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お金を払わなくていい食堂

作者: アゲハ
掲載日:2025/10/31

とある田舎町に若い二人組、男の旅人がやって来た。

その二人の男はずっと旅を続けていたため、かなり腹を空かせていた。だが、あまりお金は持っていない。


そして二人が町で見かけたのは...

“お金を払わなくてもいい食堂”。


確かに店の前のメニュー表の値段の欄には「ゼロ」が並んでいた。

二人は店の前でメニュー表を見ながらこんな話をしていた。


「お、おい、ここ、タダでこんなに食えるぜ」


「今の俺らにはピッタリじゃねぇか、入ってみようぜ」


二人は店へと入っていった。

しかし、無料で食べられるというのに、なぜか他の客は一人も入っていなかった。


中には店主らしき中年男性が一人で店番をしていた。


「いらっしゃいませー、こちらのテーブル席へどうぞ」


なかなか店主の愛嬌も良く、二人はなぜ他の客がいないのか不思議に思った。


「それではメニューお伺いいたします」


二人はかなり腹が減っていたので、何も疑わずどんどん頼み、どんどん食べていった。


牛肉、豚肉、野菜などをガツガツ食べていく...。

明らかにおかしいメニューは特になく、味も悪くはなかった。


そして約1時間後。

気がつけば二人で20ほどの皿をペロリと平らげていた。


その後、しばらく店で休み、二人は店主にお会計をお願いする。


「すいません、お会計お願いします」


そこで片方の旅人が店主にとあることを聞き出す。


「そういえば...どうやって生きてるんですか?ずっとタダでやってたら持たないですよね?」


すると、店主はニヤリと不敵な笑みを浮かべた。


「もちろん、何も払ってもらわずにずっとやってるのなら持ちませんよ」


...何も?


二人の頭にはそうよぎった。


「えっと...何もって...」


店主は今までの優しい目の色を一気に変え、ポケットにしまっていたナイフを取り出す。


「うちの店は、お金を払わなくていい代わりに体の部位で払ってもらうんです。そのままでは返しませんよ」


そう、この店主は人肉を販売することにより生計を立てていたのだ。


このままでは殺されてしまうと思い、二人は慌てる。


「え、えぇっと...、お金で払っちゃ、だ、ダメなんですか?」


「それでもいいですけど...一品につき一千万円頂きます。それでも払えますか?」


もちろん二人にそんなお金はあるわけがない。


「どこから頂きましょうか?右目?左目?右腕?左腕?右足?左足?それとも他の所から?どこもいいですね」


二人は店の外へ逃げようとした。

しかし、店の鍵は厳重にかかっており、その鍵が開くことはなかった。


そして数十秒後、その店の中には血が吹き飛んだ。


「うわ、わ、あぁーーーーー!!」


その後、二人の若い男を見たものはいなかったという...。


ちなみにその店は、旅人用の本によると、「立ち寄ってはいけない店」に登録されていたとか...。


おわり

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