彼女の秘密
「入って」
ドア横の壁に空いた無数の孔とカメラレンズ。
スピーカーから円加の声が流れると同時にかちゃりと、静かな解錠音が廊下に響く。
ここまで剣人を案内した兵士は黙したまま、一礼を済ませると踵を返し去っていく。
剣人は、ずっと伏せていた顔を上げる。
自動扉がゆっくりとスライドしていくのが見える。
執務室の中央には小奇麗なマホガニーの机が置かれ、円加はその向こう側の椅子に座していた。
「……」
部屋の入口を境にして対峙する円加と剣人。剣人が部屋に踏み入れると、円加が机に掛けられていた右手を僅かに動かす。
自動ドアが再び閉じた所で口を開いたのは剣人だった。
「何で俺をここに呼んだんだ?」
開口一番の剣人の問い。円加は傍らに置いていた資料のクリップを閉じ視線を上げる。
「頭は冷やした?」
そう言って眼鏡を外し机上に置く。厳しい顔つきだが逆にそれが円加の美貌を引き立たせていた。
「あ、その様子だと反省は全くしてないみたいね……」
うんざりしたように左手で頭を抱える円加。
だが、言葉とは裏腹に彼女はそこまで怒ってはいない。少なくとも剣人にはそう見えた。
「まあな。俺をここに呼んだ所で気持ちは変わらない。あいつらは最低の連中だ。他の人間、俺達のような傭兵を道具としか見ていない奴らなんだ」
再び込み上げてくる怒り。剣人達を使い捨ての駒扱いする運営の男の顔が脳裏に浮かぶ。
ぎりぎりと歯を食い縛りながら、自然と拳が形作られている事に気付く。
「……すまん」
そこまで言いかけて剣人は小さく息を吐いた。考えた所で現状は変わらない。これ以上円加に不満をぶつけた所で京都県区の方針は一切変わらないのだ。
ここで一つ心を落ち着けて円加の説教にも素直に応じよう。部屋に案内される道中からずっと思っていたのだが、
「別に良いわ。その件に関しては私も同意見だから」
円加は感情的になりかけた剣人の事など気にもしないと言う素振りで椅子を回しながら席を立つ。
「それよりも次の戦いについて君に覚悟を聞いておかなければと思って」
円加は僅かに笑っているように見えた。
自分の身勝手な行動で機嫌を損ねていたものとばかり思っていた剣人だったが、軽く肩透かしを喰らった気分だ。
「怒らないのか……?」
「もう過ぎた事だし、大切なのはこれからの事よ」
円加はホワイトボードを寄せ天井からスクリーンを下ろす。
部屋が暗転し、繰り出される一条の光。暗闇の中を走る一本の光の道に照らされた埃が煌めきながら漂う。
スクリーンの白い幕に映し出されたのは、先日のブリーフィングでも見た京都県区のエンブレム。内容が郊外戦争に深い事柄に関係する事は明白だった。
「貴方に確かめなきゃいけない事があるから」
「フィオナの事か……?」
ええ、と円加は音を立てて指揮棒を伸ばす。彼女が指揮棒に据え付けられた小さな端末を操作すると、画面が切り替わる。
映し出されたのはフィオナ・ブランシュの顔写真だった。
「剣人君、彼女と顔見知りでしょ?」
「どうしてそれを?」
「美央から聞いたわ」
ああ、と剣人は頷いた。
牛丼を食いに行った時、美央にフィオナの話をした事を思い出す。あの時は何気なく話したつもりだったが、フィオナの情報は円加に伝えられていたらしい。
剣人は観念したような笑みを円加に向けるとパイプ椅子を展開しどっかりと腰を下ろした。
その様子を目で追いながら、女性尋問官と化した円加は次なる言葉を待ち続けている。
「……」
どうやら彼女に変な隠し事は通じないようだ。何を言うか取捨選択しようとしていた剣人は、射抜くような円加の瞳を見てそう確信したのだった。
こうなったからには包み隠さずフィオナとの事を証言する他ない。
小さく息を整えると剣人は話しだす。
「彼女と会ったのは渋谷テラリウム……この前貰った休暇の日に公園で――」
そして、先日のフィオナとのやりとりの一部始終を話す。
戦争孤児とチャイルドソルジャー、そしてフィオナが自らの意志で生きる為に郊外戦争に挑み続けていると言う事実。決して青森県区に弱みを握られ仕方なく戦場に身を置いている訳ではないと言う事。
ついでに彼女とハンバーガーを食べた事、何個も奢る事を強要された恥ずかしい事実まで全て打ち明けた。
話が事細かの所まで及んでいた為、不必要な情報も多かった。だが最後まで円加は剣人の一言一句に耳を傾けていた。
「そしてハンバーガーの店を出た所で俺達は分かれた――これで終わりだ。かなり無駄な内容も混じっていたけどそこらへんは気にしないでくれ」
うんうんと円加は頷きながらゆっくりと顔を上げた。
「参考になったのか?」
「ええ、かなりね」
円加はそれだけ言うといきなり、
「剣人君。やはり貴方は次の青森県区との戦いには参加しない方がいい」
穏やかだがしっかりとした口調でそれだけ述べた。
唐突に切り出された円加の提案は剣人がこれまで抱いてきた『フィオナに戦場で勝つ』という目的を真っ向から否定する内容だった。
「何だって⁉ そんな事できないよ!」
「まあまあ座って聞きなさい、剣人君」
当然のように反論するが円加は着座を促す様にぱたぱたと掌を振る。
むうと剣人が再び椅子に腰を下ろした所で、
「聞いた話だと剣人君はフィオナ・ブランシュにかなり入れ込んでいるようね。戦災孤児であろうが今の彼女は立派な青森県区のエース。情に流される貴方にとってこの認識の差は命取りよ」
「認識の差?」
「ええ。彼女は頭のてっぺんから足の先まで傭兵よ。今までの膨大な戦績データがそれを証明してる。戦場で会ったら決して迷わず剣人君を撃つわ。それに対して君はまだひよっこ。しかも彼女の事情をよく知っている。果たして君に彼女が撃てるかしら?」
円加は今まで数多くの傭兵を見てきた。戦績を残し京都を去った者。途中で力尽きた者。逃げ出した者まで。傭兵達の様々な生い立ちから最期までを知っている。
だからこそ愚直でお人よしな剣人の振る舞いは危ういと踏んでいた。
「今日友軍でも明日は敵になりかねないのが傭兵。モジュールアーミーなの。今の貴方では戦場で非情になりきれない」
「そんな事ない。俺はやるよ! アヴァランシェの弱点は知っているんだ」
剣人は必死に弁解するが円加は首を頑なに縦に振らない。
「それはブリーフィングで皆知ってる。弱点の砲身はアキが叩くわ」
「アキが……」
夕空の下に聳えるアヴァランシェ。その足下で憎悪の炎を滾らせたアキの横顔がフラッシュバックする。
あの顔は確かにアヴァランシェに全てを奪われた者。瞳に燃える炎は本物の敵意だ。アキはきっと次の戦場では何の躊躇も無くアヴァランシェを倒す為に動くだろう。文字通りその命を賭けてでも。アキにはそれだけの理由があるのだ。
だが、それでも剣人はアキ一人には任せられないとも思った。
「俺もやるよ……」
目の前の円加にすら聞こえないような小さな声で呟く。
剣人は覚悟が足りない事も知っている。アキの覚悟の方がフィオナを倒すと言う事に関しては遥かにアテになるということも。
剣人には意地があった。かつて自分を蔑ろにした近衛技研。その近衛が携わったアヴァランシェを倒す事が出来ればあの陰惨な記憶を消し去る事が出来る筈だと信じていた。
「俺はアイツを倒さなきゃいけないんだ」
「ダメよ。貴方では役に立たない」
そんな剣人の嘆願をバッサリと斬り捨てる円加。酷く冷徹にも思えるが至極当然の判断でもあった。
いくら口で決意を言っても戦場では結果が全てを支配するのだ。不安要素を孕んだままの存在を信頼して戦場に送りだす事は出来ない。
円加は勝つ為に戦っている。京都県区を勝たせる事だけが円加に与えられた責務だ。
その為には剣人を始めとするモジュールアーミーを駒扱いする気概でなければいけない。
情に流されフィオナを倒しきれない可能性がある剣人。
そんな剣人の決意を信じる余裕は今の円加には無い。白か黒の選択肢にグレーは存在してはならないのだ。
「君とアキでは決定的に違う物がある。今の私には君の言葉より信じられる確かな物なの」
「俺の気持ちだけじゃ足りないのか?」
「……ええ」
群馬県区時代。アキと円加は県機乗りとオペレーターとして数多の県機相手に戦いを挑んだ。身を削り、仲間を駒にしてアキと自軍の県機を進めていく戦いもあった。
その中でアキと同様に円加の精神もまた擦り切れていったのだ。頼れるのは確かな物――成果と言う名のデータだけだった。
勝ち続けて自由を得る程の富と栄誉を勝ち取らなければ出来ない。それこそが円加とアキを癒す唯一の可能性。
自身の陰惨な記憶を隠す為、円加とアキは戦っている。剣人と同じように。ただ、違うのはそれまで行ってきた仲間への非情と非道の数々。
円加は血生臭く、忘れがたい群馬での戦いから京都に至った過程を思い出しながら、
「そういえば」
急に話を転換する。
それまで沈痛な面持ちで話しを聞いていた剣人の眉が上がる。
「バリウスの事、言っておかなきゃと思って」
京都県区に所属して間もなく、戦闘二輪の数を揃えるにあたってジャンク商から買いあさった旧型機の内の一つ。それが剣人の乗るバリウスだった。
適合者が見つからず長いことジャガーノートのガレージに眠っていた。剣人が乗り手となるその日まで。
「貴方はあの機体に乗っていたわね」
「?」
独り言のように呟く円加を訝しげに見る剣人。
円加は剣人に視線を重ねて問う。
「君は何でバリウスが作られたか知っている?」
「ああ、県機を倒す為の兵器だって聞いた」
かつての郊外戦争で猛威を振るった県機。損失すれば大きく戦力を削がれる各県が県機の代替として採用したのが戦闘二輪だ。
だが、剣人の乗るバリウスの旧型は――
「ええ。けどあれは安全性を無視した特攻兵器の類よ。皮肉ね。県機が温存され、使い捨ての生身の人間を乗せた兵器が戦場を席巻するなんて」
「量子技術が発展したからな。量産できる機体とパイロットなら幾らでも使い潰せるし。県機と県機パイロットとは違う」
所詮円加も剣人とバリウスを使い捨てとしてしか思っていなかったようだ。剣人は淡々と告げる円加に辟易しながら答える。
「円加。アンタは俺なんかよりアキを温存すべきだ。どうせ死んだ身だ。アヴァランシェは俺にやらせてくれたっていいじゃないか」
「バリウスはね。普通に量産されてる戦闘二輪とは違うの」
唐突に告げられた思いもよらない一言。剣人は耳を疑った。
「何だって――?」
円加はプロジェクターを操作する。
認証コードが要求され、円加は手早く手元の端末で入力。
米印が四つ、順番に画面に打ち込まれたかと思うと画面が明滅して切り替わる。
「これは――」
「君がそんなにバリウスで県機を討つ事にこだわるなら教えてあげるわ」
そこには極秘情報と記されたファイル名と共にバリウスの設計図が表示されていた。
赤い背景にバリウスの二輪形態と人型形態のシルエットが回転表示され、画面のあちこちに様々な情報が高速でスクロールされ続けていく。
「君を戦場に出したくない理由は他にあるって事よ」
表示され続けた文字列の勢いが急速に鈍化し、バリウスのエンジン部がズームされる。
そこにはジーニアスシステムの根幹に関わるであろう情報が記されていた。
剣人は何も言わず画面を表示され続けるが、機械部品の情報が目まぐるしく表示された末に、不意に現れた画像に声を上げた。
「え、これって」
画面に表示されたのは女性の胸元までの写真だった。日本人らしい顔の彼女の姿は裸体で、胸元の谷間まで映し出されている。肩までの黒髪に明るいヘーゼルの瞳。
何か決意した人間のように、口を真一文字に結び正面を見据える顔は、どこか悲壮な物が浮き出ている。
一目で綺麗だと思った。着物が似合いそうな美しい濡羽色の黒髪。大和撫子と言う表現がふさわしい。
だが……
「生体モデル被験体E666……?」
その下に記された言葉の意味が分からない。
戸惑う剣人に円加は告げる。
「簡単に言えば、彼女の『魂』がバリウスに積まれたAIの正体よ」
「は……? 魂だって?」
思わず聞き返してしまう。
突然出現したオカルティックな言葉に怪訝な顔を向ける剣人。円加は構わず説明を続ける。
「非人道的なAI技術の一端よ。より柔軟な学習の為に人間の魂を根幹に植え付けたシステムがジーニアスシステムなの。思考直結の処置はしってるわよね? 例えるならアレの一線を越えた感じよ」
ざっくり説明するあまりに非現実的な話に剣人は絶句しかける。
が、すぐに頭を振りながら言い返す。
「……なんだよ、それ。バリウスにその子の魂を移植したってのか? そんな非人道的な事が……あってたまるかよ」
俄かには信じられない剣人だが、円加は『事実よ』とだけ答える。
「そう言う実験もあったって事よ。人の意識を電気信号に変換してタービンに焼きつけるなんて私個人的には不快でしかないけどね」
眉をひそめる円加。
剣人はもう一度画面を凝視する。
歳の頃合いは今の剣人と同じくらいだろうか。だが、写真映りのせいか、実験体として扱われていたせいか彼女の瞳からは感情というものが消え去っていて人形のようだった。生気が無い。
「そうか、戦いの最中に聞こえてきた女の声はこの人だったのか」
剣人は思い出した。今までの戦いの中で極限状態に陥った時、必ずと言っていいほど剣人の脳裏に直接的に訴えかけてくる女の声があった。
最初は幻聴だと思っていたがどうやら違うらしい。その声の主が写真の彼女だというのか。
「こんなオカルトめいた実験が行われていたなんてな」
「そう、つくづく郊外戦争の上層部のやり方には疑問を覚えるわね。反感を覚えていたのは貴方だけじゃないって事。先日の反動勢力――ザンザスを乗っていた彼もかつては兵庫県機のパイロットだったみたいだし」
「鬼斬と組んでいたのも県機乗り同士のコネか何かって事か?」
剣人は最後護送車に連行されていくザンザスの男の顔を思い出していた。
こんな世界で良いのかと剣人に問うた男の言葉は、今になって剣人の心を抉りつける。
「やっぱり俺、この戦争も運営も嫌いだな。信用できない」
その矛先――円加自身にも向けられているのを悟った彼女は、諦めたような顔で溜息をして見せる。
「なら、彼らみたいにテロを起こしたくなる前に降りる方が賢明ね。君にはフィオナのように、戦場に身を置くしかない子すらも労わる事が出来る温かい心を持っている。君は反動勢力とも、上に言われるまま郊外戦争を行う私達とも違う」
「じゃあ円加は――こんな事を何時までも続けるってのかよ」
剣人は感情的に詰め寄ろうとするが円加を見て動きを止める。
儚げな笑みを浮かべた。その顔を見ていたら激昂しかけた感情が急速に萎えていく。
「円加……」
「私達はいいの。もう見飽きて慣れてしまったから。仲間を失うのも使い捨てるのも」
使い捨ててきた仲間に対して、円加は明らかに贖罪を感じている。剣人はそう思う。その最たるが久澄秋鷹と言う存在なのだろうとすぐに至った。
「アキ……あいつと二人で戦うって決めたからか?」
「……そうよ」
円加は小さく答える。だが、強い覚悟を感じる返答だった。
剣人はそれっきり押し黙ってしまう。
二人の間に沈黙が流れ始めた所で円加は思い立ったように立ちあがるとプロジェクターを停止させた。
スクリーンが上に収納されていき、部屋の電気が再び灯る。
眩しさに掌をかざす剣人の前に円加が立ちはだかっていた。
「私もアキももう退けないの。散っていた仲間の為にも。私達自身の為にも」
その瞳は強い意志で染まっている。
「だから俺を突き放すってのか」
剣人はぎりぎりと奥歯を噛みしめる。決して円加は自分を戦力外だからと思っている訳ではないと確信した。
円加とアキは二人だけでアヴァランシェとケリをつけるつもりなのだ。
だからこそ――剣人は開き直る。
「やっぱり引けない」
「剣人君! 貴方はここまで私達が言っているのに! もう良いんだよ。君がここまで身を削らなくても」
「違う、あんたたちの為じゃない。俺はフィオナもバリウスも救わなければ。ずっと近衛に復讐できればと思っていた俺だ。だけど……」
そう言って言葉を詰まらせる剣人。
「けど――何?」
問い詰める円加。剣人は少しだけ俯き恥ずかしそうに、
「目標ができたんだ。アンタらが最後まで戦うって言うなら俺も、最後まで信念を貫き通す」
それだけ呟く。実際剣人はこの郊外戦争の運営には不信しか感じていない。
彼が近衛技研で働いていた時も上が下を使い捨てる傾向はあったが、この傭兵業は極端だ。
現在は声高に人権とやらが叫ばれてはいるものの、まだまだ現場の人間は使い捨てられている。
「バリウスに宿った彼女も気になるしな……」
そう言って少しだけ恥ずかしそうに俯く剣人。
大災害末期の混乱も影響していた郊外戦争初期はありとあらゆる非道もまかり通ったという。勝つ事はコミュニティの生存に直結していて、その為に個が群の犠牲になる事も黙認された。
彼女が――バリウスのAIに宿った少女がその為に犠牲になったのなら、バリウスを見捨てて自分だけ逃げるなんて事は剣人には出来なかった。
「やっぱり貴方、バイクが好きなのね。バリウスにも惚れちゃったみたいだし……引くつもりはないのね?」
円加はわざとらしい溜息の後に顔を上げる。
「ああ。次の戦い、俺はバリウスと共に出撃したい。頼む、鷲宮少佐」
『少佐』という称号で呼ばれるのを好まない円加がうんざりしたような顔で剣人に笑いかけた。
それに対して、剣人もまたはにかんだような顔で返す。
「はあ、仕方ないわ。ここまで言って聞かないんだもの。それなら――」
円加は立ち上がり、くるりと背を向けた。
「最後まで付き合ってもらうわ!」
そして、勢いよく部屋の開閉ウインドウのスイッチを叩きつける。
ガコン。何かが噛み合う音と共に、遮光ウインドウが一気に上に上がっていく。
「――⁉」
部屋の照明を遥かに凌駕する光量。白い朝日が部屋に差し込み、剣人は幻惑される。
「これからブリーフィングを始める予定だったの。眠いだろうけど、寝ちゃだめよ?」
懲罰房から円加の執務室まで来て話し込んでいる時は気付かなかったが、既に朝になっていたようだ。
朝日に照らされる東京の荒野。崩れ落ちた廃墟群を目にしながら、剣人は改めて自分が選んだ道の意味を確認した。




