第1話
4という数字は「死」と読めるから縁起悪い……みたいに日本では言われるけど、西洋だと13だよな。ほら「13日の金曜日」なんてホラー映画もあるくらいだし。
そもそも「13は不吉」の起源は古くて、一説によれば聖書に出てくるユダの逸話。裏切者で有名な彼がキリストの13番目の弟子だったとか、いわゆる最後の晩餐で座っていたのが13番目の席だったとか……。
まあ弟子云々の方はともかくとして、ちょっと気になるのは「最後の晩餐で13番目の席」って方だ。こういう由来があるならば、13に関わる席で食事するのは、思いっきり縁起が悪そうじゃないか。
なんでこんな話を始めたかというと、ちょうどそれっぽい13関連の都市伝説を耳にしたからでね。とあるファミレスの13番テーブルが恐ろしい……という話だ。
まあ本来ならば「都市伝説」の時点で眉唾だし、フフンと鼻で笑いながら聞き流せるんだが……。具体的な地名は出てこないものの、問題の「とあるファミレス」の建物や周囲の状況、店内描写などを聞く限り、どうやらこの近所らしくてね。
ほら、駅前の商店街にあるだろう? 格安でイタリアンが食べられることで有名な、Sという名のファミレスだ。俺が聞いた話が本当なら、あそこの13番テーブルに座ってしまうと……。