理不尽過ぎるチートを
かーんえーだよー。
ども、翰哉です。
最近夏休みの課題を終わらすために朝の5時位まで起きてそこから寝て起きたら12時と言う生活を繰り返しています。
それなら12時に寝て7時に起きればいいじゃんと親に言われましたが治すきはありません。
「実は君達が行く世界にいる異世界人は君達三人だけじゃないんだよ。僕の企みに気付いたのかその企みに乗りに来たのか他にも人神3人と魔神3人、龍神3人、獣神3人が送り込まれてるんだよね。おおっと、これじゃあ説明不足だね。えぇと、人神は人族を守る存在で魔神は魔族を守る存在、獣神は獣人族を守る存在なんだけど、コイツらはそれぞれの種族で生き神とか言われて拝まれてるんだよ。で、龍神は全てを守る存在。これはどの種族からもそれぞれの神と同等に崇められてるヤツらだよ。そしてみんなが大嫌いな鬼神は全てを壊す存在として嫌われてるよ。でもねぇ。この世界の連中は頭が全員固いんだよね。どの国家も自分たちの種族が一番だって思ってるんだよね。」
また、理不尽がわざとらしく言ってくる。
どうやらもう、俺達には高校生として送れる平穏な日常はないのかもしれない。
拒否権も無いみたいだし。
「ちょっといいッスか?僕達を異世界に送る理由ってのは僕達にその世界を灰にさせるためッスか?」
ここで初めて黙りを決めていた涼が少し独特な口調でようやく声を発した。
「いいや、違うよ。別にしても構わないけど出来ればやめて欲しいな。僕は進歩を望んでるからね。」
「なら、僕達が戦わなくても別の方法があるならいいッスよね?」
「もちろんだとも。何かしら大きな影響が与えられば進歩になるよ。」
そんなやり取りをして涼はニヤリと口角をあげた。
「じゃあ、色んな種族が交流できる国があれば進歩って言えるッスよね?」
「ハハハ、面白いこと言うね。うん。それなら立派な世界の進歩だよ。」
元々そうだ。
この藍咲涼と言う男は頭が柔らかいんだった。
夜音は頭がいい分模範通りの回答がすぐに出せるが、なぞなぞなどは不得意だ。
そしてなぞなぞは涼の専売特許た。
答えの無い問題もまたしかり。
「じゃあ、やってやろうッスよ。僕達3人なら楽園でも桃源郷でも創れるッスよ。」
うん。
確かにできるかもしれない。
やってみる価値はありそうだ。
夜音の顔を見る限りだとどうやら乗り気のようだ。
「いいねぇ。うん。せいぜい頑張ってくれよ。あ、そうそう君達が貰えるチートなんだけどじつは君達自身で決めれるんだよね。それは適正職業なんだけどちょっと待ってて。……よしこの中から選んでね。」
そうして渡されたのはタロットのカードみたいな絵と文字が書かれていた。
一枚目は『剣聖』と書かれており説明文らしき場所には剣の上達スピードに特大に補正がかかる。その他剣を扱うのに必要な物にも特大に補正がつくと書かれていた。
二枚目は 『勇者』。説明文には使っている武器の上達スピードに大幅に補正がかかりその他身体能力、判断力、運などにも特大に補正がつくと書かれていた。
三枚目は『賢者』。説明文には使っている魔法の上達スピードが特大に補正がついて魔力の量と魔法を使う時の高率にも補正を大幅にかかると書かれていた。
四枚目は『拳聖』。拳を使った武術の上達スピードが特大に補正がつくのと身体能力にも超大幅に補正がかかると書かれていた。
そして最後の一枚、五枚目には『上忍』と書かれており説明文には特定の武器の上達スピードが大幅に補正がかかり移動速度と隠密行動にも補正が大幅にかかる。と書かれていた。
この中からどれを選ぼうか。
第一候補にはやっぱり『勇者』かな。
色んな武器を使えるみたいだし。
「この大幅にと特大には何が違うんだ?」
「特大の方がほんの少し大幅より上ってだけだよ。まぁ、それでも大幅に補正がかけられていれば補正がない人が5年かけて鍛えたことをいい師に教われば1週間で超えれるくらいにはなるよ。鬼神族なら更に上達スピードは早いよ。」
夜音の質問の回答を聞いて思った。
それは正直ヤバいな。
そういうことは文字通りやろうと思えば世界征服も出来てしまうことになるのか。
「なら僕は『上忍』にするッス。」
「なら俺は『賢者』だな。やっぱり魔法って言うのには心がトキメクわ。」
夜音が意味不明なことを言っているが涼も夜音も決めたようだ。
なら俺もさっさと決めてしまおう。
「なら俺は『勇者』で。」
「みんな決まったね。じゃあ武器を渡すよ。チートのオマケみたいなものだからね。」
そうわざとらしく俺たちに言いながら武器を渡してくる。
どうやら夜音は金属製の棒に貴金属で飾り付けられた如何にも魔法を使うのに必要そうな杖と高そうなローブを貰っていた。
涼は忍者刀と手裏剣などなどと仮装セットの忍者バージョンで売ってそうな服を貰っていた。
そして俺は自称神様から黒い立方体と軽装備を渡された。
「なんか俺の武器がおかしい気がする。」
「いや、その立方体の角をみろ。きっとこれは相手の頭を角でぶん殴る武器なんだろう。」
夜音が馬鹿なことを真顔で言っているがスルーする。
コイツらのボケに1回1回ツッコンでたら俺が過労死する。
「この武器、黒角の使い方はね、ちょっと貸してごらんよ。……これを持ったまま刀をイメージするとその形になる。でもまぁ武器限定だから多少制限もあるけどね。」
なるほどこれは相当使えるぞ。
俺の適正職業の補正でどんな武器でも使えば使うほど凄い早さで上達していくんだから使い方は無限大だ。
「それぞれみんなに渡した武器は結構ヤバイ能力が付いてるからね。使い方を誤らないようにしなよ。」
うん。
要するに俺達は簡単に人を殺せるような力を手に入れることになるのか。
確かに使い方を謝れば重大なことになるだろう。
「あと、君達に適正のある属性を言うよ。夜音は火、水、地、雷、風、闇、光、回復の全属性で涼は火、水、地の三属性。で、智生は固有魔法の空間魔法だよ。固有魔法は世界で一つだけの魔法で差はあるけどどれも強力な魔法になるよ。」
俺だけちょっと違うみたいだ。
空間魔法ってことなら空間とかを繋げて瞬間移動とかもできるかもしれない。
「僕だけなんか、ショボいッスね。」
ちょっと残念そうに涼は呟くがすぐにヴォーグレイは訂正する。
「そんなことないよ。君は他の2人より魔法の最大値が大きかった。まぁ、要するに他の2人より高火力の魔法が使えるようになるよ。」
夜音は手数、涼は火力、そして俺は特異さでそれぞれ長所があるのか。
「じゃあ君達に魔法の使い方をレクチャーするよ。まず、魔力は骨と血から生み出される。それでそれぞれの適正のある属性で魔法を起こすんだ。さぁやってみよう。」
そうかれこれ三十分くらいかけて俺達は魔法の基礎を覚えていった。
最終的には俺達全員は魔法を少しぎこちなくだけれども使えるようになった。
「じゃあ、君達には異世界に行ってもらおうかな。この魔法陣に乗って。」
この魔法陣に乗ればもう、今までの日常が完璧に無かったことになる。
正直言って未練はありまくる。
最近買った漫画を全巻読み切れてないとか、親に何も恩を返せず消えてしまうとか。
でも一つ救いがあったとすれば一緒に巻き込まれたのが夜音と涼だったことかな。
そうして3人、歳月智生、夜音多津味、藍咲涼は魔法陣の上に乗り込んだ。
智生「なんで涼ってあんな口調してんだ?」
夜音「察してやれよ。そうでもしないと3人の声を書き分けれないからわかりやすい口調にしたんだろ。」
涼「そんな話初めて聞いたッスよ。」