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俺が育てたモンスターでダンジョンハーレム  作者: どげざむらい
第一章 蟻集まって木揺がす
33/37

おまけ1 蝶の舞う日

冒険者編が終わったので、番外編です。


今回は、あまり描写していなかった、幼蝶人族達の進化した姿を紹介していきます。




新しい虫人のアイデアが浮かんでは消えていく……。

次の章でまた増えるだろうし、今まで登場した子の詳細なストーリーは、しっかり描写していきたいと思います。




冬になると虫を見る機会が減ってきますね。残念です。

しかし、毎日変わらず飛び回る雪虫の様子は、いつ見ても飽きませんね。

たまに、呼吸をすると鼻に入ってきそうになって大変です。

でも可愛いから許す。

 これは、少しだけ過去の話……。









 飾り気の無い質素なベッドで、気持ち良く熟睡していた俺の肩に、そっと触れる小さな二つの感触。

 それは、俺の体を優しく揺すり起こそうとしていた。




 誰だ……いや、俺を起しに来る奴なんか、決まって妹の火借だろう。

 だが、あの妹がこんな優しく揺するか? あいつなら……うん、まずはドロップキックが飛んでくるだろう。



 じゃあ、一体……頭の中ではそう疑問に思いながらも、体を起こす事は無かった。


「……! ……!」


 揺する勢いが強くなる。

 だが、激しすぎない程度にだ。


「う……ん?」


 今度こそ、うっすらと目を開ける事が出来た俺は、目の前に、ボヤけた真っ白な壁があるのがわかった。

 部屋の壁か。そう思ったのだが、どうやらその壁は動いているようだ。俺を揺する動きに合わせて、水飲み鳥のように前後に揺れる。


 しばらく目を開けていると、ようやくピントが合う。

 白い壁は、白い人影に変貌していた。



「……ええと…………誰?」

「……♪」


 白い髪に白い肌。フカフカの真っ白なマフラーで顔のした半分を隠した、白い服のその女性は、漆塗りの陶器のような輝きを放つ目だけで、ニッコリと俺に笑いかけた。





『おはようございます。現在時刻は日本時間で6:30分です』

「…………」


 明らかに目の前の女性から聞こえたわけではないとわかる、少々機械質に響く女性の声。

 出会ってからもうじきひと月になる聞き慣れたその声に、俺は、ようやく自分がダンジョンにいるということを思い出した。


「……ああ、おはようガイドちゃん。俺はどうやら君の話を聞き逃してしまったようだ。……今、何時だって?」

『6:33分です。起床時間新記録ですよ』

「……♪♪」


 目の前で、相変わらず無口に笑う白づくめの女性と、どことなく嬉し気なガイドちゃんの声に、俺の思考は停止した。



「まだ早朝じゃないか。……お休み」

『早朝じゃありませんよ! ほら、起きなさい、火狩! 火狩!!』

「……!(汗) ……!(汗)」


 俺にとって、午前中はすべからく早朝なのだ。

 心の中でそう言い訳し、俺の意識は深い闇へと…………。


[起きて!!]

「ヘブシッ!?」


 脳天に落ちてきたのは、分厚い画用紙の角であった…………あれ、どっかで見たことがあるような……。


 そして、今度こそ俺の意識は闇へ沈んだ。




「…………(ヤッちった)」

『殺ってませんから、いいから早く起こして下さい』


 その後、俺が目を覚ましたのは2時間後だったという。



 ☆



「……おはよう」

「……(汗)」

「なんか、後頭部が痛いんだが」

「……(ビクッ)」


 ズキズキとした痛みに目を覚ました俺は、のっそりと起き上がり、ベッドの脇で正座しながら冷や汗を垂らしている女性に目を向けた。


 見れば見るほど白い人だ。肌なんて、まるで新雪のように色の混じりがない。

 飾り気のないワンピースや、僅かなレースのついた長い白手袋は、質素ではあるが、品が薄いわけではなく、逆に、装飾もなく目映い美しさを見せる女性に高級感を与えてさえいる。

 ……正直言って、かなりスタイルがいい。グラマラス……とまではいかないが、そこそこ発育は良い。俺よりは低いが、160程ある彼女は、女性にしては長身だろう。


 白銀にも近い輝きを放つ白髪の隙間からは、櫛状の大きな触覚が飛び出していて、俺が声をかける度に、ピクピクと飛び跳ねている。

 そして、その女性の背中からは、羽毛布団のようなフカフカな羽が二枚、ゆっくりとした動作ではためいていた。



 触覚……羽……いや、羽根? 触ったら気持ちの良さそうなケバケバだ。やはり羽根じゃなかろうか?


 まあ、取り敢えず、そんな特徴を持った彼女は、きっとこのダンジョンの住人である、『虫人インセクトノイド』の一員で違いない……のだが。



「……誰だっけ」

「!?(゜ロ゜)」


 なんか、ショックを受けたみたいな顔をされたんだが……実際俺はこの美女と出会ったことなんてないんだがな……。


 そう思ってさらにジックリと彼女を観察する。



「……(ジー)」

「……?」

「……(ジーー)」

「……(^^;」

「……(ジーーーー)」

「……(;´д`)」

「……(ジィーーーーーー)」

「…………///」

「……あ」

「!!」


 全身真っ白だからこそ目立つ真っ黒な瞳を見て、あいつの姿が思い浮かんだ。


「お前……ハクビ?」

「~~~!!(抱きっ)」

「おぉう!?」


 どうやら、正解だったらしい。涙目になりながら、耳まで真っ赤にして俺の胸に飛び込んできたハクビらしき女性を抱きとめる。……羽毛布団あったかいナリィ……。





「そうか、もう進化が終わっていたのか。……てことは、ほかの奴らも?」

「……(コク)」


 俺の問いに、笑顔で答えるハクビ。今は、新調したばかりのキャスター付き回転椅子に俺が座り、さっきまで俺が寝ていたベッドに、ハクビが女の子座りをしているという配置だ。


『火狩。様子を見に行ってはどうですか? その間に、私は新しい虫モンスターを購入できないか見ておきますので』


 ガイドちゃんの提案により、俺は今日の予定を全て繰り上げ、虫人達の視察に行くことに決めたのだった。



 ★



「『蛹形態コクーン』の時は絶対安静だったから、近寄らないでいたけど、そうか。ようやくあいつらとも話せるのか。どんな姿になっているのか楽しみだな」


 あの、幼かった少女達がどんな変化を見せているのか。ハクビの変わり様からもある程度は想像できる。……さて、拠点周りの通路はこんなに長かったか? と思いながら、歩き続けること数分。

 なんとなく、『面会謝絶』の張り紙を付けておいた扉に到着した。

 中からは、明るい女の子たちの談笑の声が僅かに聞こえる。


「……よし、行くか」


 ここで待つ意味も後ずさる理由もない。俺はとっとと扉に手を掛ける。



「よう、元気してるかー」

「あら、お兄様? ご機嫌麗しゅう」



 そこには、予想の斜め上を行く容姿の女性が待ち構えていた。



 ☆



「…………」

「どうかしました? お兄様。先程から一言も話しておりませんが……」


 ……この部屋の住人、『幼蝶人族キャタピラノイド』が進化する時に、岩肌が剥き出しだった薄暗い部屋は、今はとても小さな人工太陽(の様なライト)が明るく室内を照らし、俺の背丈の軽く三倍以上はある巨大な草花が視界を埋め尽くす、まるで自分が本当の虫にでもなったかのような空間が広がっている。

 そんな空間の一角にある、木造の小屋。そこの6畳程の畳部屋で、俺は正座していた。

 ハクビもちょこんと座っている。

 目の前には、黄色と黒の豪華な装飾のついた着物を着飾る、アゲハ蝶のような羽の生えた女性が、妖艶な笑みを浮かべている。



 ……認めん。認めんぞ。




「あの可愛らしかったアゲハが……こんな事に!?」

「な、なんですの!?」


 しまった、あまりにショッキング過ぎて、つい声に出してしまった。

 俺は、もう一度目の前の女性…………アゲハに目を向ける。


 見た目は二十代前半。顔立ちは……完全に大人のそれだ。恥ずかしがって顔を隠していた幼い少女のあどけなさは欠片も残っていないが、よく見れば少しだけ面影がある様にも思える。

 豪華な着物に似合う整った綺麗な顔立ちは、いつまで見ても素直に美人にしか見えない。



 ……そうか、これが成長というやつか……。



「いや……少し取り乱した。すまない」

「そうですか……いえ、それは別にいいんですの(いつもの事ですし)」


 些か不服な判断をされた気がするが、まあいい。

 それより今は、どんな形であれ、この子達の成長を祝おうではないか。


「なあ、アゲハ。他の子達は」

「にい様。お茶を入れましたよ」

「ん? ……お、おぉ」


 目の前の机に丁寧に置かれる湯呑。そこから伸びる細い指を辿っていくと、そこには、アゲハとは違い、全身真っ黒な着物を来ている。だが、どうやら模様はあるらしく、黒い生地に、さらに黒い刺繍が施されている。その顔立ちは、アゲハとそっくりだ。


「……もしかして、コクイか?」

「はい、そうですよ。にい様?」


 そこにいたのは、ジャコウアゲハのコクイ。

 ……幼虫の頃からアゲハ似ているとは思ったが、顔が全部見えるようになった今は、本当に瓜二つだったんだという事が確認できた。


「そういえば、他の奴らは?」


 この小屋に来る途中では、アゲハ以外の『蝶人族バタフライノイド』を見ていない。という事は、この小屋の中にいるはずなんだが……。


「全員いますよ。少し、進化が遅かった者もいて、まだ寝ぼけているようです」

「へぇ。じゃ、目が覚めるまで待つかな」


 コクイの返答に頷くと、俺は湯呑のお茶を煽る。……うん、美味い。



「あ、ハクビは飲まないのか?」

「…………(フルフル)」


 どうやら飲めないようだ。……やっぱり、口はないのかね。見せてくれないけど。



和式を好んだ彼女達の為に作ったこの部屋には、和菓子も沢山ある。俺はその中から芋羊羹を選んで一口齧る。……うん、やっぱ異世界にいても日本の食べ物が食べられるのはいいな。DPが無駄に掛かるけど、コスパよりも快適な食を選びたい。


 小さく齧りながら、最後の一口を放り込もうとしたその時、目の前のふすまがバン! と音を立てて開いた。

 驚いて音のした方に振り向くハクビと、のほほんと新しいお茶を煎るコクイ。アゲハは動じていない様で、ニコニコとしている。


「おや、どうやら来たようですね」

「お兄ちゃん! おはよう! あ、羊羹! 私も食べる!」


 白い着物で袖口や裾が黒く縁どられている。着物というよりは、動きやすい浴衣だ。

 見た目は高校生くらいか、まだ、幼虫だった時の可愛げが若干ながら残っている。

 頭の触覚もピョンピョンと元気に跳ねている。


「お前は……マシロか?」


 元気よく飛び込み、俺の隣に陣取って食べかけの芋羊羹を奪い取るマシロ。

 一口食べて幸せそうに目を閉じている。


「~~~~!?!?」


 なんか、ハクビが真っ赤な顔をして目を開いているが、そんなに芋羊羹が食べたいならまだいっぱいあるだろうに。


「…………(くっ)」


 心底悔しそうである。なぜだ。


「ん~、美味しい! もっとある? もっと!」

「あー、わかったから、ほら。いくらでも出すから落ち着け」

「うん!」


 モキュモキュと和菓子を詰め込み、その度に幸せそうな顔をするマシロに、自然と俺の顔もほころぶ。



 そして、ハクビの顔がこわばる。だからなぜだ。



 それから数秒もしないうち、狭い部屋に新しく人が入ってくる。


「マシロちゃん待ってよ~………って、兄貴じゃん。おっひさ~!」

「ま、まま待て! 俺に近づくなぁ!」

「ぅえ!?」


 黄色い中振りの着物をバタバタと振り回し、俺に走り寄ろうとする金髪の女性を全力で止める。


 何故そうしたかは分からない。だが、俺の感が告げていた。こいつに触れるのは絶対にマズイ!



 見た目は二十歳程で、細身の女性だ。

 目は黒く、パッチリと大きく開いている。

 濃い金色の髪をお団子に纏め、その隙間からは、ハクビのものより一回りくらい小さな櫛状の触覚を出している。

 見た感じ外人じみた外見だが、来ているものは黄色の振袖。そして、同じく黄色の襟巻き。

 その服は全体的に金粉が散りばめられており、動く度に、キラキラとした粉が彼女の周りを舞っている。


 あの粉はヤバイ。



「……なあ、お前、ひょっとしてドクか?」

「おお、よくわかったな兄貴!」

「……絶対に俺に近づくなよ」

「だからなんでさ!!」


 やめろ! かぶれる! かぶれる!!




「……ふぅ、酷い目にあった」

「それはこっちのセリフだっての……折角兄貴と再開したのに……なんだいなんだい。もう知らないもん。……ブツブツブツブツ…………」


 部屋の隅で体育座りをしてしまったドクは置いておこう。……多少悪いとは思うが、ドクガはダメなんだ。すまぬ。



「兄ちゃん! 来てくれたんだ!」

「ぐほっ」


 ドクに目を向けていたら、正面から何かに衝突されてしまった。

 胸に頭突きを喰らい、息が苦しくなっている中、俺は飛び込んできた2人の頭を……ん? 2人?


「兄ちゃん! カエデ、進化したよ!」

「今まで存在感なかった分、これから頑張るよ!!」


 黒い生地に白い水玉と赤いライン。そんな派手な着物の少女が…………まるで双子のようにそっくりな二人の少女が、こちらを純粋な目で見つめていた。

 ……ハクビの背後に鬼が見える。



 ついぞ最後まで正体不明だったカエデ。その正体は……かなり特殊な蛾の仲間だった。



「ビロウドハマキ種……。頭と尻尾の見分けがつかないとかいうあれか。だがなんで増えたし」

「「どっちが本物だ?」」

「知るか。ていうかどけ。成人女性二人も抱えて置けるか。ほら、シッシ」

「「チェー」」


 渋々というように俺の上からどく2人(1人)。

 顔つきは凛々しく、勇ましい女騎士を思わせるが、全く力の篭っていないキョトンとした目がすべてを台無しにしている。燃えるような赤髪を腰まであるポニーテールにしており、その毛先は、何故か2人の髪を纏めて結んでおり、頭をかなり近づけさせないと髪を引っ張られてしまい、痛そうだ。

 だが、特に不自由そうな感じはなく、自然に頭の位置を合わせて行動している。


 よく見ると、着物の裾が繋がって、二人三脚のようになっている。

 ……いや、というよりこれは……。



「足が3本……本体から繋がっているのか?」



 僅かに見える素足は3本しか見えていない。一体どういうことだ?



「いやいや、私は元々1人だし」

「繋がってるという表現は間違ってる……気がする」


 俺の考えに反し、そう答えるカエデ。……よく違いがわからないが、繋がってるというよりは、分離しているに近いんだろうか?



「……じゃあ、なんで上半身は2つあるんだよ」

「片方は下半身だよ」

「片方は偽物だよ」

「私の意思は1つだし」

「脳も心臓も心も1つだよ」


 ……わけがわからない。まあ、片方は本物の胴体ではないって事でいいんだよな。

 なんか、すごい濃いキャラになったな。


「ま、俺はあんまり気にしないけど」

「そうしてそうして」

「あ、羊羹私も食べる」

「はいよ……にしても、全然見分けがつかないな。コクイとアゲハよりそっくりじゃないか?」

「そう? あ、これ美味しい」

「確かにそうかも。どうすれば見分けつくんだろうね?」


 俺の掛ける声に生返事を返しつつ、右側の口で羊羹を頬張るカエデ。


 …………本体丸分かりじゃねえか。





「にぃに! ほんとにいたー! わーい!」

「おい、1人進化しきれてないぞ」

「いきなり酷いです!」


 「おーぼーですー!」と喚きながら、小さな拳でポカポカと叩いてくる小さな少女を軽くいなす。

 そこまで豪華な装飾のない地味な着物で、しかし、動く度に裏地の銀色がチラチラと覗いて眩しいこの少女は、ウラギンシジミのチナ。

 どうやら、進化したからといって、全員が全員変わるわけじゃなさそうだ。


「ん……ふぁ……はふ………」


 そんなチナと俺の取っ組み合いを見て、特に思う所もないように欠伸をし続ける、一二単の重々しい出で立ちの女性が1人。

 部屋いっぱいに広がりそうな羽を煩わしそうにパタパタさせて、コックリコックリと船を漕いでいる。

 着物を重ねていてもわかるくらいにその体は大きく、身長は2m超えていそうだ。


 幼虫の頃から、チナと一緒にいることが多かった、ヨナグニサンのヨナだ。


 前も今も、眠そうな様子は一切変わっているところがない。

 こういった所は、進化後もヤンチャなチナと似ているかもしれない。

 アゲハとコクイの容姿しかり、仲が良いと、どこか似てるくものなんだな。


 なお、俺とチナのプロレスを見て、背後に般若を浮かべていた誰かさんがいたことは、説明するまでもない。





「あら、流石にこの人数では手狭でございますか」


 てんやわんやになってしまった空間に、突如として現れたのは、この場にいる美女美少女達の誰にも劣らぬ、絶世の美女。

 黒に、紫の波模様が描かれた絢爛な着物を着飾るその女性は、俺と部屋内を一瞥し、フフ、と軽く笑う。


 お姫様カットの黒いロングストレートの髪。紅く光る瞳。きめの細かい肌から何まで、美しくない所を探す方が難しいくらいの美人だ。いや、それは全員に言えることなのだが……。その彼女だけは、群を抜いている。


「では、私も楽しいお茶会に参加させてもらいましょう。ねぇ、おにい?」


 その女性…………オオムラサキのユカリは、全てを飲み込みそうな魅惑の笑みを浮かべた。


 …………ハクビの背後の阿修羅観音が洒落にならないレベルなんだが……。





 ……さて、ここまでで大体『蝶人族バタフライノイド』と『蛾人族モスロイド』の様子は見てみたが…………。


「あれ、一人足りない?」


 人口密度が上がりすぎて、暑苦しくなった和室の中、俺は、1人見当たらないことに気付く。

 アゲハが、俺の言葉に気付いたように、ふと周囲を見渡す。




「……そういえば、ミノの姿が見当たりませんね」



 その時、俺はふと思い出した。



(……あれ、そう言えばミノ(オオミノガ)のメス成虫って…………)



 ★



 数分後、『蝶人族バタフライノイド』達が眠っていた小さな部屋にて、ミノは発見された。



『嫌だ! 働かないし外にも出ない! 私はここで永眠するんだー!』



 ……はち切れそうなくらいに膨れ上がった繭の中を占拠したまま。



 ここに、絶対防壁ニートが生まれた。

ニート爆誕。


ミノガのメスは、成虫になっても繭に引き篭ってます。うちのミノは、自分の意志で引き篭っています。

あんなに働き者だったミノの身に一体何があったというんだ……?



そして、幼蝶人族の中で一番空気だったカエデちゃんが、異形のモンスターになってしまいました……と思ったら、元々モンスターでした。

なら問題ないね。うん。



次回は蟻達の日常をお楽しみ下さい。





冬になると虫がいなくなると言ったが、あれは嘘だ。

普段掃除すらしないような部屋の隅っこに、ムカデ様やら蜘蛛様やらが集まっておいででした。

アブさんが飛び込んできました。

季節外れの蚊が弱々しく飛んでいました。

家の壁で小さないのちが懸命に生きていました。

ゴキブリ様を捕まえて森へお帰りしてあげました。


探すと意外と見つかるものです(主に屋内で)。

やはり、虫にとっても冬は寒いんでしょうね。

虫の這って来にくいベッドで寝ている事に後悔します。

誰もが羨む、ムカデの這う感触で目覚める、という素敵イベントが起こりません。誰かどうにかして下さい。どうすればムカデが首元まで来てくれるんですかどうしてそんなに好かれるんですか嫉妬しちゃいますよクソー(´・ω・`)

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