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最弱の代行者  作者: ひとみ
16/24

始動する異端児の力

少女は走る。銀色に伸びた長髪を揺らしながら。


少女は蹴る。大空を。


少女は足を動かす。がむしゃらに。


その少女にとって、空を駆けるのは造作もない事だ。まるでそこに足場があるかのように虚空を蹴り、身体を一直線に飛ばす。無我夢中に、ひたすら駆ける。



少女にはあの光景が見えていた。否、今も尚見えている。


少女にとっては、自分の手を眺めるくらいの感覚で鮮明に見えるのだ。見えるのだけれど、手が届かなければ意味がない。


イサメだったらもっと速く走れるのに。ナイトだったら一瞬で移動できるのに。


少女は血が滲むほど唇を噛み締め、自分の無力さをただただ恨んだ。


だが、あと少しで目的の場所に着く。もう少しだ。


鮮やかに光る髪が空に虹を架ける。



「ダリアぁ……!」



少女は一段と速さを増した。

「よぉーっす、弟ぉ! おねーちゃんのご帰宅だぞ! 出迎えたまえ!」


「おっせーよ姉貴。待ちくたびれて生首に落書きしてたわ」


先程まで活気のあったこの公民館は、たった2人の吸血鬼が起こした惨劇の中に死んでいった。肉片が辺りに散らばり、大量の血痕が壁や床にこびりつき、その中で1組の男女が場違いな会話をしている。


2人とも白髪と赤い眼に加えて白い肌で、異性でありながらも容姿が似ている。


「で、『一隻眼』は強かった?」


「さあ?」


「『さあ?』ってなんだよ」


「だっていつ軍の増援が来るか分からないでしょ? だから本気出しちゃった」


テヘッ、と舌を出してお茶目さを出すシュウカ。


「うーわ姉貴キモ。ま、俺だったら瞬殺だったな」


「何言ってんのよ、あたしより弱い癖に。シュウトだったら負けてたわよ?」


「あ? 負けるワケないじゃん」


「……つーかあんた、まだ生きてるじゃない。殺すならちゃんと殺しなさいよ」


シュウカは溜め息を漏らし、虫の息で突っ伏している女性を容赦なく蹴り飛ばした。


「うっわ、ヒデーな。俺に歯向かった奴が何人かいたから、それを讃えて少しだけ生かしといてやったのに」


「だって可哀想でしょ?」


ケラケラとシュウカが笑い、釣られて弟のシュウも笑う。


「まあいいわ。おじさんの指示通り『一隻眼』も仕留めたし、さっさと帰るわよ。『拳帝』と『鋼鉄』が王都にいるみたいだし、来られたら厄介だわ」


「そうだな」



窓の外に人の姿は無い。周囲に気配も無い。人々は公民館の異変に気付き、いち早く逃げたという証拠だ。


そうなると、騒ぎを沈静化させる為に軍が動くだろう。おそらく『拳帝』が出てくる。


この国で『星呼び』に勝るとも劣らないと言われる『拳帝』を相手にするのは厄介だ。2人掛かりで勝てるかも怪しい。『鋼鉄』が来られたら更に厄介だ。


予定通り魔眼持ちの『一隻眼』は消し、小規模だったが王都に被害を与えた。強力な魔物の住まう“悪魔の大森林”が近隣にあるにも関わらず平和そのものだった王都も、今回の件で混乱に陥るだろう。


2人とも軽い会話だけして公民館を後にしようとすると、


「待ってシュウト」


「なんだよ姉貴?」


姉に制止され、弟は不思議そうに足を止めた。


「なんか……妙に明るくない?」


そう言われ、シュウトは顔を上げて高い天井を見る。落ちた照明のせいで少しばかり屋内は薄暗かった。が、確かに今はやけに明るい。


その正体は直ぐに分かった。


「なんだ……あれ?」


天井に穴が空いていたのだ。綺麗な円を描くように天井はくり貫かれていて、太陽の光が屋内を照らしている。


2人が目を凝らして見ていると、光と共に何かが降ってきた。


少女だ。


少女は銀色の長髪は虹色に輝かせながら無音のまま着地し、静かに立ち上がる。


「あれは……まさか竜人?」


明らかに普通の人間ではない少女を目の当たりにし、シュウカは目を細めた。


会ったことはないが、蛇のような尻尾と頭から生えた角は竜人の特徴だと聞いている。だが何故こんな場所にいる? 王国には生息していない筈。


「竜人……だって? 待てよ姉貴。確かに似てるが、帝国の方に生息してんだろ? なんで王都にいるんだよ」


「知らないわよ。その子に聞けば?」


と少女に向かって顎をしゃくるシュウカ。


「そりゃそうだ。おいお前、いったいなんなんだ?」


「………」


少女は吸血鬼には目もくれず、壁際で倒れた青年の所に足早に駆け寄る。


膝を突いて大事そうに青年の身体を抱き上げた少女の身体は、辺りに星を散らすように光を放ち、青年を包み込んだ。


「ちっ……」


無視されたのが気に食わなかったシュウトは、乱暴な歩きで死体を蹴り飛ばしながら少女に近付く。


「そいつのお友達か? 悪いな。殺しちまったよ」


「……うん、知ってる」


少女は青年に治癒魔法を掛け終わらせ、静かに青年を寝かせて立ち上がる。そして狂気に染まった顔だけをシュウトに向け、


「だから君らは消えて」


シュウトの頬が殴られたように陥没し、爆発した。



「……おい、いきなり何しやがる」


幾重にも重なって起きた爆発が終わりを迎えると、煙の中からおぼつかない足取りでシュウトが出てきた。


「いってーな」


焼けただれた頬を手でなぞって怒りを露にするシュウト。結構なダメージが入ってしまった。


いきなりの攻撃で驚きはしたが、まあ、なんて事はない。だってほら、もう傷は癒えた。


吸血鬼はスバ抜けた生命力と再生能力を持つ。腕がもげようが、足が取れようが、霧状に分解して再び形成する事が出来る。


しかし、とシュウトは目を細める。


なんて事はないのだが……なんだ今の攻撃は? 魔法を行使する動作が全く無かった。普通なら詠唱なり魔法陣が展開したりと、何かしらアクションがある。


吸血鬼に生命力と再生能力があるように、竜人ならではの特異能力があるのか?


なんにしても、年端もいかない少女から感知できない攻撃を受けてしまった。それが重要だ。


「……シュウト、あの子強いわよ」 


姉が隣で臨戦態勢を取る。シュウカも鋭い眼光でこちらを眺める少女の異様さに気付いらしく、


「あんたじゃ無理ね。下がってなさい」


シュウトの前に出て、複数の魔法陣を展開させた。



「君らちょっと……」

 

少女がポツリと呟く。


「……うるさいかな」


放たれた言の霊が吸血鬼2人を突き抜け、2人は崩れるように膝を着いた。否、着かされた。


尋常ではない重圧がのし掛かる。立っていられない。


「くそっ……! なんだこれ……!?」


シュウトは力任せに抵抗し、なんとか顔だけを上げて少女を睨み付ける。


「……その目は何? まあいいや。ここが君らの墓場だ。念仏でも唱えといてよ」


シュウトは何かの気配を感じ、ふと下を見る。と、地面から白い手のようなものが生えていて、足を掴んでいた。


「は……?」


シュウトの目が白黒になり、汗が頬を伝う。


足が、地面に沈んでいた。白い手のようなものが、足を地の中へと引きずり込んでいる。


その直後、裂かれるような痛みが沈んだ足全体に走った。足が沈んでいく度に足が細切れになるような激痛が襲ってくる。


「あがっ……!」


叫ぼうとしたが、新たに地面から生えてきた白い手のようなものに首を締められ、声帯を潰された。


何も出来ないまま胸までが地面に沈み、血走った眼から悲痛による涙が流れる。



「……逝ってらっしゃい」


少女の別れを最後に、シュウトは喰われた。


「シュ、シュウト!」


重圧に耐えながらシュウカは弟の名を叫んだ。だが、答えてくれる弟はもうそこにはいない。


「くっそ……!」


シュウカは悲鳴を上げる身体にムチを打ち、表情を強ばらせながら立ち上がる。


気力に任せて立ち上がったシュウカだったが、今の状況を理解できてはいなかった。頭が真っ白になっていた。


いや、分かるには分かる。突然竜人の少女が空から現れて、シュウトはその少女に呆気なく葬られた。抗う暇も無いまま。


この少女はヤバい。本能がそれだけを繰り返して告げてくる。


だが引き下がる訳にはいかない。こんな少女に遅れを取るのは不服だし、シュウトの仇討ちもある。


「調子に乗るな……!」


シュウカは身を低くして、地面を蹴った。少女との距離は目と鼻の先。その首を刈っ切ってやる。


少女との間合いは直ぐに詰まり、シュウカが腕を伸ばそうとしたその時だった。


少女の頭上に白い稲光が走り、空間が歪んだ。


空間をこじ開けるように、歪みの中から何か棒状のようなものが出てくる。それも巨大なもの。


シュウカはそれが何かを確認しようとしたが、確認する前にこちらに向かって振り下ろされた。一瞬で視界が暗闇に染まり、


「なっ……!」


頭に鈍い衝撃音が響いたのと同時に、シュウカは意識を手放した。




「さて……」


少女が首を無くした吸血鬼を見下ろす。その頭上には、血の付いた大剣が浮いている。


この首を無くした吸血鬼はもう死んでいるが、残った身体をそのまま置いとくのは気分が悪い。処分してしまおう。


頭上に浮かぶ大剣が振り上がり、残った身体に向けて容赦なく一撃を落と───


「そこまでだ、リュウ」


される事はなかった。


振り落とそうとした一撃は、なんの前触れも無く現れた目の前の男性に平然と止められた。


「……ルシファー、どうして止めるの?」


少女は眉を潜めて眼前の男性───六翼の堕天使を睨んだ。



 ☆



俺は右手と左手それぞれにつるはしを携え、地中を堀広げていた。


図書室を造ろうと意気込んでから地下を堀始めて1週間ぐらい経つが、俺がイメージする広さにはまだまだ遠い。なんせ己の腕っぷしだけで岩盤と戦っているかな。進む早さには限界がある。


「……あ」


思い切り岩盤につるはしを叩き付けたら、根本からポキリと折れてしまった。


まだ右手のつるはしが残っているので、それも岩盤に向かって叩き付ける。


「あーあ」


また折れた。堅いな、この岩盤。まあ、道具が折れちゃったし今日はこれくらいにしておくか。


別に魔法をぶっ放して堀広げてもいいが、それだと芸がないし、直ぐに図書室が完成してしまう。ぶっちゃけ図書室造りなんてただの暇潰しだから、気が向いた時に進めればいい。



地下から出て6階の厨房へと向かい、冷蔵庫を開けて中身を物色する。


……なんもねーな。いや、俺は栄養なんていらないんだけど、味覚を潤したくなる時が偶にある。


この時間だと金髪メイドと付き添いでツインテ娘が買い出しに行ってる時間か。


くっそ。お菓子ぐらい置いとけよな。仕方ない。隅にあるヨーグルトで我慢しよう。


ヨーグルトを手に持ってその辺の椅子に腰掛けると、天使の方の翼が輝き出した。


『あーいいのぅ、ヨーグルト。一口分けてくれんか?』


翼から聞こえて来たのは若干幼さの混じった若い女性の声。俺が使役する天使の1体だ。


「やだ」と俺は一瞬する。


『えーイケずー。それよりも、ヌシの羽の中はいい加減飽きたわい。いつになったら出してくれるんじゃ?』


「羽じゃねー、翼と呼べ。羽だとなんか弱そうじゃん」


『似たようなモンじゃろ。ワシもなぁ、早くアルジサマにお目通りしたいのじゃが』


相変わらずこの天使の口調は特徴的だな。古風な喋りなくせに所々イントネーションが可笑しい。


因みに『アルジサマ』と言うのはダリア様の事である。


ダリア様が俺達5人と1匹を召喚したあの日、ダリア様から流れ出た魔力は俺達を呼んでも尚底を尽きる事は無かった。


その魔力を使い、俺が代わりに天使を召喚した。一応この天使は俺の使い魔になるが、ダリア様が本命だ。


「ダメ。だってお前うるさいじゃん」


『えー』


「ただでさえうるさいのがダリア様を囲んでんだぞ? お前を出したら余計に鬱陶しくなる」


『ケチー』


『ミカエル、我儘ヲ言ウモノデハアリマセンヨ』


天使の声が増えた。この無機質な声はメタトロンのものだ。


『ルシファー様ニハ何カ考エガアッテ我々ヲ出サナイノデハ?』


『多分何も考えて無いと思うぞ? ワシがうるさいみたいだしのぅ』


「分ーった、分ーったよ。そんなにいじけんなって。ダリア様にそれとなく示唆してから出してやるよ。いきなり会わせたらダリア様がビックリする可能性があるし」


『その言葉、忘れるでないぞ?』


「はーい」


俺は適当に間延びした返事をする。


俺の天使の方の翼には、ミカエルとメタトロン、あとガブリエルの三天使が収まっている。


天使の方の翼には、だ。


そう。反対に生える悪魔の翼にも使い魔がいる。3体の悪魔が。


悪魔達は見た目が恐怖そのものだから出したく無いが、出さなかったらこいつらも文句垂れんだろうな。



「……ん?」


ヨーグルトをスプーンで(すく)って口に運んでいると、背中に妙な違和感を覚えた。天使の翼の方からだ。何か嫌な予感がする。


翼を広げて見てみると、羽根の1枚が淡い光を放っていた。その羽根は独りでに動いて翼から抜け落ち、


『のぅルシファー、ヌシの大事な翼から羽根が1枚落ちたぞ?』


ミカエルがそう言った直後、床に落ちた羽根が砕け散った。


「………」


『どうしたんじゃルシファー?』


「……緊急事態だ天使共。今出してやるから俺の指示に従え」


『一体ドウサレタノデス?』


メタトロンに疑問を投げられたが、答えている暇は無い。そんなものは後でもできる。


俺は天使3体を呼び出す為、天使の羽根3枚を宙に向かって投げる。


羽根達は直ぐに白い炎のような形の光芒へと変化し、部屋全体を眩い光で多い尽くす。



間も無くして俺の目の前に現れたのは、神秘的な雰囲気を醸し出す3体の天使だった。


まず俺から見て右の女天使がミカエル。頭の上には水色の光球が浮遊していて、水色の髪でお下げを作り、和服ドレスなるものを着ている。


真ん中の長身の男天使がガブリエル。黄色い輪っかが頭の上にあり、金髪ポニーテールで上半身は裸に近く、腕には雷を模したような刺青が入っている。


で最後はメタトロン。黄色いローブで全身を覆い、顔もフードで隠している。


「で、用件はなんなのじゃ?」


とミカエルの頭上の光球がクエスチョンマークの形を作る。


「ダリア様が危険な状況に置かれている。今直ぐに治療の準備に取り掛かれ。以上だ」


「それだけかの? もうちょっと詳しく説明を……」


「以上だ」


「ぐっ……」


睨み付けたらミカエルがたじろいだ。頭上の光球もビックリマークを表現している。


そのミカエルの隣で、ガブリエルがパチンと指を鳴らして鼻もフフンと鳴らす。


「オッケーオッケー! ルシファー君、つまり僕達は治療の準備をすれば良いって事だね?」


「ガブリエル、今ハ時間ガ惜シイト見マシタ。早ク準備ニ取リ掛カリマショウ」


物分かりの良いメタトロンが2人を引っ張り、部屋を出て行った。



さっき砕け散った羽根の正体だが、あれはダリア様にお渡しした御守りに連動している。


ダリア様に何か危険が迫った時、御守りに封じ込めた魔法の1つである魔法防壁が自動で発動するが、それが発動すると俺の羽根が反応してダリア様の危機を知らせてくれる。


この魔法防壁は状況に応じて効果を変える。例えばダリア様が階段から落ちた時、ダリア様を守る為にこの魔法防壁はクッションのようになり落下ダメージを防いでくれる。


魔物に襲われた時は魔物を弾き飛ばす。



俺は急いでダリア様の部屋に向かい、事実を確認する為にノックをして中に足を踏み入れる。と、やはりダリア様の姿は無かった。


屋敷内のどこかでリュウと遊んでいて高所から落下してしまった、と思いたいが、そういう訳にはいかない。


魔法防壁が発動した場所が、屋敷の外。つまり王都で発動した。羽根の砕け散りようから、何かに襲われて発動したのだろう。


恐らくダリア様はお1人で出掛けられた。リュウは見た目が人間ではないから目立って騒ぎになる可能性がある。付いていってはいない筈だ。


そもそもリュウがダリア様のお側にいれば、魔法防壁が発動する前にリュウが手を打っている。


「………」


……いや、考察より事実の確認だ。今ダリア様は危機的な状況にある。打開せねばならない。


吐き出しの窓を開け放ち、敷地の中心にある噴水の上に降り立つ。


六翼を大きく広げて空に浮かぶ月を見上げた。


月が赤く染まり、まだ日が高いのに夕焼けの空に一変した。


俺が起こしたこの異変で国全域が騒ぎになるだろうが、国は吸血鬼に関連付けて処理するだろうから問題ない。


事実、俺達が召喚された日の赤い月は、吸血鬼が出現する予兆だという事で処理されている。


あの時の赤い月に吸血鬼は関係無い。あれは召喚の影響だ。



じゃあ手短に情報収集といこう。


ダリア様の位置情報を取得。

ダリア様の現在の状況を取得。


赤い月を介して情報を得ていく。


吸血鬼の出現によりダリア様が瀕死状態。

クラスレジェンドの『一隻眼』は再起不能。

リュウが吸血鬼と戦闘開始。


「………」


ダリア様が瀕死……最悪の状況だ。俺が屋敷にいながら、主1人の動向も掴めていないとは……。


己の不甲斐なさと吸血鬼への怒りでが平衡感覚を失いそうになったが、深呼吸をして冷静を保つ。今は自分を戒めるより、ダリア様の元へ早急に向かわねばならない。


赤い月に昼間の夕焼け。これは別に情報を収集する為に起こした異変ではない。やらなくても情報収集はできる。


この異変はあいつらへの知らせなのだ。ダリア様が危機に瀕しているという。


あいつらが居なければ完璧に事を進められない。この異変に気付いて屋敷に飛んで来るだろう。


月を介してみると、あいつら───イサメ、ナイト、コロネ、シロが屋敷に到着するまで後5秒だ。


4、3、2、1……。



「……来たな」


背後に4つの気配を感じ取り、俺は翼を畳んで振り向く。


「全員俺の指示に従え。イサメ、お前は治療の準備をしろ。既に天使達を先行させている」


「あの、ルシファー殿、ダリア様の身に何が……?」


イサメが恐る恐る聞いてきた。


「ダリア様は瀕死状態にある。時間が惜しい。ナイトは空間転移の準備だ。俺とナイトとコロネとシロで現場に向かう」


「だ、ダリア様……瀕死……? な、なんでよ……? どういう事……?」


ナイトが顔を青くする。イサメもナイトも取り乱し過ぎだ。俺も人の事言えないが。


「教えてる暇はない。コロネとシロは現場で待機だ。後で指示を出す」


「分かった。待機だな」


「了解しましたわ」


コロネとシロも心が乱れているのか声調にムラがあるな。イサメとナイトに比べれば冷静だが。


「ナイト、今から座標を言うから転移しろ。で、お前はダリア様を連れて直ぐに屋敷に戻れ」


と俺はナイトに指示を出すが、ナイトは平静を取り戻そうと胸に手を当てて瞑想をしていた。気持ちは分かるが早くしろ。


「……いいわよ」


3秒後。ナイトは静寂を取り戻すと同時に擬態を解いた。ナイトの周りの空気が清み渡っているのが分かる。


ナイトの尻からは擬態で隠していた狐の尻尾が生え、頭に付いていたツインテールは狐の耳に変わり、全体的に赤いのは変わらないが、髪には綺麗な金色が混じっている。


これがナイトの本来の姿だ。狐の獣人を模した容姿で、抑えていた力を色々と解放している。


「ダリア様の居場所を教えて」


「ああ。この屋敷を基準に……」


「やっぱりいいわ。見えたから」


とこのように、王都ぐらいならナイトでもチェスの盤を眺めるような感覚で、生物や建物群の位置情報を獲得できる。


「行くわよ」


間髪を入れずに、ナイトは空間転移を使用した。



まばたきをする間も無く景色が一転し、目的地である公民館の中に到着。死体が転がってるせいか血生臭いな。


ナイトは直ぐに微動だにしないダリア様を抱き抱え、近くに落ちていた腕を回収して屋敷に戻って行った。文字通り一瞬の動きだった。



で、俺は俺で行動開始だ。視線の先には首無しの吸血鬼に向けてリュウが大剣を振り下ろそうとしている。


別に灰ごと消してもらっても構わないが、まだそいつを消すには早い。その吸血鬼には利用価値がある。


俺は床を蹴ってリュウとの距離を詰める。もう一度空を蹴って角度を変えてリュウと吸血鬼の間に立ち、振り下ろされた大剣を右手で受け止める。


みしぃ、と床のフロアが軋んだ後、地面が陥没した。


予想以上に重い一撃だった。腕がいてー。調子に乗って片手で受け止めなけば良かった、と後悔。俺殴る蹴るより魔法ぶっ放す方が得意なんだよね。


「そこまでだ、リュウ」


「……ルシファー、どうして止めるの?」


リュウが明らかな敵意を込めた目で俺を見据える。


「自分の両胸を鷲掴むように手を当てて考えてみろ」


「その吸血鬼を……庇う気なの?」


「じゃあ聞くけど、お前こそ何してんの?」


「は……?」とリュウは凍り付いたように目を丸くし「なんでそんな事聞くの?」


「だから『何してんの?』って聞いてんだよ」


「……吸血鬼の始末、だよ。見てると気分が悪くなるから」


リュウはそう言いながら長い尻尾を動かし、吸血鬼に尾先を向けて殺意を示した。


「はぁ……」


それを見て俺は一つ溜め息。


「じゃあリュウ、お前にとってダリア様より吸血鬼と遊ぶ事の方が重要って事だな?」


「……何を言ってるの? ボクは遊んでない」


リュウは吸血鬼への憎悪が膨らみ過ぎてて思考が乱れてるみたいだ。じゃあ言ってやるよ。


俺は1歩詰め寄り、言葉に圧を持たせて問う。


「命が懸かってるダリア様より吸血鬼の方が大事なのかって聞いてんだよ」


「そ、れは……」


その一言で、リュウの憎悪が消え失せた。


「止血はしたみたいだが、それだけでダリア様が助かると思ってるのか? ダリア様が危険な状態にあったのはお前なら分かっていただろ? なのになんで吸血鬼の相手をしていた?」


一拍。


「ダリア様が出掛けたのなら、それを俺に伝えてくれていれば状況は変わっていた。吸血鬼が出現した時に教えてくれていれば、こうはならなかった」


俺もナイト程ではないが空間転移に覚えがある。それに王都程度の距離なら屋敷に居たって普通に魔法が届く。吸血鬼ぐらい沈黙させられる。


寧ろリュウの方が遠距離魔法は得意だろう。それをしなかったのは頭に血が昇って身体が先に動いてしまったからだろうが、何をこじつけようとリュウの行動は愚劣極まりない。


リュウの額からは汗が流れ、小さくなった瞳が小刻みに揺れる。


「……ボク……は……そんなんじゃ……」


消え入るような声で顔を伏せた。


「……ボクは……ボクは…………」


リュウはその場に踞り、やがて生気を無くした植物のように動くのを止めた。



「……コロネ、リュウを屋敷まで連れて行ってくれ」


「分かった」


コロネは一つ頷いてリュウの頭の上に飛び乗り、リュウの頭を軽く叩いた。


「行くぞ、リュウ」


「………」


「重症だな」


そう言うとコロネは身体を黒い液状に変え、球体を作るようにしてリュウを包み込んでいく。包み終わると黒い球体は形を崩し、影に吸い込まれて消えた。


コロネとリュウを見送ると、急に虚無感が俺の心を支配した。何の気なしに手のひらを眺める。


……リュウにああは言ったが、俺も屋敷に居たのにダリア様が窮地に立つまで何もしていなかった。


穴掘ってヨーグルト食ってた俺が言えた事では無かったな。


俺は静かに手を握り締め、歯を食いしばる。


「……力を持っていても、主1人も守れないようでは、無いのと一緒だな」


それは俺の独り言だったが、シロが返事をくれた。


「『俺とリュウがいながらダリア様を危険に晒した』と責任を感じてるのならお止めなさい。あなた達だけの責任ではありませんわ。私達にも非はありますもの」


「お前達は出掛けていた。悔いる必要はない」


「いいえ」とシロは首を振り、少しだけ間を置いてから言葉を繋ぐ。


「……ダリア様に何かあった時点で、私達の責任ですわよ」


「そう、言ってくれるか……」


“私達”と言う部分が強調されていた。イサメもナイトもコロネも同じ気持ちなのだろうな。ダリア様を窮地に置かせてしまった、と。


「責任を感じてる割にお前は元気だよな」


「自分の無力さは痛感していますけれど、私は後悔も反省も嫌いなので、前だけを向くようにしてますの。今後このような事が起こらないようにどうすればいいのか考えるべき、ですわ」


「ダリア様に触られただけで転倒するくせに、言う事は一丁前だな」


「あれ……? 励ましたのになんか馬鹿にされていません?」


まあ、シロの言う事は尤もだ。後悔も反省も捨ててはならないが、んなものより今後を見つめるのが先決だ。


「それよりもルシファー? その首の無い吸血鬼に用があるのではなくて?」


シロが俺の隣に立ち、吸血鬼を見下ろす。


「数km先に大きな反応がありますわ。多分騒ぎを聞き付けた軍ですわね。用があるなら早く済ませた方が宜しいかと」


「そうだな」と俺は相槌を打ち、吸血鬼に手を(かざ)す。すると、吸血鬼を囲うように環状の魔法陣が展開した。


それを見てシロが不思議そうに腕を組む。


「何をするんですの?」


「こいつから記憶を読み取る」


「記憶……ですの?」


「ああ。吸血鬼の行動には不審な点があるからな」


俺が気になったのは、吸血鬼がこの公民館を狙ったって事だ。月を介して見ていたが、初めから公民館に目を付けていたかのような会話が聞こえた。


狙うなら都心部の方が混乱が起きやすいだろうに。まあ吸血鬼の記憶を覗けば分かる事だろう。


「前に国が死ぬって言ったろ?」


「ああ、この前話してくれましたわね」


「おそらく、この吸血鬼も関与している───」



 ☆



───国が死ぬ。


俺がそう言った途端、全員が互いの顔を見合わせ、代表してイサメが疑問を投げてきた。


「国が死ぬ、ですか……。抽象的ではありますが、確かにダリア様に危険が及びそうですね。詳しく聞いても?」


「俺の描いた未来はこうだ───」



───今回起きたライブ騒動だが、あれは人を操る力を有した数珠の古代遺産の実験に過ぎない。奴らの本当の目的は他にある。


それが、王国軍を意のままに操る事だ。


「……ん? 待ってルシファー。軍の全体の人数知ってる? 王国の総人口の3%よ? その全員を洗脳するなんて無理よ絶対。それに王国だって広いんだし、各方面に駐在する兵士達を操る手段が分からないわ」


ナイトの疑問は尤もだ。だが考えてもみろ。今この王都には、各方面に散らした兵士の中から、吸血鬼を討伐する為だけに選ばれた精鋭達が王都に集結している。


軍のクラスレジェンド連中を除けば、主力級の奴らだろう。吸血鬼に対抗するには生半可な実力では相手にならないからな。


つまり、だ。王都にいる軍さえ洗脳できれば、その3%の大多数を操っているのも同然じゃないか?


劣化版であるはずの複製品ですらあの騒ぎを起こしたんだ。原物なら王都にいる軍ぐらい掌握できるだろう。


「……眠い」


「軍を操るのは分かりましたわ。でも、どうして軍を操るんですの? 恐怖政治でも行いますの? 若しくは他国に戦争を吹っ掛けるとか?」


いや違うな、シロ。国が死ぬって言ったろ? 国は国民無くしては成り立たない。国民が居なくなれば国は死ぬ。


「……まさか、軍を操って国民を……?」


お察しの通りだ、シロ。軍を使って国民を皆殺しにする気だろう。


権力者貴族連中を操って独裁政治を敷くわけでも、国民を操って革命を起こす訳でもない。


ただ純粋に、皆殺しだ。


「……眠い」


「古代遺産を使って軍を操り国民への理不尽な大量粛清……なるほどな。で、“誰”がそんな事をするんだ? お前には答えが見えているんだろう?」


コロネはせっかちだな。まあいい。


そいつは……いや、そいつらは王国の人間に対して尋常ではない憎しみを持っている。国に住まう人間を皆殺しにしたいくらいに。


人間と大差無い容姿と知能を持ちながら魔物と蔑まれ、

10年前には歴史に名を刻むほどの大惨劇を起こし、

ついこの前にはマルーシ街を半壊させた。


誰だと思う?


「吸血鬼ですか?」


正解だイサメ。


「しかしルシファー殿、今の『人間と大差無い容姿と知能を持ちながら魔物と蔑まれ』と言うのはどういう意味ですか? 吸血鬼は魔物では無い、みたいな言い方でございますね」


1つ、話をしよう。



『むかしむかし、みんながすむところに、わるいまもののおうさまがあらわれました。


わるいまもののおうさまはみんなにひどいことをするので、みんなこまってしまいました。


こまったみんなは、ちからをあわせて、わるいまもののおうさまをたおすことにしました。


でもわるいまもののおうさまはとってもつよくて、みんなかてませんでした。


そこに、4にんのえーゆーがあらわれました。


4にんのえーゆーはとってもつよくて、わるいまもののおうさまをたおしました。


4にんのえーゆーのおかげで、みんなにえがおへいわになりました』



出版されているとある児童書の内容だ。だがこれは修正の加わった内容で、修正前のこの児童書にはもう1つ文が存在したんだ。


「……眠い」



『───でもわるいまもののおうさまはとってもつよくて、みんなかてませんでした。


“そして、なかまのなんにんかが、わるいまもののおうさまのなかまになってしまいました。”


そこに、4にんのえーゆーがあらわれました。


4にんのえーゆーはとってもつよくて、わるいまもののおうさまたちをたおしました───』



遠い昔、人間と獣人と妖精と竜人……そして吸血鬼も同じ“人”だったんだよ。


そこに、魔王と呼ばれる災厄が出現した。吸血鬼は圧倒的な力を奮う魔王を見て、人間達には勝ち目が無いと踏んで魔王側に寝返ったんだ。


だが英雄達の活躍により魔王は消滅し、寝返った事により魔物の烙印を押された吸血鬼は今に至るまで迫害を受けている。


児童書で説明したが、この“吸血鬼の裏切り”という記述はどの歴史書にも似た表現で記されている。


まあ魔王が存在したのは随分昔だ。捏造されている可能性も考えられる。もしかしたら裏切りではなく、魔王に一族全員が操られていたのかもしれない。真偽は分からないが。


魔王は文明崩壊させるレベルだ。洗脳を使えても可笑しくはない。もし魔王に操られていたなら、吸血鬼は長い間汚名を着せられている事になるな。


裏切りによる逆恨みより、汚名を着せられた事による痛みの方が憎悪は深いだろう。皆殺しという考えに行き着くのも頷ける。



───とまあ、これが俺の見解だ。今のところのな。俺が視た未来の中でも最悪の未来だ。正直、情報が足りないから詳しい未来は見えない。情報が集まってくれば未来も鮮明になるだろ。


お前建ちには、間違いなく平和は崩れ去る、ってのを伝えたかった。


「……眠い」


てかさっきから喧しいんだよ、このチビ! 真面目な話してんのによ。


「……む。チビって言うな。早く話終わらないと、ナイトの胸がもげるよ……?」


「えっ。なんで私?」


「……ルシファー回りくどいんだ、もん。つまり、ダリアが危ないんでしょ? ボクらは何するの?」


取り敢えず原物の古代遺産を見付ける事だな。それが無ければ事は起きないだろう。あとは計画の主犯を捜し出して、1発殴って檻にぶち込む。


「……うん、分かった。善処する」


あ、待ちなさいチビ助。まだ話は終わってないぞ。これから俺の爆笑もんのトークがあるんだぞ。


「……チビって言うな。成長期だもん。伸びるもん」


「どうやら話は終わりみたいですね。わたくしも屋敷の掃除がありますので、これで……」


「じゃあ私も寝るわね。また明日」


「私もおねんねしますわ。お休みなさい」


「じゃあ俺も寝る。ルシファー、また明日な」


えー。皆寝んの早いよ。暇なんだよ。


イサメは起きてるからちょっかいでも出しに行くかな。



 ☆



───俺が首無しの吸血鬼から記憶を読み取り終わるのと同時に、追想に(ふけ)ていたシロが口を開いた。


「あの、ルシファー? あの時の話を思い出したのですけれど、貴族や権力者の中に吸血鬼が混じってる、と言う事ですわよね? 吸血鬼討伐の為とは言え、各方面から主戦力を召集するなんて、結構な権力を持ってないとできませんわよね?」


「……いや、吸血鬼じゃないな」と俺は首を横に振って否定した。


「吸血鬼も結構な肩書きを持っているが……どうやら協力者がいるな。協力者の名前も顔も分からなかったが、その協力者は何かを企んでる」


「その協力者が、かなりの権力の持ち主って事ですの?」


「だろうな。軍の主戦力を集めるのも、古代遺産を持っているのも、吸血鬼を王都に潜り込ませて『一隻眼』を始末できたのも、その協力者のが居たからこそで来た荒業だ」


記憶を読み取って分かったが、吸血鬼と協力者『一隻眼』の魔眼を恐れていた。


人によって魔眼の力は変わる。幻術や人の吐いた嘘を見破るのも存在すれば、人間かどうかを見分けるものもある。


だからレベル測定が今日行われるのを吸血鬼姉弟にリークし、『一隻眼』を抹消した。吸血鬼の正体がバレたら計画に支障が出るからだ。


「それにしても、ルシファーの持つ情報量には感服しますわ。貴方の頭の中には小宇宙が広がってますのね」


「仕事ついでにナイトとかメタトロンに買い漁らせた情報誌や歴史書、古本をひたすら読んでるからな」


情報が無ければ未来を予測できないからな。


とは言え、人が作ったものだから必ず嘘と真実が入り交じっている。まあ矛盾を探し他の情報と辻褄を合わせて真偽を見極めているのだが。


「とにかくだ、シロ」と俺は前置きを作る。


「お前にやって貰いたい事がある」


「なんですの?」


「もう直ぐ軍が到着するから、この現場の目撃者としてこの場で起こった事を証言してほしい」


「証言? 人の姿に変身して証言しろ、って事ですわね? 何を言えばいいんですの?」


「流石にリュウが吸血鬼を始末したとは言えないだろ?」


「そうですわね」


銀髪の少女が吸血鬼2体を始末した。これを誰が信じるだろうか? しかも軍が到着する前に倒している。戦闘の形跡すら残していない。


妄言臭い事実を言うよりも、確実に軍が信じる嘘を吐いた方が利口だ。俺達が有利に事を進められるようにする為の嘘を。


「だからこう言え。『この場にいた誰かが召喚魔法を使って召喚獣に呼び吸血鬼を倒した。吸血鬼を倒したら役目を終えて召喚獣は消失した』とな。召喚の痕跡も戦闘した形跡も俺が作る」


「そんな話、誰が信じてくれますの? 吸血鬼2体を短時間で倒すなんて、神獣や大天使クラスを召喚しないといけませんのよ? それがどれだけ困難を極めるかは分かっていますわよね?」


シロが異を唱えてくる。俺に聞かないで少しは自分で考えてほしいものだ。


「なら信じさせればいい。お前なら簡単だろ?」


「えーっと……」


シロは声を濁して首を傾げる。


「確かに洗脳するぐらいできますけれど……」


「違う」


俺は頭ごなしに否定し、そろそろ時間も無いので手短に言う。


「シロ、一隻眼に変身しろ。そうすれば一発だ。あとは……これを渡しておく」


俺が手帳を渡すと、シロはまた首を傾げた。


「これは、なんですの?」


「一隻眼に変身した後のお前のシナリオだ」

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