02・千尋
ちょっと短いですが、プロローグみたいなものだと思って下さいな。
東京都内にあるスーパーから、一人の子供が出て来た。その子供はブレザーの制服を着ていて、長い髪を後頭部で纏めた一件女の子の様な姿をしていた。
「今日の夕飯は…これで全部だね…」
声変わりもしていない声で、購入した物を確認するその子供。
椎名 千尋
東京都内の公立中学に通う子供である。そして女の子様であるが、男の子であった。
「そろそろ帰らないと、夕飯が遅くなっちゃうな…僕一人だけだけどね…」
と、何処か寂しげな表情で、千尋は一人呟いた。そして腕時計で現在時刻を確認する。
千尋くらいの年頃なら、時刻の確認はスマホで行うのだが、千尋はそれを行わない。何故なら千尋はスマホを所持していないからである…いや…正確には所持していたが、現在は所持していなかった。
「あっ、早く帰らないと、見たかったテレビが始まっちゃう!」
時間を確認すると、夕飯を早く作らないと見たいテレビが始まってしまう事に気付き、千尋は慌てて走り出した…そしてその様子を、近くの家の屋根から見ている存在があった。
「…今会っても良いけど…迷惑を掛けちゃうね…やっと会えたね…」
その存在は瞳に嬉々とした感情を込めて、千尋の事を見つめていた。そして千尋の後を追う様に、翼を羽ばたかせて空へと飛び上がった。
千尋を見つめる者…。
千尋の名前は、殆ど思い付きで付けましたわぁ。
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