その27
思い立ったらすぐ行動! とアデラさんの膝の上に飛び乗るようにして座り、全力でおっぱいを揉みに揉みまくり始めたその直後。
「はい、そこまでですよ、今日はまだもう一つ教えなければいけない事が残っていますからね。それが終わったら休憩室で好きなだけ揉ませても吸わせてもあげますから、ね?」
アデラさんの膝の上から強制的に降ろされ、言う事を聞かない子供を優しく諭すような口調でそう言われてしまった。残念。
確かにもう一つ肝心な物が残っていた。素材を買って、ポーションを作り終えたのなら……、それを売りに行かないと!
「は、はーい。ごめんなさいレナ先生」
少し前までは完成品はレナ先生に全部渡して借金の返済にあててたんだよね。返済が終わってからは私の生活費を引いて貯金してもらっていたんだけど、そういえば今幾らくらい貯まっているのか気にした事もなかったなー……。
食べ物は基本的に安い物ばかりで全然お金が減らないし、工房の食堂や露店販売でたまにおやつを買うくらいだから手持ちもまだ2千ゴールドくらい残ってるんだよね。
そう言えば、お母さん貯金は信用できないと言われる事が多いけれど、レナ先生は勝手に貯金額を増やしていそうで反対の意味で信用できないかもしれない。怖いから確認はしないで置こう。
「ふふ、もうすっかり親子ね二人とも。微笑ましいわ。ま、覚える事もそんなにないし、パパッと済ませて来ちゃったら?」
「うん。まずは勉強と今日の調合。ボクの胸は後で」
「はーい。ライカさんのおっぱいも揉ませてもらいますからね!」
「はいはい、恥ずかしいからまた今度二人の時にね」
「はい!!」
ぃやった!! ライカさんのおっぱいはあんまり揉ませてもらえないから嬉しいね。レベル5になったお祝いかな?
ライカさんはおっぱい全体が敏感すぎてどうしても声が漏れちゃう、と言うか普通にあんあん喘いじゃうもんね……。ぐふふふ、楽しみ楽しみだ。
「まったくこの子は嬉しそうにして……、可愛い。それではまた少し席を外しますね。休憩室にも寄って来るかもしれませんけどお昼までには戻りますから」
レナ先生だって先っぽが弱点なのに吸わせる気満々だね。二人きりなら多少激しくしても絶対怒られないし、遠慮なく弄くりまくらせてもらうとしようじゃないか。ぬへへへへ。
「それじゃ、またいってきまーす!」
急ごう急ごう急ぎましょう! ささっと終わらせて休憩室に直行して、レナ先生の生おっぱいを堪能させてもらうのだー!!
……いや、家でも毎日揉んだり吸ったりしてるんですけどね? それとこれとは別で、こう、何と言うか、シチュエーションが少し違うだけで反応が結構変わってきたりしましてね? レナ先生の場合は……、と、こんな事を考えてないで買取所に向かわなければ。
受付の前を通り過ぎ、⑦ブロックの買取所に到着。ローズさんが暇そうにこちらを見てきていたが軽く手を振るだけにしておいた。ごめんなさい、午後から揉みに来ますから!
ここはとにかく職人さん達の出入りが多い。完成品や必要ない素材を売るだけの場所だからそれも当たり前なのだが……、落ち着かないね。
行き交う職人さんの表情は、それぞれ明るかったり暗かったり、ホクホク顔で足取りも軽い人や肩を落としてがっくりしている人など様々。買い取り金額に一喜一憂、という事なんだろう。
「スノーはここに来るのは初めてですよね? ふふ、観察するのもいい事ですけど先に用事を済ませてしまいましょうか」
「あ、はい。一応この辺りまでは来た事はあるんですけど、見てると出入りする人が多くて邪魔になっちゃうと思って……」
買取所は広めの部屋の様になっていて、私は入り口手前までしか来た事がない。中に入るのは今日が初めてだ。
「確かに用も無く来る所ではありませんからね。でもこれからは毎日、とまでは言いませんけど、週に二、三回は足を運ぶ事になると思いますよ」
「毎日沢山作ってますからねー。幾らで売れるか楽しみです」
素材を全部販売所で買って揃えるとすると、『初級魔力回復ポーション』は一つで25ゴールド、『初級体力回復ポーション』は18ゴールドだったね。
これまで作っていた初級肉ポが一つ15ゴールドで、星が二つの場合の買取金額は30ゴールド前後だった筈なので差額は大体15ゴールドか。
通常町の周辺で採れるリフリ草は星ゼロの物しかないが、私の場合は『採取品質上昇(特)』のスキルのおかげで最低でも星一つの物しか採れない。まあ、一人で採取に出かけるのは危険だからどうしても買う事になってしまうと思うけど……。
ううむ、私限定とは言えちょっと町の外に出てぶちっと引き抜いた草が一枚5ゴールドか……。お菓子とかジュース類は本当に安い物は1ゴールドで買えちゃう時もあるんだよね。今更だけどやっぱりポーションって原価が高いなあ。
あとどうでもいい事かもしれないけど……、魔力回復と体力回復も肉ポみたいに簡単に略せないかな? 魔ポも体ポも語呂が悪いわ。
いつまでも入り口手前で考えていても仕方がない、レナ先生の言うとおりにまずは用事を済ませてしまおう。
人の流れに乗るようにして買取所の中へ入る。広さは各スキルの部屋と同じくらいだが、机や器具が置かれている訳ではないのでとても広く感じる。
入ってすぐに目に入ってきたのは部屋の中央にある大きめの四角いカウンター。あそこが恐らく買取カウンターなんだろう。
「レナ先生、あそこが……、あれ?」
「ふふふ。どうしました? スノー」
レナ先生に確認を取ろうと思ってそちらに顔を向けるとその後方、奥の方にあるもう一つのカウンターが目に入った。部屋中を見回してみると四隅にもそれぞれ一つずつ、中央も合わせると全部で五つのカウンターが設置されているみたいだった。
一体どういう……? あ、一つだと混雑しすぎるから分散のために五つ置いてあるのかもしれないね。中も人で溢れているしきっとそういう事なんだろ……う?
「あ、あの人って……、え? レナ先生?」
「ああもう、本当に可愛いんですからスノーは。ここで説明するのもなんですから、とりあえず調合のカウンターの近くまで行きましょうね。ふふふ」
「は、はい。なるほど……」
何故かもの凄く楽しそうにしているレナ先生に手を引かれ、入り口から入ってすぐ右隣にあるカウンターの方へと足を進める。
今のレナ先生の言葉で答えが出てしまったね。四つのカウンターはそれぞれのスキル部屋が当てはめられているんだろう。調合が右手前だとすると、工房の各スキル部屋の配置がそのままカウンターの位置になっているんだと思われる。
となると中央のカウンターは一体何の……、いや、まあ、そっちはそっちで気になる事は気になるんだけど、もう一つもっと気になる事があってですね……。
「職人さんだけじゃなくて冒険者の人も売りに来てるんですね」
「ええ、よく気付きましたね。ふふ」
偉い偉い、いい子いい子と撫でられまくってしまった。また生温かい視線が集中してしまうー!! こんな大勢の前だとお返しにおっぱいを揉む訳にもいかない。ぐぬぬ。
そう、考えてみれば当たり前だったかもしれないが、ここには職人以外の人も利用しに来ているみたいだった。決まり事になっているのか武器を提げている人は一人もいないけど、鎧を着込んでいるところから冒険者で間違いはないだろう。
それならもっと工房の中で見かけていてもいい筈だけど……? とよくよく室内を見てみると、この部屋には外から直接入るための出入り口もあった。なるほどね。
「ここが調合関係、入り口を挟んで隣が調理関係のカウンターですね。もう分かっていると思いますけど一応、反対側が裁縫で一番奥が鍛冶関係です。中央のカウンターはまた後で説明してあげますね」
「はーい。まずは買取からですね!」
ライカさんは覚える事はそんなにないとか言ってたけど、実は結構あるんじゃね? ここ。面白くなってきたじゃないか……!!
買取の仕組みは本当に簡単だったので簡潔に纏めてしまう事にする。
カウンターに触れると取引ウィンドウが表示されるので、その左側に売りたい品物を放り込むと右側に金額が表示される、という超簡単仕様だった。
そして気になる買取金額は……、星三つのマナポがなんと50ゴールド! しかし星二つのスタポは肉ポと同じで30ゴールド。ストアの花が高かっただけあってこちらの結果にはちょっとガッカリだ。
はい、魔力はマナ、体力はスタミナとして略してみました。しかし今度は肉ポの名前が浮いてしまうという事態に……。上手くいかないものだね。
今回は偶然星三つのマナポが出来上がってしまったが、星の数が一つだと35ゴールド、二つの場合は45ゴールド前後になるらしい。
その流れだと星三つは55ゴールドなんじゃいないのか! と今ひとつ納得がいかないけど……、まあ、マイナスになっている訳じゃないので一応納得して清算しておこう。
5ゴールドもあれば苺が二十五粒は買えるのに!!! ぐぬぬぬぬ……。
「お、スノーちゃんじゃないか? よっ! こんな所で会うのは珍しいな」
ぐぬぬと唸っていたら聞き覚えのある男の人の声に名前を呼ばれ、それに釣られて顔を向けるとそこにいたのは……。
「ええと……、誰でしたっけ?」
「またか! このやり取り何度目だよ!? ルロイだよ! ルロイお兄さんだよ!!」
「ふふ、冗談です。ルロイさんこんにちわー」
カリンさんの冒険者友達のルロイさんだった。防具も何も着けていない私服のところを見ると素材の買取に来ただけなんだろう。
「おう! 冗談と分かってても結構ショックだからできたらやめてくれな! おっと、レナさんもこんちわっす」
「はい、こんにちは。今日はハミュンさんと一緒ではないんですね」
「そんな四六時中一緒に行動してる訳じゃないっすよ、アイツはただの幼馴染で腐れ縁なだけっすから」
ルロイさんはカリンさん繋がりで先生ズとも結構話すようになったみたいだ。私も何度も会って話をしているおかげか、男の人なのに普通に名前も顔も覚えてしまったね。ハミュンさんとは誰がどう見てもお互い素直になれないだけの相思相愛の恋人同士なので、カリンさんやレナ先生にちょっかいをかける事はまずないだろうと安心して友達付き合いができている。ちょっと言葉遣いが軽い感じもするけど、年齢が若いだけで私は普通にいい人だと思う。
「それで、今日はポーションの買取か? 小さいのに頑張ってるなあ……」
「はい。今日から私も見習い職人ですよ!」
レベル5になって新しいポーションを製作できる様になった、などを簡単に説明する。
「うお、マジか。子供なのに頑張りすぎだろ。それに比べてオレは駄目駄目だなあ……」
う、うん。年はそう変わらないのにカリンさんの方が圧倒的に強いらしいからね……。私からは頑張ってという言葉しか贈れないや。
「何事も根気よく続けていけばきっと形になりますよ。それでは私たちは依頼カウンターにまだ用がありますから……」
「あ、と、話し込んじゃってすんません。オレも買取が終わって暇だからついて行ってもいいっすか?」
「え? ええ。それは構いませんけど……」
「ハミュンさんに誤解されますよー?」
「何をどうだよ!?」
からかい甲斐があって楽しいルロイさんをお供に加え、依頼カウンターとやらの前までやって来た。
今更だけどここも買取の方もカウンター内は無人だ。動力源の人は必要ないんだろうか?
「ここの詳しい説明は話し出すとキリがないですから要点だけ纏めてしまいますね。簡単に言うと大口の取引の様なものです」
おっと、今はレナ先生のお話に耳を傾けないとーって短すぎ! でも何となく分かったかな。
「自分で好きな物を売るんじゃなくて、依頼された品を納入する場所なんですね」
職人ギルドのお仕事みたいなものなんだろう。うんうん。
主に商店からの大量仕入れから個人規模の少数依頼、あとは職人ギルドの活動として必要な素材の一括買取なども載せられているらしい。
この辺りをもっと深く掘り下げて聞くと一日が終わってしまいそうなので、とりあえず今回はこの簡単な説明だけで満足しておこう。おっぱいを楽しむ時間がなくなってしまうし、実際のところあんまり興味が出ないのもある。
「依頼される数も五百個とか千個とか桁が違うからなあ、多分スノーちゃんには当分縁のない場所だと思うぜ?」
「はあ、五百個ですかー」
初級肉ポなら本気を出せば二、三日で作りきれる量だけどね。まあ、初級のポーションなんて数が溢れ返ってるだろうからそんな依頼自体無いんじゃないかなって思うよ。
「その分個別で売るよりも報酬の方が高くなったりもするんですけど、複数種類の品が必要だったり品質の限定指示があったりしますから、確かに見習い段階で手を出すには難しいかもしれませんね」
「品質の限定指示まであるんですかー。……品質?」
あ、ああ! 『品質が星一つの初級肉ポ千個』、とかの依頼だったら私には達成不可能じゃないか……。ここは今のところ考えなくてもよさそうだね。そもそも千個とかインベントリに入れて持って来れるのか……? 最低でもスキルレベルが10に上がってからの話なんだろうね。
ふむ、ライカさんの言っていた事はつまりそういう事だったのか。覚える事はそんなに無いというか、私が覚える必要がある事が殆ど無かったね。今のところは買取のカウンターだけ頭に入れておけばいいや。
「さて、これで今日の勉強はお終いです。ふふ、休憩にしましょうか」
「はーい! 早く休憩室に行きましょう!! あ、ルロイさんまたです!」
「お、おう! なんだ? そんなに休憩が楽しみだったのか? ああ、レナさんに甘えさせてもらうのか。やっぱ子供だなー」
「ええ、甘えん坊で本当に嬉しいです。ではまた……」
「うっす。暇潰しに付き合ってもらってありがとっした!」
言葉が軽いと言うか体育会系に近いね、面白い。おっぱいが無くてもまた会いたいと思わせられるなんて初めてだ。
はっ!? これが恋……? なーんて……、むむむ!?
ルロイさんと別れて買取所から出たまさに丁度その時、気配察知のスキルに例のムズムズとした気配が引っ掛かった。
ふふふふふ……。レナ先生と一緒にいる時に出て来るとは迂闊な奴め! 飛んで火に入る夏の薄着おっぱいとはまさにこの事だ。今日こそ捕まえて、女の人だったら揉みまくってやるわ!!
また明日に続きます。
どうでもいいその1 ルロイ
短めの濃い茶色の髪で……、まあ、どうでもいいですよね。剣とか振り回して戦うんじゃないでしょうか。
色々と苦労してるかもしれませんが、こちらもどうでもいいですね。




