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俺が育てたモンスターでダンジョンハーレム  作者: どげざむらい
第一章 蟻集まって木揺がす
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第27話  魔法使いの豪砲

久しぶりに早めの投稿ができた気がします。

1日1話はやはり厳しいものがありますね。

楽しみにしてくれてる方には誠に申し訳ないと思っているのですが、マイペースに書かせて頂きたいと思っております。


私に虫と戯れる時間をクダサイ(真面目)。





そういえば、今家に放し飼いにしているアシダカグモが2匹いるはずなんですが、1匹、見かけなくなっちゃったんですよね。

もう1匹は先ほど見かけて、今は私の手によって弄ばれているのですが。


あ、逃げた。


追いかけられないので無視ですね。

まあ、その、もう1匹、もしかしたら、外に逃げちゃいましたかね?

自然に帰ることは勿論引き止める気はないですし、縛り付けとくのもアレなのですが……。毎日見ていた顔が無くなるというのは、少々寂しい気がしますよね。


皆さんも、今隣にいる友人達との関係を大切にし、いつ別れても悔いの残らない様にするといいですよ。(キラッ☆)






……虫を通していい話風にまとめた……これで虫の評価うなぎのぼりや! 虫だけどうなぎや!(小声)


「ガイドちゃん、モニターチェックオーケー?」

『感度良好。音声までバッチリです。ゴブリンマスターさんから購入した集音器はどうやら、かなりの高級品の様ですね』


集音器とは、ダンジョン内の音声を拠点に届けてくれる機材の事だ。これがあれば、侵入者の会話から、ある程度の作戦を立てる事ができる。

今は、一定の距離感で壁の中に埋め込んでいる。


「そうか。全員分の視点も確保したし、あとはどの道を選んだのか、なのだが……」

『見事に、(こちら側に)相性が良くない部屋を選ばれましたね』

「こりゃ、面倒なハンディキャップだな。……しゃぁねえか。敵がどんな職業かなんて最初からわからないし、相性に頼らず自力で頑張るしかないな」


あの広場から繋がっている分かれ道。12個あった道の向こうには、それぞれ別の障害が待ち受けている。


例えば、あのラインゴッドという名の重戦士? が通った道の先には、コロシアムがあり、実力のある虫人達に3連勝しなければ通れない。しかも、勝利する度に虫モンスターが出てきたり、足元の砂に流砂が出来たりと、色々な妨害ギミックが仕組まれている。


 ……だが、肝心の虫人がセルを除き全員サボると言う大事件発生。まぁ、別にいいんだが。


 今回は稼働テストも兼ねて行なっているから、別にコロシアムが突破されても問題ない。その次の罠を試せばいいだけだ。

 

 取り敢えず、セルをここで失う訳にもいかないので、『伝虫』を使って、あまり無理をしないように伝えておく。



「セル。危なくなったら撤退してもいいからな」

『ご心配ありがとうございます、ご主人様。私、心よりの感謝で胸が張り裂ける思いでございます。しかし、ご安心を。必ずや侵入者排除のお役目、務め果たさせて頂きます」

「あ、ああ。頼むな」


 駄目だ。忠誠心が高すぎる。



「……他の所を見ておくか。ガイドちゃん。ギミックに一番ハマりそうなのはどこだ?」

『現在、魔法使いの女が、『水面下の支配者の間』にて、接敵しますよ』

「あそこか。よし…………油断するなよ……『ローリー』、『ステラ』」

『え? あ~っと。はい、わかりましたー』

「……ローリーは?」

『……あっ、と…………寝てます……かね?』

「……はぁ」


 ……心配すぎるが、まあ、頑張って欲しいものだ。




 ☆



「もう、最悪ね。せっかくの一張羅がずぶ濡れよ。……まさか、ダンジョン内にこんな地下水脈があったなんてね」


 つばの広い、大きな三角帽子をかぶる『魔導砲士マギカノン』、ミスティは、誰も聞いていない事を自覚しながら、それでも漏れ出すため息と共に、不満をボヤいていた。


 彼女は、他の仲間達と同様、1人で奥に進む道を選んだのだが、彼女が入った場所は、ただの洞窟への入口では無かったのだ。


 扉を抜けた瞬間訪れるのは浮遊感。そして、足元からは冷たい何かが迫ってきて、次には何かに包まれるような柔らかい感触。



 彼女は、洞窟内を満たす巨大な池に落ちてしまったのだ。


 冷静に状況を確認し、立ち上がって見たところ、水位は丁度自分の腰まで。


 泳いで行く必要がある程深くはないが、歩くにしては深い、中々にいやらしい水量だ。


「……まあ、別に問題ないんだけどね」


 そう呟いて、ミスティはあろう事か、水中に潜ってしまった。


(『遊泳』、『水中呼吸』、『水泳高速化』)


 そして信じられないことに彼女は、魚も追いつけない程のスピードで泳ぎだしたのだ。



(ふふん、水属性の魔法使いに水中戦を挑むなんて、全くもって無謀だわ。でも面白そうだから、こっちから出迎えちゃいましょ♪)



 そしてミスティは、水中限定で発動する超探知スキルを使用し、自分に近づいてくる敵を発見したのだった。


 …………しかし、それと同時に、何か言い得もない未知の反応にも、混乱していた。


 水中の敵を探知できる『水中感知』。ミスティの持つそのスキルの有効範囲は、言わずもがな、水中である。今、その範囲に入っている敵の数は100体を超える。そのうち、大きな反応も1つ。


 ……だが、それだけではなかった。先程から、正体不明の「ナニカ」が、自分の『水中感知』の範囲内に、一瞬入ったり、出たりを繰り返しているのだ。

 反応が一瞬過ぎて、意識していなければ見逃してしまうレベルの反応だが、こんな高速で水中と水上を交互に行き来できる魔物など彼女は知らない。


(反応がおかしいわね。さっきから、私の探査圏内ギリギリを出たり入ったりしているナニカが…………)


 不思議に思いながらも、今水上に顔を出すと、感知している水中の魔物の姿を見失ってしまうため、出せないでいる。


 天井にも魔法による探知を行き渡らせているため、壁に張り付いてから飛び込んでくる奇襲はないと見ていい。


 そして、遂に水中の魔物と接触しようとしたその時…………。



 水面を、『ナニカ』が動いた。



(まさか!? 水面を歩いている(・・・・・・・・)!?)


 気付いた瞬間、ミスティは超人並みの反応速度で横に1mズレる。


 すると、先程まで自分が居た位置を駆け抜ける、『刃』の一筋が、視界に映った。



『あれ……? ま、いっか』


 水中だからか、篭った声が聞こえる。その方向を見ると、水面に浮かんだボヤけた輪郭が見える。


 本当に、水の上に立っているのだ。先程チラチラと『水中感知』に反応していたのは、この敵が歩く度に、若干足が水に沈んでいたからなのだ。



 だが、分かったところでもう遅い。水面の敵に対処する暇もなく、ミスティは、水中を高速で動く、細長い体をした白っぽい生き物に囲まれてしまった。

 その生物は、大きな鎌状の顎を持っていて、見た目は何かの幼虫のようだ。


 6本の細い腿をばたつかせ、体をくねらせながら迫ってくるウネウネとした不気味な形状の幼虫に、生理的嫌悪感を覚えながらも、ミスティは冷静に魔法を放つ。



(『アクアウェーブ』)


 自身の体を中心に、球体の波動が広がる。

 その衝撃に体を押し返され、ミスティからだんだんと離れていく幼虫達。

 必死に泳いで抵抗するが、力足りず、徐々に流されてしまう。



 その効果は、水中の敵だけでなく、水面にも影響を与えていた。

 水面でミスティを狙っていた何者かは、急に波打ち出した水に足を取られ、体勢を保つのに精一杯になっていたのだ。



 しかし、そんな中で、波に負けずミスティに近づいていく魔物の姿もあった。


 色合いは前の幼虫と似通っているが、形は少しだけ変わっている。

 前述の幼虫よりも体が短く、太い。さっきの幼虫がムカデのような形だというのならば、こちらはセミに似ている。背中にはとても小さな翅のようなものも見えるが、決して飛翔するための物には思えない。

 顔は四角く角張っていて、大きな顎は、先程の幼虫とは比べ物にならない大きさだ。

 それが、尖った尻の先から、勢いよく水を吹き出し、ジェット推進のように飛んでくるのだ。

 波を立てる程度で弾き返せるような勢いではない。



 見るからに危ない。そう感じ取ったミスティは、次の魔法を準備する。



 『水精の加護』という称号を持っている彼女にとって、水の中は、詠唱なしに魔法を発動できるという、まさに自分のフェイバリットゾーンであった。



(『ウォーターカノン』!!)



 巨大な水球が、高速の魔物めがけて飛んで行く。

 水の中だというのに、ハッキリと形が分かるほど、圧縮された巨大水球。

 その大きさは、直径2mの大玉だ。


 それが魔物に当たった瞬間、魔物は粉々に弾け飛んでしまった。



 それだけでは終わらない。飛んだ水球は勢いを殺すことなく、さらに奥の魔物にも向かう。

 波に押され、上手く泳げない細長い幼虫を蹴散らし、水底で大爆発を起こし、さらに魔物を巻き込む。



 たった一発の魔法で、死んだ魔物の数は、およそ20。



 これが、火力重視の大魔法使い、『魔導砲士』の『中級魔法』である。



(んふふ、まだまだ、私の魔法はこれからよ!)


 魔法の中では、最も威力の低い属性と言われる水属性。

 その理由は、水属性には補助系の魔法が多いためと言われているが、実際その通りなのだ。


 ウォーターカッターなどの存在しないこの世界で、水に威力のある魔法を求める者は少ない。

 しかし、彼女はどうやらその少数派らしく、ミスティは、水魔法を火力方面に極めた第一人者とも言える人物なのだ。



 火力に拘ったせいで、精密動作が得意ではなく、ウォーターカッターのように、細かな水圧制御が必要な技術を持つことができなかったという事は、誠に残念なものである。



(水面の奴もそろそろ体勢を立て直して戦線復帰してくるだろうし、奥にいる一番大きいのもまだ姿を現さない……か。……それなら、無理やり引きずり出してあげるわ!)



 大軍戦は雑魚から倒すというのはどこの世界の常識だったか。しかし、彼女にその知識は通用しない。



『大群は、頭ごと吹き飛ばす』


 それがミスティのやり方であった。



(『アクア・エクスプロージョン』!!)



 瞬間、爆発。


 巨大な爆発音は。本物の煙が上がるのではないかと言うくらいの、特大威力。

 その爆風に飛ばされた幼虫達が散り散りに流される中、その『少女』は、ミスティの目の前で止まった。



「…………シュコー」

「…………(何アレ?)」



 その姿は、流石のミスティでさえ狼狽えるほどに異質だった。



 170程で背は高い。髪は黒く、前髪を揃えたショートカットだ。だが、水中なので髪は漂っており、その髪型はよく分からないことになっているが。

 この世界に住むミスティには知る由もないが、ミスティの目の前に現れた少女は、『ウェットスーツ』と呼ばれる、水中で活動するのに優れた衣服を身につけていた。

 足には大きな足ヒレ。目には黒い水泳ゴーグルを掛け、口にはシュノーケルを咥えている。

 背中には折り畳まれているが、翅がある事が確認できる。

 そして、両手には一本ずつ、巨大な鎌を持っている。



 そんな、この世界にはありえない容姿を少女は、シュノーケルを一旦口から吐き出し、ニタリと嗤う。


「あはぁ☆ 何でバレちゃったのかなぁ♪ しっかり隠れてたのにぃ……ま、いっか♪ 見つかっちゃったからにはァ☆ しっかり殺さないとねぇ♪♪」


 そして少女は、両手の鎌で素振りをやり始めた。


『えっと、ローリー。私も行く』

「はぁい♪ んふふふ☆ 2対1だね☆ 勝てる?」

(……勝つわよ。絶対に)



 ミスティは、手に握った杖を振り、魔法の構成を組み立てる。


「こわぁい☆ …………私ぃ、『田亀人族レットロイド』の、ローリーだよ♪ 強いからぁ……覚悟してね♡ あ、でもでもぉ……私寝起きだから、もしかしたら弱いかも♪」


 こうして、水生少女と、水魔法使いの激闘が、始まった。




 ★




「ウワァアアア!! だから嫌だったんですよぉおおおお!!!!」



 少女は今、走っていた。


 その背後からは、ゴゴゴゴゴゴ…………と、何か大きなものが迫ってくる音。



 ……そう、今少女は、『巨大な丸岩』に追いかけられていた。



「ィイヤァアアアア!!!!」



 下り坂を走る、走る、走る。


 岩はどんどん加速する。



 目の前にはハードルが並ぶ。


 少女は跳ぶ、跳ぶ、跳んで走る。


 岩はハードルを砕きながら迫る。



 進行方向の地面には穴があいている。


 少女は避ける、避ける、避けて走る。


 岩は穴を無視して転がり続ける。



 目の前の地面から槍が突き出す。


 少女は縫う、縫う、縫って走る。


 岩は槍をへし折り少女を追い立てる。



 目の前には深い池がある。


 少女は走る、走る、『水の上』を加速しながら走る。


 岩は減速。本来、水に入った時点で侵入者は岩の下敷きになっているはずなのだ。




「イィイイイヤァアアアア!!!」


 少女は走り続ける。ハードルにも、穴にも、槍にも、水にも気づかず、無意識に、無我夢中に走り続ける。



 この少女を見て、火狩どころか、ガイドちゃんまで何も話せなくなった事は、想像に難くない。

「☆」キャラが獰猛狂人カマキリさんだと思った人手挙げて。


前話で鎌持ってたからってカマキリだと思った? 残念タガメちゃんでした!

……なんか、前にも似たような事やった気がするなぁ。


しかし、その時にも思い知ったと思いますが、たった一つの特徴で特定できるほど、虫は甘くないです。その可能性は無限大です。

カマキリだと決め付けていた人、反省して下さい。


あっ、偉そうでしたよね!? ごめんなさい! マジでごめんなさい!!



そして、Cランク少女の実力が垣間見えましたね。

これがこの世界のCランクの力なのか……!? 火狩は戦慄しました。



次の投稿がいつになるのか決まってませんが、また見てくれると幸いです。

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