表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/18

09・我慢出来なかった事

 ちょっと短い上に…書いてて危なかった…。

 浴室から出ると千尋は、アスルに体を拭くタオルを渡して、自身もタオルで体を拭いた。そして寝間着を着こんだ。

 一方アスルの方は、先程来ていた上着を再び着込み、両足にベルトを巻いた。

「アスル。その上着は洗濯はしないの?」

 台所に置かれている小型洗濯機に、来ていた服や下着を入れながら、千尋がアスルに尋ねる。

「うん。この法衣は魔法の力が込められていてね。汚れ等は自動で綺麗になるんだ」

 どうやらアスルが来ていた上着は法衣らしく、魔法の力で洗濯不要の様だ。

「便利だね…その足のベルトも?」

「これはアクセサリーかな」

 ベルトは只の飾りらしい。

 その後洗濯機を回した千尋はアスルと共にリビングに行き、ソファーに腰を掛けた。そしてブラシで髪を梳かそうとした。

「千尋。僕がやってあげるよ」

「本当! お願い」

 千尋はアスルにブラシを渡して、アスルに背中を向けた。アスルは少し背を伸ばして、千尋の髪を梳かし始めた。

『綺麗な髪だな…』

 千尋の長い髪を見ながら、心の中で思うアスル。

「……」

 千尋の髪を梳かしながらアスルが見つめるのは、髪の間から見える、千尋の白い首筋と、柔らかそうな右耳であった。

『…綺麗な肌…それに…綺麗な耳…』

 元の世界で千尋に一目惚れしてから、アスルは千尋に美しさを感じていた。それは千尋の全てに感じていたのであった。

 アスルは鼻先を、千尋の右耳に近づける。

「…スンスン…」

 そっと右耳の匂いを嗅ぐアスル。その瞳は潤んでおり、顔は少し赤く染まっている。

「スンスン…スンスン…」

 千尋の髪を梳かすのを止め、夢中で匂いを嗅いでいる。

『…良い匂い…たまらない…我慢…出来ない…』

 抑止力が消えかけているアスル。すると口を小さく開けると、中から薄ピンク色の舌先が出てきて、千尋の耳に触れようとする…。

「あの…アスル…?」

「!?」

 髪を梳かするのを止め、何故か匂いを嗅ぎ始めるアスルに、千尋は戸惑いの声をかける。

「どうしたの?」

「あっ…ご、ごめん。何か良い匂いがして…」

 慌てて誤魔化すアスル。幸いにも舌先で触れようとしたのは、千尋は気付いていない様だ。

「シャンプーの匂いかな?」

「そうじゃないかな? 続きやるね」

 そう千尋に告げると、アスルは再び千尋の髪を梳かし始めた。

『ダメダメ…千尋の事は愛しているけど…千尋の同意を得てから…』

 千尋と愛の行為を行いたい…そう思いながらも、アスルは絶対に千尋の意思を優先すると考え、自分を自制心を改めて強く持った。


 アスルは食べようとした訳ではありまへん! 別の意味で食べようとしましたが…。

 感想・ブックマーク登録・レビュー・ポイント評価・質問等ありましたら、是非皆さんどうぞ♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ