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秘密の戦争  作者: 六福亭
14/15

14  リートたち、近道に案内される

 彼女はもうずいぶん離れていた。3人は顔を見合わせ、小走りに彼女に追いついた。

「ここだよ、出入り口の2つめ」

 彼女が示しているのは、大理石でできた階段だった。地上に続いているらしい。滑らかな石段には、砂粒1つ落ちていない。

「結構、整備されてるのね」

 レイラが感心した。

「この上に、カテドラルの地下倉庫があるの」

「真神教の神殿に通じているのか?」

 オグマがぎょっとして声を上げた。

「そうだよ。教父さんもこの階段を知ってる。時々こっそり降りてくるの」

「何のために?」

「いろいろ。肝試し、内緒話、気分転換。あたしたち、特に気にしないことにしてるの」

「危険じゃないのか。真神教徒は、魔物を憎んでいるのに」

「平気。あたしたちと仲良くできない人は、アマンドラから出て行ったから」

 ランプを石段の片隅に置いた。ミーミーはまだ顔を曇らせているオグマを励ますように笑いかけた。

「真神教徒だって、そこんとこよく分かってる」

「砂漠の状況とは随分違うんだな」

 オグマの暗い呟きに、リートは思い出した。まだ自分がとても小さかった頃、魔物を虐殺したせいでむごたらしい復讐をされたアミール(将軍)がいたっけ。

 ミーミーはかまわずに先頭に立って迷路をすいすいと歩いて行く。

「アマンドラへの出入り口は、あと3つ。市街に出るのが2つ、鉱山の下に1つ。魔法使いや役人は、全部知ってる」

「そうか。じゃあ警戒した方がいいな」

「そう? 魔法使いは、皆わたしたちの味方だわ」

「甘い」

 オグマがすかさず否定する。「さっき戦った時も、魔法を感じた。何人かの魔法使いは確実にあなたたちを裏切っている」

「だけど……」

 ミーミーが困った顔をする。気まずくなってリートとレイラはそれぞれ別々の方向を向いた。レイラの顔の先には、魚を獲る網のようなハンモックを張り巡らせた遊び場があったし、リートは何もかもルビーでできた上等な部屋を見つけた。

「これ、なあに?」

 2人が声を揃えて尋ねた時、ミーミーはオグマに詰められていたらしい。ほっとしたような顔で、ミーミーは2人の側に駆け寄ってきた。

「あのね、この部屋は__」

「後にしてくれないか。まだ3つの出入り口を回らなければならないんだ」

「うん、でも、時間は短縮できるわ」

「短縮? どうやって?」

「こっちに来て」

 ミーミーは、細い横道に案内した。壁をくりぬいた穴に取り付けられた木の扉が、びっしりと並んでいた。その中の1つを叩き、ミーミーは言った。

「この扉を開けたら、市街地の下につながってる。近道よ」

「じゃあ、他の扉はどうなってるの?」

 レイラが目を輝かせて隣の扉に触れた。

「そこは食糧庫」

 扉を引くと、ベーコンの大きな塊やら、おがくずの中に埋めたりんごの木箱やら、小麦粉の袋やらがぎっしり詰まっていた。


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