね。」
「了解(笑)」
「今度少しは話を聞かせてね?」
「言える内容だったら良いよ(苦笑)」
「むぅ・・・。まぁ、いってらっしゃい。」
「ほーい。」
また、タクは跳ぶ。
「あら、お帰り。」
「ただいま。行こうか。」
「ええ。」
二人は、歩いてユキの家まで向かう。
空は飛ばなかったし、場所を知らないので、もちろん跳べない。
「ねぇ、タク?あなたは何でそんなに強いの?」
「・・・過酷な環境で育ったから?」
(嘘だ。こんなにぬるく育ったことはない・・・。嘘は心が痛むな。)
「そうなの・・・。凄いのね・・・。貴方は。」
「そんなことないよ。君も凄いじゃないか?僕を除けば学園1位だろう?」
「それでも、貴方には、歯が立たなかった。」
「仕方ないよ・・・。(あのスキルだし・・・)」
「貴方を越えるのは諦めた方がいいかしら?」
「追いかけるくらいならできると思うよ(苦笑)」
「そう・・・ね。じゃあ、まず我が家の試練を乗り越えてね。」
「そうそう、失敗する気は無いよ。」
そうして、二人は家に着く。
~ユキの家~
貴族の家だった。
(予想はしてた。うん。広い・・・。)
「お父さんが出てくるけど、名前は、エルク・クーラーね。」
「了解。」
二人は家に入る。
「ただいま~!!」
「おかえりなさい。ユキ。」
ユキの父が出てきたようだ。
「うん。でね、紹介したい人がいるの。」
「ほう。誰だ?」
「こちら、学園の7年生のタクさん。私を抜いて、首席になったの。」
「な・・・、ユキを抜いたのか?」
「こんばんは、ご紹介いただいた、タクです。よろしくお願いします。」
「あと、私の彼氏ね(笑)」
「・・・。お前も、ユキに惚れたか?」
「どうなんでしょうか・・・。少なくとも好きですが。」
(単刀直入なんてもんじゃない(苦笑)悪い虫がついたみたいな顔・・・。)
「そうか。我が家には、娘の彼氏、もとい夫となるに当たって、試練がある。」
「どんな試練でしょうか・・・。」
「ついてこい。ユキもだ。」
「分かりました。」
ある一室に通された。
そして、手に氷を持ってきた。
「これは、ある性質を持った氷だ。妻と二人で作った。溶かせ。」
「溶かせばよろしいのですか?」
「ああ、そうだ。だが、簡単には溶けんからな。」
「持っても?」
「当然だ。どうやって、溶かすかまで、見させてもらう。」
「分かりました。・・・【秘匿鑑定】」
・愛と力の氷
愛を見せつけた上で、簡易詠唱ありの上位以上の炎属性魔法を使うと溶かすことができる。
その方法以外では溶かせない。
(・・・めんどくさい。・・・簡易詠唱?ヤバい・・・分からない・・・。)
「(汗)」
「タク?頑張れ!!(小声)」
(ヤバい・・・。ああ・・・どうしよ?)
(ピコーン・・・)
「ん?」
(何の音だ?)
(お困りですか?)
(え?どちら様ですか?)
(失礼しました。私、INTのシステムアシスト、リジェでございます。)
(もしかして、いろいろ教えてくれる感じ?)
(それが、私の存在価値です。)
(詠唱について、教えてくれる?)
(承知いたしました。[詠唱]。それは、魔法を発動するときに必要な発声。詠唱破棄、簡易詠唱、正式詠唱がある。普段の詠唱は詠唱破棄です。あなたの考えるイメージとしては、日本語が簡易詠唱、外国語が、正式詠唱です。正式詠唱以外では発動しない術式もあります。)
(ありがとう。ところで、【地獄の業火】の簡易詠唱って?)
(お調べしました。{地獄から現れる、灼熱の炎よ。遥かなるこの大地を焼き尽くせ。【地獄の業火】}です。)
(ん、ありがとう。)
(お役に立てたのなら何よりです。では。)
「よし、行ける。」
「ホント!?タク!!」
「出来るわけがない。幾人もの彼氏がそれでつぶれてきたのだ。」
「いや、いけます。やりますね。」
「ほう?頑張れ(笑)」
「ユキ、キスしよう。」
「!?」
タクがユキにキスをする。
ユキはトロンとした目をしてこう言う。
「いきなりはダメだって(照れ)」
「ははは、ごめんね(笑)。じゃあ、{地獄から現れる、灼熱の炎よ。遥かなるこの大地を焼き尽くせ。【地獄の業火】}
すると、小さな炎が現れた。
(弱そう・・・?)
そう思った瞬間・・・炎に当たり、氷が昇華した。
(・・・何か、氷だから分からないけど・・・結構な高温だよね・・・。)
「成功しましたよ?」
「・・・合格だ。娘を頼む。最後に名を頼む。」
「タク・ミサワ・フィンです。侯爵です。」
「貴族か・・・。娘を・・・頼む。家に連れていってやってくれ。ユキの家はここと、タク。お前の家だ。」
「了解しました。」
「いいの!?」
「ああ、構わん。行ってこい。」
「ありがとう!!じゃあ、タクこれからよろしくね!!」
「オッケー。では、帰ります。」
「ああ、玄関まで送ろう。」
「ありがとうございます。」
玄関で別れるときに転移を見せて帰ってみた。
「タク侯爵・・・ヤバいな・・・。」
汗だらだらなエルクさんでした。
そうして、無事成功して、安心した二人はご飯を食べて寝ましたとさ。




