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俺が育てたモンスターでダンジョンハーレム  作者: どげざむらい
第一章 蟻集まって木揺がす
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第8話 襲撃

急に上がったランキングにビビリまくりの作者です。

さあ、そろそろ作品にもアラが出てくる頃合。

丁寧に書くために更新ペースを落としそうです。……大丈夫ですかね?

はい、大丈夫じゃないですよね。力及ばず申し訳ございません!

「A班は出入り口付近の守備。BCD班は一定の距離間を保ちつつこの通路を回れ。E班はこの位置で待機。F班は緊急事態に備えて控えておくように。敵が出たら随時俺が指示を出す。それまでは戦闘は行わず、隠れるか逃げるかしてくれ。以上! 散れ、散れ!」


 俺の命令に従い、カサカサ、あるいはブンブンと音を立てて離れていく黒い影。

 我がダンジョンが誇る屈強な戦士達である。


「あとは拠点周りの防衛だが…兵を割くのは得策ではないか」

蟻人族アントロイドを数人、護衛として連れてくるのは如何でしょうか』

「それ採用」


 こんちわ! ようやく防衛面に力を入れ始めた群城火狩だ。

 今は仲間にしたばかりの新入りを何班かに分けて、それぞれに命令を下していた所だ。


 ダンジョン内はこれでいいから、あとは、拠点方面の強化だな。

 ガイドちゃんの言った通り、せっかく生まれた蟻人族アントロイド達を使わない手はない。


「じゃ、兵隊アリを借りに行くとしよう」


 幼蝶人族の部屋にも1人欲しいところか。じゃあ、頼むのは2人だな。

 決まったら早速行動だ。俺は拠点に繋がる隠し扉を開き、奥に向かって歩いた。






「私達にお仕事ですか?」


 石と土だらけの風景に全く似つかわしくない黒いドレスの女性が、どこか嬉しそうな様子で聞いてくる。

 説明するまでもなく、蟻人族を統率している女王蟻人族クイーンアントロイドのアリスだ。


「ああ、兵を2人貸して欲しい」

「そんな、貸すだなんて……私達はいつでも火狩様のしもべです。何も言わず連れて行ってくれれば宜しいのですよ」

「うーん、そういう訳にもなぁ……」


 拠点からダンジョンの間には、石で作られた巧妙な隠し扉があり、拠点側で一番扉に近い部屋はこの、蟻人族が住んでいる大部屋。通称アリの巣となっている。


「いいか? お前らは俺にとって娘も同然だ。だが、親しき中にも礼儀ありと言ってな、いくら娘であろうとも、こうした場合は互いの了承を得て、双方の意思を尊重し合う事が大切で、長く家族と上手く過ごすための秘訣となって……聞いているか?」

「娘……私が……火狩様の……娘。……ハァアア〜」


 どこか遠くにトリップした様子のアリスに若干引きつつ、俺は苦い笑いを浮かべる。


「お、おう、まあ、そんなわけで、2人ばかし借りて行くぞ?」

「どうぞ、私の体など、いくらでも使ってくださいな!」

「いや、兵が欲しいと言っておろうが」


 アリスの様子がおかしい。が、これは放っておけば治るだろうと希望的観測のもと、放置を決定する。


「じゃぁ、話は聞いていたと思うが、お前達の中から……何やってるんだ?」


 アリの巣の中、蟻騎士達が集まっている方を見ると、何故かボロボロになって倒れ伏して居る鎧姿の屍、そして、その屍の上に立つ二人の鎧騎士という、死屍累々の光景が広がっていた。



「マスターの側付き権、勝ち取った!」

「これからは全力でご奉仕するっス!!」


 いやいや、そんなボロボロになってどうやって俺を守るんだよ。


「まあ、2人が来てくれるってことでいいんだよな?」

「ひぇ!? あ、ああのあの、ま、まひゅたーにおおおお仕えでき、恐悦至極にございまひゅ!!」

「はいっス! あたしがマスターを守ってみせますんで、ドーンと、任せて下さいっス!」


 見た目は全く同じなんだが、中身はまるで違うな。

 これは育て方に違いがあるのか……いや、召喚した直後から、性格の違いはあったな。やはり個体差があるのか。……まあ、どんな性格でも俺の仲間に違いはないか。


 仲間というより、どちらかというと娘を見るような感覚なのだが、この時の俺はそんなことなど気付いてはいなかった。


「……あー、喜んでいるところ悪いが、どちらか1人は俺のいる所とは別の所を守ってもらうつもりなんだが」

「どうやらあなたとの仲良しごっこはここで終わりのようね」

「望むところっス。生き残れるのは1人だけっス」


 また争いが勃発しそうだったので、チョップで止める。



 ガイィン!!



「カッ…………っ! …………てぇええ!!」

「マスター、大丈夫スか?」

「あっ。お、お気を付け下さい。私達の外皮はそこらの鉄鎧よりよほど頑丈だそうなので……」

「あ、ああ。俺が浅はかだった」


 ただの鎧とは違うと思っていたが、正規品以上の強さかよ……こりゃかなわんわ。


「とりあえず、争いはやめろ。警備は当番制にするつもりだから、最終的には全員に仕事をしてもらうことになるんだからな」

「ほえ、そうだったんスか?」

「な、なるほど。それなら全員平等ですね。流石マスターです」


 何が流石かわからんが、どうやら争いは止まったようで何よりだ。


「……折角だから、今から二人に名前を付ける」

「は、はい!?」

「おお! 名前っスか! 楽しみっス!」


 考えると言っておいてそのままだったからな。丁度いいタイミングだろう。


「そっちの気弱な方はアリシア。気丈な方はアリッサだ」

「光栄に思います! こ、このアリシア! マスターに身も心も捧げる所存です!」

「アリッサ! なんかカッコイイっス! これはもうマスターのためにビシバシ働くしかないっス!」


 少し行き過ぎだが、喜んでもらえて何よりだ。


 アリシアにアリッサ。この2人も俺の大切な仲間であり家族。共にこのダンジョンを守っていく同士である。




「ところで……あそこにいる奴らは死んでないんだよな?」

「「(死んでは)ないです」」

「そ、そうか」


 ここまでピクリとも動かない屍達に、初対面の時とはまた変わった感情を覚える俺であった。

 部屋を出るとき、俺達の会話を静かに見守っていたアリスに目を向ける。


「じゃあ、また別の仕事を頼みに来ることもあるだろうから」

「はい、その時を心待ちにしています」

「そんなに働きたいのか?」

「私達は蟻ですからね」


 フフフ、と笑う彼女に、何故かこっちまで笑いがこみ上げてきた。


「じゃあ、次はなるべく早めに来よう」

「ええ、では、お気を付けて」


 深々と頭を下げるアリサを背中に、俺はアリシアとアリッサを連れて部屋を後にする。





「それで、マスター。マスターの護衛の他は何の仕事をするんスか?」


 俺の右側斜め後ろを歩きながら、上体を倒して、俺の顔を覗き込むという器用な真似をして話しかけるアリッサ。

 アリシアは、左側で黙々と付いて来ている。


「ああ、どちらかに幼蝶人族の部屋の方を守ってもらいたいんだ」

「幼蝶人族……ああ! あたし達のお世話係だったあの子達っスね!」

「そうだ。今はまた、幼虫人を育ててもらっているから、その様子を見に行くつもりだから、ついでに1人置いて行く」

「ふむふむ……なら、あたしがその役目、貰っちゃっていいっスか?」


 アリッサが手を挙げてそう告げた。


「別にいいが、どうして?」

「いやぁ、マスター同様、あたしの世話をしてくれたあの子達の事も大好きなんで、あたしがその役目になりたいなと。駄目スか?」

「いや、それがいいというならそうする。……アリシアはそれでいいか?」

「ふぇ!? あ、あの……はい……。マスターがよろしいなら」

「……それに、アリシアもこの調子っスから、折角貰ったお仕事なんスから、マスターにもっと慣れなきゃ駄目っスよ」

「ちょ、余計なお世話よ……」


 ……なるほど、この2人は仲がいいんだな。

 そんなことを思いつつ、後ろの和気藹々とした会話に耳を傾けながら、俺は歩き続けた。


「……そういやまた静かだな、ガイドちゃん」

『おっと、失礼。火狩と蟻人族のペアはどうしても初対面の今朝の事を思い出してしまい、笑いが堪えきれなかったのでミュートにしていました』

「「!!??」」


 後ろでガチャリと金属がぶつかり合う音が聞こえたが、無視。


「もうその話はやめてくれ。というかガイドちゃんって笑うの?」

『冗談ですよ。ただ、私が会話に参加しても意味がないと思っただけです。……それに、女性との会話で私が横入りするのは野暮でしょう?』

「……お前、空気読むとかできるんだな」

『失敬な』

「あ、あの!」


 俺がガイドちゃんとほぼいつも通りの会話をしていると、後ろから呼び止める声。アリシアだ。


「あ、あの……お、お母さん?」

『誰がお母さんですか』

「わぁ、本物だ! 本物の、マスターの正妻・・のガイドちゃん様だ!」

「『……はい?』」


 その瞬間、空気が止まった。


「…………」

『…………』

「……あ、あれ? 違ってましたか?」


 見事な爆弾を落としてくれたアリシアは、何がなんだかわからない様で、アタフタと忙しなく首を動かしている。

 それを見て、一歩後ろに下がって見ていたアリッサが笑いを堪えているのか、口元を抑えて震える。

 そして俺は、無表情で告げた。


「『ないない』」

「な、ないんですか!?」

「だってなぁ、俺はこのダンジョンはガイドちゃんと2人で作った最高傑作だから、ガイドちゃんがいないとダメだって思っただけで連れてきたわけだし、そりゃ最高の相棒だとは思っているけどよぉ……」

『私も、今まで何人ものダンジョンマスターを指導してきた中で、火狩ほど心配に思える方はおりませんでした。が、しかし。感情そのものが存在しない私に恋愛感情云々について問われましても……」

「『なぁ(ねぇ)?』」


 そう言うつもりでガイドちゃんを連れてきたわけじゃないんだが、まあ、そう見えるのも仕方ないか?

 こいつらは生まれた時から俺とガイドちゃんの「お父さん」「お母さん」ネタを見続けているわけだしな。あれ、冗談を言い合ってるだけなんだぜ?


「そ、そんな……完全に想定外です……」

「ぷっ! あっははは! ウケるっス! アリシア、盛大に自爆してるっス! あはははは!!」

「う、うるさーい!」

「ほら、馬鹿なことしてないで、もう着くぞ。というか着いた」


 そう言い立ち止まるや否や、俺は目の前の扉をトントンと叩く……なんだ? 中から慌てた様子の音が聞こえてくるんだが…………



「おまたせしました! お兄様、どのようなごようけんですか?」

「な、なあ、なんかヨナが今にも死にそうな顔してるんだが……「気のせいです!」……そ、そうか。いや、幼虫人の様子を見に来たんだ」

「そ、そうですか。幼虫人はげんきにそだってますよ。どうぞ、なかにおはいりください」


 入った部屋は中部屋。10m四方の大部屋に比べて、少し小さめの7m四方の部屋だ。好き好きに布団が置かれており、居住一日目にしてかなり生活感が出ている。

 布団は座布団代わりに使っているようだ。そういえば、家具とか用意してなかったな。……あとで部屋の改築を進めよう。


「お、お邪魔します」

「お邪魔するっス」

「あ、あのときの……おおきくなったのですね!」

「どうもお世話になったっス」


 こちらはすぐに仲良くなれそうだ。さて、取り敢えず幼虫人はどうなってるのか……。

 どうやら今はドクとユカリが抱いているらしい。俺は2人に近づく。


「どんな様子だ?」

「はい、ふたりともげんきですよ」

「それはよかった……んだが、なんか、肌が緑色じゃないか? ……こっちは胴体が膨らんでいるんだが」

「ど、どうしたんだろうなー。しんかさきが蟻人族とはちがうんじゃない?」

「なるほど、進化の予兆か。……にしても、アゲハもそうだが、お前達、喋り方が流暢になってきたんじゃないか?」

「そう? 私にはわからないけど、兄貴がいうならそうなのかなぁ?」

「ほら、ドクの一人称と二人称の発音とか。お前達も成長するんじゃないか?」

「そうですね。もしかしたらあすにはしんかしているかもしれませんね」


 ユカリが嬉しそうに言う。なるほど、こっちも進化か。こうしてモンスターはどんどん育っていくんだな。わかりきっていることだが、変化を実際に目の当たりにすると、出会ったのは昨日のはずなのに、嬉しさとか、僅かな寂しさとか、色々感じてしまうな。


『発想が完全にお父さんのそれですよ、火狩』

「誰がお父さんだ」



しかし、そうか。明日には進化か。ダンジョンモンスターだもんな。成長は早い。

他の幼蝶人族も同じなのだろうか。俺が周りの顔触れを見渡そうとしたその時……。


『火狩。来ました』

「……あぁ。頭ん中に響いてるよ。昨日ぶりか。あんときゃ死んじまったけどな」

「おにい……」


いきなり険しい顔になった俺に不安を煽られたのか、この場にいる全ての目が、俺に向けられた。

…………じゃあ、やろう。


「全員、隠れていろ。




…………侵入者だ」



願わくば、レベルは600以内に収まっていて欲しいものだ。

 

















「相手の状況は?」

『入口でダンジョン内の様子を伺っています。まだ隠れているビッグローチには気付いていません』

「人数とおおよその武器、そこから予想できる範囲の職業は?」

『ダンジョン内に入り込んでいるのは3人、外にも人影が見えますが、人数は不明です。ダンジョン内の3人の武装は左から革鎧と短剣、鉄の胸当てと銅の剣、革の胸当てと鉄斧。どれも粗悪品のようで、傷や刃こぼれが目立ちますね』


 ダンジョンマップで、敵を表す赤い点を追いながらカメラを動かしていると、丁度入口を正面にした映像が映る。……確かに、男が3人。その後ろにフードを被った性別不明の人もいる。

 あまり小奇麗な格好ではないことから、盗賊か何かだと思うが、後ろのローブは少し警戒が必要か。


『見える敵より見えないナントカですかね。魔法でも使ってくるのでしょうか?』

「魔法使いは厄介だ。だが、こちとらファンタジーゲームはそう珍しくもない世界から来てるんだ。PvPの基本は後衛崩しってな」

『なるほど。それで、どうやって迎え撃つのですか?』

「真っ向から勝負は挑まない。地の利はこっちにあるんだ。焦らず行こう。……さて、ピントも合わせたし、初めての敵さんがどんなもんか、見させてもらうとしましょうかね」



 俺は手元のモニターを操作し、映像に映る侵入者3人に狙いを定める。


「見せてくれ、お前達の隠された力を」


 若干テンションが上がっている事は否定しない。

 さて、俺はモニターに浮かび上がった侵入者の情報を確認する。



 ▼


 普通人ヒュム族 Lv25

 職業:『野盗』『探索者』


 普通人ヒュム族 Lv32

 職業:『野盗』『剣士』


 普通人ヒュム族 Lv26

 職業:『野盗』『重戦士』


 ▲



 これは、ダンジョンマスターがデフォルトで使用できる技能。名前はない。

 侵入者の簡単な種族とレベル、職業が見えるという、鑑定系では下位に位置する程度の効果だ。本来は職業レベルもあるんだが、そこまでは見ることができない。しかし、こうして画面越しに使えるという点で、体に直接覚えさせる『鑑定』スキルとの差別化ができている。


 と、どうやら、後ろの奴らも入ってきたな。……数は2人だったか。合計5人。少し厳しいか?

 心の端に焦りを感じながらも、俺はすかさず追加の2人分の情報を確認する。


 すると、表示された内容には、このように記載されていた。



 ▼


 森人エルフ族 Lv36

 職業:『奴隷』『死霊使い』


 森人エルフ族 Lv29

 職業:『奴隷』『格闘家』


 ▲



 なん……だと……? 

 俺は、心の底から驚愕を露わにした。














「この世界にはエルフがいるのか!!」

『色々ツッコミどころがある中でそこをチョイスしますか!?』


 ダンジョンマスターになり僅か2日。俺がついにこの世界が本物の異世界であると認識した瞬間だった。

戦闘シーンは苦手なところ。

それ故、ジックリネットリと書いていきたいので、一日程遅れてしまうかもしれません。

この作品を楽しみにしてくれている皆様には大変ご迷惑をおかけします。申し訳ございません。


それと、そうですね。皆さん知っての通り、私は文才がないド素人です。

良かれと思って投稿したのに、あとになって「何この文……」とかやってます。

なので、後からこっそり文章変えたりしているわけですね。

投稿し始めに読んでくれていた方など、もう一度最初から読み直してみると、「あ、ここ変わってる」とか、発見できて面白いかもしれませんねww


……そうですよね! 変更前の文章なんて覚えてませんよね! 私の作品なんかより面白い小説は山ほどあるんですから、こんな駄文忘却の彼方ですよね! ごめんなさい!! そしてこんなの「間違い探し」と銘打ったただの書き直しのいいわけですよね!! 重ねてすみませんでした! さらにさらに、もし仮に奇跡的に作品の内容覚えていてくれてる心優しいお方がいらっしゃったとして! こんな駄文のために二度見なんてしませんよね!! 重ね重ねて申し訳ございませんでしたぁ!!


……失敬。少々テンションが上がってしまったようです。


つまり、私が言いたいことはですね……。



こんな私の作品を読んでくれてありがとうございます! これからも頑張りますので、応援よろしくお願いします!


……ってことだよ。言わせんな恥ずかしい。

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