表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

卒業パーティーで婚約破棄する奴って本当にいるんだ


10/20おかげさまで14位になりました❗️

皆さん本当にありがとうございます❗️


今後とも宜しくお願いします❗️

卒業パーティーの最中、生徒会長の私は少しの間サボる(休憩する)為に、会場の隅にある穴場スポットである階段の物影に居た。



今期一番の高位貴族、侯爵家の末弟で未だ婚約者も居ない私に対する令嬢達のアピールが凄い。



それに生徒会副会長を務める親友から、生徒会に入ったばかりの頃『パーティーで婚約破棄する者が出たら、一緒に騎士団に入る』という賭けを酔った勢いで、証文まで書いてしまった。



それ以来、副会長だけでなく他の騎士志望の奴らもしつこく一緒に騎士団に入ろうと誘って来るんだ。



特に今日は酒が入っているから、皆の相手をするのが面倒だ。



しかしここまで来れば、《パーティーで婚約破棄をする馬鹿》の心配はないだろう。

後少しでパーティーもお開きだし。



兄達から聞いていたが、本当にここはサボる(休憩する)のには最適だな……



ところが直ぐに、その平穏は破られる事になった。

私の隠れて居る場所の直ぐ目の前で、とんでもない事が起こったのだ。



「ミシェル・F・エリンギス!

お前との婚約を破棄する!!

身分を笠に着て、私の愛するアンを虐めたそうだな?

嫉妬で彼女を虐めるなんて、そんな女は未来の男爵夫人として相応しくない!」



婚約者が居るのに、浮気相手の娘の肩を愛おしそうに抱きながら、私の愛すると宣い。

浮気してました。と堂々と宣言してる。良いのかそれで?この男……



「アンが同じ部屋に居ても、令嬢達は皆、無視していたそうじゃないか!

君の差金だろう!!」



それが本当なら酷いな……

堂々と浮気を宣言する男爵家の息子と連んでる、君の頭の中身も酷いけど。



「しかも毎日彼女に汚れた服を洗わせたり、部屋の掃除をさせていたそうじゃないか!

可愛そうに手が荒れていたんだぞ!!」



いや…ここから見ても、手が荒れてる様には見えないんだが………



卒業パーティー会場の隅の方にある階段で行われていたのは…テンプレの『卒業パーティーで婚約破棄』だった。



騒ぎを起こしているのはピンクのドレスを着た、金髪の少女と三人の男子生徒。

そのドレス、サイズが合って無い様だがもしかして、本当は婚約者に渡す筈だった物じゃないのか?



婚約者に渡す筈の、卒業パーティー用のドレスを着せ、アクセサリーを着けた浮気相手とパーティーに出席とか、親に知られたら大変な事になると思うが大丈夫なのか?



まぁ本来の婚約者に、ピンクは似合わないと思うが……



対するはモスグリーンの落ち着いたドレスを着た女生徒。

生徒会で書記を務めていた男爵令嬢ミシェル嬢だ。



モスグリーンのドレスは彼女に凄く似合っている。



婚約破棄を告げているのは確か、そのミシェル嬢の婚約者じゃなかったか?

彼も身分は男爵家だったよな……



彼の右側に居るのは王城で文官をしている準男爵の息子で、卒業後は親のコネで王城に文官として就職が決まっていたはず。



そして左側に居るのは確か騎士爵家の五男だったかな?

卒業後は継ぐ爵位もないので、冒険者になると聞いている。



そんなしょぼい三人が明らかに平民の娘を囲って、男爵令嬢のミシェル嬢に『卒業パーティーで婚約破棄』を告げている。


… 。


… 。



えーーーーー!

嘘だろ?今年は高位貴族家の方は、そんな兆候が無かったから、安心してたのにそう来るか!?



それにしてもしょぼい《卒業パーティー婚約破棄劇》だな……



男爵と準男爵と騎士爵の息子で逆ハーレムか?

三人に囲われてるお花畑ヒロインは学園の生徒じゃ無さそうだし、悪役令嬢?も男爵令嬢だから、間違っても彼らが言っている状況にはならないと思うんだがなぁ~。



言っちゃ悪いが男爵令嬢が何か言ったところで、せいぜい彼女の友人数名が同調するのが関の山だと思うがな。



「婚約破棄ですか?それは今ここで言う事でしょうか?

それに私、彼女を虐めてなんていませんわ!」



毅然とした声で否定するミシェル嬢。



「そんな!酷いです!!いつもわたしに…うぅっヒック……… 」



ここでハッキリ言わずに、男子生徒達の誤解を招く作戦か!?



「お前の所為でアンは学園に居られなくなったんだぞ!アンに謝れ!!」


「何故私がその人に謝らなければなりませんの?

私は謝らなければならない様な事は、いっさいしておりません!」



ミシェル嬢も呆れ顔で反論している。

当然だろう、彼女が婚約者の事をなんとも思っていなくただの政略だと考えているのは有名な話だ。



入学以来放置されていれば、当然の結果だ。

しだいにこの騒ぎに気づいた周りの生徒達も集まりだし、彼らの言葉に皆困惑している様子。



この場所から出るなら、今がチャンス!

ある程度人数が集まって来たところで、さも『今来ました。』という様な顔をしてさり気なく集団に混じる。




「あの様な方、学園にいらっしゃったかしら?」


「うちの生徒じゃないよな?」


「わたくし、見た事がありますわよ。

従妹の子爵令嬢が住んでいる女子寮で…… 。」


「誰かあの者の事を、詳しく知っている者は?」



と今期の女子生徒で一番身分の高い伯爵令嬢が、周りに居た友人達に声を掛けると、直ぐにその女子寮に住んでいる下級貴族の令嬢が数人集められた。



そしてお花畑ヒロインの正体が、あっさり判明した。



「あの者はこの学園の生徒では無く、私達下級貴族の女子寮で下働きをしていた者ですわ。」


「確か最初はミシェルさんの部屋付近の担当でしたわね。

でも手を抜いたり仕事をサボったりして、下働き見習いに降格されたのです。」


「あら、わたくし今期限りでクビだと寮母さんから伺いましたわよ。

あまりにも勤務態度が酷すぎるからって…… 。」



おいおい…テンプレの平民上がりの下級貴族令嬢でも平民の特待生でもなく、ただの女子寮の下働き()()()かよ。



「そ…そんな馬鹿な!?

アンはいつも虐められて、学園の裏庭の隅で泣いていたんだぞ!」


「アンとは昼休憩や放課後にも会っていたんだ!」


「ちゃんと制服だって着ていた!

虐められていた証拠に、制服はいつも汚れていたんだぞ!

それなのに、アンを偽生徒扱いするなんて酷いじゃないか!!」



下級貴族用の女子寮から、学園の裏庭までってけっこう距離あるだろ!

(学園は広いので、片道およそ1・5km)

しかも制服がいつも汚れていたって?

それ生徒の洗濯物だから汚れてたんじゃないのか?



そりゃそんだけの時間サボってたら、仕事クビになるだろうよ。

自分の所為じゃないか!



会場の隅で行われていたしょぼい婚約破棄劇はいつの間にか、会場全体を巻き込む騒ぎになっていた。



誰が呼びに行ったのか、下級貴族女子寮の寮母が呼ばれ、お花畑ヒロインが本当にただの下働き()()()だと証言している。



あぁ…婚約破棄した男爵令息達やらかしたな……

たぶんこれで決まっていた就職先も駄目になるだろう。



私の代では《パーティーで婚約破棄》を起こさせない様に頑張ったのに、これまでの苦労が水の泡じゃないか……



アッ!しまった!!見ている分には面白すぎて、すっかり賭けの事を忘れてた。



「あぁっ!もう生徒会長ってば何処に居たんですか?

探したんですよ~♪」



酔っぱらっている生徒会副会長の親友は、随分と嬉しそうだ。



「これで賭けは私の勝ちですね♪

約束通り文官は諦めて、一緒に騎士団に入りましょう!」



おい、まさかお前…この事知ってたんじゃないだろうな?

私が疑いの目を向けると、悪びれもせずに……



「そんな訳ないじゃ無いですか♪

偶然ですって♪♪」



怪しい……




後にこの《卒業パーティー婚約破棄》は《国立学園始まって以来のしょぼい婚約破棄劇》として生徒達の間に、伝説として語り継がれていく事になる。



その後、ミシェル嬢と婚約者は当然ながら婚約破棄。

準男爵家の息子共々、就職先もダメになり、廃嫡された。

今は騎士爵家の五男と一緒に、冒険者をしているらしい。



ミシェル嬢はというと、婚約破棄後ちゃっかり幼馴染みの騎士爵家の嫡男のところに嫁いで行った。



また件のお花畑ヒロインのアンは、《身分詐称》《侮辱罪》《窃盗》等で逮捕され、鉱山送りになった。



で私はというと…来年度から国立学園に入学される殿下に専属護衛騎士として、また学園の卒業生として、注意するべき事を話している内に、何故か黒歴史とも言うべきあの話をするハメになっていた。



もちろん実際の名前は言ってない…全て仮名だ。



「何それウケるww」



この話に殿下は大喜び。

ご自分が生徒会長になった時には、絶対に『パーティーで婚約破棄はさせない!』。



と言われているが、それは立派なフラグだと思う。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


(人物紹介)


☆主人公


生徒会長で侯爵家の末弟。

本人は文官希望だが、騎士として期待されている。


☆ミシェル・F・エリンギス


至って普通の男爵令嬢。

婚約破棄後、慰謝料を持参金に昔から好きだった幼馴染みの騎士と結婚した。

けっこうちゃっかり者。


☆ミシェルの婚約者と愉快な仲間たち


ただの下働きの娘アンに騙されて、婚約破棄劇を起こした間抜け共。


☆アン


下級貴族女子寮の下働きの娘。

ミシェルの婚約者達を騙して、男爵夫人になろうとしていたが失敗。

鉱山送りになる。


☆生徒会副会長


騎士団長の息子。

強いのに文官希望の会長と、賭けをして勝った人。


☆殿下


主人公達が卒業後に学園に入学する事に。

果たして、みずから立てたフラグを折る事が出来るのか?

それはまた別のお話……


賭け事なんてやるもんじゃない。



  ☆☆☆☆☆をお願いします❗️



✡️連載中

国立ユイナーダ学園高等部外伝〜【どうやら俺はただのモブではなかったらしい】



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 面白かったです。
[良い点] しょぼいの良いです♪ 何気にアンは努力家だなとwあっぱれでしたのに 汚れてる制服・・制服汚すって結構なことよ?臭ってませんか?と考えてしまうw
[気になる点] 女性で鉱山送りって… やっぱり「掘る」よりも「掘られる」ことが メインのお仕事なのでしょうか… いや、女性側でも「掘られる」という表現で 良いのかは置いといて。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ