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歴史とDNA

日本の地域別ハプロ

作者: とびうお君

 東北のコーカソイド中々評判が良かったので、まだ残ってる話で、地域別から考えるってのを書いてみたい。これで重要なのは古いデータだと、C2Aがやたらと多くなってるけど、これ分類の失敗で大半C2Cだから。これは仕方ない。その後C2Aなんてあるのか?となってきて、今はC2Cの下位グループに加えることを検討中。よってC2Cが日本の大半のC2系のハプロになる。


 今まで過剰に出ていたC2A、大阪で一件見つかっただけ。これを細石器の担い手だと勘違いしてネットでまきちらしてしまったサイトとか多いから気をつけて欲しい。縄文系と弥生系のC2Cを区別するのは下位系統でもかなり突っ込んで見ないと無理。


 その点でC2(c2cを分けたデータは古いので信用できないのでまとめたデータで判別しました)の地域分布は細石器の担い手とするとおかしなことがある。それは東北でこれほとんど出ない。さてここでもう1つ大事な話しになる。少数ハプロはデータによって全く出方が違う。平均的にどのデータでもしっかり出るもの以外安易に結論を出してはいけない。それでも東北のでなさは異常に感じる。


 C2の地域分布を見ると北陸と北海道を除いては半島系の移民が多かった地域ばかり。意外に関東もしっかり出るのだが、これは高句麗の滅亡で埼玉への移民が歴史に残ってて、地名にも残ってる。始祖朱蒙の遺伝子を調べるのに日本の子孫のデータを使っている。あっちでは負けた一族なのであまり残ってないようだ。


 はっきり言えば、縄文系より弥生系のC2の割合が高いと地域別を見ていると感じてしまう。前回書いた北陸も高句麗百済の滅亡移民が移住したとの記録が残っていて、ベタな弥生系C2の可能が高い。


 前回書いた北陸の沿海州移住説だが、これにプラスしてO1B2の非47Zと組み合わせるとそれなりに高い。どれぐらい高いか?と言うと半島系が多い九州と近畿と同等かそれ以上になる。これは九州から半島に移住してきて近畿にいたるとのとは違うルートもあるんじゃないか?と思ってしまう。


 HLA分析によると、東北から北陸にかけて沿海州との共通性が見られるが、東北はC2の割合が低すぎて、かつ47Zが日本最大ぐらい多い。これは多分藤原家。まだ決定してないが、これだけ突出して大陸系の47Zが多いと藤原家しか考えられないって結論がどうしても出てしまう。


 これがハプロの扱いの難しさだが、直系に拘るY染色体とmtハプロはどうしても直系で残らなかったものを見落としてしまう。おそらく北陸と共通性はあるのだが、父母ハプロでは北陸ほど綺麗に出ない。後データの問題もある。他のデータでは北海道の非47Zの割合が全国で飛びぬけてるのだが、データ量もそこそこある。だが地域別グラフのデータでは特に高くない。


 そういったデータの不備も考慮しても東北の共通性はNによるものじゃないか?と見ている。時代がかなりずれるわけだが、母方のハプロは共通している。NであってもC2であっても大差は無い。基本同じクラスターの判別は動きの少ない母親の集団で決まる。世界各地に地域別に存在する母集団に父集団が移動するって構図が多いんだ。弥生人はその点母系ハプロを大量に持ってきてるので、民族すべてで移住したのが良く分かる。


 世界でも母系ハプロごと移住するとすると、シベリアでのアメリカ先住民、欧州の牧畜民。後は、やはり弥生人。民族の移動で有名なのは、後O2系の中国人が居るのだが、これ特に北方系の遺伝子が広がったのが分からない。この点ちょっと特殊かなと。アメリカは北は一族郎党って移住だが、南米はもろ父系だけ突出してRが多い。


 これは2つの見方がされてる。Qとともにシベリアルートで移住した初期R1bだった可能性。後はやっぱり男性の制服民だけが初期やってきてたっぷり現地の女性と子孫を残した可能性。欧州mtハプロとしてHの存在がある。また古いものではUになる。だが先住民からUは見つかってないため、アメリカでUが出ればほぼ移住者のものと見れる。


 mtでの話しになるとかなり異質なのは沖縄になる。アイヌだと違うが、正直MTハプロにはあまり違いは無い。沖縄だけがM7Aが目立って多い。縄文系ハプロになる。ただし何度も書いてるけど、これは古代沖縄のハプロではない。九州の縄文系のハプロになる。沖縄は縄文時代以降しか主流派の遺伝子は繋がってない。


 港川人などは、そのまま本土で増えた可能性はあるが、沖縄で増えたわけじゃない。これが台湾と全く沖縄の遺伝子が異なる理由になる。台湾からの移住者は一度本土に向かって混血後に九州から沖縄にきたため、本土に近いクラスターになってしまうためになる。M7Aのついなのか?分からないがC1A1が多少高い。


 これでC1A1こそが港川人だとならないようにしてほしい。正直私から言うと九州からの移住者なので分からないとしか言えない。はっきり言ってハプロの解説をしてるネットに溢れてるHPは、基礎の基礎の九州沖縄移住説すら全く知らない人が描いてる人が多すぎる。これ基礎中の基礎で明確に分かりきってるので、これを知らずにハプロからいろいろ推測してる話は一切無視して良い。(過去私も失敗したのだが…)


 さてコーカソイドの続きだが、Nが中央アジアで一番早くコーカソイドと混血した。これははっきりとした今の欧州人の形質を持った人たちになる。Nがもし東に戻ってきたら?その場合日本で発見されるNが白人だったとしても子孫のハプロからは分からない。


 一応日本のNは中央アジア組と系統が違う。だがすべてか?と言うと違う。そこまで分析したデータを私は知らない。アジアから欧州へ移住したので、縄文時代に入ってきただろう東北のNは当然古い系統になる。ただ詳細なデータを知らないと、Nが残っていた場合、中央アジア組のNが混ざっていても分からない。


 可能性はかなり高い。誰かが西から数多くの農作物を持ってきているから。中国でいち早く農業を始めたのはN系になる。N系は古代から農作物に敏感な傾向を持つ。シンプルにN系こそが、中央アジアで混血して戻ってきたコーカソイドの子孫じゃないのか?と私は考えてしまう。


 ただ通常こういった移住は一方通行になる。その点不可解な動きとは言える。過去こういった戻った集団があったか?と言うと私はあまりしらない。1つだけある。アフリカのE系集団になる。何故かこの集団出アフリカ後にすぐに戻ってしまっている。他のグループがネアンデルタールと混血したのに、このグループだけしてない。そうなると出てすぐ時期も早く戻っている。とても有名な集団で逆方向に向かった集団。


 後その見方が違っていて、NとRが混血した集団でたまたまNが濃くなってR集団が実は東北に来たのでは?ここで問題は言語になる。印欧語の影響が無いのはどうなのか?である。スキタイが顕著だが、西から東へと移住する流れでどんどんR系の比率を落として混血していく。今のモンゴル国の比率がその結果だとなる。


 これは東から西へ向かったトルコやフン族も同様だと思う。言語だけが問題なのだが、N系集団だと思い込んでいたが、実は西から東へ向かったコーカソイド集団だった可能性はある。どちらにしろ混血したNがその候補である可能性はある。縄文時代は早すぎやし無いか?で2つある。必ずしも最盛期だけに一度入っていきたとは限らない。青森の遺跡は後の時代で放棄されている。


 むしろそれが環境悪化が原因なら別の農作物でそれを補おうとする圧力が高まると考えられる。農作物が東北に入ってきたのは縄文後期の可能性も高い。次にN系はトナカイによってとても広いロシアでの分布を成し遂げた背景がある。雪原の騎馬民族ぐらいと比較されるぐらい民族の移動速度は速かったらしい。雪原においてはCじゃなくてNの独壇場といわれるような比較をされている。


 後また再び地域別に戻る。なんと言っても突出して面白いのが中国地方の異常なほどのO系の多さだろう。仮に天皇家がD系とするなら、D系の発展を一切受けてないほどO系が突出して多くD系が少ない。中国地方って多分過去の西日本中心時代の中の国って意味だと思うが、実際中国地方ってそのままこれ中国そのものだよってぐらい中国の南方北方ハプロで固まっている。


 特に面白いのが、O1B2の兄弟なのに、東南アジアではこっちの方が多いO1B1が日本ではほとんど出ない。これが高いんだ。南方からの移住説の後押しになるようにきちんとO1B1も混ざって移動したっぽい形跡が中国地方ではある。


 ただし、これ古墳時代の歴史中国人の移住の可能性も高い。確かに華北ではあまり居ないが、華南では珍しくも無い系統で日本の漢字は呉の発音になる。あの辺りと昔から交流が深かった。過去の南方系海人なら面白いのだが。ただ県別で見ると以前書いたが面白いものがある。熱帯ジャポニカの古い米が見つかったのが岡山で、その後、九州に近い時期に最古の中国地方の水田が見つかっている。


 岡山は他の地域と違って進んだ水田の受け入れがあった特殊な地域に成る。ここでO1Aが特に高く出る。ただこれは前書いた。今回は中国地方というセットで見るのが主眼でこれはついでになる。県別の方が面白いのだが、データいかんせん少ない。


 北海道も前見たデータと違うしと中々悩み物。だが北海道で一貫してるのはD系が中々高い。アイヌか?なら無視してよい。アイヌの人口どう考えても少ない。もちろん差別から申告しなかったらしい。アニメゴールデンカムイを見てると楽しんでる半面中々複雑な気持ちになるのだが、ハプロを扱ってるともろアイヌに関わってしまう。


 戦前何故差別していたのにここまで変わったのか?なら、2つある。戦前も戦後も一貫して朝鮮人差別があり、その差別のためにアイヌが戦後は利用され始めた。自分達はアイヌと同じ縄文で朝鮮人と違うって妙な純血主義…。お前らーーって節操の無さに嫌気が指すんだ。戦前のアイヌ差別の方がまだ理解できる部分がある。


 何故アイヌが差別されたか?でそれは朝鮮人差別と多分同根。西洋と覇権を争っていて、そのため遅れてるってのを異常に気にしてたから。アイヌをアフリカの黒人のように土人と読んでいたんだ。アイヌ差別は多分欧米の進歩主義に毒された結果だと思う。朝鮮も遅れた文明って事で日本が何とかしてやろうってのがあったから。


 差別はあかんと言うのは簡単だが、こうもころっとアイヌへの見方が変わるとうんざりするものがあるのと、後は戦後アイヌの申告が増えたんだよな…。だから人口が良く分からんのだ。


 それでもアイヌじゃないと思ってる。北海道のD系が多いのがアイヌの差別を逃れたこっそり子孫が多いのか?是非調査して欲しいものだ。これ結構簡単。アイヌのD系は本土で多くなった源氏系のものと系統が全く違うから。私は多分本土の武士の系統が屯田兵としてやってきたと見てるのだが。


 アイヌ差別が一番多かった北海道が実はD系の子孫が多いってのはなんとも皮肉だ。アメリカ先住民に隠れたR系と良く似た状況。血統よりも大事なのは文化の違いだと良く分からせてくれる。ただアメリカ先住民に隠れたR系はまだ明確にはなってない。


 後は取り立てて言う地域は無いかな。


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