闇の大地
シーン1:小屋の中 - 重い沈黙
炎が揺らめく暖炉の前で、キーナンは低く重い声で語り始めた。
キーナン:
「闇の大地についての情報は…極めて少ない。誰もがそうだ。」
ヤゼン(ゆっくり顔を上げ、目をしっかりと見据えて):
「…」
キーナン:
「純粋な生命エネルギーに満ちた土地…数えきれないほどの宝が眠ると噂される。
この世界の果て、最南端、カグーラ国の向こう、海を隔てた場所にある。」
ヤゼン(唾を飲み込み、ためらいがちに):
「それで…誰か行った者は?」
キーナン(喜びのない短い笑み):
「多くが試みた。国全体も、強大な力を持つ者も。しかし皆、失敗した。
辿り着こうとして命を落とした者もいる。
世界にとって…完全なる未知の領域だ。
そして同時に…全ての国々の目標である。」
ヤゼン(驚きのささやき):
「そして誰も到達していない?」
キーナン(ゆっくり指を一本上げ):
「四人を除いては。」
ヤゼン(その場で凍りつく):
「四人…だけ?」
キーナン(重い眼差し):
「四人だけ…黒煙の障壁を越えた者が。」
ヤゼン(明らかな驚きで繰り返す):
「黒煙の…障壁?」
シーン2:黒煙の障壁の説明
キーナン(悪夢を説明するように):
「カグーラの海岸から船出し…やがて濃密な黒煙に遭遇する。
近づけば骨に変わる。
それを越えても…強大な気圧がお前を元来た場所へ押し戻す。
たとえ強大な力を持っていようとも。
もし普通か中程度の力の者なら…即ち滅びを意味する。」
ヤゼン(かすかだが震える声):
「その…四人とは?」
キーナン(一瞬沈黙し):
「お前の祖父ハルン…父リス…ニムロド…そしてその息子ハマン。」
ヤゼン(突然目を見開く):
「な…なぜ?!どうやって?」
キーナン(深く息をつく):
「父リスとハマンは…冒険を愛していた。
闇の大地は彼らにとって…抵抗できない挑戦だった。」
ヤゼン(動揺した声):
「そして父は…?」
キーナン(直視して):
「ハルンとニムロドが彼らを止めんと後を追った。」
ヤゼン(息を呑む)。
キーナン(続ける):
「リスとハマンは黒煙の障壁を突破し…ほぼ命を落とすところだった。
ハルンとニムロドが追いつき…彼らも突破した。」
ヤゼン(ささやく):
「そこで…何を見つけた?」
キーナン(目をそらす):
「彼らを…死の縁で見つけた。
ハマンは片腕を失った…が後に回復した。
これが…私が知る全てだ。」
シーン3:衝撃の真実
キーナン(重い声):
「よく聞け、ヤゼン…彼らは闇の大地に入ってはいない。」
ヤゼン(素早く顔を上げ):
「え…?では何を?」
キーナン:
「彼らが成し得たこと…黒煙の障壁を突破しただけだ。
彼らの前にも後にも…誰もそれ以上へ進めていない。」
ヤゼン(茫然と見つめる):
「つまり…彼らでさえ…見ていない?」
キーナン:
「そう。
闇の大地について知る全て…あの失敗した試みから来ている。」
ヤゼン(耐えられないほど重い声):
「ならば…世界最強でさえ…入れない…」
キーナン(冷たく):
「故に…闇の大地と呼ばれる。」
シーン4:決意と訓練の開始
ヤゼン(突然何かを思い出し):
「だから黒夜の暁のリーダー…アズロンが言った:『カグーラの海岸で会おう』…」
キーナン(冷たい眼差し):
「愚か者どもめ…お前を誘き出そうとしている。
お前が役立つと思い込んでいる。」
キーナン(続ける):
「ザラーン一族は闇の大地に入り…その秘密を隠しているとの噂もある。」
ヤゼン(胸に手を当て、声を潜めて):
「以前…シーグランを誘拐したのも、ザランの血を狙って…」
キーナン(軽蔑して):
「彼らの野心は彼ら自身を超えている。」
キーナン(鋭い眼差しで直視):
「まさか…挑戦しようと考えているな。」
ヤゼン(しばし沈黙。目は地面に):
「わからない…だがこの気持ち…理解できないが…私をそこへ駆り立てる。」
キーナン(予期していたように深く息を吐く):
「そうか。
ザランの血がお前の血管を流れ…この血は常に持ち主を危険へと導く。」
ヤゼン(顔を上げ、直接キーナンを見る):
「キーナン叔父さん…反対ですか?」
キーナン(眉をひそめ、声を鋭く):
「子供が自ら危険に飛び込むのを認めるとでも?私の答えがわからないか?」
ヤゼン(拳を強く握る):
「私は…どうしても行きたい。」
キーナン(皮肉な笑み):
「いいや、これは決意ではない…無謀だ。
お前はこの方法で死にたいのだ。」
ヤゼン(懇願するが確固たる声):
「キーナン叔父さん…」
キーナン(背を向けるが止まり、重い口調):
「私はお前の旅立ちを拒否する。
しかし…お前がいつか行かないとは保証できない。」
(一瞬沈黙し、真剣に)
「故に…明日から準備だ。
最終訓練を教えよう…お前の力を少し制御する助けになるかもしれない。
…黒煙の障壁の前でお前を救うかもしれない。」
シーン5:カグーラの隠れ家 - アズロンとスカイ
霧に包まれた密林の奥、重い沈黙の中。
スカイ(腕を組み、隠れ家の入口を見つめて):
「リーダー…彼が来ると確信していますか?」
アズロン(静かに立ち、半眼):
「完全には確信していない。
しかし来なければ…彼の元へ戻り、少し血を採り…我が身に注入する。」
スカイ(冷たい笑み):
「ええ…そして来たら、拘束して血液サンプルを採ります。」
アズロン(少し顔を上げ、静かだが自信に満ちた声):
「少し待とう…そして見よう。」
シーン6:海底訓練 - 突破の瞬間
翌朝、海岸で。
キーナン(ロープで巻かれた木の棒を持って):
「これを海底に打ち込み…訓練する。」
ヤゼン(棒を不思議そうに見て):
「これは何です、叔父さん?」
キーナン(冷静に):
「口と鼻を通じて力を集中させろ。水から上がるな。エネルギーを通じて呼吸しろ。」
二人は海底へ潜る。
水底でヤゼンは棒を打ち始める。
キーナンは一瞥し…水面へ上がる。
そしてヤゼンを深みに残す。
シーン7:キーナンの真の力
遠くで、時空が静かに開く。
スカイが現れ、注意深く観察する。
その瞬間—
キーナンが海から現れる。
水面に完全に静止して立つ。
目がゆっくり動き—
突然—
消える。
スカイの目が大きく見開く、後ろへ跳び隠れようとする—
しかし—
強力な手が彼の手首を掴む。
キーナン(背後に立ち、冷たく重い声):
「何が欲しい?」
アズロン(時空の門から出て、冷たい笑み):
「珍品であるこの少年を確信させる唯一のもの…強大な力の者たちが彼を取り囲んでいることだ。君のように…あの伝説のシャミルのように。」
キーナン(目を細めて):
「君は黒夜の暁のリーダー…消滅者アズロン。」
(スカイの手により強く圧力をかけ)
「そしてこいつ…時空のスカイ・ファイル。」
シーン8:ヤゼンの海底突破
海底で—
ヤゼンは連続して棒を打つ。
体が重くなる…
動きが鈍り始める…
そして—
呼吸が止まる。
目を見開く。
胸が燃える。
恐怖が心に忍び寄る。
記憶が打ち寄せる—
水面に立つ訓練。
ジャレヒの背での訓練。
そしてキーナンの声:
「まず恐怖に打ち勝て。」
次第に—
落ち着く。
目を閉じる。
闇の中で—
エネルギーが輝き始める。
「全身に…広げなければ…」
エネルギーが胸から広がる—
四肢へ—
頭へ昇り—
ついに鼻と口に集まる。
突然—
エネルギーが制御を逃れる。
集中しすぎて、オーラが体外へ漏れる。
力の波が深海で爆発する。
巨大な渦が彼の周りに形成される。
魚や海の生き物が嵐の葉のように吹き飛ばされる。
水が激しく震える。
闇自体が裂けたようだ。
シーン9:海上の反応
海上で—
水と蒸気が空へ噴き上がる。
キーナン(まだスカイの手を握り、微かに笑み):
「よくやった…」
スカイ(本当のショックで):
「あれは…ザラン少年のエネルギー…!」
アズロン(ゆっくり海に向き、目を細めて):
「…海底で何が起こっている?」
シーン10:新しい力の誕生
渦潮が静まり…
水の乱れが収まった後…
ヤゼンのエネルギーが再び収縮し始める。
体に戻る—
あらゆる筋肉に、
あらゆる血管に、
あらゆる細胞に定着する。
そして—
鼻と口の周りに光る輪となって巻きつく。
ヤゼンが目を開ける。
呼吸が…戻る。
胸が安定して上下する。
目の前の棒を見つめる。
拳を握る。
そして—
打つ。
一撃—
海水を切り裂く。
海が一瞬割れたかのような真空線が走る。
深淵を震わせる鈍い轟音。
二撃目。
三撃目。
各打撃が—
水を貫き、
衝撃波を起こし、
場所を震わせる。
棒が岩の中で震える。
堆積物が舞い上がる。
海底全体が…
彼の打撃の下で呻くようだ。
ヤゼンは打ち続ける。
安定して。
集中して。
そして呼吸…絶えることなく。
第103章 終わり




