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その22

 あれからまたクリス先生のおっぱいをたっぷりと楽しませてもらった後の夕食時、私が他に四つも特別スキルを持っている事は上手く隠しつつ、(中)や(特)等のスキルの効果について教えてもらえる事になった。


 え? 隠せてますよ? バレてる訳ないじゃないですかー、やだなあ。あはは……。



 とりあえずは、私の目の前にでんと鎮座している角ウサギの丸焼き(旗付き)を食べやすいように切り分けながらお話を聞こうと思う。


「スノーちゃん? わたしがやってあげるから少し待っててね。ふふふ」


「あ、はーい」


 ……大人しくお話を聞こうと思う。


「特別スキルの効果っつーかレベルの高さは数字で表示されねえんだよ。低い方から言うとだな、微、小、中、大の順だな。おっと、その前にスノーは特別スキルについてどこまで知ってんだ?」


 あれ? (特)は? っとと。


「ええと、生まれつきそういう変わったスキルを持っている人がいる、くらいですね。どんなスキルがあるかまでは全然知らないです」


「そうですね……。特別スキルを持っていない方の方がはるかに多いですから仕方ありませんよね。持っていてもスノーの様に黙っているという方も少なくはありませんから」


「まあ、無駄に嫉妬とかやっかみを受けるのはヤなもんだよねえ。特別スキルを持ってるくせに、とか実力以上を勝手に期待されて勝手に失望されるとかさ」


 ほう? ほうほう。それは結構ありがちな気もするね。となるとこのまま黙っていてもよさそうかな。よしよし。


「その辺はまだ置いとけ。んで、スノーが持ってんのは『生産品質向上』と『採取品質上昇』の二つって事にしとくけどな、これはそこまで珍しい方でもないんだよな。各部屋の責任者にまで上がるような連中なら大抵微か小は持ってるから気にすんな」


「あ、そうなんですね。私が持ってるのはその二つだけですけどね! という事は先生たち三人も持ってるんですか?」


 それなら安心かもね。さらによし、だ。


「ええ、そういう事にしておきましょうね、ふふふ。私はどちらも持っていませんけど、『魔力回復速度上昇(中)』と、他色々と」


「今はそういう事にな、クク。あたいは『生産品質向上(大)』と、まあ、他色々だな」


「スノーちゃん可愛いわあ……。あ、わたしは『採取品質上昇(中)』と他色々ね。採取なんて疲れる事滅多にしないけど」


 ぐぬぬ……。ま、まあ、さすがは先生ズ、ぱないわ。クリス先生は地味に(大)とか……、他色々?


「他色々ってなんですか!? あ、ちなみにカリンさんは……」


「うん? 期待してるところ悪いんだけど何も持ってないよ? 何回も言うけどそれが普通なんだからね? このお姉ちゃん実は頼りにならないんじゃないかー、とか思っちゃ駄目だからね!」


「はい! でもカリンさんには大きなおっぱいがあるじゃないですか。特別スキルなんかよりずっと凄いし大好きですよ!」


「んふふ、ありがとねー。でもクリス先生が怖いからおっぱいの大きさの話はやめようね……」


「このクソ巨乳が……」


「ひい! スーちゃん助けて!!」


 クリス先生のカリンさんを見る視線がトゲトゲしたものに変わってしまったところで話を元に戻そうか。


「特別スキルというものはですね、確かに生まれつき持って産まれる事が殆どなんですけど、知らず知らずのうちに増えている事も稀にあるんですよ? カリンさんもこの先何か登録される可能性もゼロではないんです。それに、私たちの持っているものは種族的な専用スキルに近いものもありますからね」


 専用スキルはその人しか使う事ができない個人専用のスキル、だったね。例えばソラ先生の魔力吸収マナドレインとか、クリス先生の変身するスキル? とかの種族特性に近いものも特別スキルに含まれるのか。なるほどなるほど。


「限りなくゼロに近いと思うけどね。あ、そだ、スーちゃんの特別スキルの効果は何? 確か最低でも中以上はあるって話なんでしょ? 羨ましい話だねえ」


「はい? あ、えーっと……」


 そういえば(特)の意味を教えてもらおうと思ってたんだけど、どうやって聞くかまでは考えてなかったね……。

 ふむ、ここは普通に、さりげなく答えてみるというのはどうだろうか? もしかしたら、ふーん、そーなのかー、くらいの反応を返されて聞きやすくなるかもしれない。


「両方とも特ですよー。意味は分からないんですけどね」


「へー、特? ……特ってなんだっけ? 聞いた事ないんだけど」


 はい大しっぱーい! でも先生ズの反応は、普通? 驚いてる訳でもなさそうだね。


「両方とも特たあまた珍しいな。昔はそんなヤツも少しはいたんだが、今じゃとんと見かけねえからなあ……。ちなみにあたいも特効果の特別スキル持ちだぜ? ククク」


「わたしも持ってるわよ? 一つだけどね。ええとね、特っていうのは微から大の四つのどれにも当て嵌まらない効果の事を言うの。だからどんな効果かは本当に本人にしか分からないから、スノーちゃんが分からないなら誰にも分からないと思うわ。でもマイナスに働く事は無いみたいだからそこは安心してね」


「ふーん、よく分からない効果っていう事かな? スーちゃんっぽいね!」


「どういう意味ですか! あ、ありがとうございます」


 結局今では珍しいっていう事だけしか分からなかったけど、教えてもらった事に対してはきちんとお礼を返さなければいけないね!


 多分(特)っていうのは特殊とかそういう意味なんだろうと思う。例えば品質の星の数をどんな物でも二つ増やしてしまうとか? それとも星三つ以上の物が出来上がった場合でも強制的に二つに固定されてしまうとか? スキルの名前が向上となっているから後者はないだろうと思うけど。

 まあ、ソラ先生の言葉を信じてあんまり気にしないようにしよう。そこまで生産に拘るつもりもないからそれが一番だ。



 説明が一通り終わったところで食べる事を再開しよう、と思ったのだが……。


「二人はいいですよね、スノーと同じ特別スキルを持っていて……。私も魔力回復速度よりそのどちらかが欲しかったです……。はあ、まさかこんな理由で特別スキルが欲しくなるとは夢にも思いませんでした」


 レナ先生が変な理由で気落ちしてしまっている。


「調合を教えてやれる以上の何を望むってんだ贅沢(もん)が! あたいだって毎日付きっ切りで色々教えてやりてえのによ……、羨ましいのはこっちだってんだ!!」


「そうよそうよ、スノーちゃんは裁縫には興味すら持ってくれてないんだから! ママ寂しくって泣いちゃうわ!」


 ご、ごめんなさい、裁縫には面倒そうで難しそうっていうイメージしか沸かなくて……。調理はまだ興味あるんだけどねー。


「確かに工房の中だとレナ先生はずっとスーちゃんと居られるもんね。ってそうじゃなくて、まあ、気にしすぎだと思うよ? それだけスーちゃんのことが大好きだっていう事なんだろうけどさ。んふふ」


「す、すみません三人とも。特にカリンさんは家でしか一緒にいられないというのに……」


「そう言われると私がなんかかわいそうな目に遭ってるみたいだからやめて! スーちゃんとは星曜日に遊んであげられれば充分だからさー」


 もう暫く経ったら一日で行って帰って来れない依頼もまた受けるようにするんだったっけ? 寂しくなるなあ……。今のところは毎日おっぱいを揉ませてもらってるけど、あの素晴らしいおっぱいを揉めない日がその内来てしまうのか。くすん。



 さて! こんな空気では折角のクリス先生の料理が美味しくなくなってしまう。ここはレナ先生のためにももう一つ大暴露といこうではないか! ……実際はどんな気分でも超美味しいけどね。


「レナ先生レナ先生、私は『魔力回復速度上昇』も持ってますから元気出してくださいねー」


「? そうなんですか? ありがとうスノー。この子は本当に優しくて思いやりのあるいい子ですね……。ふふ、同じスキル、え?」


「はあ!? スーちゃんマジで!?」


「は、はい!? ま、マジです……」


「おまっ、特別中の特別スキルじゃねえか!!」


「ああ、だから魔力をいくら吸っても全然平気そうにしてるのね。うふふふふふ」


 あれ!? このスキルってそんなに珍しいのか! レナ先生が持ってるからそれほどでもないって思っちゃってたー!! ……ソラ先生は早速吸いに来ないでください!! っきゃー!!



 このスキルというシステムのある世界では、魔力の多さや回復速度の速さはかなり重要視される事らしい。少し考えてみればそれも当然かと納得できる。

 そうなると魔力の総量を増やすスキルも併せ持っている私はかなり有利なのではないだろうか? もっと強気にがんがん調合して、ライカさんとアデラさんを本当に追い抜いてしまうのもいいかもしれない。


 まあ、レナ先生の許可が出たらの話だし、そんなにやる気を見せると、ついに私の後を継ぐ気になったんですね! とか変な勘違いもされてしまいそうだからやはり慎重に行動せざるを得ないか……。




「なんつーか、酷い言い方になっちまうが調合やるために生まれてきたようなヤツだなオイ。どうせ他にもまだ隠してやがんだろ? ほれ、キリキリ吐きやがれ」


「ひ、秘密です! ……はっ!?」


「だからそれはまだ隠してるって言ってるのと同じだってば……、え? まだ特別スキル持ってるのこの子? う、うーん、スーちゃんはなんかもう凄すぎてなんて言っていいか分かんないね。んふふ」


「この子はもう誰からどう見ても私の娘ですよね! スノー? これからはちゃんとお母さんって呼ぶようにするんですよ?」


「ええ!? 恥ずかしいですよ……」


「わたしもママって呼んでね? ママーって可愛く延ばして甘えてほしいわあ」


「私はお姉ちゃんかなー。んふふ」


「あたいはなんて呼ばせるかね……。ママも捨てがたいがソラと被るのもなんだしなあ。ま、考えとくわ」


「か、考えなくていいですから! 呼び方はこれまでどおりでいきますからね!」


「後その敬語もやめろよ? 礼儀正しいのは褒めてやれる事なんだが、親子間にそんなモンいらねえからよ。……お? ああ、んじゃどっちにするか今決めろ」


「はい? どっちにですか?」


「あたいたちの事をママやら母さんやら呼ぶか、敬語をやめるかのどっちかだ! できなきゃもう胸に触らせねえからな!!」


「そんなー!! あああ、ううう……」


「いきなりは難しいってクリス先生……。スーちゃんって敬語が基本みたいだしさー」


「そんなに焦る必要はありませんよ? ちょっとずつ慣れていきましょうね、スノー?」


「そうよー、あんな厳しい先生は放っておいて優しいママたちに甘えるのよー?」


「あっ、テメエら……。あー、スノー? 今のは冗談だからな? 胸くらい好きなだけ揉んでいいんだぜ? 吸ってもいいからな!」


「はーい! お風呂で思う存分吸わせてもらいますねー」




 レナ先生の言うとおり、ちょっとずつ慣れていかないといけないとは思ってるんだけどね。でもそう言うレナ先生だって敬語? 丁寧語が基本なんだけどなあ……。

 まあいいや! こういったものは時間が解決してくれるものだから考えない! 私はおっぱいの事だけ考えていればそれでいいと思うよ。うんうん。







結局(特)の効果は分からず終いでしたが、これで今回のお話も終了です。

次回からは十話近くも続くようなお話ではなく、一話二話程度の短いちょっとした出来事ばかりになると思います。

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