4 入学初日!
三等級と書かれた教室へと何のためらいもなく豪快に入っていったガクト。
普通の学校なら、入学式があって、みんなが同じ日に入学して、地元が同じ友達がいたり、全く知らない同い年が一緒のクラスになって、そこから友情が芽生えたりするものだと思う。
しかし、ここ天界神立神風超等学園、以下略、神学では、入学の日は人それぞれ、年もバラバラ、教室に入る際は、担任の先生からの紹介無しに、転校してきた転校生のような入学が基本だ。
「おぅらぁぁぁ!!!今日から入った大魔王ガクト様だぁぁぁ!!!!」
いきなり他の生徒にぶしつけな挨拶。無礼極まりない恥ずかしい少年だ。無礼な少年ガクトは現在19歳。
30人ほどいる生徒は一瞬でざわつき始めた。
「なにアイツ?」
「キモくね?」
「超キモくね?」
「いや、逆にナウくね?」
少し戸惑いを見せるガクトに、一人の生徒が一瞬にして背後に回り込みガクトに飛び蹴りをかました。
「つっ!!!」
踏みとどまったガクト。
「俺は三等級クラス級長ホリ。」
そしてすかさずホリの横に二人現れた。
「ホイシャマオミギューディ、アンドゥー。(ホリ様の右腕、アンドゥー)。」
「左腕のウヌキです。」
親分、子分、子分の3人がガクトの前に立ちはだかった。
「だせぇやつらだな殺すぞてめぇら。」
ガクトが喧嘩を売る。
「去勢をはるならまず俺を倒せよ。三等級の砦、このホリ様をよ。」
「ショーダジョ、キョセーハウナラマジュ俺アンドゥーアンドゥウヌキ、アンドゥホイシャマダ( そうだぞ、去勢はるならまず俺アンドゥー&ウヌキ、&ホリ様だ)。」
自信家の級長ホリと、滑舌の悪いアンドゥー、無口なウヌキ。
気性の激しい大魔王ガクトが、
「ドゥードゥーうっせんだてめぇ!!!!」
即座にアンドゥーを殴り飛ばし、殴り飛ばしたアンドゥーがウヌキにぶち当たり、教室のガラスを突き破り、見事に校庭にあるサッカーのゴールネットに直撃した。
「オ、オ、オウンゴールゥゥ。」
一瞬にしてアンドゥーとウヌキをやっつけた。
「!!」
ホリもこれには驚いた。驚いて排泄物が第二の校門からこんにちわしていた。
「ヘビ親父には不意をつかれたけどよ、俺様がそもそも三等級ってわけねぇんだよ。向かってくるやつは全員ぶっ倒す。」
するとホリが、
「義務だ。一度三等級に決まったお前はどうあがこうと三等級のままだぞ。月1の繰り上げ等級試験に受からない限りはな。」
「繰り上げ等級試験?」
「試験官こと、学園の先生たちとの闘いに勝てばクラスが上がる仕組みだ。ヘビ親父とか無礼なこと言ってやがるが、蛇野先生は二等級クラスの担任。試験で蛇野先生に勝てば一流の一等級クラスに繰り上げできる。 超難関とされる一等級クラス繰り上げ試験の試験官が蛇野先生だ! それだけ恐ろしい強さの先生ってことだよ!」
「へえーあのヘビ親父、そんなに強ぇのか。まあいい、このクラスの雑魚ナンバーワンは級長ってくらいなんだから、お前ってことにして、担任てのはどんなやつだ?」
「さっきから後ろにいますよ。」
「!!」
小太りで七三分けのオッサンが、いつのまにか立っていた。
「このクラスの担任魔法使いハーリーです。よろしく 。あらゆるダメージを回復する賢者の石を心臓にもち、あらゆるものを焼き焦がす、炎のゴブレットを手から出します。ゴブレットの意味があまり分かってませんが、とりあえずそれらを駆使します。」
「この俺もまだ全然本気じゃないからな。」
子分を倒された怒りにかられ、排泄物が更にこんにちわしてお辞儀し始めたホリ。一筋縄じゃいかなさそうな連中にガクトの闘志が燃え上がる!!