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その17

 今日は待ちに待った薬草採取実習の日! まあ、昨日決まっての今日決行なんですけどね。あはは。


 とりあえず門から外に出てすぐの辺りでの採取という事で、これといって特別な用意は何もしてきていない。

 服装はソラ先生作の普段着、と言っていい物なのかは分からないくらいの高級品だがいつも着ている物の内の一着で、そこにミスリルケープを追加で羽織っただけとなっている。ミスリルダガーは勿論インベントリの中だ。


 恥ずかしい話だが昨日の夜は楽しみすぎて全然寝付けず、眠そうなカリンさんに延々と話しかけ続けてしまった。ごめんなさい。さらにおっぱいも揉み続けてしまった。あ、これはいつもの事だったわ。



 朝食を食べた後、ソラ先生といってきますのキスを交わしておっぱいもたっぷりと揉ませてもらってから家を出る。クリス先生は私が起きるよりも早く仕入れに出発してしまっていた。


 まずはレナ先生と手を繋いで三人で町の出入り口、門の所まで歩いて行く。


 この町はほぼ正方形の形をしていて、それぞれ東西南北の壁の中央に一つずつ門が設置されている。私たちが向かうのはこの中で家から一番近い南門だ。

 工房と家のある区域は、門から一直線に延びている大通りで町を四つに分けた南西区のやや南寄りにある。職人や商売人関係の施設はこの南西区に多く集まっている。


 まあ、そんな訳でもう早朝とは言えないこの時間に、工房近くの大通りをレナ先生と手を繋いで歩いていると、声を掛けられるわ掛けられるわで足止めをされまくってしまった。

 声を掛けてきたのは主に露天商をしている職人さんや商人さん、それと冒険者の人達で、レナ先生プラス私に次々と声を掛けてくる。カリンさんも巨乳美人さんなのでナンパされたりもしていたが、それは置いておく。


 さすがレナ先生の人望は凄いねと感心していたのだが、聞くところによるとレナ先生は二週間前辺りからもの凄く表情が柔らかくなったらしく、話しかけやすくなったんだとか。一体どうしてだろうねー、わたしにはわからないわー。

 いきなりの娘宣言に心折れた人も多数いたと聞いたが、それでもこの大人気。やはりレナ先生自慢のお母さ、こほん、先生だね。


 しかし、折角インベントリをほぼ空っぽにしてきたというのに、呼び止められる先々でお菓子やらジュースやらを貰って、それだけで結構な量になってしまったじゃないか。

 私には『所持量限界増加(特)』とかいう恐ろしい特別スキルがあるのでこの程度ではまだ問題は出ないと思うのだが……、先行きがやや不安だ。



 インベントリの容量はしまえる物の単純な大きさではなく、中に入れたものの総重量で決まっている。どんなに大きな物でも軽ければ沢山詰め込めるし、逆にどんなに小さな物でもあまりにも重すぎれば少量しか収納する事はできない。

 初めはみんな同じくらい容量なのだが、何かのスキルのレベルが上がっていくに連れて僅かずつ増えていくんだそうだ。年齢を重ねる事によっても増えるらしいが、こちらは個人差が大きすぎてよく分かっていないのが現状なんだとか。


 似たような物でアイテムボックスという容量固定の収納箱があるが、こちらは誰でも出し入れが可能な家具の様な扱いだ。他にも色々な種類の形あるインベントリが存在しているらしい。



 お菓子はともかくジュースは水物なので結構な重さがある。持ち物を軽くするために早速一つ取り出して飲みながら歩いて行こう。


 ふむ、星無し特殊効果無しの『アップルジュース』か……。多分売り物ではなく自分用に取っておいたものなんだろう。味は普通に美味しいリンゴジュースだった。


「あら? 早速ですかスノー。ふふふ、美味しいですか? お母さんにも後で一口くださいね」


「え? あ、はい。美味しいですよー」


 ストローに口を付けてアップルジュースを飲み始めたところで、足を止めて満面の笑みを浮かべるレナ先生に覗き込まれてしまった。


「ぷくくく……! なになにスーちゃん? 我慢できずに早速? スーちゃんはやっぱり子供だねえ。んふふ」


 さらにはカリンさんにまで笑われてしまった。


 くそう、どうしてこうなった! インベントリの重量を軽くしようと思っただけなのに……。

 レナ先生にもご協力お願いします! と、ストローを向けて差し出す。ちなみに容器もストローも紙製のようである。


 ありがとう、と一言お礼を言ってからストローに口をつけるレナ先生。

 どう見ても間接キスだが、私とレナ先生は既に直接どころかディープなのもしてしまっているのでこれくらいは全く気にならない。


「ふふ、ご馳走様です。ああもう、スノーはなんて優しい子なんでしょう! カリンさん、この優しくて可愛い子、私の娘なんですよ!」


「いやいや、知ってるから! 一応私もその子のお姉ちゃんで先生三人組の娘っぽい扱いだからね? レナ先生は本当にスーちゃん大好きだねえ」


 正面から抱きついて頬擦りをしまくってくるレナ先生と、されるがままだが空いた手でおっぱいを揉む事を忘れない私と、それを笑顔で呆れながら見ているカリンさん。と! 私たち三人の行動を何とも言えない表情で眺めている周りの方々……。


 なにこれ恥ずかしい……!!


「レナ先生! カリンさん! 早く行きましょう!」


 飲みかけのアップルジュースをインベントリに放り込み、断腸の思いでおっぱいから手を放し、レナ先生の手を取って引っ張る様にして歩き出す。

 レナ先生は工房内では先生らしく多少は自重するのだが、家の中や工房外での私の可愛がりっぷりは他の追従を許さない。


 レナ先生が可愛がり担当、クリス先生が構いまくり担当、そしてソラ先生は甘やかし担当でそれぞれトップを独走している。……カリンさんはツッコミとお叱り担当になってしまう事が多いです。うぐぐ。


「そんなに町の外が楽しみなんですね。こんな事ならもっと早く連れて行ってあげればよかったですね……。かわいそうな事をしてしまっていたのかもしれません」


「考えすぎ考えすぎ。まだまだ町の中ですらあんまり遠出した事ないんだからゆっくりでいいってば。今回だって自分から行きたいって言い出した訳じゃないんでしょ?」


「それはそうですけど……、っと、これではいけませんね。スノー? あまり引っ張ってはいけませんよ? ふふふ」


「はい! ごめんなさーい」


 何かいつも以上に子供扱いを受けている気がするけど……、早くこの場から立ち去りたいのでオールスルーします!!


「可愛い……! 幸せ過ぎて涙が出そうです」


「あはは。まあ、子供とこうやって町を歩くのってなんか、いいもんだよね」


「ええ、本当にです……。スノー、生まれてきてくれてありがとう」


 レナ先生の大袈裟すぎる反応にツッコミを入れないのは、これがレナ先生の通常運行だからです。


 あと突っ込むのも超恥ずかしいからです! 顔がニヤついちゃってるのに気付かれないようにしないと……!!




 ようやく門の手前まで到着する事ができた私たちだったが、既に結構疲れてしまっていた。いや、疲れているのは私だけか。

 あれからも散々呼び止められ、話しかけられ、インベントリにお菓子類が貯まっていき……。体力的にはそんなにでもないが、精神的にどっと疲れてしまった。


 しかし、レナ先生を狙う不逞の輩の多いこと多いこと……。私には父親なんて必要ありませーん! おっぱいが付いてる男の人なら考えてもいいんだけどね……。あ、太ってるだけの人は勿論パスでお願いします。


 外に出る前に少し、休憩も兼ねて門周辺の観察をしていこうかなとキョロキョロしていたら、何故かレナ先生に抱き上げられてしまった。やはりレナ先生は腕力が強い。

 私の体重は確か30kgも無かった筈、20kg台後半くらいだったような覚えがある。そんな私をこの細腕で軽々とひょいひょい持ち上げる先生ズは地味に恐ろしい存在なのではないだろうか!? あ、カリンさんも全然軽そうにしてたわ……。


 レナ先生からの頬擦り攻撃に耐えつつ、お返しにとおっぱいへと手を伸ばし、さらに辺りの観察を続ける。


 防壁の高さはどれくらいあるんだろう? パッと見では分からないが、多分20mくらいはあるだろうと思う。そして目の前にある門の大きさも凄い、防壁の半分にまで届こうかというくらいだった。


 ふむ、凄いけどそれだけだね。興味なし。


 あっさりと防壁から興味をなくし、次に見るのは現在私たちが立っている門の手前の大きな広場。陸上競技で使われるくらいありそうなサイズの楕円状の広場の中心を、大通りが真っ直ぐ貫いている形だろうか。そこは大勢の人々で賑わっていた。

 一番目に付くのは冒険者風の人で、その姿はカリンさんみたいに軽装であったり鎧を着込んでいたりと様々だ。武器を腰や背中に差している人も少なからず見かける。


 ふむふむ、数が多いだけに逆に興味がでない。

 カリンさんっていう私的に最高の冒険者さんがすぐ隣にいるからかもしれないが……。


 軽装の女性冒険者のおっぱいを軽くチェックしてから次に目を移す。大きめの人はちらほらみかけるがやはりカリンさんクラスともなると滅多にいないようだ。

 次に多いのは多分職人や商人、後は一般の町の人だろうと思われる武器も防具らしい物も着けていない人たちだ。勿論冒険者風の人でも明らかに、それは普段着だろう! と突っ込まれそうな服装の人もいる、が、それでも動きやすさには気を使っているみたいなのでパッと見で区別できてしまう。

 一番分かりやすいところだとロングスカートの女性だね。あんな走れもしない服装で町の外に出る事はさすがにありえないだろう。


 まあ、レナ先生がロングスカートで、私はミニスカートですが、職人だから問題ありません!

 ちなみにカリンさんはとても動きやすそうなパンツルック。お腹と太腿が眩しいです。おっぱい部分も布地の面積が少なくて、簡単に手を入れる事ができるので大変素晴らしい! やはりもう結婚するしかないんじゃないだろうか!?



 ここで一つ大切なお話をしようと思う。


 私はおっぱいが世界で一番大好きで、お尻にはあんまりどころか全く興味がないのだが、実は太腿とお腹も結構好きな部類に入る。

 簡単に言えば手触りと頬擦りと舌で舐めた時の感触が好きなのだ。あと相手の恥ずかしそうな反応も超好きです。つまりおっぱい最強。異論は例え神様の言葉でも認めない。


 なのでいくら肌触りがよくてもお尻は抵抗が強く、アソコは論外という事になる。

 例外としては、膝枕をしてもらっている状態でお尻を撫でる、というのはありだ。クリス先生とカリンさんの場合は尻尾優先だね。私にとってお尻とはその程度の存在である。



 おっと、つい思考が明後日の方向へ飛んでいってしまっていた。レナ先生とカリンさんが素敵すぎるのがいけないね。


 視線をカリンさんのおっぱいから広場の人々に戻そう。

 ここに集まっている人達が何をしているのかと言うと、ぶっちゃけるとよく分からない。一目で分かるのは露店を出している人くらいだろう。



 露店を出す方法を簡単に纏めると、商人ギルドで許可証を買い、それを所持している時に一度だけ使用可能な『露店販売』というスキルを使うだけ。

 露店販売はその名前のとおりどこでも商売が可能になるスキルで、商人ギルドに所属していると許可証無しで無制限に使えてさらにレベルも上がるらしい。職業専用スキルなんだろう。


 この露店販売のスキルは、実物を見せて交渉するのなら全く必要がない。だけどスキルがあった方がはるかに便利になるというだけだ。

 スキルの使用方法は、スキルを準備状態にするとウィンドウが一つ表示され、そこに販売したい品物を放り込んで値段を設定してから発動する。そうすると誰からでもウィンドウの中身を確認できる様になり、しかも取引まで自動でやってくれるというから驚きである。方法は聞いてないが素材などの買い取り用のウィンドウを出す事も可能らしい。


 つまり発動さえしておけば後は近くにいるだけで完全放置でも構わないというあまりにも便利すぎるスキルなのである。

 お金はそこに置いて行けばいいよー、的な田舎の駄菓子屋さんに近いだろうか? 実際にそんなお店は見た事ないけどね。



「後は日帰りでモンスターを狩りに行くとかで同行人を探してるとかさ、冒険者から直接買って素材を安く手に入れようだとかさ、まあ、色んな事を考えて人が集まってるって訳。スーちゃんもここにポーションを売りに来る事になるかもね? んふふ」


「商店に持ち込むほどでもない量だったり、個人個人で取引をした方がお得だったりする品は多いですからね。職人や商人以外でも覗きに来る方は多いんですよ? 特に南門は工房が近いですから露店販売者の数も他の門より多いんですよね」


 そんな事を教えてもらいながら巨大な門をくぐる。ドキドキワクワクと胸が高鳴っていたせいであまり頭に入ってはこなかったが……。



 ここからはついに町の外! 所謂フィールドってヤツだね。

 どんな素材が採れるのか、一体どんなモンスターに出会うのか……、うん? よく考えてみたら素材は持っているスキルの関係上リフリ草しか採れないし、モンスターもこんな町の近くには出ないんじゃないか?


 ……ちょっとテンションが下がったわ。ま、まあいいや、行こう。







ちょっと説明的な文章が多めになってしまっていますね。

スノーのお尻などに対する見解は、こういう考え方もあるんだ、なに言ってんだコイツ、くらいの感覚で読み流してください。

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