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17・アスルの贈り物 2

 久しぶりの投稿♪ たまにはメインの作品以外も更新せんとアカン。

 前話で『質屋』と表現しましたが、『買取屋』に変更しました。其方の方が正しい筈なので。

 『転生したドララー』・『蒼の瞳の騎士 紅の瞳の姫君』もよろしゅう♪

「アスル!? こんな大金どうしたの!?」

 買取屋から出て来たアスルが、大金を所持していた事に、千尋は動揺する。

「まさか…見えない事を良い事に、あの店のお金を…?」

 最悪な事を想像してしまう千尋。

「違う違う。僕が持っていた宝石を売ったんだよ」

と、アスルは取り乱すことも無く、落ち着いた口調で言った。

「宝石って?」

「僕が居た世界で手に入れた宝石なんだけど、僕は使い道は無かったから売ったんだ」

「売ったって…でもアスルの姿は見えないんじゃないの?」

 アスルの姿は魔法によって、千尋以外から見えない筈なので、そもそも取引を行えない筈である。

「別の魔法を使ったんだよ。僕が人間の姿に見える魔法をね♪」

 ウィンクをしながら説明するアスル。相手から見える姿を変えられる魔法まで使えるアスルに、千尋は戸惑いの様な感覚を感じてしまう。

「僕を人間と認識させた買取屋に、宝石を売ってお金に換えたんだ。そのお金がそうだよ」

 先程渡した封筒を示しながらアスルは説明する。

「…でもどうして私に? 此れはアスルのお金じゃないの?」

 アスルが持っていた宝石なら、それを売って得たお金はアスルの物と考えて、千尋はそう告げた。

「僕は千尋に楽をしてほしいから。まだ確定じゃないけど、僕は千尋の夫になるドラゴンだからね♪…あっ、でもこのお金はあくまで千尋を楽させる為だから、お金渡したから結婚しろとは言わないから、安心して!」

「でも…」

「それは千尋のお金…ねっ♪」

 笑顔でそう伝えられて、千尋は断る事は出来なかった。アスルはバイトを失った自分の為に、私物を売ってまでお金を用意してくれたのだった。その行動を千尋は無下に出来なかった。

「ありがとうアスル…大事にするね」

「気にしないで。足りなくなったら、まだ宝石はあるからまた売ってお金にすれば良いし」

 そう告げるアスルだが、千尋はその事を申し訳なく考えてしまった。


※        ※


 買取屋を後にした千尋とアスルは、千尋が何時も行っているスーパーへと向かった。千尋はアスルに外で待っていてほしいと告げて、一人店内へと入った。アスルは千尋以外から姿が見えないとはいえ、人通りの多いスーパーの前で待っているのは、他の人の邪魔になると考えて、近くの電柱の上まで飛んだ。

「……」

 電柱の上から千尋が入ったスーパーを見ているアスル。この時アスルはある事を考えていた。暫くするとスーパーから買い物袋を持った千尋が出て来た。

 それを確認すると、アスルは千尋の近くに降りた。

「お待たせアスル」

「大丈夫だよ。僕があげたお金で、良いもの買えた?」

「…うん! アスルのおかげだよ。ありがとう」

 千尋は笑顔でお礼を言ったが、その笑顔はどこか無理矢理作った様な笑顔であった。

「…千尋。買ったのは僕が持つよ」

 そう言うとアスルは、千尋の持つ買い物袋を手に取った。

「いや悪いよ。それにアスルが持っているなら、袋が宙に浮かんでいる様に見えるんじゃない?」

「大丈夫♪ 僕が触れているのは任意で視認出来たり出来なくしたり出来るから♪ それじゃ帰ろう♪」

 アスルは笑顔を千尋に向けながら告げると、千尋に気付かれない様に袋の中を覗いた。その中身は大して入っていなかった。それを見てアスルは確信した。

『…千尋…僕があげたお金…使わなかったんだね…』



 どうして千尋は、アスルからのお金を使わなかったんや…。

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