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龍神湖のStorry 3

奈々子には はっきりと聞こえた。


「僕は、生まれる前からあなたを探してました」


そして青年はこう続けた。


「僕は、生まれる前からあなたを愛していました」


その言葉を聞いて、菜々子の体から力が抜けて体が倒れそうになった。

青年の腕が倒れそうになった菜々子の体をしっかりと受け止めた。


自然と菜々子が青年の胸に顔を埋める形になった。青年の筋肉質の胸板が菜々子の顔と重なった。初めての感触ではなかった。懐かしい感触、それは悟の胸板の感触であった。もどってきたと思った。青年の胸の鼓動が菜々子に伝わってきた。


菜々子は思い出さないようにしてたきた悟との時間が鮮明に蘇った。


「僕たちは生まれる前から一緒になることがきまってたんだよ」


優しい眼差しで菜々子を見つめて悟はよく菜々子にそう言った。悟と一緒に過ごした時間の記憶が次々と脳裏に浮かんだ。忘れることはできないことを あらためて知った。


この人は悟の生まれ変わり それとも悟の魂がこの人の体を借りてるの 菜々子にはわからなかった。菜々子は この青年が悟であってほしい、もう一人になるのは嫌だ。これ以上、自分の気持ちを騙せないと思った。


そして菜々子は青年に


「私もあなたを探していました」と言った。


徹の胸の鼓動が早くなったのがわかった。奈々子には青年の胸の鼓動だけしか聞こえなかった。

暑い夏の日の時間が止まった。




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