プロローグ
「・・・はあ」
俺の名前は伊藤和紀、普通の会社員だ。
そんな俺がなぜ、会社の屋上に立っているかというと
こんな俺に嫌気が差したからだ
まず、この会社について話そう。
この会社は一言でいうと”最悪だ”。
1つ目に副社長が最悪だ。
ここの社長はちょっとボケていて本人も気づいているからか、副社長に全て任せている。その副社長は会社の金の多くを自分のことに着服し、社員が指摘をするとその社員の給料を大幅に減給し時にはクビにする。そんなクソのようなやつだ。そして俺はそいつにペコペコする社畜だ。
そう、俺は俺自身が嫌いだ。だから今、この屋上から飛び降りようと思っている。たとえ俺が死んでも悲しむ奴はもうこの世にはいないし、いたもいとこだろう。それに、自身の会社の社員が飛び降り自殺したとなれば社長も流石に副社長の実態に気づくだろう。
・・・こんなこと考えていても時間の無駄だ。早く飛び降りよう。
「はあ・・・はあ・・・」
高さ約15mの高さから飛び降りようとしても
「・・・無理だ」
飛び降りれなかった。俺にはそんな度胸はない。
何事もなかったかのように家に帰ると俺はデスクトップパソコンで「試験薬 危険」と調べた。薬だともっと楽に死ねるし、開発者の役に立つだろうと考えたからだ。しかし案の定、出てきてほしい感じのサイトは出てこなかった。
どうやって検索すれば出てきてほしい感じのサイトが出てくるのか考えていたとき、ふと棚に目をやった。そこには俺が高校生の時に買ったtsのジャンルの漫画があった。
どうせなら高校生の時の理想のシチュエーションを実現できるようにしたいな、と思いながら「試験薬 性転換 危険」と調べた。
すると、とある研究室のサイトがヒットした。そのサイトには性転換についてや薬の危険性、飲んだあとにやることなどがあった。俺はそれらをよく読まずにすぐに申し込んだ。
俺の生活と性格が変わり始めたのはここからだった。