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その15

 アデラさんのおっぱいと、ライカさんのおっぱいとフサフサ尻尾に別れを告げた帰宅後、さらにその後の家族全員揃っての晩御飯の時間。明日の薬草採取について早速話し合いをしてみる事にした。カリンさんの明日の予定は特に無しとの事だったのだ。万歳。

 話を聞くとどうやらカリンさんは、星曜日は私と遊ぶために依頼を一切入れない様にしてくれているらしい。なにそれ嬉しい。結婚してください!


「あん? レナが行くんなら問題ねえだろ。あたいも一緒に行ってやりてえが、明日はアスピディスケの手前まで仕入れに行かねえとなんねえんだよなあ……、めんどくせえ」


 アスピディスケは確か、ここから西に馬車で三日くらいの所にある町の名前だったかな? 聞いた話だとアヴィオールと同じくらいの規模の町だった筈。

 常識的に考えて一日で行って帰って来られる距離ではないと思うけど、クリス先生は空を飛べるから一般人の常識は当て嵌まらないのかもしれない。いや、手前と言うからにはそこよりももっと近い距離なんだろう。うん。


「へー、先生ってのも大変だね。……いやいや! 聞き流すところだったけど普通は冒険者とか商隊とか、そういうのに頼むもんでしょ!」


「あ、やっぱりそうなんですね。私はクリス先生ならもう何でもありかもって思ってました」


 だってドラゴンなんですよこの人、ド・ラ・ゴ・ン! きっとマッハの速度で空を飛べたりするんですよ。なにそれこわい。


「んな褒めんなよ、照れちまうだろが。んで、行くのはカリンとレナの三人でか?」


 褒めたつもりはないんだけど……、まあよし、そこまで気になる話でもないしこれ以上触れないでおこう。


「ええ、その三人での予定ですね。まあ、防壁の近くを少し歩き回る程度にする予定ですから、危険と言う程の事はまず無いと思いますよ。それでも気を抜くつもりはありませんけどね」


 リフリ草は品質に拘らなければ結構どこにでも生えている物らしいので、町の門から一歩外に出ればそこからがもう採取地と言ってもいいくらいなのだそうだ。人の生活圏から遠ざかるほど品質は上がっていくみたいだが……、何か理由でもあるんだろうか?


「わたしも気になるけど明日はゆっくりと休む予定なの、ごめんねスノーちゃん。その代わり今日はママがお風呂でいっぱい、いっぱい可愛がってあげるからね。ふふふ」


 心強く意気込むレナ先生と、透けた体でほわんと微笑むソラ先生。


「は、はい!」


 うわあ、魔力減少中のソラ先生にロックオンされてしまった! またお風呂で魔力吸われまくるんだろうなー。いくら明日がお休みだからって魔力を使いすぎてこなくてもいいのに……。


 ソラ先生の魔力吸収マナドレインって、私に対してはディープキスしながら肌の接触面をできるだけ増やすっていう方法をとるものだから、ちょっと気持ちよすぎて癖になっちゃうんですけど……。他の人から吸う場合は握手で済ませているのに、何故だ!

 もう完全に戻れない所まで行ってしまったら責任を取ってお嫁さんにしてもらわないといけないね! いや、舌を絡ませ合いながら全身(まさぐ)られるのを嫌がらない私は充分危険域に踏み込んでしまっているのではないだろうか……。


 だってねえ、ソラ先生に限らず三人とも本当に凄く嬉しそうに、大切な物を扱うみたいに優しく可愛がってくれるからね、嫌だと思える訳がないじゃない。お母さんってこういうものなのかなーってついつい甘えちゃうのも当たり前の事だと思うよ。


 変な話だと思われてしまいそうだけど、クリス先生とソラ先生から聞いた話によると、エルフの母親は自分の子供とディープキスどころか普通に最後まで致してしまうくらい愛情が深いんだとか。しかも子供の性別は問わずときている。

 だから先生たち三人とも私を可愛がって甘やかしているつもりでキスをしてくるのだ。私がもう少し成長したら……、ガクブル。


 なんという危険な種族に変わってしまったんだ私は! マジ震えてきやがった……、怖いです。おっぱいを揉んだり吸ったりで充分満足です!




「そういやスーちゃんは護身用の武器と防具は持ってるんだっけ? 使わせるつもりはないけど一応どんなのか見せておいてー、って。はいはい、お風呂でソラ先生のおっぱいに甘えるのが楽しみなのは分かるけど、まずはこっちね!」


 こっち? カリンさんのおっぱい? っと、違うか。


 頭の中でこの次に待っている桃色空間を想像していたら、カリンさんに見透かされていたようで注意されてしまった。


「はーい、ごめんなさい、カリンさんのおっぱいも大好きですよ。ちょっと待ってくださいね。えーと……」


「はいはいありがとね! んふふ、おかしいセリフの筈なのになんでか嬉しいね。スーちゃんのコレにも随分慣れちゃったかなー」


 慣れていくのね……、自分でも分かる。



 私の持っている武器と防具とは、言うなれば初期装備の類の物だ。確かナイフが一本とケープが一枚、ずっとインベントリに入れられたままで忘れ去られていた。使う機会が無いのだからしょうがない。

 初日に着ていた服は何の変哲もないただの布製の服で、防具としての性能は皆無らしいのでレナ先生に取り上げられてしまった。今では私の身に付けている物は全部ソラ先生の作品、下着に至るまで全て星五つの超高級品だ。勿論値段は怖くて聞いていない。多分パンツ一枚で今現在の借金を軽く超えてしまうくらいなんじゃないかと思うよ……。


 そういえば現在の借金の総額は約6万5千ゴールドである。……スキルって思った以上に高いのよ!! 便利なものだと1万ゴールド超えも当たり前だから困るわ。


 早速インベントリを開き、ナイフとケープを絞り込み検索して表示させる。

 インベントリはカテゴリ毎に分けて表示したり、取り出したいものを一つだけ検索して(念じて)表示させる事ができたりと、痒い所に手が届くかなりの親切設計だ。


 右手にナイフ、左手にケープを取り出す。

 青色の鞘に入ったナイフは、鞘の部分だけでも20cm程と意外と大きめでずっしりと重みがある。だがこの新しい体は一見非力な様に見えても身体能力がそれなりにある。片手でも全く問題なく持ててしまい、恐らく振るう事も軽くできるだろうと思う。

 そしてケープも私が着けるとマントと言っていいくらいのゆったりサイズで、全体的な色合いは青を基調としていた。こちらは見た目からあまり防具としての性能は期待できそうにない。


 ちなみに防御効果は実際に着用している箇所だけではなく、素肌剥き出しの部分にもどういう原理なのか反映されてしまう。この辺りの不思議さはまさにゲームだからと言ったところか。カリンさんみたいにおへそ丸出しで町の外に出ようとも、指を差されたりおかしい人を見る目で見られたりはしないのだ。

 私もソラ先生作の服一式のおかげで今では怪我知らずの生活を過ごさせてもらっている。転んでも殆ど痛みを感じないのは逆に怖いくらいなのだが……。



「どっちも中々良さそうな代物だねえ、色も揃っててスーちゃんにピッタリでさ! んふふ。あ、鑑定してみよっか? ちょっとそっちのダガー貸してみて」


「うー、ん? そのケープ、ちょっと気になるわね……。スノーちゃん、ちょっとママにも貸して頂戴? お願い」


 カリンさんがナイフに、ソラ先生がケープに手を伸ばす。違いは分からないがナイフではなくダガーというらしい。


「はい、どうぞー。あ、私も詳細だけ先に表示させちゃいますね」


 鑑定、と念じてウィンドウが出現した事を確認してからそれぞれを二人に手渡してしまう。


「ありがと! どれどれー?」


「この手触りはやっぱり……、あら?」



[?ダガー]

品質◆


?で作られたダガー。

*スノーホワイト使用時のみ、攻撃時に魔力を消費して攻撃威力を増加させる。



[?ケープ]

品質◆


?が編み込まれたケープ。

*スノーホワイト着用時のみ、魔力を消費して物理的な衝撃を軽減する。



 品質の記号がおかしい事になってるけど、それ以上に名前と説明のハテナが気になる。ああ、鑑定のレベルが低すぎるか材質が分かるスキルが無いのか、なるほど面白い。

 私の鑑定レベルは3。日常的に結構使っているのに中々上がらない。逆に考えると日常的に使うものだから上がりにくいとも言えるのかもしれない。


 しかし、魔力消費で攻撃力アップと防御力アップ、いや、物理ダメージ軽減か、効果の程にも寄るけど初期装備として渡された物にしてはいい効果が付いてるな……。あの怪しい会社も奮発したもんだ。まあ、ログインしていきなり死なれてしまっては何の意味もないからだろうけど。


「うん? 何だろこのダガー、品質が見た事ない表示だし、何で出来てるかすらも分かんないね。後、何かこれ変な特殊効果付いちゃってない? 個人名入りって……、どういう事?」


「個人名入りですか? オーダーメイドの専用装備品なんでしょうか? 一体どなたの作の……」


 あ、もしかしてかなり珍しい? 思った以上にいい物を持たせてもらえてたっぽい予感。と言うか専用装備なんてあるんだね。まあ、これもある意味私専用装備と言ってもいいんだけど。


「ああん? どういうこった。あたいにも見せてみな。ほれ」


「あ、うん。クリス先生の鑑定スキルなら詳しく分かるかもしれないね。はい」


 先生たちの鑑定のレベルって幾つなんだろうか? 40は軽くいっちゃってそうだなー。カリンさんは確か10くらいあれば充分だって言ってた覚えがある。


 クリス先生はカリンさんからダガーを受け取り、鞘から抜きながら詳細ウィンドウを表示させて、交互にまじまじと見つめ始める。


 青いのは鞘だけかと思ってたら、刃の部分もちょっと青みがかってる感じがするね。中々カッコいいじゃないか。


「……おい、ソラ。その反応からするとそっちもか」


 ケープに目を落として完全に沈黙していたソラ先生だったが、クリス先生の言葉にハッと気付いたかのように顔を上げる。


「う、うん、スノーちゃん専用のエンチャント付き。やっぱりそっちも?」


「ああ、魔力消費で威力増加とかおっそろしいモンが付いてんな。っつーかミスリル製とかひっさびさに見たわ。シルバの野郎に見せたら喜びそうだなこりゃ」


「はい? 両方ともにスノー専用のエンチャントが付いているんですか? はあ、一体どの工房で作られた品なんでしょうね……」


「銘は入ってねえからどっかの工房の職人作って訳でもなさそうなんだよなあ。こんな専用エンチャント付きの装備品に銘無しってのも変な話だが……。王族のお抱え職人とかならありえない話でもねえんだがな」


「うっわ、これがミスリルかー! って、王族!? やっぱりスーちゃんって王族は言いすぎにしてもそれに近いいいとこの子なんじゃないの?」


 むむむ? エンチャント? ミスリル製?

 単語から意味が何となく分かるのはゲームらしくていいんだけど、何となくしか分からないからそれがどう凄いのかも理解できないんだよね。


 ちなみにシルバさんとは鍛冶スキルの先生のことなのだが、子供は危険だからと鍛冶部屋には近付かないように言われているのと、本人がいつも鍛冶部屋に篭りっきりなのでまだ一度も会った事がない。噂では長身のイケメンとのことだ、が、男の人はおっぱいが無いからどうでもいい。


「エンチャントは装備品に付いている特殊な効果の事ですよね? それと、ミスリルってそんなに珍しいんですか?」


 ゲームだと割りとメジャーな素材だと思うんだけどなあ。しかも序盤で手に入るくらいの結構低めの性能での出番が多い気もする。


「あん? ああ、採取も加工もスキルが40ないとできないからな。この辺りだと採れるのも加工できるのもシルバの野郎くらいの筈だぜ? でもミスリル鉱が採れる採掘場なんて滅多にお目にかからねえからなあ」


「こっちのケープもミスリル糸が使われているみたいなのよね……。私でもここまでの出来には仕上げられないかもしれないわ、ママとしてちょっと悔しいわね……」


 そう言うとソラ先生はミスリルケープ(?)を私の肩に掛けてくれた。

 こうして装備してみても特に魔力を消費しているという感覚はない。ソラ先生と少し肌が触れてしまって魔力を吸われた様な感覚はあったが……。


 なるほどね、ミスリルは希少鉱石でさらに高レベルの職人向けの素材なのか。でも40からとかほぼ無理と言われているに等しいんじゃないかって思うよ。それは完成品も珍しくなる筈だわ。



 どうやらこのエンチャントはどちらも瞬間発動するタイプらしい。攻撃する瞬間やダメージを受けた瞬間に魔力を消費して効果を発動させるんだろう。常にグングン魔力を吸われるとしたら呪いの装備品みたいになっていたところだった。

 品質の四角いマークについては星五つのさらに上という意味で、星五つの生産品を作り出せる職人が、手作業で作り上げた場合に限り極稀に出来上がる事がある特別な品質の表示なんだという。世界にはまだこれのさらに上の品質のアイテムも存在が確認されているとのこと。世界は広いね。


 このダガーとケープ、どちらも珍しいエンチャント付だが最強装備と言える程じゃない。でもそれなり以上に強力な装備品という事は確かだけどね。

 高品質でさらにミスリル製という希少品、でも鑑定されたら一発でバレる専用エンチャントのおかげで盗難の心配も無さそうだ。よしよし。



 忘れかけていたが今は食事中。汚れてしまうといけないのでどちらもインベントリに放り込んでおく。まあ、洗浄のスキルを使えば済む話なんだけど。


 どちらもしまい終えてさて食事再開、というところで何故かレナ先生にひょいと持ち上げられ、そのまま膝の上に乗せられてしまった。何気にみんな腕力が強くて地味に怖い。


「あっ、テメっ、あたいだって食わせてやりてえのを我慢してんだぞ!」


「そうよレナ、わたしだって全部口移しで食べさせてあげたいのに。三人揃ってる時はスノーちゃんの方からおねだりされない限り手を出さないって約束したわよね?」


 く、口移しはマジで勘弁してもらえませかねえ……。一足飛びで戻れない所まで行っちゃうわ。


「ご、ごめんなさい二人とも。でも、この子はやっぱり森でも愛されていたんですよね……。もし迎えが来たらと思うと……」


「お、おい、泣くなよ……。まあ、そりゃあんな立派なモン持たせるくらいだから当然だろ? エルフが自分の子供を、いや、他人の子供でも無碍に扱う訳がねえからな」


「うんうん。スーちゃんの変わった生い立ちは気になるけど、エルフって身内一人のために普通に国に戦争吹っかける種族だからねえ。何か特別な理由があったんだと思うよ」


 なにそれこわい、って、え? あ! レナ先生泣いちゃってる!? ここはきっちりフォローを入れるところだね!


「む、迎えなんて来ませんから大丈夫です! それにもし、万が一迎えが来たとしても私は絶対に帰りませんから!!」


 振り向いてレナ先生に抱きつき、安心させるように少し強い口調で宣言する。

 おっぱいを楽しむのは勿論控えておく。これで私の真剣さが伝わる筈だ。


 だってもう帰る場所? 帰る体? とにかく戻る所もその意志も無い。例えあったとしても絶対にノウ!!! だが断る、と完全拒否の姿勢だね。


 私の帰る場所は、この四人のおっぱいのある所しか考えられません!!


「ふふふ、ありがとうスノー。誰が来ても絶対に、絶対に離しませんからね! さ、お母さんが食べさせてあげましょうか」


「え? あ、はーい。それじゃ空いた手でおっぱい揉ませてもらいますね」


「コラァ!! ……チッ、やめとくか。泣いてたヤツにこれ以上強く言えねえじゃねえか。はあ、今日の風呂はソラの部屋のに二人で入るんだろ? んで添い寝はカリンの当番か……。クソがっ!」


「ふふふ、おっぱいを吸わせてあげながら私も魔力を吸わせてもらうのよ。楽しみだわあ。スノーちゃんの魔力ってすっごく美味しいし、いくら吸っても全然減らないみたいだからもう嬉しくって嬉しくって……。お肌もスベスベで擦れ合わせるととっても気持ちいいんだから。うふふ」


「なんか言い方がエロッ! クリス先生だって別にいつでも可愛がってあげられるんだからそんなにムキにならなくてもいいのに。お風呂前とか寝るまでの間に構いまくってあげればいいじゃん」


「このクソ巨乳共が余裕見せやがって……!!」


「こわっ!! ちょ、ちょっと落ち着いてよクリス先生! スーちゃん助けてー!!」


 ああもう! ゆっくり食べさせて……、じゃなくて、ゆっくりおっぱいを揉ませてもらいたいんですがねえ!!







NEW!

エルフの母親は自分の子供とアレな事だってしちゃいます。



ソラ先生の言葉に深い意味はありません!(意味深)

そして次回早速お風呂回です!

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