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なろうの片隅で能書きを垂れる

「なろう系〜良い子だ寝んねしな」「なろう系に優しくすんなよ!」


「なろう系」ないし「なろうテンプレ」は、妙にぞんざいに扱われているように思う。


正直僕もまた一部テンプレ作品に対しては「下らない」という感情を抱く事があるし、主人公の思考や行動に鼻持ちならないと感じた事は少なくない。


しかし、一部のテンプレ否定派の物言いにはそこから会って話すらしていないテンプレのファン層に対しやれ「人生の落伍者」だの、テンプレのファン層に対し好き放題人格批判する場面が目立つ。


正直この手の言説は、コミケの参加者に「10万人の宮崎勤」と言い放つに等しい無礼だとしか思えないし、僕もそんな物言いには、たとえなろうテンプレの熱心なファンでなくとも鼻持ちならないものを感じる。


ただ悲しいかな、同時にこの手の言説はどういう訳かあまり大っぴらに咎められる事は無いのである。


他の界隈でこんな真似をすれば、まさに「私はネットリンチされたいです」と宣言するに等しい行いであるというのに。


実際、京都アニメーションに対して「麻薬の売人以下」と罵倒した(=京アニ作品のファンを麻薬中毒扱いしたという事、実際件の文では他にも色々侮辱的な事を書いていた)何処かの大学教授が(凄惨な事件に便乗してそんな物を発表したのもあって)激しい非難に晒された件が記憶に新しい。


どうしてこう「なろう系」はこうもヘイトタンクなのか、どうして守護られないんだろうか……いろいろ考えてみた。




1:否定派はなろう系に「殺意」を持ってないから


フェミニストやらがヒで炎上する要因としては、制度を利用して自分達の気に入らない表現をガチで消滅させたがる部分にある。


それに比べるとまとめサイトなんかのなろう系バッシングとはなんと大人しい(行動力が無いとも言う)事だろうか、心底馬鹿にしてはいるものの、あれらをどうにか消滅させようという勢力は存在しない。


皮肉なことに前者が過激さからフェミニズムへのセルフネガキャンに終わった一方、比較的「ヌルい」後者はすっかり「なろう系=下等」の図式を広めてしまった。


熱量の差によって、受け入れやすくなってしまっているのだ。


まるで「北風と太陽」のようだ。




2:「お下品」事が否めないから


無礼な言い方である事は承知の上だが、やはりどうしても「下品に見える」のは否めないのかもしれない。


「なろう系」に限った事では無いが、大衆向けの作品というのは、メッセージ性などといったものではなく、より視聴者の「リビドー」を満たす事に特化する物も少なくはない。


「なろう系」以外には、「アルマゲドン」や「トランスフォーマー」のマイケル・ベイ監督の映画作品や、「○○シャーク」系のB級映画、あとは一昔前の「日常系アニメ」の扱いに近しいものがある。


ある程度の「高尚さ」のある作品がポップカルチャーの中でも多く現れた結果、「高尚さ」の無い作品が認められにくい空気感が出来上がってしまっている。


拙作「バカヤローコノヤローオメーなろう系だからってコケにすんじゃねえよオラアアアアアンッッッ!」でも問題としていた「クウガ以外認めない」系の勢力、これがネット全域に、そしてジャンルを選ばずに拡大してしまった形なのではないかと思っている。


「評価されるべきである」とまでは言わない、ただ、こういう純粋に「リビドー」をみたす事に特化した娯楽作品が存在し、一定の需要を持っている事まで否定する事はないだろう、と思う。




3:マウンティングするターゲットとしておあつらえ向きだから


散々冒頭でなろう系へのファン層への物言いは無礼な行いと批判したが、これは少しブーメランを投げるような言説かもしれない。


これは要約するなら「否定派の中に誰かをコケにするのが好きで好きで堪らない下衆が居るから」という事。


ただ誰かをせせら笑って遊びたいだけの良心を何処かに置いてきたタイプか、もしくは「こんなモノを嗜んでいる輩と違い我々は真っ当なんだ」と信じたい自己愛の塊か。


実際後者はなろう系を引き立て役に自分の好む物語……もとい「そんなスバラシイ物語を嗜んでいるスバラシイ感性をもつ私」の美化を図る人間というのも見る。


そういう層にとって、ファン層の持つ心理に対するプロファイリングが進んでいる(ように見えている)、そしてその結果があまりに惨めな「なろう系」とは、おあつらえ向きなのだ。


……僕としとは、こんな事に興じて良心やプライドを満たす行いこそ、最も心の貧しい「底辺」や「落伍者」の娯楽であると思う。


後違う話の踏み台になろう系を使おうとするのは本当にやめて欲しい。少なくとも僕はこういう宣伝をする誰かのせいで90年代のラノベや「王道のファンタジー」に対して「言うほどいいものなのかよ」と読んでもいないのに苦手意識を持つようになってしまった。


というか、元々あの時代の「萌え」は露骨過ぎて「胸焼け」するから苦手なんだ、今はそういうモノを自然に仕込んでいるように見えるだけに。


でも「ブラックマジシャンガール」はすき(思い出補正)




「もうやめろアンチ!殺す気か!?」

「そうだよ!殺すんだよ!ちまちま削ってェ!」

2019/08/06 誤字修正&追加

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― 新着の感想 ―
[一言] メジャーが嫌いななインディーズファンみたいな! インディーズで輝いてたバンドがメジャー化して、メジャーシーンに似たバンドが増えてくると攻撃して回るやつみたいな! そしてその過去を消してクラシ…
[一言] 私も同じことを感じておりました。【異世界転生】【チートハーレム】【登場人物の魅力のなさ】これらの要素がある程度詰まった作品がアニメ化され、多くの人の目に触れるようになってから『なろう系』と馬…
[一言] 90年代のラノベ~ コレを言っている人って、当時の作品の長所だけを語り、なろう系作品の短所だけをあげつらっているので論外なんですよね。 よく引き合いに出される富士見のスレイヤーズ、オーフェン…
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