お金を払わなくていい食堂
とある田舎町に若い二人組、男の旅人がやって来た。
その二人の男はずっと旅を続けていたため、かなり腹を空かせていた。だが、あまりお金は持っていない。
そして二人が町で見かけたのは...
“お金を払わなくてもいい食堂”。
確かに店の前のメニュー表の値段の欄には「ゼロ」が並んでいた。
二人は店の前でメニュー表を見ながらこんな話をしていた。
「お、おい、ここ、タダでこんなに食えるぜ」
「今の俺らにはピッタリじゃねぇか、入ってみようぜ」
二人は店へと入っていった。
しかし、無料で食べられるというのに、なぜか他の客は一人も入っていなかった。
中には店主らしき中年男性が一人で店番をしていた。
「いらっしゃいませー、こちらのテーブル席へどうぞ」
なかなか店主の愛嬌も良く、二人はなぜ他の客がいないのか不思議に思った。
「それではメニューお伺いいたします」
二人はかなり腹が減っていたので、何も疑わずどんどん頼み、どんどん食べていった。
牛肉、豚肉、野菜などをガツガツ食べていく...。
明らかにおかしいメニューは特になく、味も悪くはなかった。
そして約1時間後。
気がつけば二人で20ほどの皿をペロリと平らげていた。
その後、しばらく店で休み、二人は店主にお会計をお願いする。
「すいません、お会計お願いします」
そこで片方の旅人が店主にとあることを聞き出す。
「そういえば...どうやって生きてるんですか?ずっとタダでやってたら持たないですよね?」
すると、店主はニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
「もちろん、何も払ってもらわずにずっとやってるのなら持ちませんよ」
...何も?
二人の頭にはそうよぎった。
「えっと...何もって...」
店主は今までの優しい目の色を一気に変え、ポケットにしまっていたナイフを取り出す。
「うちの店は、お金を払わなくていい代わりに体の部位で払ってもらうんです。そのままでは返しませんよ」
そう、この店主は人肉を販売することにより生計を立てていたのだ。
このままでは殺されてしまうと思い、二人は慌てる。
「え、えぇっと...、お金で払っちゃ、だ、ダメなんですか?」
「それでもいいですけど...一品につき一千万円頂きます。それでも払えますか?」
もちろん二人にそんなお金はあるわけがない。
「どこから頂きましょうか?右目?左目?右腕?左腕?右足?左足?それとも他の所から?どこもいいですね」
二人は店の外へ逃げようとした。
しかし、店の鍵は厳重にかかっており、その鍵が開くことはなかった。
そして数十秒後、その店の中には血が吹き飛んだ。
「うわ、わ、あぁーーーーー!!」
その後、二人の若い男を見たものはいなかったという...。
ちなみにその店は、旅人用の本によると、「立ち寄ってはいけない店」に登録されていたとか...。
おわり




