6 繰り上げ等級試験!
最強たちの集う学園に、ガクトが入学して早くも1ヶ月。
今日は三等級クラスから二等級クラスへの繰り上げを審査する試験日。誰もが試験を受けるわけではない。闘いにより、再起不能になったり、死に至ることすらあるのが繰り上げ等級試験だ。
そんな一大行事の試験に参加の申請を出したのは、級長ホリと新入生ガクトの二人。担任の先生との闘いによって繰り上げの審査を行う。ホリ、ガクトに対するは三等級クラス担任魔法使いハーリー。 部活動の顧問や、二等級クラス担任蛇野らが審査員として試験に立ち会う。校庭にある、樹海のような薄気味悪いところが、今回の試験会場に選ばれた。
ラグビー部の顧問がレフェリーとして会場の中央に立つ。
「それでは試験を開始する。ホリ、ガクト、ハーリー先生、両者前へ。」
「私の魔法は複数相手でも威力が落ちることはありません。魔法の種類によっては多人数に唱えることで倍増する魔法も持っています。よって、ふたり同時にかかってきなさい。」
「なめやがって。排泄物まみれにしてやる。」
「ジジィが。魔王の恐ろしさを見せてやるよ。」
試験開始!!
開始と同時にハーリーが魔法を唱えた。炎がハーリーを包み込む。
「灼熱オンザロック。これにより通常の打撃は私には届きません。燃え盛る鎧を纏ったわたしの前に、灰となり散りなさい。」
ハーリーが炎を纏いながら二人に突っ込んできた。
「あっちいいい!!!!!!」
二人とも貰い火を受け火だるまとなった。
「排泄物シールド」
ホリは自らを排泄物まみれにし火をかき消した。さっき言ってたことと真逆のことをしている。 一方、火だるまになったままのガクトはもがき苦しみ、近くにあった湖に飛び込んだ。
「甘いですね。大魔王くん。氷結インザパーティー 。」
「!!!!」
一瞬にして湖は氷つき、ガクトは氷付けになり全く動けなくなった。
「全然ダメじゃねーかよ!!やっぱ威勢だけのやつだな!氷ながら見てろ!このホリ様の華麗な技を!!」
全身を纏っていた排泄物が、巨大な手に変わる。
「糞!!!!!」
ハアリーを叩きつぶす。しかし、巨大な手となった排泄物は一瞬で灰になってしまった。
「灼熱オンザロックは貫けません。それでは次の魔法。スケルトンハーリー。」
透明化し、ハーリーの姿が全く見えなくなった。
「なんでもありだなコイツ。よ~し、ホリ様の必殺 、ゲイリースライムをくらえ!!!」
とても文章として書くにはあまりに下劣な行為の末、スライムを数対作り出した。あたりを飛び回るスライムが、透明化したハーリーに激突!!そして大爆発!!
「くああ!!しかも汚い、、、やりますね、、、では、お次は、、、、ん?」
氷づけの湖が一瞬に氷解。
「やっぱりな。くだらねえ。俺の予想は外れちゃいなかった。三等級クラスなんかのレベルの低い闘いにはもう付き合う気はねえ。」
復活したガクトの額の眼が開く。
「魔眼。」
光を放つ魔眼が、ハーリーの魔法を全て見切った。
「一撃だ。」
みなぎる闘気がガクトにあふれている。危機を感じたハーリーは再び灼熱オンザロック。お構いなしにガクトはハーリーを炎の鎧ごとぶっ飛ばした。
「、、、、しゃ、灼熱オンザロックが効かない!?」
ハーリーをやっつけた。ちゃんちゃん♪
「あああ、俺の出番が、、、。」
ホリとガクトの勝ちだ。 数分後試験結果の発表が行われた。
「これまで同様、ホリは三等級級長続投とする。繰り上げはなしだ。ガクトを二等級クラスに繰り上げとする。」
「一じゃねえのかよ。クソ。まあいいや、つぎはヘビ野郎をぶっ倒してまた1つ上に登りゃいい。」
「あああ、俺の出番が、、、。」
ホリは今後話に登場することはないだろう。
突如、審査員席の奥からセーラー服を着た変なツルッパゲの女子生徒が出てきた。高貴で知的な気品の良さを伺わせるこの女の正体は一体?!