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俺が育てたモンスターでダンジョンハーレム  作者: どげざむらい
第一章 蟻集まって木揺がす
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第13話 続・白の闇

ごめんなさいごめんなさいごめんなさい


編集ですり替えました! 続きです!

 「……あーっと……あれは?」


よう、色々と問題が発生しまくってテンパってる群城火狩だ。


俺はモニターに映る2人を指して聞く。

片方は、滅びた聖域(笑)という、ネタで作った広い空間で、あまり描写したくない肉を美味しそうに食っている。

 もう片方は、既に干物に成った野盗の死体を夢中で吸っている。


『今、獲物を捕食している方は『飛蝗人族ホッパーロイド』。キリギリスタイプの雑食性ですね。先程は、前方に向かって跳躍し、すれ違いざまに回し蹴り、首を飛ばした後は身体を掴んで持って行きました。純粋な近接特化のようです』』


 ガイドちゃんの説明が入るが、俺が聞きたいのはそういうことじゃなくてだな……いや、そういう事もだけどさぁ……。


『食べカスを卑しそうに吸い続けているのは『壁蝨人族アカリノイド』。無力な子供を偽って、背後からひっそりと体力を吸い尽くす、暗殺型みたいですね。ジワジワ吸って体力を消耗させるため、攻撃に気付いた時にはもう抵抗できなくなっていたみたいですね』


 いやだからそうじゃなくてだな……。


「あの、超強そうな子達はどこの子?」

『うちの子ですが何か?』

「あ、あの……私達が目をはなしたすきに……すみません」


 ……ふむ。……てことは、あれは今日召喚した幼虫人ってことか?


「……なあ、ちょっと成長早くないか?」


 昨日は半日以上かけて成長し、進化したはずだ。……なのに、今はまだ、そんなに時間が経ってないぞ?


『今回は昨日の半分くらいですね。理由としては、質の高い食料……つまり、上位種である蟻人族アントロイドの血を飲んだことと、魔力が多く含まれた『魔力樹の若葉』を食べたことですかね。どうやら、食べた物によって成長効率が変わるようです』

「へぇ、そうだったのか」


 虫人にはまだわからないことも多いな。……これから、色々検証していくか。

 と、今はそんな事を考えている場合ではなかった。あの2人をどうするのか考えなくては。


『こちらの問題とどちらを優先しますか?』

「……あっちだ。これからのあの2人の行動がわからない以上、放って置くわけにはいかない」

「呼びますか?』

「そうしてくれ」


 今日は、昨日なんかよりも、よっぽど忙しくなりそうだ。








「お呼びになられましたでしょーか、ボス」

「私ぃ、ご主人のために頑張りましたよぉ?」



あれから数分後、入り口を正面に配置した椅子に座っている俺と、すぐ隣に控えているアリシアと、その後ろに隠れるようにして立っているアゲハの元に、ついに彼女達がやってきた。

 俺の前に立っているのは、高校生ほどの、緑が眩しい服装をした少女と……。


20代前半くらいに見える美女であった。髪もロングストレートで上品な顔立ちだ。しかし、服だけはどこかの貧民層にいそうなボロ切れだ。


「……まず聞きたい。お前は誰だ」

「ん~、私ですかぁ? 私、『壁蝨人族アカリノイド』ですよぉ」


 嘘だ! と言いたいが、面影はわずかに、あの時探索者をミイラみたいにしていた小さな少女に似ている。


「……何でそんなに大きくなってるんだ」

「あの人達のぉ、ドロドロでぇ、汚くってぇ、ぉ美味しい血をぉ、たくさん吸ったからぁ」


 吸うと大きくなるらしい。分からない。



「あのー、それより本題に入りません?」


 最もなことを言うのは『飛蝗人族ホッパーロイド』の少女。その表情は、先程までの狂気じみた殺意は欠片も見当たらない。穏やかそのものだ。



「ああ、確かにそうだな。……お前達にいくつか聞きたいことがある」

「「どうぞ(どうぞぉ)」」


 気の抜けたような返事だ。さっきまで殺し合いをしていたとは思えない。

 ……そういや、人が死んだってのに、あまりショック受けてないな、俺。

 これは明らかに正常じゃない気がする。が、この話は今は必要ない。



「じゃあ、まず一つ。お前達は、幼虫人の進化した姿……ってことでいいんだよな?」

「はい、そーですが」

「そうだよぉ」


 答えは分かっていたが、一応様式美としてな。次から本題だ。


「じゃあ、俺はお前達に敵を倒せという命令はしていないはずだが、何故戦闘行為を行った?」


 この質問に、揃って首を傾げる2人。逆になぜダメなのだろうかと聞きたそうな顔だ。


「あれは敵だろ? 敵は倒さなければ、ボスの生活に支障が生じると思って。それに、進化したてでお腹が空いていた」

「美味しそうな匂いがしてたからぁ」


 帰ってきたのはそんな返答。この2人は、食事が必要なモンスターのようだ。


 空腹で敵を襲った、か。人の形をしていても、立派なモンスターなんだな。


「……分かった。理解した。食事は俺が用意しておこう。これからは勝手な行動は慎むように頼むよ」

「「了解はぁい」」


 この2人についてはまた後日、色々と追及することにして、今日のところは小部屋を二つ作って、そこにいて貰うことにした。



 俺達にはまだやるべきことがあるんだ。ここで時間を費やしている暇はない。






「さて、ここに集まってもらったのは他でもない」

「ずっといましたが」

『このネタ二度目ですよ、火狩』

「黙らっしゃい。形から入るんだよ、形から」



 拠点真ん中にボロ机、そして、机を挟んでアリシアと俺は向かい合って座っている。

 アゲハは既に部屋に帰した。最後にもう一度謝っていたが、そこまですることでもないと思うんだけどな……そう言ったら号泣された。何故だ。




「よし、冗談はこのくらいにしておいて……本題に移るぞ」


 俺達がここに集まった理由はちゃんとあるのだ。それに関して、しっかり話をしておかなければならない。


「ガイドちゃん、何かわかったことは?」

『はい、ハクビ自身の事となると情報はほとんど見つかりませんでしたが、他の虫系統モンスターを扱っているダンジョンで、こんなモンスターを見つけました』


 そう言われた直後に開かれたモニターには、1体のモンスターの画像が表示されていた。


『こちらは『シルクモス』。『シルクウォーム』というモンスターが、『シルクコクーン』に進化した後、5日の時間経過で進化する、シルクモンスターの最終形態です。羽を広げた長さは平均3m。巨大な蛾のモンスターで、全身が白い毛に覆われているのが特徴です。また、飛行能力はなく、鈍足で、戦闘能力は皆無なので、ダンジョンに放っても、足止めにすらなりません』


 つまり、最弱のモンスターってわけか。


「それ以外の特徴は?」

『あります。このモンスターには口がありません。……正確に言えば、退化してしまっています。なので、食餌はしません。その為、成虫になってからは一切何も口にせずに、一週間後には力尽きます』

「く、口がないって、それは生物としてどうなんですか?」


 アリシアが最もな事を聞く。そりゃ不思議だよな。

 自ら食べ物を拒絶する生物はそうそういないし。


「カイコガは、人間によって飼育されている生物だ。そして、その生活の全ては人間に頼りきりっていう、世界で唯一の完全な家畜なんだよ。そして、カイコガ……その幼虫のカイコが出す糸こそ、家畜になった理由だ。それだと、糸を出さないカイコガは不要になる。……だから、カイコガは成虫の状態の機能を完全に低下させた……いや、『させられた』んだと思う」

「さ、させられた、とは?」

「……カイコは、人間に遺伝子操作させられて、人間が飼い易い生態に進化……いや、退化させられたんだ。自分で餌を探すこともできないから、人に運んで貰わなければ餌までたどり着けない」


 いわゆる箱入り娘……いや、ちょっと違うか。まあ、そんなところである。


 実際、この世界にいるのかどうかはわからないが、前世でのカイコの歴史は5千年以上も前だと言われているし、この世界にもいるんじゃなかろうか。


「そ、そんな……酷いです」

「それだけ、絹糸が重要視されていたってことだ。俺の世界じゃ、重要な交易路は『シルクロード』って呼ばれてたくらいだしな」

『へぇ。そうだったんですか』


 いや、なんで知らないんだよ。

 だが、そんな薀蓄うんちく、今は要らない。


「……なあ、この世界のモンスターは、魔力を吸収して生きている奴もいるんだよな?」

『はい。大気中の魔力をエネルギーにして活動していて、通常の食料なしで生きられるモンスターはいます。蟻人族アントロイド達もその例の一つですね』

「そ、そうです!」

「だよな。……じゃあ、『シルクモス』にはそれができないのか?」

『……いいえ、何体かのサンプルモンスターで検証したところ、魔力の吸収は問題なく行使できるはずです。……しかし、自発的にそれを行っている例はありません』


 魔力供給できる……なのにしていない? 一体どうして?


「理由は……何なんだろうな」

『……私には分かりかねますね』

「も、申し訳ございません」



 前世と異世界は根本的に違うものだ。

 まず、この世界には魔力がある。


 その魔力は、いわば生命力の塊だ。

 そして、それを日常的に浴び続けているこの世界の住人は、寿命の平均値が前世よりも圧倒的に長い。


 それの代表例がモンスター達だ。

 モンスターは、魔の物という名の通り、魔力との関係がとても深い。

 詳しい内容まではわからなかったが、それ故、ダンジョンモンスターは、ほぼ永遠に近い寿命を持っている。


 それは『シルクモス』だって同じだ。前世の蝶は、成虫の平均寿命は1週間程しかない。これはカイコガと同じなのだが、それでも、寿命が長ければ、食事をしていればいくらでも生き続けられるのだ。

 『シルクモス』は、寿命は永遠。これから生き続けられるのにも関わらず、自ら生きる道を捨てているというのか。……本当に何が原因なんだ?



 わからない。いくら考えても、らしい答えは出てこない。



 ……ダメだな。このままじゃ埒があかない。


「……やっぱ、本人と直接、話してみないとダメだな。……ガイドちゃん、ハクビの進化までどのくらい猶予がある?」

『糸の生成に消費するSPのおかげで、食事により成長度合いは限りなく低くなりました。……が、周囲の魔力はどうあっても吸収し続けているので、その分の成長具合を計算しますと……後、2日でしょう』


 残り2日……。それまでに原因と解決策を模索しなくてはならない。


 人モンスターの命がかかったこの問題、俺なんかが背負うには、少しばかし重すぎだ。



「……また明日、ハクビと話す時間を取ろう」


 俺は、頭を抱えながら顔を突っ伏した。






『火狩? ……寝てしまいましたか。……アリシア』

「は、はい!」

『この人はどうやら問題を抱える度にこんな事を起こしてしまう愚かな人種のようです。……私は手が出せませんから、あなたが代わりに、火狩を支えて下さい』

「はい! それはもちろんです!」

『……ありがとう。そう、他の人たちにも』

「伝えておきます! 私達にはマスターが全てですから! 全力でお守りします!」


『……よろしく、お願いしますよ』





 長いようで短い一日は、こうして終わりを告げた。

ごめんなさいごめんなさいごめんなさい


テンパっていた上、心も折れていたので、内容が短くなってしまいました。

申し訳ないです!!


次回からは、もう少し頑張っていきたいと思います!

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