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143話 ドキドキワクワク(+ハラハラ)プレゼント交換

 食器類をあらかた片付けた後、再び全員リビングに集まってプレゼント交換を始める。

 イヴとはいえせっかくクリスマスなんだし、それっぽいことをしようとフレイヤからの提案が先週あり、美琴も楽しそうだからと了承した。

 その際、前もって兵器系はやめてくれとお願いしておいたし、フレイヤもクリスマスパーティーにそんなものは持ってこないと言っていたので、本当に大丈夫なのだろうかという一抹の不安を抱えながらも信じることにしている。

 ちなみに雷電夫妻は自分達で勝手にプレゼントを渡し合った後で、美琴達がいる前でいちゃつこうとしたのでリビングから追い出した。


「それじゃあ早速やっていくけど、どうやってプレゼントを選んでいく? トランプとかくじとかあるけど」

「ここはシンプルに、そして公平にじゃんけんで決めようではないか」

「お姉ちゃん、トランプへたくそだもんね」

「そういえばそうでしたね。ババ抜きをする時も、表情で丸分かりでしたし」

「む……。そ、そういうことは言わんでよいじゃろう。それを言うなら、華奈樹だってボードゲームが下手じゃろう」

「はいはい、お互いの弱点披露会はそこまでにしてね二人とも。じゃあ今美桜が提案したじゃんけんでいいかしら?」


 正直これが一番手っ取り早い。

 食事にそれなりに時間をかけていたこともあり、あまり時間がかかるゲームなどで選ぶと、今日泊まっていくことができないメンバーの帰りが遅くなってしまう。

 まあ、泊まらずに帰るのは和弘と慎司の男性二人だけなのだが。


 他のみんなもじゃんけんでいいと頷いてくれたので、早速輪になってじゃんけんをする。

 勝った順に取っていく形だが、複数人が勝った場合は勝った人どうしでまたじゃんけんをして順番を決める。


 そうして取って行った順番は、華奈樹、志桜里、和弘、彩音、美桜、慎司、灯里、フレイヤ、ルナ、リタ、昌、マラブ、美琴となった。

 未来が見えるマラブが最後になったのは意外だったが、こういう時は権能を使わずにいたほうが楽しめるからと、至極真っ当なことを言っていた。

 なおバアルは、美琴と同一人物だし表に出てきたら余計なことを言いかねないからと、クリスマスパーティーそのものを辞退しているのでここにはいない。


「はい、じゃあ取って行った順番にプレゼント開封していきましょう」

「じゃあまずは私ですね。随分と大きく感じますが」


 華奈樹は普段からかなり運がいい方だそうで、本人も思い当たるものがあると言っていた。

 普段から使っている刀、九字兼定には和御霊(にきみたま)という神霊が宿っており、持ち主に幸運を運んでくるという作用がある。

 兼定自体はただの古刀なのだが、心霊が宿っていることもあって怪異に対するすさまじい特攻性を持っており、それに加えて持ち主に幸運をもたらすため滅多なことで怪我をすることはない。


 それを普段から持っているため華奈樹本人の運気も高く、兼定を持つようになってから運ゲー関連では負けなしとなっているらしい。

 下手したら宝くじも余裕で一等当ててしまうかもしれないそうだが、それはそれで怖いので試したことはないらしい。


「これは……くま?」


 華奈樹が選んだプレゼントは、袋に包まれたものでやや大きめなものだった。

 口を縛っているリボンを解いて中身を取り出すと、抱きしめるにはちょうどいい大きさのくまのぬいぐるみが出てきた。

 華奈樹も大和撫子という言葉がぴったりな美少女なので、ぬいぐるみとの相性は抜群だ。


”あ゜”

”優勝”

”これ選んだ人天才”

”んぎゃわいいっ”

”k”

”美少女とぬいぐるみは核弾頭クラスの破壊力”

”美少女×ぬいぐるみ=神”

”これ女子メンバーであれば誰がとっても当たりなのヤバい”

”実はマラブさんが選んだとかじゃない?”

”権能で先んじて女子が自分のを選ぶのを知っていたからぬいぐるみを選んだんかね”

”もし権能を使わず、これがシンプルに偶然だったら運いいな。もししんちゃんかっちゃんだったら腹捩れるくらい笑ってたと思う”

”ある意味男性二人組に当たっても正解なの草”

”結果的に最高のワンショットが出来上がり、おれのスマホのフォルダーが更にかわいいで圧迫されて行く最高です”


「それは私のですね。刀崎先輩に行ったんですね」

「ルナちゃんのだったんですね。ありがとうございます。……可愛い」


 くまのぬいぐるみはルナが選んだもののようで、それが華奈樹に渡ったことに少しだけしゅんとなりかけていたが、華奈樹がぬいぐるみをかなり気に入ったようでふにゃりと表情を緩めるのを見ていい笑顔になった。

 そしてコメント欄も、今の華奈樹の表情にやられたのかあれだけ大量に書きこまれていたコメントの濁流が数秒遅くなっていた。


 コメントが復活するまで待つ必要はないだろうなと、華奈樹の次である志桜里の番になる。

 食事中は楽しく話していたし、志桜里自身も美桜の妹ということもあってカメラを向けられることに慣れているようだが、生配信で一千万人近い視聴者に見られているのが恥ずかしいのか、ほんのりと頬を染めながらプレゼントの包装を丁寧に開ける。


「マフラー?」

「なんじゃ、志桜里に行ったのか」

「え、これお姉ちゃんが選んだやつ?」

「そうじゃぞ。今年の冬は寒いからのう。贈るのであれば温かくなるようなものをと思って選んだんじゃが、まさか志桜里が取るとはな」


 とは言いつつも、自分の選んだプレゼントが妹に行ったのが嬉しいようで、ふわりと優しい笑みを浮かべている。

 マフラーを手に取った志桜里も、それが美桜の選んだものだと分かって嬉しそうにはにかんでおり、胸に抱きながら「大事に使うね」と言っていた。

 コメント欄に「尊い」や「てぇてぇ」コメントが溢れた。


 志桜里は生まれつき体が弱く、肺が小さく激しい運動はできない。

 それに加えて幼いころは喘息を患っていたこともあり、他の子のように走って遊び回ることもできなかった。

 そんな志桜里のことを想い続け、寄り添って支え続けたのは美桜と姉妹の両親のみで、その絆は想像が付かないほど深い。


 数年ぶりにこの十六夜姉妹の姉妹愛と絆を見られたなと微笑ましく思っていると、全員から温かい目で見られているのを自覚したのか、志桜里は顔を真っ赤に染め上げ、美桜も珍しく頬をうっすらと朱色に染めて目を逸らす。


「あらあら、照れているのですか? 顔を赤くして可愛いですね」


 普段から美桜にいじられることの多い華奈樹が、普段の仕返しだと言わんばかりに悪戯笑顔を浮かべながら言う。

 これはまずいと思ったのか、美桜は華奈樹のいじりから逃げようとするが先回りされ、わちゃわちゃとじゃれ合う。

 あくまでこの二人は遠縁の親戚なのだが、こうしてじゃれ合っているのを見ると本当に姉妹みたいだなとますます微笑ましくなる。


「それじゃあこの二人のじゃれ合いを背景に、どんどん開けて行きましょう」

『お嬢様も時々いい性格になりますよね。美桜様が助けてほしそうにこちらを見ていますが』

「私も昔は美桜にいじられたりからかわれた側だから、今回は甘んじて華奈樹からのいじりを受け入れなさい」

「は、薄情者ぉ!」


 普段いじる側がいじられる側になってしまい、それが大勢に配信されているという恥ずかしさで顔を真っ赤にしながら抗議の声を上げるが、にまーっと笑みを浮かべるだけにした。



 ルナに美琴の選んだ化粧品が渡った時は嬉しさのあまり発狂しそうになったり、彩音が選んだリボンが慎司に行ったりするというハプニングはあったが、順調にプレゼント交換は進んでいき最後の美琴となった。

 こういう時でも運の悪さは出ないで欲しかったが、残ったプレゼントが華奈樹の選んだものだったのでほっとしている。

 お淑やかで大人しく、一つ一つの所作が上品な華奈樹が選んだものだ。外れるなんてことはないだろう。


「これって、入浴剤?」


 包装を解いて中身を見ると、白や赤、青の薔薇の形をしたものがあった。

 一瞬造花かと思ったが、箱の上に書かれているメーカーの名前を見て入浴剤だと分かった。


「昔と変わっていなければ、美琴はお風呂好きですから。他にもお洋服とかアロマキャンドルとか候補に挙がりましたが、やっぱりこっちの方がいいかなって」

「ありがとう、華奈樹。使うのがもったいないくらい綺麗ね」

「そう言うと思いました。それは入浴剤として使わなくても、部屋に飾るだけでもバラの香りが広がっていいそうですよ」

「へー。わ、結構いい香り」


 箱に入ったままだが、それでもふわりとバラの香りがしてくる。

 これは確かに、入浴剤として使わなくても部屋に置いておく芳香剤にすることもできるだろう。

 だがこれは入浴剤。使うのがもったいないからと飾って芳香剤にする方がもったいないので、一週間か二週間に一回くらいで使うことにする。


 ここまで特に大きな問題というのは出てこなくて、ほっと一安心する。

 あらかじめ釘を刺しておいたとは言え、フレイヤが見た目は普通だが何かとんでもないものを持ってきているのではないかと、心配していなかったわけではなかった。

 全員のプレゼント交換が終わり、最後までとんでもないものが出て来るなんてこともなかったので、きっちりと美琴の言いつけを守ってくれたのだと安心できた。


「最後に一つ、私から美琴さんにお願いがあるのですが」


 とか思っていたところにそう言うものだから、何かやばいものでも持ってきたのではあるまいなという不安が雁首をもたげてくる。


”ほっとしたのも束の間のフレイヤちゃんからの別の贈り物か?”

”美琴ちゃんが一瞬で警戒心爆上げしてて草”

”前に切れ味お化けな刀あげてたし、警戒しないのも分からなくはないけどさwwwww”

”さあて、一体どんな激ヤバ魔導兵装持ってきたのかな”

”美琴ちゃんに渡したいものじゃなくてお願いがあるって言ってるから、もしかしたら相談があるのかも?”

”実はメンバー全員分の、深層攻略可能な超高出力高性能魔導兵装を作ったから、それを贈りたいとか?”

”世界で唯一深層を攻略できるクランになっちまうwwwwwwwwww”

”もう国に管理されてもおかしくなくなっちゃうよ”

”そもそも今の時点で国からメスが入っていないのが異常”

”美琴ちゃん個人が強すぎて制御したいけど、唯一安全に深層行ける人材だから手を付けられないのがなあ”

”で、一体何?”


「そんな反応をされると流石に少し傷付くのですが……。コメント欄に見えた、超高出力魔導兵装は、構想だけはできていますが着手までは進んでいないのでご安心を。お願いというのは全くの別件で、兵装とは……関係はないわけではありませんがダンジョンを攻略するものではありません」

「今絶対に聞き逃しちゃいけないものが聞こえたから後で詳しく聞くけど、そのお願いっていうのは?」

「アイリのことです。その、アイリはAIで実体を持たず、主に電子の海で活動をしていますよね?」

『その通りです。特に不便などは感じておりませんし、むしろこちらの方が便利なので実体がないことに不満を感じたことはありません』

「ですがアイリは最近、バーチャルアワーチューバーとして活動をしていて、電子世界限定ですが姿を得たではないですか。それを見て思ったんです。アイリ一人で何でもこなせるのなら、現実世界でもできる幅がうんと増えたほうがより進化するのではないかと」

「待って、一体何を持ってきたの?」


 もう不安しかない。

 ダンジョン攻略に使えるものではないそうだが、兵装とは関係がないわけではないと言っているのだから、間違いなく常識はずれなものを作ってきたに違いない。


 何を作ってきたのだと不安になりながらフレイヤを見ていると、彼女がどこかに隠し持っている容量を無視した持ち運び可能倉庫から、美琴と同じくらいの高さの大きな箱を取り出した。

 その大きさにミサイルでも作ってきたのかと警戒を高めるが、それを横にして箱の蓋を開け中身を見せられて、思考が固まる。


 そこに入っていたのは、黒髪ショートでダイナマイトボディなメイド服を着た女性だった。

 人を連れて来たのかと一瞬思ったが、人から常に感じ取れるようになった生体電気を一切感じられず、逆に機械から感じ取れる電気を感じる。


「フレイヤさん、それってもしかしてアンドロイド?」

「その通りです。元々、自分で戦闘特化型AIを作って自己鍛錬用のアンドロイドを作ろうと思っていたのですが、どうしても私の練習相手になりそうなAIを作ることができなくて断念していたんです。そんな時に美琴さんが例の件で大バズりして、アイリとの掛け合いなどで更に人気が出て、そのアイリも今や有名配信者……配信AI? です。なので、私用の鍛錬用アンドロイドはすっぱり諦めて、クランに誘ってくれたお礼を込めてアイリ専用の機体を作ったんです。一応、この機体には私やリタ、美琴さんの戦闘データを基に作った戦闘プログラムが搭載されていますし、非殺傷の魔導兵装もいくつか搭載していますので、仮に強盗などが入っても撃退するのは容易になっています」


 自分の作ったものの説明が嬉しいのか楽しいのか、やや早口になりながらすらすらと説明をしてくれるフレイヤ。

 自身の鍛錬用のアンドロイドを作ろうとしていたことも驚きだが、相手にならないからアイリに贈る用にリメイクして、非殺傷の魔導兵装と美琴、フレイヤ、リタの戦闘データを基に作った戦闘プログラムを組んで搭載していることの方が驚きだ。

 なんてものを作って来たんだと呆れていると、箱の中の女性機体のアンドロイドが目を開いて動き出す。


「……なるほど、これは中々にいいものですね。演算能力などに支障は一切なし。むしろ、補助してくれてすらいますね」

「演算特化型AIも作りましたから。名をノイマンと言います」

「現代コンピュータの父と同じ名を関するAIですか。いいですね。……こちらの、カエサルとは?」

「戦闘と戦術プログラムです。ノイマンを含めてまだプロトタイプですが」

「あぁ、ローマ皇帝のカエサルでしたか。ライセンスを持っていないのでダンジョンには行けませんが、もし仮に不埒な輩がこの家に忍び込んできても対処できるのがいいですね」

「そこ二人で盛り上がらないで」


 こういう時すぐに止めてくれそうなリタだが、雇い主のフレイヤに意見することはしないのか、ただ静かに座っているだけだ。


「おー! アイリ様すごい美人! バーチャルの姿がそのまま出てきたみたい!」

「ありがとうございます、ルナ様。ふむ、体の動きも人間のものと何ら変わりありませんね。強いて疑問があるとするならば、どうしてお尻が大きいのでしょうか」

「機械ですから、どうしても要所要所で大きくなってしまうんです。改善しようとしたのですが、軽量化しようにもこれ以上は耐久に問題が出てくるので」

「ふむ……。でしたらこちらでも軽量な金属を探しておきます。もしそれを見つけることができれば、この機体の自重も改善されるでしょうし」

「お願いします。……いいですね、こういうビジネスのような会話。いつかは美琴さんともこのような会話をしてみたいものです」

「胃が痛くなりそう」


 美琴がマスターなのだから、今はまだ高校生で未成年なのでギルドの方からも無茶は言ってこないが、その内クランで深層の攻略に乗り出してほしいと言われる可能性はないわけではない。

 そうなった場合、美琴とフレイヤはともかく他メンバーには防御面でも火力面でも懸念すべき点が山ほど出てくる。

 そうなるとフレイヤにそれを解決するために兵装開発をお願いすることになるし、そもそも彼女が美琴のクランに入ったのだって、自分で魔導兵装のお店を出した際に後ろ盾に美琴のクランがあれば間違いなく売れるからなので、それがなくとも兵装関連のビジネストークをする場面は出て来ただろう。


 まさかクランマスターである自分を差し置いてAIでマネージャーなアイリと先にするとは思わず、先を越されたという訳の分からない嫉妬と、今後自分もしっかり向き合うのかという不安が同時に襲ってくる。

 もうすでにアイリも気に入ったようで、機体を試す様に体を動かしているので突っ返すわけにはいかず、とりあえず家事などを一人でやらずに済むからいいかと目を瞑りお礼を言う。


 最後の最後にとんでもない爆弾を投下されたが、結果的に人数? が一人増えて賑やかになり、今までで一番楽しいクリスマスパーティーとなったので、投下された爆弾については不問とすることにした。



「なあ、美琴ちゃん」

「なんですか?」


 リタからの提案で、リビングの大きなテレビにフレイヤが持ってきたゲーム機を繋げてパーティーゲームをやることになり、順番の回ってきたフレイヤ、灯里、アイリ、華奈樹の四人で大騒ぎしながらアイリ無双しているのを見ていると、慎司と和弘が近付いてきた。


「一つ相談っていうかお願いがあるんだけどさ」

「お願いですか?」

「まあ、無理ならいいんだけど、せめて一人だけでいいから男子メンバー増やしちゃくれないか? 美琴ちゃんのことだし、どうしても女の子の友達とかが多いのは仕方ないのは分かっているけど、どうしても男がおれ達二人だけなのは少しいたたまれないっていうか……」

「美琴ちゃんを含めてこのクランの女子メンバー全員美人だから、なおさら居づらさを感じるっていうか」

「あー……」


 確かに言われてみれば、十三人いるメンバーの内十一人が女子という状況は、慎司と和弘からすれば居づらさを感じるだろう。

 彼らの言う通り、男子に対して若干の苦手意識を持っていることも重なって同性の友人しかいない。

 それも手伝って、彩音と一緒に加入した二人以外でまともに会話する男性というのは一人もいない。


 さて、これはどう解決しようかと首を傾げようとするが、ふと一人だけ脳裏に浮かんだ。

 確かに彼ならば、現状唯一まともに会話したことのある男子ではあるが、最後に会話したのが数年も前で果たしてそれをカウントしていいのかと疑ってしまうほどだ。

 でも彼以外に思いつく人はいないし、ダメもとで聞いてみることにする。


「一人だけ声をかけられそうな人に心当たりがあるので、明日聞いてみますね」

「マジ?」

「おれ達から言っておいてあれだけど、無理して男子と話そうとしなくていいからな?」

「大丈夫ですよ。その人なら信用できますし、何より実力者ですから」

「実力者なのか。実は名前が知られているとか?」

「その人自身はそこまでですけど、苗字はよく知られていますよ。その人も祓魔十家の人なので」

「「え?」」


 明日話しかけるにしても、どのタイミングでどのように声をかけるべきだろうか。

 昔のように普通に会話できるだろうかと不安になりながらも、とりあえず頭の中で誘うための言葉を考えていった。

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