第23話 Aランク襲撃
おっそくなりましたー!!
すみませんすみませんすみません!!
ついでにごめんなさい!
あれもそれもこれも忙しいリアルと壊れる携帯が悪いんです!
修理とか代替えとかの手続きで休日が消え失せました! 申し訳ございません!
6を買おうとする人が多くて、待ち時間が長かったんです。
まあ、待ち時間は店の角っこにいた子蜘蛛数匹と戯れてたんで幸せでしたが。
というわけで、だいぶ待たせてしまいましたが、ようやく今出来上がりました!
どうぞ!
あ、子蜘蛛はビンに詰めてお持ち帰りしました。さて、アブラムシとかいないかな……。
「さて、では恒例の朝礼を始めるぞー」
「おはようございまーす」×いっぱい
『あの、待って下さい。恒例どころかこれ、1回目ですよね?』
「……♪」
ヘロー。昨日は心配でぐっすり眠れた群城火狩だ。
さあ、今日は予定されていた、偵察隊の到着日である。騎士団以来の大団体だ。丁重にお出迎えしなくてはならない。
「では、まずアリス。なにか報告はあるか?」
集会は喫茶店『虫の一服』にて行われている。
丸テーブルの向かいに、『女王蟻人族』、アリスがいた。
静かにローズティーの香りを楽しんでいたアリスがすごく様になっている。
「はい、昨日誕生した蟻人族が無事、成虫になりました。それと、今ここにいますが、8人の蟻人族が育てていた『幼虫人』も、成虫になったようですわね」
「そうか。ご苦労だったな。またダンジョンの繁栄のために励んでくれ」
「了解しましたわ」
定期的に様子を見ていたが、育てていた幼虫人は、もう立派な戦力に数えられる様になった。
8人いた幼虫人だが、その中の1人が特異個体。
そして、全ての子が戦闘特化型になってくれたのは、現状とても都合が良かった。
「……じゃあ、例の8人組。お前らは今日、戦闘を行って貰うと思う。……覚悟はいいな?」
丸テーブルを囲んでいる、個性豊かな仲間達に最後の確認を取る。
「無論、覚悟は出来ている」
「OK。いつでも来いや」
「望むところだぜ」
「え~っと、うん。大丈夫」
「ご主人様の意のままに」
「敵、斬首」
「う~ん☆ 早く戦いたいな♪」
「ダメッス! 逃げたいッス! ……じょ、冗談ッスよ、ヤダな~もうっ! ……はぁ」
よし、全員やる気に満ち溢れているな。……若干名、アリッサとキャラが被っているが、こいつは……な。同期が強すぎるもんな。後輩キャラに落ち着くのもわかる気がするし、あまり触れないでやろう。
「じゃあ、『蜜蜂人族』は、今日の仕事は休みだ」
「「「はいっ!」」」
元気な返事と共に、ブルブルと羽を震わせる10人のメイド達。うん、今日も張り切ってるな。休みだけど。
「それと……キリノは何かあるか?」
「戦いたい戦いたい戦いたい戦いたい」
「うん、分かった」
コーヒー豆をゴリゴリと削りながらブツブツと呟く少女に、俺は何も言えなかった。
さて、じゃあ次は……。
「さて、アゲハの代理として来た……大丈夫か?」
「背の高さで判断してませんか!? 大丈夫ですよ!私はちゃんと出来ます! 報告するだけですよね! えーと…………なんだっけ?」
「……はぁ」
「あー! 今ため息つきました! ダメなんですよ。ため息つくと幸せが逃げちゃうんです!」
「いけないんだー」と、まるで子供の様にはしゃぐ、事実子供であるこの少女。
白い斑点のついた 茶色の地味な着物に身を包み、その姿はまるで、江戸時代の町娘の様な印象を受ける。が、よく見てみると、着物は二枚重ねになっていて、少し動くと、生地の裏面は、目立つ銀色の光りを放っていた。
幼い態度や体躯に相応しく、可愛らしい顔立ちのこの少女は、かつて、最小の幼蝶人族であったチナである。
成虫になっても小さい。俺の半分しか身長がないぞ。あ、俺は高校生の平均な。
そして、未だ報告する内容が思い出せずにウンウン唸っているチナに、1つ助け舟が出された。
「……クシュン」
「クシュ……? くす……薬! そうです! ドクが飛ぶたびに鱗粉撒き散らすんです! 私達毒耐性無いのでどうにかして欲しいんです!」
「お、おう」
どういう連想ゲームかはわからないが、取り敢えずそういうことらしい。
「……はな、かゆい」
目の前のティラミスに乗っているココアパウダーを吸ってしまった少女は、そう言いながら鼻をスンスンさせる。
チナの隣でジッと座っていた少女は、俺から見てもかなり大きい。
身長は2mを余裕で超えていて、着ている着物も重そうな十二単。重圧をかけてくる目玉模様の服飾や、目が回りそうな湾曲した刺繍が特徴的だ。
彼女はヨナ。チナと反対に、最大の幼蝶人族だった子だ。
ヨナグニサンと言い、前世でも世界最大の蛾として有名だ。
……こいつはなんでついてきたのだろうか。
「ん……チナ……心配」
「な、何を〜! 私、ちゃんとできるもん!」
「ん……でも、心配」
体つきはともかく、精神的にはまだ幼く、それでいて優しい子だ。
自分の体より大きな羽は、他の人の邪魔にならない様に閉じられているが、それでも通路いっぱいに広がっているという……だから、普段は部屋を出入りしないんだな。
…… 拠点周りも広げるか。
「じゃあ、一通り報告も済ませたし……仕事に取り掛かるぞ! 戦闘員は配置につけ! それ以外は裏方だ! 配給とか手動罠とか、やってもらいたいことはいっぱいあるからな!」
「「「了解!!!」」」
さぁ、ようやく、俺のダンジョンのお披露目の時が来た。
これからが、本当のショータイムだ!
『あ、火狩が調子付き始めました』
「…………(ダメフラグ?)」
「戦いたい戦いたい戦いたい(ブツブツブツブツ……)」
……ま、まあ、程々に頑張ろう!
☆
「ようやく見つけました……入り口が小さいですよ。全くもう」
私が王都を出発したのが5日前。3日で『セソの町』に到着し、そして2日かけてこの森までやってきました。
……本当は、今日の早朝にダンジョンに挑むはずだったのですが、森に入ってからというもの、ダンジョンの入口が見つからず、結局昼近くになるまで彷徨ってしまいました。
そんなこんなでむくれっ面の私の頭を乱暴に掻き乱したのは、とても大柄な厳つい顔の男性です。
「ガハハ。ダンジョンに過度な夢は見ないほうがいいぜ、お嬢ちゃん。こんなものは、魔物がいるってだけで、そこらの洞窟と違いなんかねえからな」
それは、Aランクパーティーの1つ『最果ての探求者』の壁役。『守護騎士』のラインゴッドさんです。
その背には、見るからに重そうな、細長い楕円形のタワーシールドを担いでいて、全身隙間が一切見当たらない分厚い重鈍な鎧は、どんな攻撃も受け付けないという安心感を与えてくれます。
そして、彼の持っている装備品の全てが、世界一固く、世界一重いと言われている金属『オリハルコン』製と噂されています。
その性能はもちろん、その価値すら驚くほどのものなのでしょう。
そして何より、確実に人間が耐え切れるような重さじゃ無いであろうその装備を身につけて、平気な顔で動き回る、彼自身の身体能力に、私はAランクの力と言う物を思い知りました。
ラインゴッドさんはかなり豪快な性格のようで、この旅の途中、笑っている所しか見ていません。
怖い見た目に反して、とても思いやりがあります。
「こ~ら、ライ。あまり適当なこと言わないの」
気の強そうな声のした方向を振り向くと、そこには、黒ずくめの服装をした怪しい女性がいます。
怪しいとは言っても、怖い人ではありません。こちらもラインゴッドさんと同じく『最果ての探求者』のメンバー。『魔導砲士』のミスティさん。
実用性の低そうな、つばの広い三角帽子を被っていて、背中には、本来の半分しかない丈の短いマント。魔法使いの方がよく着ているローブは、何故か東の『マルテストリア法国』という、魔法使い発祥の地とも呼ばれる国の中でも、最大級の規模を誇る魔法学院、『エルディック王立魔法院』の制服です。
彼女は何年も前に卒業しているのだけど、気に入っているからと、ずっと使っているらしいです。
その制服は、まるで新品のように綺麗で、糸のほつれ1つ見つかりません。
つまり、ありとあらゆる局地を冒険していながら、その身その服には一切攻撃を受けていないという証明です。やはり、Aランク冒険者は只者じゃないですね。
ミスティさんは、大人のお姉さんという感じがして、面倒見のいい性格のようです。
周りを見渡してみると、談笑している他のメンバーの顔ぶれもよく見えます。
『最果ての探求者』からは、
寡黙なリーダー、『聖戦士』のカトリックさん。技巧派の剣技と、防御系に特化した神聖魔法の組み合わせはとても強力です。
本来、声掛けが重要なはずのリーダー枠に寡黙な彼がいると言うのは、それだけ実力が評価されているということと、そもそも、声を掛け合うまでもなく、最高のコンビネーションを見せることができるパーティだからという事にほかならないです。
不思議な雰囲気を醸し出している『上級神官』の女性。マリネリースさん。
回復のみならず、味方を強化する支援魔法も得意で、パーティーの要になっているほどの人です。
穏やかな人で、若干天然が入っている気がします。
黒い、独特な服装に覆面、赤いマフラーの青年『忍頭領』のレイシン。私と同じ20歳でAランク冒険者になれるなんて、凄い才能の持ち主です。
遠い国にある、『忍者』という職業に憧れて『探索者』の職を極め、遂に目標の1つ上の存在にまで成り上がった期待のルーキー。
ニンジャになるためだけに、最難関の依頼をこなし続け、職業を得るついでにAランクに上がってしまったのだとか。
いつも気配を消しているので、気にしていないとどこにいるのかわからなくなるのですが、話してみると気さくな人で、語尾に何故か「ござる」をつけて話します。
木上では、片胸だけプレートがついている革鎧と、顔の下半分を隠すバンダナを巻いた、銀髪のポニーテールの女性『遺跡狩人』のルサリカさんが、太い枝にノンビリとした表情で座っていた。
その背には、目に見えるほどに凝縮された魔力が篭っている、M字型の短弓を2つ、背負っている。素材は木の枝だが、玄の張られている先端部分は、魔獣のものだろう、巨大な牙で作られている。
矢筒に入れられた矢も、どこか恐怖心を煽られる見た目をした羽根がついていて、その一本一本が、ただの矢とは比べ物にならない代物だということがわかります。
彼女は、遺跡やダンジョンなどを探索する術に長けた狩人です。
本来は森や草原などの広い場所で力を発揮する弓ですが、彼女はそれを狭い所でも扱えるように弓の形や大きさを工夫し、立ち回りも独自に考え出したのだとか。
既存の弓使い達にはない、彼女だけの戦い方でAランクまで上り詰めた彼女には、他のAランクには無い雰囲気があります。
あまり話したことはありません。というより、自分のパーティーのメンバー達とも余り会話をしていません。
最初は、仲良くないのかなとも思いましたが、ミスティさんが、「ただシャイなだけよ」と言っていましたので、そうなのでしょう。
この6人が「最果ての探求者」のパーティーメンバーです。
今まで5個のダンジョンを攻略している実力を持ち、「千年竜の渓谷」に住む炎竜を無傷で討伐したなどの伝説も残しています。
そして、もう1つのパーティーですが……。
「子供のお守りなんぞやってられるか。ダンジョンは足手纏いを連れて攻略できるほど甘くない。悪いが俺達は先に行かせてもらう」
と言って、とっとと中に入ってしまいました。
……今回は攻略ではなく、調査が目的なのですが……そんな事は知ったこっちゃないという様子でした。
まあ、言ってもAランク冒険者ですから、万が一はないとは思いますので、本来の目的である調査は、こちらで進めることにします。
「では、行きましょう」
こうして私達は、待ち構える獣の様に大きな口を開いた入り口を踏み越えました。
『ギギィ?』
「…………」
逃げ出していいですか?
☆
「アハハハッ☆ 待て待て~♪」
「……斬」
何で、俺達は走っているんだ?
「戦の途中で敵に背を向けるとは、愚かなり! 刀の錆にしてくれようぞ!」
「武士道ですね。素晴らしいです。では、私も執事道と言う物をを見せてあげましょうか。……お客様には、丁重な御もてなしを……ね」
確か俺達は、発生したばかりのダンジョンを調査するとかいう、拍子抜けするくらいに簡単な依頼を受けたんだ。
Aランクパーティーが2組。失敗なんてありえない。それどころか、ダンジョンの1つや2つ、攻略する勢いの戦力だ。
だから、俺達は真面目にやるのもバカらしくなって、調査なんかいらねえ、とっとと攻略しちまえばいいだろって思って……。
あの足手纏いのCランクをおいてここに来たんだよ。
「う、うわぁあああ!!」
「ダリス!? くそっ! あのヤロォオオオ!!」
「ギャハハハ!! おらおら、もっと早く逃げねーと捕まえちまうぞ!」
「おい! うちの分も残しとけや!」
あいつら……楽しんでやがる……!!
最初は『探索者』がやられた。
罠を警戒して先導していたところ、いきなり腕が切り飛ばされたんだ。
何があったのかなんてわからなかった。ただ、いきなり見えない何かに斬られていた。
「……斬」
そんな言葉が聞こえると同時、今度はそいつの胴体が、真っ二つにされていた。
長年連れ添っていた仲間の死に悲しんでいる余裕はない。
次は頭上から降ってきた何かに、仲間の『砦戦士』がやられた。このパーティーで一番の防御力を誇る巨体に……大きく縦一本の切り傷がつけられたんだ。
……頑丈な盾を真っ二つにして、重厚な鎧を越えて、真っ直ぐ一文字にだ。
「アレェ? 真っ二つじゃないのォ☆ カタァい♪」
自身の体より大きな大鎌を持つ少女の姿を見たとき、俺は悟った。
ここは……生まれたてのダンジョンなんかじゃねぇ……。
化け物の巣窟だ!!
そうだ。俺達は逃げ出したんだ。あの化け物共から。
仲間を2人失って、それで逃げて……そして今、体力のない魔法使いが1人、『空に』さらわれた。
残りは3人だ。双剣士の俺と、神官と、気闘士だ。
だが、神官はもう駄目だ。後ろから追いかけてくる執事みてぇな奴が投げた針に肩を射られてから、歩みが遅くなっている。
多分毒だ。だが、いくら神官でも全力で走りながら解毒魔法なんて発動できない。
自分で回復できるからって、解毒剤も持たなかった。
なんで、何でだよ……!
こんなはずじゃなかった。
簡単な仕事のはずだった。
ここで死ぬはずじゃ無かった!
「なんで……」
「悲観してる暇があるんかぁ?」
「っ!?」
俺は……まだ…………!!
「……なんや、あっけなかったなぁ」
「まあ、今入ってきた7人より幾分かレベル低いらしいし、ハズレだな」
「……斬、不足」
「ふむ、見たところ、成り上がりたて、と言ったところでしょうか」
「まだ、1人も斬っておらぬでござる……!」
「ん~~……次の人達に期待だね☆」
まだ、この戦いは始まったばかりだ。
☆
「さて、もう1チームの様子は……」
ゴブリンさんから貰った集音器で、会話を聞いてっと……。
『どっちが正解だと思う?』
『こっち』
『よし、こっちにしよう』
神官が見事に正解を言い当ててました。……なんで!?
『この隠し扉は?』
『罠』
『よし、こっちだな』
だからなんで!?
……これ、本当に大丈夫なのか?
早速9人の新人が大活躍? それと同時にAランク冒険者1組は踏み台に降格しました。
流石にギルドリーダーでも、Aランク冒険者を2組集めるのは大変なようで、昇格したてのヒヨっ子くらいしか用意できなかったみたいです。弱いです。
しかし、『最果て』さん達はその分、手強い予感がします! さて、どうなるでしょうか! 次回! 遅れないように頑張ります! お楽しみに!




