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ついた。

掲載日:2026/07/08

 ある商業高校に通う女子生徒は、一人の男性と交際していた。しかし、時間が経つにつれて彼への気持ちは次第に薄れ、悩んだ末に別れを切り出す。突然別れを告げられた男性はそれを受け入れられず、学校や帰宅途中で彼女を執拗につきまとうようになる。連絡も何度も送り続け、彼女は日に日に精神的に追い詰められていく。


 耐えられなくなった女子生徒は、男性の連絡先をブロックし、一切の関係を断ち切ることを決意する。しかし、それでも見知らぬ番号から電話がかかってきたり、誰かに見られているような気配を感じたりと、不気味な出来事は終わらなかった。恐怖とストレスが限界に達した彼女は、ついに警察へ相談する。


 相談を受けた警察が男性について調べると、驚くべき事実が判明する。男性は彼女に別れを告げられた数日後に交通事故で亡くなっており、それ以降は生存記録も目撃情報も存在しなかったのである。その事実を知った彼女は、これまで自分をつきまとっていた存在が何だったのか分からなくなり、強い恐怖を覚える。


 その帰り道、再びスマートフォンに着信が入る。不気味に感じた彼女は電話には出ず、そのまま急いで家へ帰る。しかし、夕暮れの家にはいるはずの母や幼い弟妹の姿がなく、食事の準備もされていない。静まり返った家の中で違和感を覚えたその時、再び何度も電話が鳴り始める。恐怖のあまり自室へ駆け込み、布団にくるまって息を潜めると、突然着信は止まる。


 安心しかけたその瞬間、一件のメッセージが届く。画面には母のアイコンが表示されていたため安堵し、返信しようとメッセージを開く。そこには「ついた。」という短い一言だけが送られていた。しかし次の瞬間、送信者の表示が母ではなく、亡くなったはずの元彼の名前に変わっていることに気付く。


 直後、家のチャイムが何度も鳴り響く。恐怖で叫び声を上げると、チャイムは突然止まり、恐る恐る周囲を見渡しても誰もいない。安心して布団から出ようとした彼女は、布団が異常に重いことに気付く。まるで誰かが上に乗っているような重さを感じ、必死に布団を払いのける。すると部屋の隅には、亡くなったはずの元彼が静かに立っていた。彼はゆっくりと笑みを浮かべ、彼女を見つめながら一言だけ呟く。


 「ついた。」


 不気味な笑い声が部屋中に響き渡る。

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― 新着の感想 ―
普通におもろい。文も整ってて、読みやすかった。短編で後味もよく、楽しめた。好ご期待
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