その２０
角ウサギとの激しい死闘を制した私は、カリンさんとレナ先生のおっぱいに挟まれてお褒めの言葉を頂く筈だったのだが……、薬草学が２になるまでは戻って来るなとのお言葉の効果は健在だったらしく、また一人寂しくリフリ草の採取を続ける事になってしまった。くすん。
実はレナ先生は休憩してもいいと言ってくれたのでそうしようとも思ったのだけど、カリンさんの手にはいつの間にか取り出したのか、持ち手の部分が長く刃の部分も大きく物々しい、明らかに戦闘用だと見られる両手斧が持たれていたので大人しく薬草採取を続ける事にしたのだった。
なにあれ本気でこわい。カリンさんって見た目に反して超パワータイプの人だったのね……。
もしかしたらさっきの角ウサギをアレで倒そうとしていたとか？ あんな大きな武器で攻撃したらミンチよりひでぇや的な事になってしまうじゃないか……。ガクブル。
リフリ草の採取は手で抜いてもスキルを使っても時間的な差は殆どなかったので、二人とお喋りをしながら手でぶちぶちとちぎって集めていく事にした。少し距離が開いているので無意味に大声での会話となってしまったが……。
お喋りの話題ははつい先程の卑怯な乱入者、角ウサギについて。
角ウサギはこの辺りの平原に穴を掘って住み付いているらしく、この一帯だけでもとにかく数えるのが馬鹿らしくなるくらいの数が隠れているらしい。
普通のウサギとは違って草花を主な食料としていて、リフリ草もストアの花も食べてしまう極めて悪質な害獣なんだとか。
ただのウサギに毛の（角の？）生えたようなだけの強さなので、肉や毛皮の採取を目的とした普通の大人程度の腕力がある職人や、冒険者ギルドの依頼などで常に狩り続けられているのだが、繁殖力が凄まじいらしく根絶させるのはまず不可能だろうとの事。
リフリ草は根さえ残っていれば一日二日程度で採取可能なまでに成長するから問題はないみたいだけど、問題はストアの花の方かー……。
そういえばストアの花は一年中どこにでも咲く花の筈なのに、ここに来るまでに一輪も見かけなかったような気がするね。
一応角ウサギが生息しているのは人間の住処の周辺だけという話なので、世界中が角ウサギで溢れてしまう心配はないみたいだ。多分ここよりも離れた所に出てしまうと肉食の獣に食べられてしまうんだろう。
縄張り意識が強く怖い物知らずで、相手が自分よりはるかに大きな生き物でも勇敢に飛び掛っていくらしい。その縄張り争いから弾き出されてしまった者が逃げ出した先で美味しく頂かれてしまう、という事か。なるほど。
つまり、リフリ草以外の薬草を採取するためにはその危険そうな地域にまで足を伸ばさなければならない、という訳だね。よく出来てるわ。
その後もう一度角ウサギからバックアタックの直撃を背中に受け、無様に両手をついてしまったところで例のぞわっとした感覚が体に走った。
どうやら薬草学が２に上がったらしいが、汚いなさすが角ウサギきたない。まずはこの調合職人の大敵に裁きの鉄槌を下してやらねばならないようだ……。
完全に見飽きて見切ったジャンプアタックを軽くかわし、今度は全力に近い蹴り大見舞いした。
さすがに強く蹴りすぎたみたいで、もうピクピクと微かに動く程度まで弱っていたところをダガーで一刺し、止めを刺す。
カリンさんとレナ先生の盛大な拍手に少し照れながらもスキル一覧を確認してみる、が、薬草学はまだ１のまま、リフリ草の採取数は百五十にも届いていなかった。
さっきのレベルアップの感覚は気のせいだとしても……、もしかして私の採取ペース、遅すぎ……？ レベル２までの大体の目安は二百五十枚なのに、これはいけない！
さらにその後遅れを取り戻す様に黙々と採取を続け、リフリ草の数が大体二百二十枚を越えた辺りであの感覚がきた。確認してみると薬草学は２、今度こそノルマ達成である！
ちなみにその間に三度角ウサギからの汚い不意打ちを受けたが、三度目で慣れたのかそれともニュータイプ的な勘に目覚めてしまったのか、何となく後ろから来ているのが分かってギリギリで回避する事ができた。ふふん。
「レナせんせー！ カリンさーん！ 薬草学２になりましたよー！ おっぱいを揉みに戻ってもいいですかー！？」
草の汁と土で汚れてしまった両手を洗浄で綺麗にしながら大声で聞いてみる。勿論二人のおっぱい、いや、服を汚す訳にはいかないので念入りに綺麗にする。
「あ、うーん！ 戻っておいでー！！ あっちゃー、なんかやけに黙々とやってると思ったらスーちゃん寂しがってる？ 泣いてはいないみたいだけど悪い事しちゃったかなあ……。あ、レナ先生、私が迎えてあげていい？」
「はい、どうぞ。うーん、少し厳しくしすぎてしまったんでしょうか？ でも、こんな開いた場所で女性の胸を晒してしまったのですから、スノーにはきちんと反省をさせなければと思ったのですけど……。す、スノー？ 帰りは私が抱き上げて歩いてあげますからね！」
レナ先生は過保護だなあ……。でもちょっと寂しかったのは確かだから反論はしないでおこうかな。ふふふ。私のエルフ耳は多少離れたくらいの声なら拾ってしまうのが中々面白い。
それじゃ、両手を広げてお迎えをしてくれているカリンさんのおっぱいにとつげーき！
「カリンさーん！ んふふー」
ぽふっと少し勢いを付けてカリンさんのおっぱいに飛び込んだ。
そしてすぐさま両手で揉み、スリスリと頬擦りを開始し、失ってしまったおっぱいエネルギーを補給する。
「スーちゃんお疲れ様！ んふふ、かっわいいなー、もう！ スーちゃんのあっまえっんぼー！」
グリグリと強めに撫でてくれるカリンさん。
私もさらにお返しとばかりにグリグリとおっぱいに顔を押し付ける。
この幸福感……、いくら甘えん坊と呼ばれようが全く問題にならないね。私はやっぱりカリンさんと結婚するしかないと思うよ。
「か、可愛い……！！ カリンさん、早く私にもお願いします！」
「え？ もう？ あー、それじゃここはお母さんに交代するとしようかな。んふふ。ほらスーちゃん、レナお母さんに甘えておいでー」
「おっぱいおっぱーい……。あ、はい！ わ！」
両肩を軽く押されて体を離され、そのままレナ先生の方へ体の向きを変えられたその直後、すぐ側にいたレナ先生に抱き上げられてしまった。
レナ先生は笑顔で私に頬擦りをしまくりながら椅子まで歩き、そのまま座ると今度は顔中にキスをしてくる。勿論私も負けじとおっぱいを揉ませてもらっている。
「スノー？ 角ウサギは怖くなかったですか？ 一人で採取するのは寂しかったでしょう……。もうしっかりと反省できたみたいですし、今後二度と同じ事をしない様にするんですよ？ それと、薬草学も無事２になりましたね、おめでとう。さ、次はお母さんにたっぷりと甘えてくださいね？ ふふふふ」
「ありがとうございます！ ウサギは全然怖くなかったですよー。ちょっと採取に時間掛かりすぎちゃいましたけどね。ふふふ。……むむ？」
急に辺りが暗くなったと、いや、視界が遮られたと思ったら、カリンさんがレナ先生と私を覆い隠すように布製のマントの様な物を掛けてくれたみたいだった。
「これなら遠目に見たくらいじゃ何してるか分かんないでしょ。レナ先生、んふふ、スーちゃんにいっぱいキスしてあげて。私は辺りを見てるからさ、安心してイチャイチャしてていいよ」
なんて気の利いた事を！ ありがとうカリンさん！ でも、レナ先生の服は簡単にはだけられないんですが！ あ、脱がしていいって訳じゃないのね……。おっぱいも吸わせてもらいたかったなー。
「ありがとうございますカリンさん。ふふふ、スノー？」
「はーい。んむ」
いきなり唇ですか！！
レナ先生は自分の顔もマントで完全に覆ってしまうと私の体を右に向けて体を引き寄せ、頬を撫でながら唇に口を付けそのまま舌を差し入れ、私の舌を探り当てると催促をする様に何度も押し当てててくる。
ひゃー！ やっぱりこうなった！！
いや、まあ、私もディープキスは完全に大好きになっちゃってるからいいんだけどね。二人きりで誰にも見られない状況なら本当に大歓迎だよ。
私もレナ先生と目を合わせて舌を絡ませ合う。私が舌を動かし出すとみんな凄く嬉しそうな表情をするので、こちらも幸せな気分にさせられてしまう。
しかしそこは私のこと、舌だけではなく両手もしっかりと動かす事を忘れない。ぴったりと身を寄せている状態なので左手しか自由には動かせないが、右手は右手でちゃんとおっぱいに押し付けるようにして揉めているのでそこまで大きな問題はない。
レナ先生は私と二人きりだと弱点である先っぽを攻めてもまず怒る事はない。怒るどころか逆に嬉しがって吸ってくれとせがんでくる程だ。この状況では怒られるか嬉しがるか五分というところだが……、賭けに出てみるとしようじゃないか！
私は今、レナ先生に抱き上げられて、さらに頬擦りを受けながら家へと帰っている途中だ。レナ先生はうっとりとしたとても幸せそうな表情で私に頬擦りを続けている。そして現在位置は……、町の門をくぐって少し進んだ広場のど真ん中である。
……どうしてこうなった！！！
恥ずかしいいいいぃぃ！！ まさかお仕置き？ お仕置きなんですかレナ先生！？ でも先っぽを攻めてた時は気持ちよさそうに嬉しそうにしてくれてたじゃないですかー！！ 嫌じゃないけどやだー！！
周りの方々の目付きがもの凄く微笑ましいものを見るような感じなんですが！ あ、お菓子はもう充分に貰いましたから！ でもありがたく全部頂きますけどね！！
スキル一覧
体技
無し
魔法
無し
生活
調合：３ 薬草学：２ 水質変換：１ 鑑定：３ 洗浄：１ 解体：０ 採集：１
ＮＥＷ！
今回の採取実習で手に入れた物。
リフリ草 約２２０枚
角ウサギの死体 ３匹
菓子ジュース類 大量
