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13・見えないコト

 アスルが最初に水魔法を使ったのは、初期のイメージでアスルは水魔法を使うドラゴンという、

設定から来ているんや!

 千尋が校舎の外に出て、中庭にて辺りを見回していると…

「千尋!」

 其処にアスルが飛んできた。

「アスル。どうして此処に?」

 千尋はアスルが学校に居る事を尋ねる。

「まあ色々とね…それは後でのお楽しみ♪」

「お楽しみって…でもどうして先生や他の皆には、アスルの姿が見えなかったの?」

 あの時、アスルの姿は完全に見える様子であったが、千尋以外には全く見えていない様子であった。

「あれは魔法で、千尋だけに見える様にしてあるんだ。だから千尋以外には、僕の姿や声は聞こえないんだ」

「そんな事も出来るんだ…」

 昨日の風呂での事も凄かったが、改めて魔法の凄さを理解した。

「千尋。折角だから君の授業風景を見せてくれないかな?」

「えっ?…まあ、アスルの姿は見えないから、問題は無いと思うけど…」

 これが見えたらなら一大事だが、アスルの姿は見えない為、千尋が神経質にならない限り、問題はないと考えた。

「うん。じゃあちょっと肩を借りるね…」

 そう言うとアスルは、千尋の背後に回り込んで、千尋の両肩に両手を乗せて、千尋の顔の左側から乗り出す様に掴まった。その際にアスルの重みを一瞬感じるが…

『グラビル・アース』

 アスルが唱えると、千尋はアスルの重さを感じる事が無くなった。

「えっ? えっ? アスル、軽くなった?」

「重力の魔法だよ。その魔法で僕の重さは感じなくなったんだ。さあ、行こう!」

「う、うん」

 アスルに促されて、千尋は教室に戻る為に校舎へと向かう。その時ふと、千尋は思った。

『アスルって…どれだけ魔法を使えるんだろう?』

 これまで千尋が見たのは、水の魔法、火の魔法、重力の魔法、そして見えなくする魔法。計四種類の魔法であり、アスルの様な魔導師は、皆同じ様に使えるのかと考えた。


※       ※


「戻りました」

 教室に戻った千尋は、開口一番で担任に告げた。それにより担任とクラス全員が、千尋と千尋の肩に掴まるアスルを見たが…。

「椎名、随分遅かったな。何処まで言ってたんだ?」

 担任はアスルの事を気にする事も無く、千尋に尋ねた。

「えっとその…焦って通り過ぎて、時間が掛かってしまったんです」

 苦笑いをしながら説明する千尋。普通そんな説明信じるとは思わないが、クラス中から笑い声が上がった。どうやら信じたらしい。

「まあいい。早く席に着け」

「はい」

 担任に促されて、千尋は自分の席へと座る。

「ねっ? 僕の姿は見えていないでしょ?」

 アスルは千尋に告げるが、アスルと違い千尋の声は聞こえる為、千尋は無言で頷くしかなかった。

 そして授業が再開され、千尋はノートをとっていく。その様子をアスルは静かに見守っている。

「……」

 ふと千尋はある事を考えたが、声に出せない為、ノートの端に文章を書いた。ただアスルが読めるか分からなかったが…。

『授業見てて、楽しい?』

 その文章をアスルに見せると…

「授業…というより、千尋の勉強をしている姿かな? 最愛の千尋の色々な姿を見たいもの」

「……」

と、恥ずかしげも無くアスルは告げた。その際にアスルの吐息と鼻息が、千尋の耳に当たり、台詞の恥ずかしさと、息が当たった事に赤面してしまう千尋…。

「そういえば今…体が当たっているんだよね…」

 アスルが同性と分かりつつも、その事に軽い興奮を感じてしまう千尋。そして千尋は気付かなかったが、アスルも体が密着している事に興奮し、顔を赤くしているのであった。


 好きな千尋の体に、何気なく密着して興奮しているアスルやった…。

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