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今後の予定は・・・


 カンカンカンカンカン!!!と、審判が試合中止のゴングを鳴らした。


 『歴史的大勝負となった、この試合でしたが、最後、魔王本人が止めなければ、この試合、何が出ていてもおかしくなったですね。では、この試合、終えてみて、どうですか、解説のアイヴィーさん。』


 『そうですね。やはり、序盤から、魔王様の力が圧倒していたように思いますね。挑戦者は如何にすきをつくかというところが、注目されていましたが、終わってみれば、魔王様の圧勝でしたね。』


 『そうですか。では、今後、魔王様を倒す挑戦者が出てくるでしょうか?』


 『そうですね。魔王とはいえ、ハイスペック男子ですからね、是非これに懲りず、様々な方に挑戦して行ってもらいたいですね。』


 『ありがとうございます。本日の試合は、進行アイヴィー・オルウェン、解説アイヴィー・オルウェンでお送りさせて頂きました。』


 脳内で、前回の事を顧みていました。

 こんにちは、アイヴィー・オルウェンです。


 あれから数日たち、なんとか、戦いに破れた私は、やっと、状況を理解てきた次第です。


 そう、どうやら、次期公爵様、お見合い継続したいとのお話を承ったのだと。うん。


 多分、そういう話だったと、思う。


 もうね、人間、拒否したい出来事は脳内で勝手に抹殺されるみたいで。姉上様のときめきマジック(脳内抹殺)を驚嘆していましたが、私にも出来たっていう。


 笑え無いのに、笑っちゃう。


 しかも、完全に抹殺できて居ない悲しさ。時々、脳内で甘言が再現されるおそろしさといったら、こっちは、どうしたら良いというのか!


 私に残されてる選択肢なんて、魔王様が来訪した時点で、もう残されていないって理解した方が良かった!良かったよ! 


とりあえず、魔王様帰えられた後、お母様に特攻されたあたりから、お話したいと思います。


 特攻してきた、お母様曰く、

「イケメンが目の前にいて、興奮しすぎちゃった☆お母様、何か土地狂った言葉をしてないよね?(要約)」と。


 どうやら、ひたすら話続けていたのは、緊張の為だった模様。


 おいおいおい。なんだそれは。


 姉上様のときめきマジックの原因をここに見た。そして、前世記憶のある、私にもそのときめきマジックが受け継がれていると、自覚した。


 そう、魔王に『ただし、イケメンに限る!』の状態異常が付与されているのと同じく、私にも常に『ときめきマジック』という記憶抹消能力が付与されている模様。いや、決して、魔王様にときめいた訳ではない。

 イケメン付与効果と偽装を隠す為に、心拍数が上がっただけなのです。


 あの時は、不安と緊張以外表現出来ない状態で、意識も朧気。

 だから、これは、決して、恋などという幻想なのではない。決してない。


 そして、最も重大な問題は、この能力のお陰で、記憶が朧気な事。


『お母様?』

『なぁに?アイヴィーちゃん。』

『どうしてくださるのですか???』


 ガシっと、母の肩を掴み、ガクガクと揺さぶるアイヴィー。


『え?え?え?どうしたの?アイヴィーちゃん!!そ、そんなに強く掴まなくても、お母様、肩痛いっ。肩痛いわ、アイヴィーちゃん!お母様、次期公爵様の前でそんなに失礼な事してしまったのかしら?』


『それは、今問題ではありません。私、お母様のその能力のお陰で、さっきまでの会話殆ど断片的にしか思い出せません!』


『え、えええええええええーーーー???』


 そんな会話をしたのが数日前。


 そして、なんとか思い出した会話を推測するに、お見合いを継続したいと。いうところまで、理解できました。たぶん。


 それ以上の事も色々言ったり、言われたりした気もするけれど、思い出せない。


 このメモリーを持ってしも思い出せないという。

 それだけ、不吉な内容であった事はそう想像に難く無いのですが。


 思い出そうとする度に胸のあたりがモヤモヤする。

 こう、何をしても胸のあたり何かつかえて、スッキリしない。そうこの状態、実は前世で経験している。




 あの時は確か、私が社会人二年目で、会社に入って暫くしたころ、大学から付き合っていた彼氏がいた。


 その彼氏との付き合いも長くなり、トキメキを忘れかけていた私に、付き合った記念日5周年を記念して、友人が提案してきた事を実行に移す事にした。


 約束していたその日、彼氏に仕事で遅くなると嘘をついて彼氏の家で驚かせようと目論んでいた。


 イザ、彼氏が自宅に帰ってきたら、目の前には、可愛い女の子と彼氏が楽しそうに会話して、帰ってきた。


 その前から、遠目から、キャッハウフフと聞こえてくる声に、バカップルだなー、なんて、思って眺めていたら、近づくにつれ、どんどん、その輪郭が顕になり、気付けば、目の前に、彼氏。


 いや、元彼氏。


 社会人になって、価値観がズレていっているとは思っていたけど、単純に浮気していただけだった。


 それに気付かなかったのは、私も彼氏に興味が無かったのだと、今は思う。


 そして、その後、分かりやすくやけ酒をして、翌日、起きたら、死ぬほど気持ち悪かった。


 つまり、二日酔い。


 そうして、当時の若い頃の恋愛は幕を閉じたのだ。


 そして、話は戻る。この胸のモヤモヤは、その時と非常に良くにている。

 何をしてもとにかくスッキリしない。


 つまり!この胸のモヤモヤは、二日酔い!!


 そう、二日酔いという名前の状態ナノデス!・・・お酒?飲んでないよ?だから、胸焼けだね!


 食べ過ぎた時になるっていう。いやー、道理で、食欲無いわけだ!


 で!今後について、両親と考えました。


 まず、次期公爵様とお見合い?を継続しつつ、お見合い破棄を狙います。


 というか、お見合いって、継続とか、破棄とか存在するのか?という疑問ですが。


 本来、お見合いの後、わりとすぐに婚約を結ぶのが、一般的なのです。

 婚約する気がなければ、すぐに断りの連絡が来るわけだし。


 でも、今回のお見合いは、そんなにお互いを理解するほど、じっくり話をしたわけではないし、そもそもこちらは、お見合い失敗させる目的で会いに行っているわけだし。


 というわけで、次期公爵様の言葉をひねり出すに、友達以上恋人未満、でいたいという事かと想定したのです。

 正式に婚約を申し込まれていないから、多分、それで有っていると思う。


 現世感覚的にとっても斬新!!なわけですが、前世感覚的には、納得。というか、違和感、一切無いです。


 そもそも、この次期に嫌われれば、婚約なんてしなくて済むし、前回失敗した、お見合いを失敗させる事もまだ、チャンス有り。

 ということで、今回は、次期公爵様に従いつつ、嫌われる為に頑張るしかないのです。


うん、では、どうやって嫌われるか?というところ。


 それねー、一番難しい。というのも、単純に嫌われるわけにはいかない。


 だって、私は偽姉上様。


 しかも、本物の姉上様は、この事を知らないのです。だから、下手に次期公爵様と噂が立つのもいけないし、そして、姉上様の下手な噂も流させてはいけない、という。


 だんだんレベルが上がってくれてるわけなのです。これが成功したら、私、FBIとかに入れるのではなかろうか?という気すらしてくる。


 FBI無いのは知ってますが。


 この国だと、騎士団の何処かに情報捜査局とか有りそうではありますが。


 では、まず、考えた案をいくつか。


 まず、こちらから連絡はしない。コレ絶対。


 誘われた時も仕事を言い訳に何回かは、断る。

 そして、いざ出かける際、出かける先は公爵家か、我が家のみ。庭園はリスクが高まるので、出来るだけ避けること。


 次に、嫌われる為にどうするか。


 まず、相手の知らない話題をふる。不興を買わない程度に。

 もちろん、ここで、前世記憶とかもフル活用。使えるものは、全て使う。


 後は、次期公爵様の好みの把握。好みから外れれば、その分、興味も薄れてくる、はず。


 それ以外は、追々、状況に合わせて判断する、という事で。


 さぁ、そうとなれば、明日の始業日に向けて、今日は寝るだけです!


 おやすみなさい!


 お肌のゴールデンタイムは不可侵なのです。

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