11 リート、魔物と話し合う
ハルアは口の端を緩めていたが、顔色は蒼白だった。まだ癒えていない火傷の痕が、顔のかなりの部分を覆っていた。
スニが駆け寄った。
「目が覚めたのかい」
「うん……痛たた」
ハルアは顔をしかめた。
「まだ、頭がガンガンする」
「そりゃそうだ。爆発で吹き飛んで、頭を打ったからね」
スニはちょっと元気になったようだった。ハルアが片手を差し出す。
「上がって。隠れてなきゃ」
「あ、はい」
そわたしがの隠れ家にも、何人もの魔物がいた。怪我している者ばかりだ。
レイラが、もじもじしている。
「あのね、ごめんなさい。わたしが、とんでもない疫病神を連れてきたみたい……」
「何言ってるの、レイラのせいじゃないさ。何百年も前から、あのろくでなしども__『鳥の王国』は魔物を憎んでいたんだ。いつ襲撃されてもおかしくなかった」
「あんたのお父さん__ベガ家の当主が若かった時、やっぱり戦争になりかけた時があったよ。鳥の王国が僕たちの仲間を地上に呼び寄せて、虐殺しようとしたんだよ」
魔物たちの顔は暗い。今いる仲間たちは皆、その時の生き残りなのだ。
「その時は、どうなったの?」
「魔法使いたちが団結して僕らを助けてくれた。__悔しいね。今も昔も、自分たちの身一つ守れないなんて」
リートは「そんなことないですよ」と言おうとして、やめた。かといって、「みんなは悪くない」なんて当たり前過ぎるし、「ぼくたちがついてます」と言うのも恩着せがましい。
レイラが、リートより先に口を開いた。
「わたしたちも、みんなに助けてもらったわ。だから、おあいこ」
その時、壁がぼろっと温かくなった。




