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理不尽達のチートぶり

かーんえーだよー。

ども、翰哉です。

いやぁ、夏休みが終わりましたよ。

絶望ですよ。

ちくしょう、これから惰眠を貪れなくなる。


「今度は普通に話そう。」

 

この世界に来た途端命令されてそれについて詳しく聞こうと思ったらいきなり魔法をブッパなされて防いだら命乞いをされたり、何なんだよ。

もしかしてこれがこの世界の礼儀だったりするのか?

……いや、無いだろ。

 

「いや、そもそもこの世界に話し合いって言葉はあるよな。」

「も、もちろんだとも。」

 

アドルは恐怖と戦いながら答える。

正直言って鬼神達にこう受け答えしている時点でありえないほどの精神力を使う。

だからそれをこの場で虐殺を起こさないように気を配ることが出来ているアドルは立派な王だと言えるだろう。

 

「あ、そうだ。出来れば鏡のある部屋かもしくは手鏡を貸して欲しい。」

 

夜音が遠慮なく要求するが先ほど涼が唯一の入口を魔法を塞いで閉まっておりここは完全な密室になっている。


「あっ、ごめんッス。ちょいとお待ち。反石壁アンチストーンウォール。」

 

そういい涼が石壁を壊す。

 

「では、と、取りに行ってまいります。」

 

1人の魔術師が鏡を持ってくると言いバケモノから逃げらように走り去っていった。


いや、これ例えじゃなくて本当に逃げたんじゃないか?

帰ってくるのか心配になってきたぞ。

 

そしてわずか5分後、先ほどの魔術師が巨大な、それこそ店とかの壁に張り付いているくらいの人が丸々写る鏡を一人で抱えてきた。

 

というかこれ、後ろに接着の痕があるけど。

まさかどこかの部屋から剥がして来たのだろうか。

いやいや、まさかな。


「うーん、割と美形になってるな。しかも筋肉とかも来る前より断然に引き締まってるし。というかこれじゃニット帽かぶれんな。」

 

夜音は額から一つ長細くしかし力強さを感じさせる白い角が生えていた。

ここは明らかに人とは違う部分だった。

 

「なんか俺の髪の毛が真っ白になってんだけど。なんでお前ら教えてくれなかったんだよ。」

「「聞かれなかったから(っす)」」

 

智生が不貞腐れながらも鏡に写る自分を見る。

 

うーん。

やっぱし、違和感があるな。

現代日本で高校生で白髪がいたら相当痛い目で見られたな。


でも、こっちの世界なら多分大丈夫だろう。

何せ周りがカラフルすぎる。

アドルは蛍光色の緑だし、他にも赤や青、半分白に半分紫なんかもいる。

まだ白はマシだな。

 

角は夜音とは違い黒の若干太め長いのが2本、額から生えていた。

なんかこの角に意味とかあるのだろうか。

無かったらただ恥ずかしいだけなんだけど。

 

「げっ、僕も髪の色変わってるッスね。なんで教えてくれなかったんッスか。」

「「聞かれなかったから。」」

 

涼も髪の色が変わっていて元々黒色だったのか灰色になっている。


というか涼も気づいていなかったのかよ。


多分これがあの自称神様ヴォーグレイが魔法の練習中に言っていた身体の作り替えなんだろう。

地球とこの世界じゃあほんの少しだけだけども身体のつくりが違うらしくこの世界に合わせれるように一旦身体を作り替えるそうだ。

その時に種族も日本人から鬼神へと変わるらしい。


そして涼には灰色の角が2本生えていた。

他の二人とは違い角の生えている向きが前ではなく後ろに流れるように生えている。

 

(むしろこれって角って言うか触覚って気がするッスね。)

 

角の形状も智生と夜音とも違い2人が曲がった円錐の様なのに対して涼の角は蛾の触覚見たく細いのから始まりだんだん幅が大きくなりまただんだんと小さくなっていくような形をしている。


「なぁ、涼に智生これからどうする?」

「まぁ、とりあえずここからなるべく人目が無いところに行きたいッスね。」

「俺も涼に賛成だ。なんなら俺の空間魔法でランダムだけどもどっか行くか?」

 

声を抑えて少し今後について話をする。

 

「そうしよう。」

「りょーかい。最後に言っとくけどもし俺達に理由も無しに喧嘩を売るようなら全力で叩き潰すからな。じゃあな、空間転移。」


そう言い残し鬼神達3人はこの場から姿を消した。

当たりは騒然となるがすぐに安堵する。


しかもさっきの発言はこちらが手出ししなければ鬼神達は何もしないと言うふうにも取れる。


しかしアドルは頭を抱える。

何せあんなバケモノをこの世界に呼んでしまったのだから。

この失態を下手に公言すれば失脚の理由にもなりうる。

正直今のこの国の上層部の半分は腐っている。

 

国より自分の利益を優先する者や王である自分を失脚させてその席に座ろうとする者、国の金を不正に使い込む者もいる。

本当にアドルは国の為を思って行動している。

だからこそアドルは賢王アドルと呼ばれている。

そんなアドルだが鬼神達の扱いを非常に頭を抱えている。

 

智生の空間魔法で転移した3人は今、森の中にいた。

 

「ここ、どこだよ。」

「ホントッスよ。」

「しょうがないだろう。俺の魔法じゃあ場所指定しないとランダム転移になるんだから。」

 

智生の転移に文句を言う夜音と涼。

智生の空間魔法は結構な制限が多数ある。

わかりやすいやつだと行ったことが無いところには行けない。

短距離の転移では目に見える範囲しか転移出来ない。

そして一番の欠点と言えるのは全くと言っていいほど戦闘に向かないということだ。

 

要するに空間を削り取って見えない攻撃!とか相手の身体の一部を空間転移させて頭と体をバイバイさせる!なんて事は出来ない。

ただただ智生の空間魔法は移動にしか使えない欠陥魔法なのだ。

 

「とりあえず夜音、ここから近い街か村があるか探せよ。」

「ハイハイ、分かりましたよ。光よ、今我等がいる場所を指し示せ。光の音波ライトソナー。」

 

そういい面倒くさそうにだけれども夜音は魔法を使う。


「おい智生。お前、全然離れた距離まで転移出来て無いぞ。さっきいた場所から大体1.5kmくらいだぞ。そしてどうやらここは自然公園みたいな場所の中だ。」

「すまん。まだ、あんまり使い慣れてない。」

「まぁ、智生の空間魔法が使えないって事はとりあえずおいとくッスよ。ここが公園の中だったら外には人がいるわけッスよね。もし僕達がここら出たらきっとパニックになるッスよ。仮にもみんなに恐れられる鬼神なんスから。」

「俺の魔法は使えないこと無いからな。」

 

さりげなく涼が俺の魔法のことをディスって来るが涼が心配してる事は決して無視出来る事じゃない。

もし何もせずにここから飛び出たらあっという間に騒ぎになるに決まっている。


「なんかいい案ある?夜音。」

「ちょっと待ってろ。」

 

そういい夜音はあの自称神様ヴォーグレイから貰った様々な魔法が記させている一つの本を取り出す。

 

「確かこの当たりに……あったあった。光魔法の中に自分の姿を違ったように見せる魔法があった。」

「おぉ。さすがッスね。」

「早速やってみようぜ。」

 

そういい夜音が魔法をかけていく。

結果的に顔や体型はそのままで角がないだけになった。

 

「あ、夜音。後でその本を俺にも見せてくれよ。どんな魔法があるのか知りたい。 確か適性の必要の無い魔法がいくつかあったでしょ。」

「召喚魔法とかな。じゃあ渡しとくわ。別に試すのは構わんけど後始末は自分でしろよ。」

「分かってるよ。」

「僕にも後で貸して欲しいッス。」

 

そんな会話をしながら森を抜けると周りは中世のヨーロッパのような街並みが広がっていた。

魔術師A「あの鏡どこから持ってきたんたよ。」

魔術師B「この城の入口にある壁の鏡。」

智生「やっぱり剥がしてきたのかよ。」

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