第20話 静かな一日
執筆速度がどんどん低下している。
私は一体いつ寝ればいいんでしょう?
……まあいいか。楽しいですし。
皆さんの感想も楽しみにしています。是非もっと送ってください。
作者の糧にします。
あっ、なんか催促してるみたいでごめんなさい! そんな、くれと言っているわけではないのです! 誤解なさらぬよう!
それと、虫娘のリクエストありがとうございました!
様々な案があり、虫好き仲間の皆様の好みが知れて大変ご満悦の作者です。
リクエストにお応えできないものもあると思います。そうなってしまった場合、本当に申し訳ありません。
リクエストを取った(私はやっぱ駄目だと言いましたが)手前、リクエスト通りの虫を出したいのはやまやまなのですが、色々とこれからの展開を考慮していくと、どうしても出すのが難しくなる者もいます。
そういった場合、できるだけ、ご納得していただけるよう、よろしくお願いします。
昨日までより、明らかに静かになってしまった拠点を歩く。
カツン、カツンと、1つしかない足音が響いて、俺の前を行く。
普段より長く感じた通路を歩き終えた、一番奥の部屋。俺はそのドアノブに手をかけた。
「よぉ! 元気してるか?」
「……うるせぇ」
「あ、おはようございます……火狩さん?」
そこには、背もたれを倒したソファにドッカリと座り込み、分厚い本を読む仏頂面の小さなエルフと。
サンドバックに回し蹴りを入れていた、細身だがうっすらと筋肉の浮き出ているエルフがいた。
うぃっす! ウィンナーとソーセージとウィンナーソーセージの違いがわからない群城火狩だ。
今俺は、1週間程前に保護したエルフの住居となった部屋に遊びに来ていた。
部屋は全体を木造、しかも、自然さを多く出すために、丸太をそのまま使い、ログハウスのような作りになっている。5m四方で作ったそんな部屋の真ん中に、木製の丸テーブルと、小さなウッドチェア。
レンガ造りの暖炉まで置いてある(煙は自然に消える不思議)。
壁際には食器棚や、キッチンといった生活感のある家具。本棚、トレーニング用具などの、趣味のものもしっかり充実させている。
「何読んでやがるんだ?」
「……死霊系魔法に関する魔道書だ。……住み心地悪いけど、本の多さだけは評価してやるよ」
本から目を離さないエルフ(兄)。名前は『クラルカ・シルドニア』。
金髪で細身。顔立ちは整っていて、美少女の様だが、実は男。死霊使いの少年である。
「また生意気言いやがるな? こらー」
「ぐあーー!! 離せ! 頭に触るな! ほっとけー!!」
こう反発されると構いたくなるのが人の性である。
そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、丸テーブルにお茶を置いてくれる弟、『クライス・シルドニア』君も、苦笑いでこちらを見ている。
「クライス君も、ここでの暮らしは慣れた?」
「はい、すごく住みやすいです。ありがとうございます」
「いやいや、クライス君にもそう言ってもらえて嬉しいよ」
「おい、『も』ってなんだ。俺は別に慣れてなんかないぞ」
「……ふんぞり返って本読んでるくらいだし、その姿で言われても説得力ないぞ」
「……ふんっ」
それでも本を離さないクラルカ。どうやら、ここ(ダンジョン)なら本が読み放題(DPで購入できる)と知ってからは、完全に本の虫になってしまっているらしい。
「……あの、僕も、こんないい設備を貰っちゃって、本当にいいんでしょうか」
「ん~? ああ、いいよいいよ。どんどん使ってくれ」
「はいっ! ありがとうございます!」
勉強好きの兄と、運動好きの弟。性格も正反対だが、兄弟仲はとてもいい。
「兄さんも、もう少し体動かしたらどう?」
「俺はいい。肉体労働は専門じゃない」
「あはは、そうだねっ。兄さんを守るのは僕の仕事だもんね」
「はぁあ? 何いってんだよ。俺はお前に守られるほど弱くねえぞ!」
「そうは言っても……ねぇ?」
「あー、分かった。よーく分かった。いいだろう。俺の全力を見せてやるよ」
(釣られてんなぁ……)
仲良きことは素晴らしい。……また、遊びに来てやるか。
「あ、そうだ。クラルカ」
「ぁん?」
「これやる」
「コレって…………ハァ!?」
「存分に活用してくれ」
「存分て……これ……『魂の蒐集書』……死霊使いの誰もが欲しがる魔道書の最高峰じゃ……なんでっ!?」
「量産してる人がいるから。伝手で。……じゃあな。また来る」
「ちょっ!? りょ、量産!? 伝手!? ちょっと待てー!!」
静かだったダンジョンに活気が戻ったところで、1日は始まった。
『火狩。侵入者です』
「ああ。最近は頻繁に来るな」
『一昨日の事件の調査……には早すぎますね。おそらく、たまたま迷い込んだ冒険者でしょう。数は2人。男で、2人とも前衛職ですね』
「……(よわそう)」
「お、ハクビ。仕事終わったのか?」
「…………(これ)」
「サンキュ。……うわ、やっぱDP使いすぎたな」
『戦力はおよそ3倍ですが……残り3700DP。あとは、7860マナ。DPに換算して78600DPですか』
「不測の事態への対応には少ないな」
侵入者そっちのけで会計の話を進める俺達。
あの騎士団襲撃で、もう既に戦闘は慣れたものである。2人組程度は威にも返さない。だって、レベル高い方でも20だし。
『ギギギギギギギ!!』
「ギャァアアア!!」
「く、くるなぁああ!!!」
ほら、『パラライズピート』1匹で終了である。
▼
【パラライズピート】
系統:『虫』『毒』
属性:毒
成長:早熟
魔力依存度:微低
食事:不要
【初期所持スキル】
『気配遮断Lv―』『消音Lv―』『早足Lv―』『敏捷力上昇Lv―』『毒性(麻痺)Lv―』
体長1m程の大きなムカデ。その鋭い牙には、敵を痺れて動けなくさせる『麻痺毒』がある。
気付かれないようにひっそりと忍び寄り、頭上や背後から敵に噛み付き、麻痺して動けなくなったところを捕食する。
レベルアップで進化する。
▲
……あ、終わったと思ったが、1人逃げ出したようだ。どうやら、耐久力が高かったらしく、麻痺にかかっている時間が短かった。
……慌てることは一切ないがな。
「グフゥ!?」
『ブブブブブブブブ…………』
弾丸蝿の超高速体当たりで一発KO余裕である。
「よし、これでマナも増えたな」
『ですね……そろそろ、あの盗賊も始末してしまっていいのではないでしょうか』
「……いや、あれは面白いからもう少し見てよう」
「……(どっちでもいい)」
自分がダンジョンに染まりつつあることは理解している。その内……というか今でも。人を殺すことに躊躇いはない。
明らかにおかしなことで、不自然ではあるのだが、特に不利益はないから、どうでもいいと思っている気持ちが強い。
……これも慣れなのだろうか?
『虫妖怪達の力は試さないのですか?』
「試したいのは山々なんだが……罠の状態も確認しておきたい。……やりたいこと尽くしだな」
侵入者が来ないとできない実験だ。今はどうしようもない。
……そのうち、都合良く少人数で冒険者がやってきたりしないかな。
「君に特別任務を与えたい」
いつもの朝のように、ギルドに依頼を探しに来た私が、受付の人に呼ばれて向かった客室で聞いた一言目がそれだった。
「はい? 特別……任務ですか?」
特別任務。それは、依頼と違い、拒否権のない仕事である。
さらに、特別任務ともなると、ギルドを運営している頭である、ギルド長。または、それ以上の権力を持つ者……国絡みの者からの命令となる。
「……それを、私に?」
しかし、そんな話は、超人やら化け物と呼ばれるSランク冒険者や、その名が大きく知れ渡るほどのAランク冒険者に渡る事が多く、こんな毎日毎日、配達依頼ばかりしている地味なCランク冒険者の私の所へなんて、間違っても頼まれるようなものではない。
「ああ。間違いなく、君へのお願いだ」
私の向かい側の、フカフカのソファのに腰掛け、温かい紅茶を飲みながら朗らかに話す初老の男性。
この人こそが、ここ、『ヴァルレンテ王国ギルド支部』のギルド長、トワイト・ホプキンスさん。
優しそうな目をしている、普通のおじいちゃんにしか見えないが、その昔はSランクの豪傑達が集っていた最強のパーティ、『日を掲げし者』に所属していた、間違いなく世界最強の槍使いだったらしい。
私はその全盛期を知らないが、今のベテラン冒険者達の中には、彼を目標としているものも少なくない。
そんな人と直接話しをしているというのに、今の私にはそんな実感などなく、ただ、「どうして」という気持ちばかりが胸を埋め尽くしていた。
「……あの、状況がよく飲み込めなくて……なんで私なんですか? 私、別に危険な魔物を倒したわけでもないし、そもそも戦闘力皆無ですし」
そう、冒険者になって早3年。私は今まで、討伐依頼なんて数える程しかやっていない。
この辺にいる一番弱い魔物にさえ、たまに敗走してしまうような人間だ。
特別任務なんて、お金や権力で解決できないこと……つまり、戦闘を行う必要がある内容がほとんど。
それなのに、私なんかが一体何をできるというのか……。
「ああ、それに関しては安心してくれ。私は、君に戦闘力を求めているわけじゃない」
「……というと?」
「君の……『足の速さ』を欲しているんだよ」
ギルド長はそう私に告げた。
足の速さ……。確かに、私は足だけは誰よりも速い。
配達で足をよく鍛えているし、遠距離配達の時は、魔物からすぐ逃げられるように考えている。
馬車を使うより、自分で荷物を背負って走った方が、早くて安全な程である。
「そんな君の行き過ぎた自己防衛技能が、今回の任務の要となる」
「……詳しく、お聞かせ下さい」
戦わないのならば、私の不安要素は大分無くなる。
正直、配達だけで生活していくというのは辛いものがある。
家計を安定させるためにも、ここは一気に貯金を作っておきたい所。
そして、特別任務ともなれば、その報酬金は普通依頼の比ではない。
話は聞いておいて損はないと思い、私はギルド長に耳を向けた。
「……実は、この街を出て北に4日ほど歩いた所にある小さな町、『セソの町』近くの森の中に、ダンジョンらしき魔力反応が出たと、近くを通った魔法使いが言っていてね」
「ダンジョンですか?」
その単語は、冒険者であれば必ず知っている。
曰く、見たこともない魔物の巣窟
曰く、強力な罠で守られている何かがある
曰く、奥まで行けば、そこは宝の山である
そして、その実態は、かつてこの世界を征服しようとし、勇者によって滅ぼされた魔王の、邪悪な魔力が意志を持って人々に害をなす存在なのだとか。
魔王復活のため、地中の魔力を吸い上げ続けているのだと言う。
「それ、危ないじゃないですか!?」
そんなダンジョンを放っておいたら、魔王が復活してしまう。
それでは、この国だけじゃない。世界そのものが危機に瀕してしまう。
「その通りだ。だから君に任務を言い渡す」
「……まさか、ダンジョンを攻略しろだなんて」
「言わないさ」
良かった。……流石に、私なんかが倒せるようなものじゃないもんね。……じゃ、一体何の仕事を?
「君には、そのダンジョンの偵察に行って欲しいんだ」
「て、偵察ですか?」
「ああ。護衛としてAランク冒険者の6人パーティを2組付ける」
「に、2組ですか!?」
Aランク冒険者のパーティ。この国でも高レベルのエリート。死地を幾度も乗り越えた実力者達の事。
そんな、国に10組もいないAランクパーティを、最大数である6人の、しかも2組を使うということが、このギルド長の本気を窺わせる。
「……私の経験論だけどね。ダンジョンは本当に危険だ。私は今まで、10を超えるダンジョンを超えてきたが、その全てにおいて、『情報不足』が私達を危機に陥れたんだ。ダンジョン攻略において、情報こそすべての力となる。だから、今回は攻略ではなく……攻略に役立つ情報を手に入れて欲しいのだよ」
情報……どんなモンスターがいて、どんな地形で……いや、それだけじゃない。もっと色んな事を引っ括めて、調べあげるんだ。
でも、それだけじゃまだ、私が行く意味がわからないままだ。
「……それで、どうして足の速さが必要なんですか? 情報を得るのなら、もっと、頭のいい研究者の方や、地図を作ったり罠の解除もできる探索者の方がいいのではないでしょうか?」
私がそう聞いたら、それではダメだと首を振られた。
「私が最も恐れていることは、『何も持ち帰れず全滅する』事だ。ダンジョンの強さは不確定だ。Aランクが2パーティ、12人いても足りないかもしれない。そんな時、情報が一切こちらに入らなければ、次の手が打てなくなるんだ」
「それは……そうですね」
確かに全滅してしまっては、誰もここまで来て、調べた内容を教えることはできないだろう。
「だからこそだ。君の足の速さは、君の逃走の才能は。下手なSランク冒険者を超越するという噂だ」
「なんですかそれ!?」
そんなわけ無いでしょう……とは、言えなかった。
……そう言えば、Sランク成り立てとか言う、超ナルシスト優男に言い寄られて、気持ち悪くなって逃げ出したことがあったけ。あの人も追いかけてきたけど、2倍くらい速さに差があったかな……。
「だから、もしAランク冒険者達が苦戦しても、問題なく逃げ切ることができる逸材が欲しいんだ。流石にSランク冒険者を捕まえることはできなかった。だから、後は『Sランクに匹敵する』冒険者。君しか、出来る人はいないんだ」
そう言われて、一瞬迷いが生じた私だったが、そもそも、これは拒否権のない『任務』だという事を思い出し、諦めて右手を前に突き出すことにしたのだった。
「…………よろしくお願いします」
この後、例のダンジョンであんな悲劇が待ち受けているとは、今の私には大体予想できていた。
「アリシア! ちょっと前出過ぎっス!」
「ごめんなさい! 後ろが押されてて……」
「アリム! アリアナ! 陣形崩れてるから、もう少し内側に寄って!」
「アリソン、ちょっと危ないって」
「アリオーラさん、持ちこたえられる!?」
「……無理」
深い森の奥。人の2倍はあろうかという大きさの、凶暴そうな狼の群れに囲まれていたのは、光沢のある漆黒の鎧を身に纏った9人の騎士。
狼は全部で23匹。明らかに状況は不利だ。
しかも、狼はは古い群れのようで、しっかりと陣形を作っており、息の合った連携を見せているのに対し、黒騎士の少女達は、まるで連携の取れていない、バラバラな動きだ。
これでは、もうどちらが勝つかは明白。すでに、敗色濃厚な騎士達の目には、絶望が写り込んでいた。
「ああ、どうせ死ぬならマスターの腕の中が良かったっス」
「げ、あんた意外と乙女趣味?」
「アリアンヌは失敬っス! あたしだってちゃんと女の子なんスよ!? っとっとと! 危ないっス……ねぇ!」
『ギャイン!!』
独特な喋り方をする少女は、その手に持つ柄を強く握り締め、力任せに振り下ろす。
すると、柄から繋がっている鎖が音を鳴らし、その先端に付いている、刺付きの重そうな鉄球が筋力に引っ張られ、さらに重力で加速し、少女の目の前にいた狼の背中を押し潰す。
モーニングスターと呼ばれるその武器の威力は絶大だった。
苦痛に悲鳴を上げた狼は、グシャリと悲惨な音と共に、ピクリとも動かなくなる。
「おっしゃぁ! 1匹仕留めたっス!」
「ナイスだアリッサ! ……でも、喜ぶにはあと22振り分くらい足りないんじゃない?」
「これ全部あたしがやるんスか!?」
1匹でも戦果を挙げた事が彼女達に希望を持たせたのか、心なしではあるがその口からは、軽口が増えたような気がする。
「よし、まだ私達は戦える! 私達の目的は、マスターのために強くなり、そして帰ることではなかったのか!?」
「……もちろん、そのつもりさぁ!!」
「じゃあ、こんな所で、負けてらんないわね!」
「……そもそも、ダンジョンから1キロも離れてないんだけど……」
「世の中の辛さを思い知るね」
少女達の闘志が輝きを取り戻し、場は黒騎士達の活気に支配された。
「まあいいっス! このアリッサ。パラポネラの力をとくと味わうがいいっス!」
アリッサと名乗る少女は、ブンブンと風を切らせながら、大きな鉄球を回していた。
「疾っ!」
『ギャ!!』
長槍を振り回していた少女の一突きが、狼の目を抉る。
「アリシア、クロオオアリの生き様をおみせします!」
「ハァッ、フッ……ッ!」
短い槍を2本、器用に振り回している少女の動きが牽制となっているのか、彼女を囲んでいた3匹の狼は、攻めあぐねていた。
「クロオオアリがアリエル。参ります!」
『ガルルル!』
『ヴァン!!』
「…………むぅ~ん」
2匹の狼の猛突を、両手に持った自身の体より巨大な、長方形のタワーシールドで防ぐのは、他の騎士と比べてかなり大柄な少女。
盾の2つ持ちと言う、かなり特殊な武装だが、その近くには頭部を粉砕された狼の死体が転がっていることから、守るだけの戦法では無い事が伺える。
「名乗り……楽しそう。……ディノポネラ。……アリオーラ」
「ゼヤァアアア!!」
『ガァア!!』
『ギャウ!?』
『グルル……キャイン!!』
大柄の少女の振り回した巨大な武器は、何匹もの狼を巻き込み、少女を軸にグルグルと回り続ける。
3m近くある長い棒で、先端には鋭い刺が並ぶ鉄球。狼牙棒と呼ばれる武器を操るその少女は、回転を止めると、一度その狼牙棒を振り。先端に巻き付いていた狼の毛皮を振り払う。
「ディノポネラのアリソン! 殺されたい奴からかかってこい!」
「ハァッ! セイッ、ヤァッ!!」
向かい来る狼に、本来の腕の3倍の大きさのナックルを嵌めた拳を突き出し、カウンターを決めていく少女。その周囲には、骨を砕かれ、息絶え絶えの狼が積み重なっていく。
「パラポネラ種がアリネシア。いざ、尋常に!」
「行きます!」
「とぉ!」
「せやぁ!!」
3人背中合わせに戦う少女達は、皆、一様に、剣を持っていた。
1人はツーハンドソード……大剣を、
1人はツインソード……双剣を、
1人はカタナ……大太刀を。
刃という共通の武器を手に戦うこの三人は、他の騎士達よりも、いくらかチームとしての戦い方が様になっているような感じがする。
「軍隊アリ、アリアンヌ。ねじ伏せます!」
「軍隊アリ、アリム。敵を切り刻みましょう!」
「軍隊アリ、アリアナ。居合こそ最強の太刀!」
「「「我が刃は主のために!!」」」
一度型にハマれば強い。
少女達の無双は止まることはなく、いつの間にか、周囲を取り囲んでいた狼達は、皆一様に赤い花を咲かせていたのであった。
蟻人族達の修行の旅は、まだ始まったばかりである。
「……所で、あたし達はどこまで強くなればいいんスか?」
「……聞いてない」
「とりあえず、行けるところまででいいんじゃない?」
「でも、あまり遅くなると……」
「あー、じゃあ、最高一ヶ月とか?」
「遅くない? せめて半月でしょ」
「…………どうでもいい」
始まった、ばかりである!
忘れた頃に出てくるエルフ。
ダンジョンと……初めてかな? この世界の人間の街の様子が少しと、
修行の旅に出た直後、ダンジョンのある森で魔物に襲われている蟻さん達の様子です。
なにやら、強そうな冒険者の訪問フラグが立っていますね。さて、この先どうなっていくことやら。
今年は蚊よりもブヨによく刺されます。痛痒いです。助けて下さい。
でも、虫に構って貰えて幸せです。必要とされてて至高のひと時です。
……この作者をどうにかして下さい。