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俺が育てたモンスターでダンジョンハーレム  作者: どげざむらい
第一章 蟻集まって木揺がす
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第14話 続々・白の闇

皆様大変お待たせいたしました! 続編です!

いや、しかし、まさか2日も開けてしまうとは作者も思いませんでした。


1日は、作者の試験のため休むと伝えてあったのですが……。まさかのもう1日、作品に手を出せなくなってしまったのですよ。


と言うのもですね……、試験というからには何か、筆記やら実技やらみたいなアレがあるのですね。皆様が嫌いなアレ。作者も嫌いなアレです。









……ワタクシ、その……試験勉強の時間をスッカリ忘れていました!(デヘベロ)



それ故、勉強1日、試験1日の2日、お暇を取らせていただいたわけです。


続きを期待して下さった皆様には、本当に申し訳ないことをしてしまいましたこと、ここに深くお詫び申し上げます。




さて、話は変わりまして、今回はハクビちゃん編の続きです! この調子なら、次回には終われそうです。


試験疲れでクオリティーはいつも以上にひっくいですが、どうか、作者を罵倒しながら読んでいただきたい。


あ、あと最後に一つ。

13話はこの前の話となります。

色々ございまして、大変ややこしいことになっていますので、忘れずに見ることにしてください。見てないなという方はバックバック!

『おはようございます、火狩。デイリーボーナス他、条件突破ボーナスが届いています。開封しますか?』

「ああ、頼む」


 ちゃっす。少しだけ頭がスッキリしている群城火狩だ。……ハゲてるわけじゃないぞ?

 どうやら悩みながらも寝てしまったらしい。すっかり疲れが取れた状態で目が覚めた時には、何故か柔らかいベッドの上にいた。


「……これは?」

『アリシアの運んできたものです。「私はマスターの護衛ですから誰も使いませんし、そもそも私は立ったまま寝れます」と』

「なんだその特技」


 それ、疲れ取れるのか? いや、そもそもアリだから疲れもほとんど感じないのか?


「まあ、いいや。あとでアリシアにはお礼を言っておこう。……で、そのボーナスの内容は?」

『こちらになります』


 そう言って表示されたのは怒涛のメッセージの数々だった。




 【『デイリーボーナス:2日目』ボーナスを受け取った】

 1000DP


【『モンスター進化』ボーナスを受け取った】

 魔物の輝石Lv1


【『モンスター10体進化』ボーナスを受け取った】

 魔物の輝石Lv2×3


【『罠設置』ボーナスを受け取った】

 小さな檻×3


【『初侵入者』ボーナスを受け取った】

 鉄の剣


【『初侵入者捕獲』ボーナスを受け取った】

 隷属の首輪×3


【『滞在ポイント』ボーナスを受け取った】

 ダンジョン内魔力濃度増幅


【『初撃破』ボーナスを受け取った】

 魔物用技石


【『上位職撃破』ボーナスを受け取った】

 10000DP


【『暗殺』ボーナスを受け取った】

 暗殺者のマスク


【『レベル2突破』ボーナスを受け取った】

 第2階層への階段・属性ガチャチケット




俺が受け取ったのはこの報酬。


 『魔物の輝石』は、経験値が詰め込まれた石で、使用すればモンスターのレベルを上げることができる。ちなみに俺は使えない。レベルがあるが、高いほど、内容経験値も多い。


 『小さな檻』は、家庭にある動物飼育用のケージくらいの大きさをした鉄檻だ。俺の指示で扉が開閉するため、鍵穴などはついていない。捕獲した冒険者用……に、使うのだと思う。


 『鉄の剣』はそのまま、普通に剣だ。模造刀じゃなく、物が切れる。きっと宝箱に入れたりするのではないだろうか。あるいは、侵入者が来たから自分で戦えと……?


 『隷属の首輪』は、昨日見たな。捕獲した冒険者を配下……奴隷にできる。


 『ダンジョン内魔力濃度増幅』……? 使ってみるか。


『あ……』

「ん? どうしたガイドちゃん」

『いえ……たった今、ダンジョンの魔力濃度が『微薄』から、『薄』に変わりました。昨日は説明していませんでしたが、レベル2になった時と、魔力濃度が上がった現在、合計で3種類のモンスターが新たに召喚可能になりました』

「そうか。……いや、今はそこまで手が回らない。もう少し落ち着いてから検討する」


 新しいモンスターか……。興味はあるが、後回しだ。


『了解しました。……それと、魔力濃度が高まったせいでハクビの成長が早まりましたが』

「今すぐ取り消せ! 魔力濃度を下げろぉ!!」


 いやいやいや、これ以上時間を削られるのはまずい! やっべぇ、早まっちまった!!


『無理です。魔力濃度を下げるには、魔力を食すモンスターを召喚するしか「じゃあ召喚しろ!」……はい、では種類は「一番食べるやつ!」……わかりました。では、『蜜蜂人族ハニーロイド』を、推奨人数である20人召喚します。消費DPは1人300。合計6000DPの消費となります』



 そして現れるお馴染みの魔法陣。そこからは、小さな20の人影が……。



「お初にお目にかかります! 『女王バチ』不在のため、私が代理で挨拶させていただきます! 役職は『働きバチ』。マスターのために全力を以て働かせていただきます!」



 見事な敬礼を見せてくれたのは、黄色いエプロンと、黒の色合いをした若干派手なメイド服を着た小さな少女。首にはフサフサの毛の生えた黄色い襟巻きが巻かれているように見え、短い金髪に、額には複眼、前髪の付け根には黒い触覚。

 そして、背中からは、透明で、黒い血管のような筋が入った翅を生やしており、小刻みに震わせながら、その少女達は宙に浮いていた。


「『蜜蜂人族ハニーロイド』。ミツバチか……。お前達は、このダンジョン内の魔力濃度を下げられるか?」


 俺の質問に対し、ミツバチは全員、一斉に傅いた。


「ご許可を貰えるのであれば、このダンジョンに溢れる魔力を『魔蜜マナ・ハニー』に変え、保存することができます。この蜜は、私達以外の種族の方にもお食事いただけます」


 なるほど、魔力を食うんじゃなく、液状化することができるのか。それは願ったり叶ったりだな。


「ならいい。命令だ。このダンジョンの魔力量を下げろ」

「かしこまりました! ……それと、図々しいお願いかとは思いますが、蜜を保存するための巣を頂きたいなと思います。……お許し下さいますか?」


 そうか、ミツバチには巣箱が必要だよな。……となると、巣板も作るだろうから、大きい部屋がいいよな。


「一番いい(でかい)のを与えよう」

「ありがたき幸せ!」


 ミツバチ達はブーンと、翅を鳴らしながらダンジョンの方へと飛んでいった。


「あ、侵入者には気をつけろよ!」

「了解しましたーーーーーー」


 小さくなっていく元気な返答を聞き、大丈夫かと心配になりながらも、ボーナスの確認を続行した。



 『魔物用技石』。これは、俺の持つ『技石スキルストーン』同様、スキルを強制的に発現させるものなのだが、魔物用の名の通り、モンスターにしか使えない。それでも強力なものであることに変わりはないがな。


 『暗殺者のマスク』……なんだこれ? そう思いながら、俺はスキルの『鑑定』を使用する。





【暗殺者のマスク】


 暗殺者が、正体を隠すのに使用する覆面。見た目は無骨なマスクだが、所有者によって、装着時の形は変わる。付けた状態で食事ができる。『隠蔽強化Lv1』『気配薄化Lv1』『形状変化Lv3』





 現在の見た目は目の部分に穴があいたただの黒い板だ。試しに俺が付けてみると、俺の顔に合わせてぴったりフィットするように形が変わるのがよくわかった。


 一度外して表を見てみると、黒く、鼻が高いマスカレードマスク(?)のような目元だけ隠す、装飾の多い仮面になっていた。……仮面なんかには詳しくないのだが、名前、合ってるのか?


 ……これは俺の趣味じゃないな。あとで『壁蝨人族アカリノイド』に渡すか。この『暗殺ボーナス』って、あいつのおかげで出たんだと思うし。



 で、次は、お待ちかねの第2階層と……『属性ガチャチケット』?


「これはなんだ?」

『新しい属性を手に入れるガチャです。属性は1階層にしか有効ではありませんから、現在第1階層に『無属性』を使用している以上、第2階層で属性を使用する場合は、もう一度ガチャで引き当てる必要があります』

「げ、出た属性って共有できないのか?」

『できません。なお、属性同士を組み合わせたら、元の2属性は消え、完成した複合属性の1つが残ります』


 まじか……。そのあたりの説明、聞いてなかったな。


『なお、ガチャチケットは20000DPで購入できます』

「いや、余裕ないし買わないけど」


 どれもこれも後回しだ! 今大切なのはハクビの事!



「確認は終了した! じゃあ、俺ちょっと行ってくる」


 そう言い残し、俺は拠点を去った。……目指すは、ハクビのところだ。


『……あの、私も着いていくのですが……というか、ダンジョン内のどこにでもいるんですが』


 呆れた様子のガイドちゃんの声など、俺には届かなかった。






「よう、やってるか?」

「あ、お兄さん! うん! バッチリ50個作ったよ! ご飯なくなっちゃった!」

「いや、やりすぎだよ」

「…………(すっ)」

「あ、うん。ハクビも頑張ったな。すごいじゃないか。こんなにたくさん作れて」

「…………(///)」

「あー! ハクビずるい! 私もナデナデ欲しいよー!」


 俺が褒めると、分かりやすく頬を赤く染めるハクビ。……感情表現はできるんだよな。

 ほんと、何で頑なに喋らないかね。


「なあ、ハクビ。お前は喋れるんだよな」

「…………」

「……どうなんだ?」

「…………(コク)」


やっぱ、喋れはするんだな。


「じゃあ、なんで喋らない?」

「…………」

「……言いたくないのか?」

「…………」


 ……まだ、ダメなのか。



「むぅ~、お兄さん、ミノを置いて何話してるのさ~」

「ああ、すまんすまん。ほら、飯やるから、食え」

「わーい!」

「ハクビ、お前も食うか?」

「…………(コクン)」


 とにかく、今日は1日かけてでも心を開いてもらわなければな。……今はこれが、一番の近道のはずだ。


 そう考えた俺は、とにかくハクビとコミュニケーションをしようと心に決めた。

 ……言葉ではわからない表情の変化(フードのせいで口しか見えないけど)をしっかり読み取らなければ……!!




















「よう、ハクビ。調子はどうだ?」

「…………(しらん)」



「ハクビ、何か欲しいものがあったら遠慮せずに言ってくれ」

「…………(いらん)」



「ハクビ、ちょっとお前の素顔が見たくなったんだが……痛い痛い。わかった、冗談だから」

「…………(くんな)」



「おーい、ハクビ。この葉っぱとこの葉っぱ、どっちの方が旨い?」

「…………(こっち)」



「ハクビ、ダンジョン第2階層を作りたいんだが、どんなダンジョンがいいと思う?」

「…………(しらん)」













 

 ダメだ、会話ができる気がしない。


『火狩……。空振り過ぎます。というか、そんな世間話で気を許してくれるわけ無いでしょう』


 なんだかガイドちゃんに蔑んだ目で見られている気がする。


「ふっ……甘く見るなよ、ガイドちゃん。世間話の力は偉大だぜ? なんたって世界で一番広い情報網を持つ最強の人々を仲間にできるのだからな!」

『え? そうなのですか? それは知りませんでした」


 ふん、知らなかっただろうが、主婦の噂は猫の噂よりも早いんだぜ? あなおそろしや。



「だが、近所のおばちゃんと仲良くなれてもハクビとは仲良くなれなきゃ意味ねえんだよなぁ……。さて、どうしたことか」

『別に、そんな回りくどいことしなくても、直接聞けばいいんじゃないでしょうか?』


 またよく考えもせずに発言してるな、こいつ。


「いやいや、嫌われたらショックじゃん。絶対やだよ俺」

『嫌われるも何も、まだ好かれてすらいないでしょう』

「ウグッ……」


 痛いところを突かれた…………はぁ、しゃーねぇな……。







「……よう、ハクビ」

「…………(……)」


 うわ、なんか「また来たよメンドイやつ」みたいな雰囲気で振り返られた。

 きっと心の中も無言だよこれ。


「なあ、ちょっとお前と話したいことがあるんだが……場所を変えてもいいか?」

「…………?」


 どうやら、少し雰囲気の変わった俺の様子に戸惑っているらしい。

 であれば好都合。俺はハクビを腰抱きに、部屋を出た。


「……!? …………!?(ジタジタ)」

「はーい、暴れない。ミノ。少しの間ここを頼む」

「スピー……」


 ……通りで静かなはずだ。俺は、腕の中で蝶のように両腕を羽ばたかせるハクビを連れて、拠点に連れて帰るのだった。


 誰もいない通路には、規則正しい足音と、バタバタとした風を切る音だけが、静かに響いていた。









 拠点にて。


「到着!」

「…………(かえして)」

「よし、ここにお前を連れてきた理由は言うまでもない」

「…………(いってよ)」

「お前と大切な話がしたかったからだ!」

「…………(いったよ)」


 フードで隠れているが、なんか冷たい目で見られていることは何故かハッキリわかった。

 それでも俺はめげない。


「……お前、なんで人と話さない?」

「……!」


 ゴミを見るような視線が一転、狼狽し、どこか怯えるようなものに変わった。……やっぱ、触れては欲しくないだろうな……。



 それでも俺は触れていく。踏み込んでいけない領域? そんなもの知ったことじゃない。


「俺はさ、お前のこと、結構気に入ってるんだぞ?」

「…………」

「じゃなきゃここまで声かけねえよ」

「…………」


 見るからに沈んでいるハクビ。どうやら、答えるべきか悩んでいるように見える。

 明確な拒絶反応がないところを見ると……。これは、手応えありか?


「俺は、お前の力になりたい。だからさ、……相談でもなんでもいいけど、俺を頼ってくれよ」

「…………っ」


 ん~、あともうちょいな気がするんだよな。……さて、こういうコミュ症気質な子にとても有効な手がひとつあるんだが……それには一つ弊害がある。


「なあ、ハクビ。お前、字とか書けるか?」

「……?(フルフル)」

「だよな……。生まれたばっかだもんな……」


 はい、ダメでしたー。筆記作戦は失敗か。じゃあ、やっぱ無理にでも声を出させないと……ん?


 ……そうだ、そうだぞ。まだいい手があるだろうが。


「……ナイスだ。新人の虫人インセクトノイド達。あとで名前を付けてやろう」

「…………???」


 そうだ、この手があったじゃないか!


「……ハクビ」

「?」

「お前に、『読書』のスキルを覚えさせるぞ」

「…………。………!?!?!?」


 一度首を傾げて下を向き、もう一度勢いよく顔を向けられた。

 そうかそうか。二度見するほど嬉しいか。


「ほら、ここに魔物用技石がある」

「(フルフルフルフル)」

「これは、なんでも一つスキルを覚えさせる事ができる優れものだ」

「(ブンブンブンブン)」


 ふははは。嫌がってる嫌がってる。

 多方、自分如きにそんな貴重なものを! って感じだろうが……。



 そんなことは知らん。



「……わ、わか……っ! しゃべりま…………」

「ほれっ」

「~~~~!?」





 なんか聞こえた気がしたが知ったことか。俺はハクビに向かって紫色の石……技石を放り投げる。


 山なりに投げた石が、最頂点に達した瞬間、カッ! と光ったかと思ったら、石はなくなっており、そこにはボーゼンと立ち尽くす白いローブの少女だけが残った。




「どうだ? 文字とか覚えたか? ……ほら、紙とペンだ」


 紙も鉛筆も前世にあったもので、こっちで買ったらなかなか値が張ったものだ。だが、所詮10DP程度である。



[なんてことをしてくれたのですか]


 

 初コミュニケーションがまさかの罵倒である。なんか、やるせないな、この気持ち。


「なんてことも何もないだろう。俺が必要と思ったから使ったまでだ。どう使おうが俺の勝手だしな」

[しかし、いくらなんでもこんな事のために技石を使うなど、勿体無いです!]


 ふむ、やはり筆記だとそこそこ会話が進むな。……それとも、俺がスキルを与えたせいか?


「もしかして怒ってる?」

[当たり前です!]


 その顔は「怒ってますよ!」とでも言うように、ほんのり赤いふくれっ面になっている。

 きっと、すごい目で睨んでるんだろうなぁ。ローブがなければ身が震えていたかもしれない。



「ま、何はともあれ、これで会話が続きそうで安心した」

「…………(プイッ)」



 俺が頭を撫でると、ハクビはそれを振り払うでもなく、いじけた様に後ろを向いた。

 

今回、ついでと言わんばかりに新しい虫っ娘が出ましたね。

私はハチ系が大好物です。ハチノコとか、スズメバチとか。

まるで、ハチと一体化したような気分を味わえるでしょう? 味だけに。



…………ごめんなさい。










え? ハチミツ? ……私が好きなのは『ハチ』です。あんな甘ったるいものはハチの餌以外に使い道なんてありません。

何か文句ありますか?





さあ! そして、ようやくハクビちゃんとのコミュニケーション!

( )内は、擬音&火狩の妄想心情です。本来のハクビちゃんのキャラとは全く違います。そこの所はご理解下さい。

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