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リトリビューション~因果応報  作者: 名波優羽
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因果応報のひみつ

真礼は、落ち着きを取り戻せないままに美冬の因果応報の秘密を聞くことになった。


「早くしてください! 八月一日さん! どうして勇人じゃないといけないんですか? 納得いきません!」



「そうね。本当なら、他の人でも良かったと言える。でも、そうじゃない理由は、彼自身が、因果応報に選ばれた人間だからってこと、そう、私も真礼ちゃんも小和ちゃんもね」



 因果応報に選ばれた人間? そういえば、ナルミも前そんなこと言っていたような気がする。だけど、ここにいるみんなも選ばれた存在?



「なら、あたしでもいいってことですか?」


 真礼は、胸に手を当てて、美冬に尋ねる。


「無理ね。経験の違いというか、妖精の憑依した小浮気君に比べたら、私達は、ただ、見えるだけってことなの。能力事態は、ほぼないに等しい。それでも、真礼ちゃんは、紗央を小和ちゃんは、小浮気君の母親に対して使用出来た。それは、ただ、気持ちが、重なったってことだけで全ては、小浮気君の力なの。新しい因果応報の妖精は、きっと小浮気君に襲いかかる。逃げれないようにされる。だから、早くにナルミちゃんを見つけ出さなければ、ならないの」




 因果応報という言葉の通り、俺は、何かの報いが、くるのだろう。ダイゴを抹消、浄化させたことで不遇な目に遭ったものがいるとしたのなら、俺を殺しに来るということは、明白だ。



「そうだったんだ。ただ、見えるだけってことだったのか」


 真礼は、落胆している。何も力になれていなかったことに。


「いや、違うよ! 真礼が、いたからこそ勝てた! これだけは、真実だ! 絶対に俺は、真礼がいなきゃ、力なんて出ない! それは、小和もだが」



「本当によくできた子ね! そういうことにしておいてあげるわ! 因果応報ってさ、まず、なんで、妖精が、現れるようになったか知ってる? 人生に絶望した人間を救う為? 違うよ。世界を滅ぼして、因果応報の力で支配する為なんだって! これは、ダイゴが言っていたことよ。でも、ナルミちゃんみたいな子もいたから、真実は、どうなのだろうか。また、新しい妖精もきっとそう考えている。人類を操って世界を滅ぼそうって! ねえ、こんな力に勝てる人は、絶望した経験のある小浮気君くらいしかいないよね? ねえ」



 美冬は、少しだけ感情を取り乱している。いつもの明るい美冬とは、違い、目の様子や、身体の動きが、どうにもおかしい。



「絶望か。誰一人共、してない奴なんていないだろ」



「そう? 幸せなまま幸せで人生終える人だっているよ? だって、私が、そうじゃない! ふふふ、ははは、君達みたいなゴミとは、違うのよ! 因果は、私が、幸せになる為だけにあるのよ! いじめる奴も嫌なことする奴も制圧する為だけに私の空想だけが、もたらした現実をどうしてあなたが、使用しているの? ねえ? ねえ?」



 美冬は、嘲笑しながら、声を荒げる。そして、俺に尋ねている。「いや、その分からないです」っと首を振って誤魔化した。



「ねえ、ちょっと八月一日先輩いつもと違わない?」



 小和もどうやら、気付いたようだ。



「確かに、おかしい。どうしよう? 勇人」



「一旦、帰ってもらおう! そうするしかない」



「ああ? なに、こそこそやってんだよ! あーーい」



 耳元で内緒話するように話をしていたのが、癪に触ったらしい。



「いやいや、すいません。ちょっとこれから、三人で出掛けるんで、そろそろ終わりでもいいですか?」



「ふん。よかろうか。じゃあ、私は、帰るね! ばーい!」



「お疲れ様です!」


 三人共に異口同音として手を振った。その時だ「お前らは、誰1人共生きていさせない! 息の根を必ずとるからな!」



 宣戦布告のようであった。美冬だったら、こんなことを言わない。だったら、なんだ、奴は、まさか。因果の妖精だったのか。



勝てない勝負に挑むなんて無理だ。難攻不落の敵に立ち向かうしかないのか、また、窮地。絶望へと追いやられていく勇人達であった。


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