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俺が育てたモンスターでダンジョンハーレム  作者: どげざむらい
第一章 蟻集まって木揺がす
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第17話 侵入者迎撃作戦

 二度目の戦闘です。

 なお、前も言いましたように、戦闘シーンは苦手なので、テンポがかなり悪いです。

 あと、主人公以外の視点がメインみたいになているので、さらに動かしにくいです。

 でも、戦闘に主人公がしゃしゃり出てくれないので視点が戻せません。助けて下さい。

「現在の状況は?」

『侵入者は8人。全員同じ格好ですね。鎧に紋章が入っているところを見ますと……騎士団でしょうか?』

「所属は?」

『不明です。紋章をあの子達に見せてみたのですが、知らないそうです』

「そうか……」


 拠点に戻り、すぐにモニターを開く。ガイドちゃんに位置設定をしてもらった映像に目を通すと、そこには、松明で照らしながら、縦並びに歩いてくる鉄鎧の男達が映っていた。


「騎士団ねぇ……戦闘のプロじゃんか」

『油断はできませんね。そもそも、いきなり騎士が動くとは思いませんでした』


 それだよな。騎士っていったら国に仕えるあの騎士だろ? まだ誰にもここがダンジョンだということは知られていないはずなんだが……なんで国が動いてるんだ?


『予想するとしたら、ここに逃げ込んできた野盗の討伐に来たのではないでしょうか』

「……あいつらかぁ」



 死んでなお、厄介事を持ってくるとは……。


「はぁ、まあ来たもんは仕方ねえか。……この10日、遊んでた訳じゃないって事を教えてやるとするか」

『え、遊んでたんじゃないんですか?』

「お前なぁ……」


 ……じゃあ、いっちょ遊んでやるか!





虫人族インセクトノイド全員に通達しろ。……『存分に暴れるぞ』と」



















「隊長。この辺りには人の潜んでいる形跡は見つかりませんでした」

「そうか。では、後はこの洞窟の奥か……」

「そんな、流石にありえませんよ。いくら隠れてるとは言え、水や食料の確保に洞窟を出なくてはなりません。その形跡がないんですから、やはりここには……」

「そうとも限らない。まだ可能性がある以上、この洞窟を調べ尽くすのが俺達の義務だ」


 俺はこの森周辺の領地を治めている、ブリーセン伯爵家の私有兵団の兵隊長だ。


 この辺りを騒がせていた盗賊団が壊滅し、その残党が森に逃げ込んだという知らせを受け、領主様の命令で討伐しに来たのだ。


 兵を分け、森の中をくまなく探したのだが、人の住んでいる様子はない。もう森を出たとも思えるが、まだこの洞窟に潜伏している可能性もある以上、ここに入る以外に選択肢はない。


「行くぞ。誰か松明を持って先頭へ行け」

「ハッ!」


 そして、俺達は腰に下げた剣を軽く握り、先の見えない真っ暗な洞窟の中へ足を踏み入れたのだった。








「……暗いな。明かりはどれくらいもつ?」

「はい、今のところは、3日分になります」

「そうか……洞窟の大きさがわからない以上、無駄に使うのべきではないな。休憩中は火を消しておこう」


 洞窟に入って30分。風景はほとんど変わらない。どうやらかなり深いらしい。


 そして、この洞窟はどこかおかしいという事がわかる。

 まず、壁の質感が、人の手で削られたかのように滑らかで、自然にできたような感じではない。

 そして、たまに分かれ道があるのだが、それが綺麗な十字路なのだ。

 どう考えても、ここは人工的に作られた洞窟。だが……不可解だ。


「野盗が作ったにしては深い上に丁寧すぎるな」

「……もしかして、ダンジョンて奴じゃないですか?」

「ダンジョン? それって、結構まずくないですか?」

「……いや、ダンジョンだとしても、ひと月前の魔物調査の時に発見できなかったという事は。ここはそれ以降に作られたということ。まだ発生して日の浅いダンジョンなら、遅れをとることはない」


 俺達は対魔物の戦闘訓練を積んでいる上に、レベルも、ベテラン冒険者に劣らない。

 人数は8人。冒険者チームが最大で6人であることを考えれば、かなり優勢ではないだろうか。

 ……まあ、魔法職や回復役がいない時点で、冒険者パーティのようなバランスの取れた編成ではないだがな。



「……っと、隊長」

「ん? どうしたニック」


 松明を持ち、先頭を歩いていた部下、ニックが立ち止まるのを見て、俺はその横まで駆け付ける。


「なんか……見つけました。前方から何かが……走ってくる?」

「何? よく見えないな……少し借せ」


 ニックから奪った松明を前に掲げると、うっすらと通路の奥まで照らす事ができた。


 そして俺は、その姿を見た。



 見た目は真っ黒なコガネムシだ。光沢のある頭部の甲殻が、松明の炎を反射し、赤く輝いている。

 なんの特徴もないただの甲虫。角も牙もない。ただ少し、頭の形が流線型であるだけだ。


 ……それだけなら、何の問題もなかった。



 問題なのは、その大きさだ。



 とにかくデカイ。正面から見て、高さは2m、横も同じくらいだ。



 そしてその大きさのでかいコガネムシが……『2匹並んで』、『猛スピードで走ってくる』。


 ……これは、危険だ。






「全員走れぇええええ!!!」

「う、うわぁあああああ!!」

「逃げろぉお! 轢き殺されるぞぉおおお!!」


 あれは一体……なんなのだ!?




 ▼



【レーシングスカラベ】


 系統:『虫』

 属性:『土』

 成長:通常

 魔力依存度:低

 食事:不要


【初期所持スキル】

『ダッシュLv―』『敏捷力上昇Lv―』『加速Lv―』『硬化Lv―』『破砕Lv―』『闘争心』『疲労無効』


 体長2m前後のスカラベ。温厚な性格で、普段はほとんど動かない。

 しかし、近くに同族がいる場合、互いの速さを競うため、並走する。その並んで競争する姿から、『レーシング』の名が付いた。最高時速は250kmにも達する。



 ▲



「すぐそこに曲がり道があったはずだ! そこまで何があっても止まるな!」

「大丈夫です! なんとか追いつかれずに済みそうですよ!」



 ▼


 なお、競争中のレーシングスカラベは、曲がることも止まることもできない。


 ▲



「お、おい……ちょっと待てよ、あいつら……だんだん早くなってねえか!?」

「う、嘘だろ!? た、助けてくれぇええ!! 死にたくない! 死にたくない!!」

「は、速い! 追いつかれる……!?」



 ▼


 その為、目の前に障害物があると、スカラベ達は、止まろうとはせずに……『さらに加速して、障害を粉砕する』。


 ▲




「たっ……! 助けッ……ガボッ!」

「ウッ! ギャァアアアアア!!! ……アギャッ!」



 ……俺は、仲間の肉片を引き摺りながら走り続ける奴らが通り過ぎるのを、横の道から、ただ見ていることしかできなかった。


















「おお、新入りが早速働いてくれたな」

『そのようですね。……と、あら。火狩はもう平気なのですか?」

「ん? ああ、まあな。10日もあれば、殺す覚悟も整うってもんだろ。……前の野盗の時も、ショックはほとんどなかったしな」

『そうですか。では、今回の一番の懸念事項はなくなりましたね』

「……ああ、そうだな。…………よし! 次は、もっと厄介な奴、行ってみようか」


















「……被害は?」

「2人です。……テントなどの、重い荷物を持っていたため、避難が遅れたのだと思われます」

「……そうか。だが、これで後には引けなくなった。……あいつらの、敵を討つぞ」

「「「ハッ!!」」」


 俺は、このダンジョンを甘く見ていた。だが、これからはそうはいかない。仲間がやられたからには……こちらも本気でイカせてもらうぞ……!!













「お、雰囲気変わった?」

『そのようですね。流石に、死人が出れば覚悟も決まるんじゃないでしょうか?』

「……(スっ)」

「おお、すまんなハクビ。えーと……うん、全員配置に着いたという事でいいな。伝達ご苦労」

「……(ニヘラ)」


 目がにやけているハクビが可愛いです。


















「痛っ!」

「ん? どうしたマルセイ」

「いや、何か首が……」

「どれだ……ただの蜘蛛だ。小さいし、人を殺す毒はない」


 あのコガネムシと出会わないように慎重に歩いているのだが、先程から小さな蜘蛛をよく見かけるようになった。大きさ的にただの蜘蛛のようだ。魔物ではないため、警戒する必要はないと思うが……。


「グッ!」

「ちっ、こっちもだ!」

「なんでこんなに……くそ!」


 ……何かおかしい。ただの蜘蛛が、こんなに執拗に俺達を狙うだろうか?

 そう思い、俺は、足元にいる1匹の蜘蛛を、踏み潰した。……その瞬間。



『…………!!!!(ザワワワワワ!!)』



 壁が、動いた。



 ……いや、違う。これは……全部蜘蛛だ!!





 ▼


【チェインスパイダーキッズ】


 系統:『虫』

 属性:なし

 成長:晩成

 魔力依存度:微低

 食事:必要


【初期所持スキル】

『連携Lv―』『連帯Lv―』『集団行動Lv―』『仲間意識Lv―』『同族愛Lv―』『群集Lv―』『毒性Lv―』


 500匹からなる子蜘蛛の群。群にして1匹の魔物として扱う。

 移動する時は、1本の鎖のように縦に並んで進む。

 1匹1匹の力は弱く、ただの毒蜘蛛ほどの強さもないが、全員に一斉に襲われると、死の危険がある。

 なお、仲間意識がとても強く、1匹でも殺すと、残りの子蜘蛛達が一斉に襲いかかる。



 ▲



「ぐぅう!? こいつら……ずっと潜んでいたのか!?」

「た、松明だ! 松明で焼き殺せ!」

「こ、こいつ! 鎧の隙間に……」



 こうして、俺達は小さな蜘蛛に翻弄され、全身傷だらけになるまで、暴れさせられたのだ。

 ……子蜘蛛の毒にやられ、また2人、犠牲が出てしまった。


















『引かせてよろしかったのですか?』

「ああ、これ以上犠牲が増えるのは好ましくない。……にしても、HP回復で数が増えるってどういうことだよ」

『子蜘蛛は部位扱いなのでしょうか? でしたら、部位欠損として、HP回復で元に戻るのではないかと』

「……異世界は不思議でいっぱいだな」

















「……クソ、もう体がもたねえぞ」

「馬鹿言うな。たかが2回の襲撃だ。まだまだこれからだぞ」

「縁起でもねえこと言うなよ。あんなのがさらに続くとか、地獄よりひでえよ」

「無駄口は叩くな。いつ敵に襲われるかもしれんのだぞ」

「「「ハッ! 申し訳ありません!」」」


 ……とはいえ、俺も実のところ、体力の限界だ。

 コガネムシ相手に全速力で走り、蜘蛛相手に精神力を消耗した。気を抜けば、すぐにでも膝が崩れ落ちそうだ。



「……どうだ、何かいたか?」

「いえ、今のところは……何か、動いてる気配は感じるんですがね」

「……警戒を怠るなよ」

「了解です体長」


 先頭は相変わらずのマルセイだ。だが、その表情は、明らかに1時間前よりもやつれている。……それは、ここにいる全員に言えることだが。




「ん? おい、何か、音がしなかったか」


 しかし、声を上げたのは、いちばん後ろにいた兵だった。


「何が聞こえた?」

「あの……なにか、金属が擦れるような……」

「金属……?」


 こんな土と虫だらけの洞窟で、金属音? 俺達の着けている鎧ではないとなると……。


「まさか、俺達の他に人間がいるのか?」

「折り合えず、音のする方に行ってみるか?」

「……そうだな。人だとしたら、協力を得て共に行動すればいい」


 部下の意見もまとまり、俺達は、その金属が擦れる音を頼りに歩き出したのだった。






 …………その先にある、予想外の敵の存在を、俺達は知らなかった。









「な、なんだよ……こいつ……」

「こんなのがいるなんて……聞いてねえぞ!」


 戦慄する部下達、そして、俺。

 

 金属音を辿って十字路を曲がった先に待ち受けていた物は、人間でななく、巨大な化物だった。


『ギィイイイイイ!!!!』


 金属を擦り合わせたような、気分の悪くなる音。

 そんな鳴き声を響かせるのは……全身が鉄でできた、大きな角を持った甲虫カブトだった。




『ギギギギギ! ギィイイイイイ!!!』

「うわぁああああ!!」

「くるなぁああああ!!」



 俺達は、一体どこに迷い込んでしまったと言うのだ…………。


















「……さて、虫ばかりじゃ物足りないだろう? ……そろそろ追加するとしようか。俺の……娘達を」





『火狩、まるで悪役の様です』

「いや、悪役やってんだよ!?」

「……(わるい火狩もカッコイイ♪)」


 今日、蟻さんが大活躍する映画を見てきました。

 やっぱりかっこよかったです。アントニーは……ガチ泣きしました。


 強いね蟻さん。賢いね蟻さん。いろんな能力で大活躍だね蟻さん。


 ん? スーツ? そんなんあったっけ?


 続編はまだかなぁ……蟻さんの働きがもっと見たいよ。人間とかいらないから。


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