命の使い方
子供の頃は何もわからず
ただ応援していた
バトル漫画のヒーローに
自分を重ねて
青年になりかけて
大人にはなりたくなかった
いろんなキャラを追い抜いても
僕には特に何も起きなくて
大好きだったものの
見方ばかり変わっていく
どうやら自分は特別ではなく
自分で自分の価値を
保証しないといけないようだ
忙しいのに退屈ななか
ありふれたこんな命を
いかに使おうか
あの頃は無垢に運命を
ただ信じていた
テレビの中のヒロインに
恋い焦がれて
守りたい人なら
僕にもいたはずなのに
自分の理想のタイプだけはもう
はっきりとわかる形になって
期待して待っているだけじゃ
今は変わらない
別にこの世界に特別なんかなく
だれかひとりかけても
何も変わらないみたいだ
与えられし使命もない
替えが効くこんな命を
いかに使おうか
あーこんな悩みすらありきたり
乾いた笑いばかり
でも
やっぱり僕は僕を生きたい
こんな僕でさえ
いや
こんな僕だからこそ
特別なんだと叫びたい
何かを掴みたい
無意味に抗って
逆説的に肯定した
何かに賭けたい
どうやら自分は特別ではなく
自分で自分の価値を
保証しないといけないようだ
忙しいのに退屈ななか
ありふれたこんな命を
いかに使おうか