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その25

まだこの続きは全く書けていませんが、礼賛乙発掘記念という事で投稿してしまいます。

 今日も素材を一気に自動生産に突っ込んで、出来上がりを待つ間に工房内をうろつく。大体これが私の最近の日課となっている。おっぱいを揉ませてもらえそうな女性職人さんとの出会いを求めているとも言う。

 勿論自動生産と平行して手作業で作る事もあるが、もう特に焦りも感じていないのでのんびりとしている事の方が多い。魔力関係の特別スキルのおかげで、私的にのんびりとは言っても他の人から見れば超ハイペースなのだけれど。


 あ、ライカさんとアデラさんのおっぱいに飽きた訳ではありません! どんなおっぱいでも飽きるなんてあり得ないし、ただ二人のスキル上げの邪魔をしたくないだけです!! 私が二人のおっぱいを前にして我慢できれば済む話だけど、それは無理な話というものだからね。うんうん。



 初級肉ポを毎日大量生産していたおかげで調合のレベルは早くも4になり、借金もいつの間にか全て返済し終わっていた。星二つの初級肉体ポーションの工房での買い取りは一つ30ゴールド前後らしいが、6万ゴールド以上あった借金をこんなに早く返しきれるとは思わなかった。素材代もきちんと引かれていた筈なのに……。まあ、悪い事ではないのでそう考え込む意味も理由も無いだろう。

 素材と言えば、薬草の採取もさらに二回ほど出かけ、薬草学がレベル3に、ベースポーションもたまにお願いされて作っていたので水質変換が2に上がっている。これでやっと超初心者を抜けた辺りなんだと思う。

 初級の肉体回復、魔力回復、体力回復の三種のポーションを、レナ先生のサポート無しで問題なく作れるようになったら本当の見習い調合職人を名乗ってもいいかな、と勝手に思っている。



 最近一月程度の細かい近況はこれくらいにして散歩を続けようと思うのだけれど、実は最近工房内の散歩限定で少々気になっている事が一つある。それは……、『気配察知』のスキルに度々おかしな反応が引っ掛かるのだ。



 『気配察知』は体技スキルに分類されているスキルで、名前のとおり周辺の動きを感じ取り把握する能力を強化補助してくれるスキルのこと。どうやら卑劣な角ウサギのバックアタックを受け続けている間にいつの間にやら習得してしまっていたらしい。

 体技スキルはその文字そのまま体を使った技の事で、スキルの登録は自由にできる訳ではなく、誰かに動きを教えてもらって練習するのが一般的な登録方法だ。この気配察知の様に教えられる様なものではないスキルは、私の様に実戦の間に知らず知らず習得する事があるんだそうだ。


 殆どの体技スキルがこの二通り、所謂アクティブスキルとパッシブスキルに分けられるのだが、なんとパッシブスキルの獲得はほぼ運任せというのが現状らしい。

 まあ、検証や習得状況の再現なんてやり直しのきくゲームだからこそできる事なんだろうと思うけど、もうちょっと、こう、何と言うか、面白みが欲しいと思ってしまうのは不謹慎なんだろうか?



 小腹が空き、自然と食堂に到着したところで話を気になる小さなお悩みに戻そう。


 私の気配察知のスキルレベルはたったの1。なのであからさまに敵意などを向けられなければ全く気付けないと言ってもいいレベルだ。それでも引っ掛かってしまうというのは、この気配の相手は私に対して並々ならぬ感情を持っている、のかもしれない。

 その並々ならぬ感情は、視線(?)を受けた感じ悪い方向性のものではないというのは何となく分かる。だから少々気になる程度で納まっているのだ。これが、幼女エルフの耳を舐め回したいハァハァ、などと言ったふしだらな気配だったら即先生ズに相談しているというのに……。


 危機感が薄いと言われるかもしれないけど、工房の中は本当に安全(鍛冶部屋を除く)で、職人さんたちもみんないい人ばかりなのでそれも影響しているのかもしれない。中には性格がアレな職人さんもいそうなものだけど、今のところそんな人は一人も見かけていないしね。


 販売所でオレンジジュースを一杯買ってすぐに食堂を出て、受付から少しだけ離れたテーブルに陣取りクリス先生作のおやつを広げ、ローズさんのおっぱいを眺めながら早速おやつタイム! といったところで例の何とも言えないムズムズとした気配を感じた。


 ローズさんはにこにことしながらこちらを眺めているが……、違う。気配察知に引っ掛からないのは何でも無しにこちらを眺めているだけだからか。

 それでは辺りを行き交う職人さんたちの内の誰かなんだろうか? そうなるとレベル1程度のスキルでは手の打ち様がない。あんまりキョロキョロと気配の主を探し始めるとすぐに反応が消えてしまうのはこれまでの経験で学習済み。あくまで自然を、気付いていない風を装うんだ!


 しかしこの先はどうしたものか……、うぬぬぬぬ……、はっ!? このミニチョコパン美味しい! 見た目一口サイズのパンだけどサクサクとしていて軽く、おやつ感覚で何個でも食べられそう。やっぱりクリス先生が作るおやつは絶品だね! 星の数は……、四!? ううう売ったらいくらするんだこのおやつは……、うん? ローズさんも食べたい? しょうがないなあ……。



「沢山ありますからローズさんもどうぞどうぞー」


「スノーちゃんいらっしゃーい。ごめんねー、催促しちゃったかしらー?」


「大丈夫です、お礼におっぱいを心行くまで揉ませてもらいますから!」


「お手柔らかにねー。うふふ、ありがとー」


 もう勝手知ったる受付内に小走りで進入し、ローズさんの膝の上にひょいっと飛び乗って座り、目の前の作業スペースにミニパンの積まれたお皿を取り出す。

 ローズさんが毎日お暇なのは分かっているので邪魔になるだとかは一切考えない。たまにお客さんが来ても毎回このままで対応しているのでそちらも問題はない。お客さんから見ると私は工房のマスコットキャラの様に見えているのかも。


「はああ……、やっぱりクリス先生の作るおやつは別格の美味しさだわー。スノーちゃんが工房に来てくれてから毎日本当に楽しくて幸せねー。うふふ」


「私もローズさんとお友達になれて嬉しいです! うーん、やわらかーい。ふふふ」


 おっぱいを揉みながらスリスリと頬擦りを繰り返す。たまに先っぽを摘むといい声を聞かせてもらえる、そして何も言わなくても口元におやつが運ばれてくる、と、ここはまさに楽園、天国なんじゃないだろうか……!! 唇でミニパンを摘んで口移しみたいに食べさせてくれるのはちょっと恥ずかしいけどね。そのまま触れる程度だけどキスもしちゃうし。

 ううむ、おやつも確かに美味しいけど、どうせならローズさんのおっぱいも味わわせてもらいたいものだね。人通りがあるから脱がせるのは自重するしかないか。ざーんねん。指先で刺激する程度で我慢するとしよう。



 ローズさんの極上柔らかおっぱいを楽しませてもらいながら美味しいおやつを食べる、という天国気分を充分堪能したところで、ハッと思い出した。怪しい気配の事を完全に忘れてしまっていた……。このおっぱいの前ではそんなものはまさに塵芥程度の些事、どうでもいい事だからしょうがない。


 一応反省しつつ辺りの気配に意識を集中してみるが、あの何とも言えない気配はもう感じない。それよりも背後に感じる柔らかおっぱいにどうしても意識が向いてしまって集中力が続かない。


「スノーちゃんどうしたのー? もっと揉んでもスリスリしてもいいのよー? あんまり強く摘むのは感じちゃうからここでは駄目だけど少しくらいなら弄っても、あ、脱がせようとするのも駄目よー? 休憩室でならいくらでも吸わせても舐めさせてもあげるからねー? でもエッチな気分になっちゃったら襲っちゃ」


「あ、ちょっと考え事をしてたんです」


 後ろからウリウリと頬をこねくり回されながら覗き込んでくるローズさん。少し心配させてしまったかもしれない。


 ……今なんかエッチな気分とか襲うとか言わなかった? ローズさんが私みたいな子供をそんな目で見る訳ないし、それ以前に女性同士なんだから気のせいだろうね。


「考え事? あらあらどんなー? お悩みならお姉さんも相談に乗ってあげるわよー? うふふ。解決は先生達にお任せしちゃうけどねー」


 私の頬に当てていた両手をお腹の方へと移動させ、抱き上げるようにギュッと抱きしめて後ろから頬擦りをしてくるローズさん。


 なにこれ幸せすぎる。背中で潰れるおっぱいの感触が素晴らしすぎる!! レナ先生もこの体勢は大好きみたいでよくやってくるね。


「えっとですね、なんかここ最近変な気配がするんですよ。前に話しましたよね? 気配察知のスキルが取れたって。それに引っ掛かってるみたいなんです」


 私がそう言うとローズさんはピタリと動きを止めてしまった。でもおっぱいの感触はそのままなので問題なしだ。


「……スノーちゃん? それっていつからー?」


 さっきまでの嬉し楽しそうなローズさんはどこへやら、少し声を落として耳元で静かに聞いてくる。くすぐったい、一体どうしたんだろうか?


「うーん、と、大体一週間くらい前からですね。何となくムズムズするんです。不快感は無いんですけど少し気になっ」


「なんでもっと早く言わないのー! レナ先生ソラ先生クリス先生受付に来てくださーい! スノーちゃんが大変なんですー!!」


「ちょっ! ローズさん!?」


 私の言葉を遮っていきなり先生ズに緊急呼び出しをかけてしまうローズさん。

 ちなみに受付と各部屋の先生の間ではどういう原理か電話の様に会話ができてしまうのだ。私は目の前に鎮座してある丸くて黒い石の様な物が怪しいと見ているんだけれど……? と、そんな事を考えている余裕は無かった!



 その後一分と、いや、十秒と経たずに先生たち三人が受付に飛んでやって来た。クリス先生は翼を広げ、鬼の形相で文字通り飛んで来たので辺りにいた職人さんたちはクモの子を散らす様に我先にと全力で逃げ出してしまった。

 そして静かになった受付で三人から質問攻めにあう私、とローズさん。ローズさんは何も知らないというのにそれでもガンガン質問を投げかけられて涙目になってしまっていた。……ごめんなさい。


「チッ。コイツの可愛さからすりゃ当然ってモンだが……、コソコソ覗き見るような真似しやがって気に入らねえな。一体どこのどいつだ!! 出て来やがれ!!!」


 クリス先生の怒号に周辺の空気が震える。いや、建物ごと震えている気さえもする。


 うわあ!! なんて大声!! 私は耳がいいからキーンと響いちゃうんですけど! 目の前で大声を出すのはやめてもらえませんかねえ……。


「逆効果よクリス、それで出て来る命知らずなら反対に感心しちゃうわ。ねえスノーちゃん? 嫌な感じはしなかったのよね?」


 ソラ先生はしっかりと事態を把握してくれているようで、落ち着いて優しく話しかけてきてくれる。でも私を撫でる手は止まらない。


「あ、はい。なんかムズムズっとする感じなんですよね。くすぐったいと言うか……、うーん、言葉にしにくいです」


「ムズムズする感じですか……、確かに悪意や敵意は無さそうですよね。でもスキルレベルが1のスノーにも分かるくらいの気配となると別に隠れているという訳ではなさそうですよね。ただ顔を合わせにくくて離れた距離から眺めている感じでしょうか? どちらにしても気になりますよね……」


 レナ先生も落ち着いているように見える、が、私をローズさんの膝の上から奪い取るように抱き上げて、しっかりと強めに抱きしめているところからかなり心配しているんだろうと思われる。


 これは……、大反省しなければいけないか。工房内という事で気を抜きすぎてしまっていたみたいだ。これからはどんな小さな事でも自分でどうにもならない場合は逐一相談する事にしよう。

 と、反省するのも当たり前だけどその前に。


「あの、黙っててごめんなさい。嫌な感じじゃなかったのと工房の中だから安全だと思って、だから大丈夫だと思い込んじゃってました……。本当にごめんなさい」


 抱き上げられている体勢だから頭は下げられないけど、心から真剣に謝る。私はまだ一人では何もできないおっぱいが大好きなだけの子供だという事を改めて心に刻まなければ!


「あ、や、スノーに対して怒ってる訳じゃねえからそこまで気にすんなよ? な、泣くんじゃねえぞ?」


「クリスが大声出すからよ! スノーちゃん? ママたちは怒ってないからね?」


「大丈夫ですよスノー。これからは工房の中でも、いいえ、どこに行く時でも私が常に一緒にいてあげますからね」


 なーんでそこで甘やかしちゃうかなー! まあ、私がちゃんとしてればいいんだよね。うん。


 あ、あともう一つ大事な事が……。


「ろ、ローズさんもごめんなさい。大丈夫ですか?」


 受付の椅子に座ってビクビクとしていたローズさんにもきちんと謝罪する。完全にとばっちりで恐ろしい目に遭わせてしまったからね。


「こここ怖かったわー……。大丈夫だけど怖かったわー!」


 あはは……、と、失礼。本当にすみませんでした!!







次回はまたいつになるか分かりません。

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