リクエスト:えっちで優しい話2/3
深夜の海辺で目を見開く
数日前と同じように薄着のまま佇む少女を
あの日と同じ甘い香りが取り巻いていた
眉を寄せると少女は困ったように微笑み
あの日と同じように後ろをついてきた
相変わらず裸足な少女を風呂に入れ、
タバコに火をつける
髪を濡らしたまま出てきた少女は、
どうしようもなく、美しかった
電気を消そうと暴れる少女を抱きしめ、
首筋に唇を落とす
徐々に大人しくなっていく体についた傷を
一つずつ撫でるように辿ると
少女の目から静かに思いがこぼれ落ちていった
強く掻き抱いた体からは、
甘い香りは感じられなかった
まどろんでいた少女が、
気を取り直すように枕元のタバコを咥えたので
火をつけてやったが、
酷くむせて涙を滲ませるだけだった
いつもは静かな自分の部屋に響いた笑い声を
もっと聞いていたかった
翌朝、腕の中に少女の姿はなかった
前回と違うのは、
シーツにあの香りがついていないことだけ
タバコに火をつける気には、ならなかった