第19話 防衛準備
すみません。携帯が故障してしまって、いろいろ手続きやなんやで時間がかかってしまい、こんな遅い投稿になってしまいました。
……明日は朝早いのに。……今日はもう眠れませんね。
さて、前回のあとがきで、寄生虫とかの話題を出したところ、読者の皆さんが異様に『寄生虫っ娘』を期待してるんですが、出すべきですかね?
……いや、どうしようか考えてるうちに、自然と構想は練り上がってしまったんですが……。
まさか寄生虫ネタをこんなにも拾って頂けるとは思わなかったので、折角ですから登場させましょう。
ネタバレします。寄生虫ッ娘出します。
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40:名無しの虫っ娘マスターさん
という経緯があって、今、ダンジョンを強化したいんですけど。どうすればいいですかね?
41:名無しのゴブリンマスターさん
難しいよな。騎士とか、兵士とか、倒すと厄介事になりそうなんだが、倒さず放置しても面倒な奴。
俺もそれでヒャッハーしたら、半月後に軍隊が押し寄せてきて詰みかけた。
42:名無しのアンデッドマスターさん
あー、あの時な。俺も『ゴブリンゾンビ』とか、侵入者から剥ぎ取った装備品を格安で売りつけて援助したな……。
43:名無しの妖怪マスターさん
あぁ、私も『鬼』を出張させたわね。ゴブリンって『鬼』『人型』系統なのよね。
44:名無しの獣マスターさん
2属性出して、『鬼』系統単体より弱体化するんだもんな。やっぱゴブリン不遇だわ。
45:名無しのゴブリンマスターさん
その分バリエーションに富んでるんだからいいだろ!? ゴブリンディスんな!
てか、今は虫のアドバイスだろうが。
46:名無しの虫っ娘マスターさん
ああ、お構いなく。
47:名無しの妖精マスターさん
虫さんのダンジョンって、色んな虫モンスターがいるんですか?
48:名無しの虫っ娘マスターさん
そうですね。Gとかハエとかヤスデとかクモとかムカデとかナメクジとか色々いますよ。
49:名無しの妖怪マスターさん
ちょっとトイレ行ってくる
50:名無しのアンデッドマスターさん
妖怪がリバースしに行ったぞ
51:名無しの獣マスターさん
あいつは想像力が人一倍あるからな。大方、人間サイズの虫に囲まれる自分を想像したんだろう。
52:名無しのゴブリンマスターさん
妖精もそうだが、今回の新人はエゲツナイ奴らばっかだな。
53:名無しの虫っ娘マスターさん
ショッピングで買った虫ばかりなんですけどね
54:名無しの獣マスターさん
誰だ! そんな奴売ってるのは!!
55:名無しのアンデッドマスターさん
色々考えてきたんだが、やっぱ罠から張っていくのがいいんじゃないか?
56:名無しのゴブリンマスターさん
急に戻したな
57:名無しの虫っ娘マスターさん
罠、ですか?
58:名無しのアンデッドマスターさん
そうそう。強い敵が来るって分かってるのに、わざわざ迎え撃つ必要はないだろ? こっちが有利になるように、大量の罠を仕掛けるのが一番だ。
あとは、敵は多分集団で来るだろうし、対軍戦のセオリーは士気の低下を狙うことだ。
虫のダンジョンモンスターは、見た目がエグいらしいから、ダンジョン入口付近に、近寄る気も失せる虫を配置するのが有効だろうな。初っ端から戦う気が削がれれば、その後の進軍にも大きな影響がある。
出だしを挫くとも言う。
59:名無しの虫っ娘マスターさん
なるほど。参考になります。
60:名無しのゴブリンマスターさん
よっしゃ! なら、新人に選別だ! 俺の持ってる罠類と、使えそうな魔道具を格安で売ってやる。パスコードここに貼るから、とっとと買いに来い!
61:名無しの妖精マスターさん
私も! 『酒虫』っていう精霊が召喚できるのですが『虫』系統も持っているみたいなので、虫さんに売ります!
62:名無しの虫っ娘マスターさん
そんなことして貰っていいのでしょうか?
63:名無しのアンデッドマスターさん
いいんだよ。迷宮組合だって、ダンジョンがなくなるのは願うところじゃねえだろうし、このくらいの協力はさせてくれるさ。
64:名無しの妖怪マスターさん
ただいま。今まで手をつけてなかったけど、虫妖怪も召喚できるから、虫君に売ることにするわ。原価でね。
65:名無しのアンデッドマスターさん
おかえり。俺も死霊系とか不死者系に虫がいないか探してみる。
あと、俺の考案した罠も買ってくれ
66:名無しの獣マスターさん
俺はあまり力になれそうにないな。取り敢えず知り合いのダンジョンマスター回ってみる。
力になれそうな奴がいたら協力させるわ。
67:名無しの虫っ娘マスターさん
何から何までありがとうございます。本当に、ここまでして貰うつもりはなかったのに……。
68:名無しのゴブリンマスターさん
困った時はなんとかってな。俺もその内助けて貰うから、先行投資な。
69:名無しの妖精マスターさん
虫さんの力になれるなら本望です!
70:名無しの妖怪マスターさん
大嫌いな虫をわざわざ召喚してあげるんだから、絶対に殺されないようにしなさいよ。
私が召喚し損になるんだから。
71:名無しのアンデッドマスターさん
ツンデレ乙
72:名無しの獣マスターさん
ツンデレ乙
73:名無しの妖怪マスターさん
あんたら祟るわよ
74:名無しの虫っ娘マスターさん
本当にありがとうございました! 絶対に生き残ります!
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「……マジで、いい人達だよなぁ」
『これが仲間というものなのですね。私、無感情ながらに感動しています』
「…………(ウルウル)」
ちわっす。本格的にダンジョンを作り出した群城火狩だ。
ダンジョンの構成についてアドバイスを聞こうと思ったところ、思わぬ援助を受けてしまった。
本当に受け取ってしまっていいんだろうか?
……だが、娘達を守るため、どんな手も使う覚悟の俺は、ありがたく貰い受けることにした。現実は、戦力はあっても足りない状況なのだ。プライドで生き残れはしない。
「俺は罠を貼りやすいようにダンジョンの構成を見直す。ガイドちゃん。誰かが出品してくれたら購入頼むよ。マナはDPに変換してくれて構わない。あと、ハクビ。強化遠征に行きたいって言う候補者を集めてくれ。それと、アリスも呼んでくれないか?」
次から次へとやることが増えていくが、何もすることがないよりマシだ。とにかく今は、出来る事をやらなければ。
『了解しました。少し値は張るかも知れませんが、強力なモンスターもこの期に買ってしまいましょう』
「……(らじゃ)」
各自動き出したのを確認し、俺は開いたままの作成画面に視線を戻した。
今までは、十字路を並べて、間に小部屋を設置。なるべく隙間の無いようにしていたのだが、これではただ広いだけだ。
部屋の構造にも法則性があって、迷うどころか、すぐに出口までの形状を把握されてしまう。
通路はもっと乱雑に、そして、罠を見つけにくいように、複雑な形の通路に変えた。
部屋も少し減らし、一部屋毎のモンスターの密度を高める。
待ち伏せ用のスペースも広く取る。
……よし、だいぶダンジョンらしくなってきた。
だんだん楽しくなり、今まで作っていたのはなんだったのかというくらい、複雑な迷路に変わっていく。
作成ペースもどんどん上がり、モンスターの配置も構想し、さらにいいアイデアを導き出す。
「ふふ……。フフフ…………。ふふふはははははは!! 見よ! これがダンジョンだ!」
『……何をトチ狂っているんですか?』
「失敬な」
折角テンションが上がっていたというのに、ガイドちゃんの心無い一言で台無しである。
「……で、どうだった?」
『はい、無事、全員から支援品を買い取ることに成功しました。一覧を見てみますか?』
「ああ。頼む」
良かった。ちゃんと買えたみたいだな。……さて、あの人達は、どんな物を用意してくれたのか、とても楽しみである。
「まずは、ゴブリンマスターさんから……」
確か、罠類や、装備品と言ってたかな。
『こちらが、『子鬼の砦』ダンジョンからの買取品となっています』
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『落とし穴(酸の池)』
『落とし穴(針山)』
『落とし穴(粘着)』
『落とし穴(水没)』
『落とし穴(炎上)』
『落とし穴(落石)』
『落とし穴(埋没)』
『落とし穴(接壁)』
『落とし穴(吊り天井)』
『落とし穴 (モンスターハウス)』
『電撃罠』
『火炎柱』
『煙幕』
『仕掛け矢』
『突き上げ槍』
『超高音波』
『両壁接近』
『全方位突き槍』
etc……
『ゴブリン族の秘宝』
『集音器(背負い)』
『受信装置(据え置き)』
『絆の証』
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「……落とし穴多いな」
『しかし、かなり役立ちそうですね』
「まあな……次は?」
『妖精マスターさん、でしょうか? 『癒しの迷宮』からです」
「癒し( )か」
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『酒虫』3匹
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「なんだこれ?」
『酒の精ですね。一応虫の形をしています。水を酒に変えるそうです』
「……これ、使えるのか?」
『他にも、この虫を身につけていると、幸運値が上昇したという記録が残っています』
「幸運……また隠しステータスか?」
『そのようです』
まあ、無いよりはマシ程度に考えておくか。
「よし、次を見せてくれ」
『アンデッドマスターさんですね。『四角錐の墳墓』からです』
ピラミッドか……。
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『魂の蒐集書』
『蠱毒の壺』
『骸虫』100体
『餓者百足』1体
『白蝶』50匹
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「な、なんか、禍々しいな」
『魔道書の類と……呪いの壺でしょうか。あまり、直視してはいけない気がします』
これは、取り扱い要注意ということで、後回しだ。
あとは……妖怪さんか。
「ある意味一番怖いんだが……」
『見てみましょうか』
内容は大体予想できる。……正直恐怖しかないが、その分、一番頼りになりそうなのはここだ。
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『大蜘蛛』3匹
『大ムカデ』1匹
『牛鬼』1匹
『絡新婦』3体
『鎌切坂の蟷螂』1匹
『蜘蛛火』5匹
『浄元虫』10匹
『土蜘蛛』1匹
『恙虫』10匹
『火間虫入道』2匹
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「予想通りだったのに、何この寒気は」
『無感情ながらに冷や汗が流れています。火狩、これは恐ろしいものです』
「……い、一応味方なんだよな? だ、大丈夫だよな?」
こうして俺は、恐ろしくも頼りになる、新しい仲間を迎えたのだった。
「火狩様。お呼びにお応えしました。アリスですわ」
「ああ、よく来たな。入ってくれ」
「はい、失礼します。……本日は、どういったご用件なのですか?」
拠点に入ってきたのは、豪華な黒いドレスの少女。蟻人族のリーダーである、女王蟻人族のアリスだ。
最近は、他の蟻人族共々、子育てやなんやで忙しい彼女だが、今回は計画のため、相談に乗ってもらわなければならなかったため、この場に呼んだのだ。
「アリス。今はお互い時間が取れない時期だ。だから、簡潔に話を終えようと思う。……蟻人族は何人に増えた?」
「はい、本日で17になりますわ」
「……そうか。そのうちの9人には、外に出て貰うということは伝えてあるよな?」
昨日決意した遠征のことである。今回は、蟻人族をメインで育てるつもりだ。
「はい。最初に生まれた9人ですわね。しっかりと聞き及んでおりますわ」
「それならいいんだ。……それで、残りの8人は、今、子供を育てられる状態か?」
「勿論ですわ。全員が問題なく、どんな仕事にも対応できるようになっていますわ」
「……なら、その8人を借りたいと言ったら、すぐにでも動けるか?」
「可能ですわ」
即答か。やはりアリスは我がダンジョンの優秀な女王様なだけあって、素晴らしい逸材だ。
彼女は持ち前のカリスマ故、人を育てる事に向いている。……まあ、育った奴らは全員蟻人族になるんだが。
「……なら、その8人を借りたい。それぞれ、別室で『幼虫人』の育成をして欲しいんだ」
「……なるほど。私のいないところで、という事ですわね?」
「理解が早くて助かる。……大丈夫そうか?」
「全く問題ありませんわ。生まれたばかりの幼蟻族の世話は私1人で充分こなせるようになりましたので」
……よし、これで、虫人族増強計画も一歩前進だ!
「……意外だな。カーリィが遠征に立候補するなんて」
「えへへぇ……。私もぉ、冒険者とかぁやりたくなったのぉ……」
「……できるのか?」
「血を絶やさなければぁ、行けるぅ」
「……枯渇させるなよ」
「はぁいぃ……」
「……あとは、蟻人族の9人と……アゲハとコクイも行くのか?」
「戦えずとも、踊り子としてお兄様のお役に立ちますの」
「芸人として旅をしてみるのも悪くはないでしょ? にい様の為になる情報も集めてくるわ」
「そうか……気を付けろよ」
……遠征組も、恙無く決まる。
今のところは全て順調だ。
ダンジョン、改装終了。
モンスター、全員配置完了。
罠、設置確認終了。
侵入者撃退ようギミック、全可動試験終了。
いつでも戦える。
これが今できる万全。
さあ、どっからでもかかってこいよ。入口は1つだけどな!
これから、俺達の本当のダンジョン育成記は、幕を上げる。
ようやく本腰入れた主人公。
先輩の威を借りて、最凶虫軍団、いざ、参る!
そして、ついに……ついに!
虫娘増量フラグです。蟻さん達が頑張ってくれます! やったね!
今ならまだ間に合う! どの虫が欲しいかリクエストするんだ!
キャラ設定が決まっている種族なら大体反映できます!
1人1種までですよ! 先着8名様ですよ!
……いや、やっぱ反映させるのメンドいんで、リクエストはしないで下さいなんでもしますから。