中編 破られる静けさ
大変長らくお待たせしました。
神聖暦493年5月。一つの居住地がモンスターの群れに襲われた。
魔族との戦争によって住む土地を追われた避難民達が寄り集まり、領主に無断で作り上げられたハリボテの居住地だ。
そんな小集団がモンスターの群れに襲われては一溜まりもなかった。
……例え、そこに最強の騎士と、剣聖と謳われた男がいたとしても、その事実に変わりはなかった。
「若、姫、お急ぎ下さい!」
鬱蒼と生い茂る木々の間を誘導するように先行するのは、生きてきた年月を刻み付けたような皺を顔に貼り付けた、眼光の鋭い老人だ。
その身のこなしはとても老人のそれではなく、明らかに修練を積んだ、それも未だ現役の人間のものである。
それもその筈。彼は大陸最強の騎士として名を馳せた、剣聖ロドリーゴその人である。
「師匠、少しお待ち下さい! 姉上、お早く!」
剣聖に先導される形で追随するのは、よく似た雰囲気の少年少女だ。
若と呼ばれた金髪の利発そうな少年──クレメンテが、同じく姫と呼ばれた金髪の見目麗しい少女──アウロラの手を引く。
「で、でも、クレミー。トーヤ様が……」
アウロラが振り返った先には、二人から更に離れた場所で息も絶え絶えに喘いでいる、二人より僅かばかり年嵩な栗毛の少年がいた。
「あんな奴の事は放っておいて、まずはご自分の心配をなさって下さい!」
クレメンテが彼の少年を毛嫌いしているのには勿論訳がある。
数ヶ月前、居住地に流れてきたトーヤと名乗る少年は、隣国ブリタニアから派遣された援軍……という名の、厄介者集団に属していた助祭らしく、派遣軍が壊滅した際に逃亡してきたと言う。
助祭と言うだけあって、その治癒魔法の腕前はアウロラとは比べ物にならないものであったが……避難生活に不安を覚える居住地の年若い娘達を、その甘い容貌と巧緻な話術で誑かしては淫蕩に耽るという、とても聖職者とは思えない悪癖があった。
しかも、居住地がモンスターの群れに襲われた際に、情交を結んだ女性達を置き去りにして、真っ先に逃げ出した事には庇いようもなかった。
それが聖職者として、それ以前に人として認め難い事はアウロラも同じではあるが、あの年で自分より強力な治癒魔法を使えるという事実は、アウロラにとって一定の敬意を持つ一助にはなっている。
何より、基本的には箱入りであったアウロラには、教皇の孫でありながら身分を隠し、ロドリーゴに護衛されながら逃亡しているだけの自分達に、少年を非難する謂れはないのでは……とも思ってしまうのだ。
無論、剣聖という強力な戦力を有しながら、逃げに徹しているのには訳があるのだが……。
「ま、待ってくれ……置いて、行かないでくれ……」
「あ!? 姉上ッ?!」
青息吐息で三人についてくる少年。
入れ代わりが激しかったものの、半年以上世話になった居住地の住人達とバラバラになって逃げてきたアウロラには、彼を見捨てる事ができなかった。
それはただの善意であったかもしれないし、多くの住人を見捨ててきたという罪悪感を拭いたかったのかもしれない。
その真偽は結局誰にも分からなかったが、アウロラは弟の手を離し、少年を助ける為に駆け寄り手を差し伸べる。
「さ、トーヤ様」
「あぁ、ありがとう、アウロラ……」
アウロラの手を取り、保護欲をくすぐるような陰りのある笑顔を見せる少年。
幸いにも、その笑みがアウロラに通用する事はなかったが、それでも姉の事が大事なクレメンテには気分の良いものではなかった。
尤も、それ以上にこの事態に危機感を抱いていたのは他の誰でもない、ロドリーゴであった。
少年の名乗る『トーヤ』という名が偽名である事は、居住地にいた全員が気付いている事ではある。
元々教国とブリタニアは互いに仮想敵国という関係である。そんな仮想敵国のど真ん中で、逃亡兵である少年が迂闊に本名を名乗る訳にもいかないのは当然だ。
何より、『トーヤ』等という名前がブリタニア風ではないのだから。
だが、この偽名には『ただの偽名』以上の意味がロドリーゴにはあった。
平時ならともかく、この緊急時にこんな不確定要素を連れ歩くデメリットは甘受したくなかった。
さりとて、まだ幼い主達を納得させるだけの説明も出来ない以上、少年を置き去りにして行きたかったのだが、それも無理そうである。
さて、どうしたものか……そう悩み始めたところで──
──Hoooooooooowl!!
「ヒィッ!?」
そう遠くない場所からモンスターのものらしき遠吠えが聞こえてきた。
それを耳にして完全に腰が引けてしまった少年。
「姫、お早く! これ以上荷物を抱えて逃げる余裕はありませぬ」
「で、ですが……」
「ま、待ってくれ! 俺を置いて行かないでくれ!!」
戦場で余程恐ろしい目に遭ってきたのか、はたまた他に理由があるのかは不明だが、少年の怯え方は尋常ではない。
居住地に雪崩れ込んできたモンスターを一目見て恐慌をきたし、無我夢中に逃げ出すほどだ。
若い娘を中心に、信頼を寄せられていた少年が真っ先に逃げ出したため、居住地は混乱状態に陥り、組織的な抵抗は不可能となった。
更には──
「いかな私といえど、LVが0となってしまっては、お二人を守りながら戦う事すら厳しいのが現実です」
そう。雪崩れ込んできたモンスターの一匹を斬りつけた際に違和感を感じ、すぐさま自分のステータスを確認すると、いつの間にかLVが0と表記されていたのである。
それはロドリーゴだけでなく、居住地にいた全員に起きた異常事態であった。
光の女神から与えられた、戦うための加護を全て失ったに等しい状態に陥り、タダでさえ混乱していた居住地は、一方的にモンスターに蹂躙される事になった。
その状況から、親友の孫二人を連れて逃げ出す事が出来たのは、過去に未踏ダンジョンと呼ばれる『常時LV1に固定される』という、非常に殺意の高いダンジョンの一つを攻略した経験に基づくものだ。
尤も、ロドリーゴは元々LVというものに懐疑的であり、純粋な身体能力や技量を重点的に鍛えていたからこそ、LVを1に固定されてもそれほど苦労はしなかったのだが……。
この世界ではLVという分かり易い指標があり、経験値稼ぎという簡単に強くなる方法がある為に、『剣聖』と謳われるに至った今でも、ロドリーゴの鍛錬方法を徹底的に実行する者はいない……某国の某男爵家長男の関係者以外では。
「それは……」
「姉上、ここで問答をしている時間すら惜しいのです!」
覆しようのない事実を前に、項垂れかけるアウロラ。
そこへ、焦れたクレメンテが強引に姉の身を少年から引き剥がそうと、強く引っ張る。
「あ」
「ぅあッ!?」
双方それほど強く手を握っていた訳ではないので、呆気なく引き剥がされてしまい、クレメンテがアウロラを庇うように少年との間に立つ。
「く、くそ!」
「付いて来たければ勝手にしろ。さぁ、行きますよ、姉上」
「あ、あの、トーヤ様もお急ぎ下さい」
悪態を吐く少年に言い渡し、クレメンテはアウロラの背中を押して前へと進ませる。
クレメンテが半ば強制的にアウロラを連れてきてくれたので、ロドリーゴも先導を再開する。
そんな三人を見送る……訳にもいかず、這いながらも手近な木に縋り付き、支えにして何とか立ち上がる少年。
「くそ! くそッ! なんで俺がこんな目に……」
文句を言うのは早々に切り上げ、三人の後を追う。声を出す事に体力を使う余裕がないのだ。
だが、ここで時間を無駄にした代償は高くついた。
──Wow!
「ヒィッ!? キ、来たッ!」
比較的近い場所からモンスターの吠声が複数聞こえてきたのだ。
「どうやら、囲まれてしまったようですな……」
それに追い立てられるように走り出した少年が、先行する三人に追いつく頃には、ロドリーゴがモンスターの気配を感知する。
幸か不幸か包囲網に薄い箇所はないようで、わざと薄い箇所を作ってそこに罠を仕掛ける知恵はない事が分かると同時に、自分達の損害も度外視する典型的なモンスターの囲み方であった。
突破さえ出来ればまたしばらく時間と距離を稼げるが、二人の護衛対象を連れて出来るかと問われれば不可能ではないとしか答えられなかった。
加えて、助祭の少年が足を引っ張り、それにアウロラが釣られてしまうのは火を見るよりも明らかだった。
さて、どうしたものかと、ロドリーゴがアウロラに縋り付こうとしている少年の排除を本気で検討し始める頃、包囲しているモンスター達にも動きがあった。
それは包囲の一部がゆっくりと突出してくるもので──
「鬼ごっこはもうおしまい? あの集落で残っているのはあなた達だけよ? 後はみーんなこの子達の餌になるか、おとなしく捕まっているけど……あなた達はどっちを選ぶのかしらね?」
鼻に掛かった声で、相手を完全に見下している事を隠しもしない、人間の少女らしき姿が進み出てきた。
少女?は全長2mにも及ぶ、狼型のモンスターの中でも特に巨大なダイアウルフを数頭引き連れて姿を現した。
凶暴極まりないダイアウルフが人間に従うなど、どう考えても有り得ない。
すると、この少女らしき者もモンスター、或いは魔族の類かとロドリーゴは考えたが、それを否定する答えが意外な人物から齎された。
「ひじ、り……?」
「トーヤ様?」
ショートカットの黒髪に、同じく黒い瞳をした一見すると可愛らしい顔立ちの少女を見て、呆然とした調子でそう零したのは助祭の少年だった。
「あれ? あれあれ? あれあれあれェ! どこの誰かと思えば、パーシヴァル君じゃなーい。 あれー、どうして君は生きているのかなー? この手で確かに首を刎ねたはずなのに?」
「ヒッ!?」
もしも、この場にキャメロット学園の関係者がいたならば、一目で両者の正体を言い当てていた事だろう。
そう。少年の正体は、かつてブリタニア王国で、『未来の枢機卿』とまで期待されていたパーシヴァル・ペリノアであり、少女の正体は、そのブリタニア王国で召喚された、史上二人目の神子である酒月 聖であった。
「おかしいなー、おかしいなー? ちゃんと『支配者権限』は解放されているのに、鍵である君の首がどうしてまだ繋がっているんだろう? うーん、バグったのかなぁ?」
三ヶ月前、アーサー王子率いる派遣軍が壊滅した原因の一つが、神子の裏切りにあった。
彼女は何時の間にやら魔族に協力しており、派遣軍は魔族の待ち伏せによる奇襲を受け混乱。
その時、魔族の奇襲攻撃に対し、魔法で応戦しようとしていたガラハッド・エレイシスの頸が宙を舞った。
神子の周囲に侍っていた取巻き達に、その瞬間に何が起きたのか理解できた者はいなかった。
その後、パーシヴァルと、命令に従い歩くだけの生ける屍と化していたケイ・エクトルの頸が次々に宙を舞い、最後にトリスタン・リオネスの首を刎ねようと迫っていた凶刃を、彼の護衛として近くに控えていたリオネスの騎士が、その身を賭して庇った事で数秒間の惨劇は終わりを迎えた。
その時の惨劇を生きて目にしたのは、上空から監視していたキャストン・クレフーツと、惨劇を引き起こした神子、何とか離脱できたトリスタン一行。そして、奇襲に気付いた時に、半ば癖で自分の身代わりとなる水人形を魔法で作り出し、入れ替わっていたパーシヴァルだけであった。
パーシヴァルの身代わり人形は外観だけでなく、斬られれば血のような赤い水が噴き出るという手の込んだものだった為に、その存命が神子に気付かれずに済んでいた……いま、この時までは。
「あー、でも、捕えた娘達の殆どが妊娠していた理由はこれで納得できたよー。相変わらず、節操なしに食い散らかしていた訳だ? これだから、男……それも、日本から来た男の転生者はダメねー。ガウェインといい、君といい、女を抱く事しか頭にないんだもの」
「な!? 俺達が転生者だと、気付いていたのか……?」
神子の言う通り、居住地の若い娘達の多数が妊娠初期状態であった。何人かは既に悪阻の症状も出始めていた。
集落の規模にしては、同時期に妊娠した人間の数が異常であったが、そこにこの男がいたために納得できてしまったという訳だ。
まぁ、残念ながら、この場には『お前が言うな』と指摘できる人間はいなかったのだが……。
「それはそうよー。ガウェインは自己顕示欲の塊みたいな男だったから、論じるまでもないけど……」
不覚にも、その言葉には反論の余地なく同意するパーシヴァルであった。
「君はガウェインを隠れ蓑にして、上手に隠れているつもりだったんでしょうけど、お調子者のケイと比べると、どうしても転生者臭は隠し切れなかったんだよねー……。ま、その辺はアイドル興行なんて大博打に出るまで、正体を隠し通せたあの生意気な熊女を見習うといいんじゃない?」
『熊女』というのが誰を指しているのかは分かったが、パーシヴァルとしてはその兄の方が転生者ではないかと疑っている。
尤も、今の所、それを指摘してやる義理はないので言わないが。
「さって、やっぱり親子揃っていた方が効果は上だから、君は生かして捕えるけれど……逃げられないように手足はこの子達の餌ね? それと、こそこそと逃げ出そうとしていた君達はどうかなー?」
『手足はモンスターの餌にする』と言われて喚くパーシヴァルだったが、一顧だにしない神子。
その視線の先には、背後からアウロラの口を手で塞ぎ、その身体を持ち上げてじりじりと距離を取っていたロドリーゴと、自分の意思で彼に追随しているクレメンテという三人の姿があった。
「ち」
「な!? お前達、俺を囮にしようとしたな?!」
あまり期待はしていなかったが、それでも離脱が失敗した事を悟って舌打ちするロドリーゴ。
彼の懸念通り、トーヤを名乗る少年の正体が転生者であるとなれば、これ以上一瞬たりとて同道したくないというのがロドリーゴの本音であった。
尤も、パーシヴァルからしてみれば、そんな事は知った事ではないのだが。
「あはは♪ どうやら仲良しこよしで一緒に行動していた訳じゃないみたいねー? あらあら、そっちの二人は双子なのね? これは背徳的でさぞかし楽しめそうね~?」
『背徳的』と言われた当の本人達は、双子が不吉の象徴とされ、先に生まれた子が処分されるのが通例であるにも拘らず、こうしてのうのうと生きている事を詰られたと思った。
当然ながら、神子の真意はもっとおぞましい内容であったが、幸いにも彼らがそれを知る事はなかった。
「そっちのお爺ちゃんは……あら? ふーん、そういう事……あなたは要らないから、この子達の餌ね」
クレメンテ達を一目見て、兄弟ではなく双子と断言した神子がロドリーゴを注視した瞬間、それまでの遊び気分は鳴りを潜めた。
それは、ここへきて初めて『敵』を認識した瞬間でもあった。
「師匠!」「お爺様!」
、
ロドリーゴは抱えていたアウロラの身をクレメンテに預け、二人を背後に庇う。
「はてさて、それは御免被りたいところですな」
腰に吊るした鞘から長剣を抜き放ち構えるロドリーゴ。
神子の背後でおとなしくしていたダイアウルフ達も臨戦態勢に移る。
「ま、待」
「殺れ」
パーシヴァルが何かを言いかけたのを神子の号令が遮り、繋いでいた鎖が外れたかのように飛び出してくるダイアウルフ達。
ロドリーゴの知覚できる範囲内では、徐々に包囲を狭めていたダイアウルフ達も一斉にこちらへと殺到してきている。
その外側では、ダイアウルフと入れ替わるように別のモンスターが包囲網を築いているようだ。
「ヒィッ!!」
激突するロドリーゴとダイアウルフ達を迂回するように回り込み、アウロラ達の傍まで逃げるパーシヴァル。
幸いにも、ダイアウルフ達はロドリーゴを脅威と認め、その排除を最優先としているために、逃げるパーシヴァルに釣られてアウロラ達に襲い掛かるものはいなかった。
見る者が見れば、まるでゲームのタンク職がヘイトを稼いだかのように見えると思っただろう。
視界の隅でアウロラ達が無事である事を確認すると、ロドリーゴの剣捌きはいよいよ以って加速していく。
策もなく、連携もなく、ただ損害を恐れぬ蛮勇を以って、真っ直ぐ我武者羅に襲い掛かってくるだけのダイアウルフ達を、ロドリーゴの振るう長剣が一刀のもとに斬り伏せていく。
見た目は巨大な狼なのに、野生の狼のような知恵がないのがダイアウルフの欠点だと言えるが、生物たる魔獣ではなく作り物の魔物でしかないダイアウルフに、知恵を求めるのは些か酷ではある。
尤も、ロドリーゴのした事はLVという加護を失った者に出来る芸当ではないのだが、もしこの場にどこぞの兄妹がいれば口を揃えて、「え? 武器に気を纏わせる事が出来るほどの技量の持ち主なら、これくらい出来て当然だろう?」と言ったであろう。
……まぁ、LVこそ全てと考えられているこの世界では、どちらも化物と言われても仕方がない。
「しようがないわね……後ろの二人も手足くらいなら食べて良いから、さっさと片付けなさい」
最初に神子が引き連れていた数頭のダイアウルフ達が全て光の粒子に変わる頃、埒が明かないと感じた神子がアウロラ達も狙うようにと、包囲を崩して迫ってきた新手のダイアウルフ達に命じる。
「厄介な……」
それは、ロドリーゴにとって最もして欲しくない事であった。
パーシヴァルなどどうなっても構わないが、親友の孫二人は何としても守らなければならない。
だが、多少クレメンテを鍛えているとは言え、とてもではないが単独でダイアウルフに勝てる力量ではない。
まして、戦闘経験など皆無なアウロラを庇いながらなどというのは、土台無理な話である。
となれば、必然的にロドリーゴが彼らを庇わなければならないが、元々包囲されていた以上、背後からも容赦なく二人が襲われてしまう。
それでも無理を押して庇い続けていれば、否が応にもそれが隙に繋がっていってしまう。
加護による防御力もなく、鎧を着ている暇もなかったロドリーゴにとって、そんな僅かな隙で負った小さな傷であっても、そこから消耗は大きくなりやがて致命傷へと至る……まさにそんな一撃を食らう瞬間の事だった。
「師匠!?」「お爺様!!」
──Gyan!
ロドリーゴの迎撃が間に合わず、一頭のダイアウルフがロドリーゴに牙を突きたてようとしたその時、狙い澄ましたかのように一本のナイフがダイアウルフの眉間に突き刺さった。
否。その一本を皮切りに、幾本ものナイフがダイアウルフ達に降り注ぎ、更には神子をも飲み込まんとするが、残念ながらそれらはダイアウルフ達が盾となって防がれた。
「私は大丈夫です。それよりこれは……」
「こんなところで遇えるとは思っていませんでした、魔女」
拙い作品にお付き合いくださり、ありがとうございます。
2話分(約1万字)程度で書ききれるかなーと書き始めたら、余裕で1万字超えました……。
そこで、後編1本の予定を中編と後編の2本に分ける事にしました。
まぁ、ここまでお読み頂ければ分かるかと思いますが、『閑話』と言いつつ全然『むだばなし』でもなければ、『心静かにする話』でもありません。
キーワードにもある『廃スペック爺』の片割れ、ロドリーゴが合流するに至る話であり、色々と伏線を張ったりヒントを出したり回収したりするお話です。
そんな重要な次回の閑話編後編ですが、R-15な『残酷な表現』等がありますので、お気をつけ下さい。




