25 魔王
学園祭まで残すところあとわずか。大魔王ガクトはとうに限界を越えた力を身に付けていた。
「これ以上の修行はムダだ。あとは精神力。自分を信じるのみ。残りの日はおとなしく学園生活とやらを送るとするか。」
三等級から恐るべき早さで一等級まで登りつめたガクト。その天性の才は嵐にもひけをとらないだろう。魔王の血をひくその力は他の生徒からしたら未知の強さ。学園祭に万全の体勢で臨む。
翌日ガクトは普通に学園に登校。
「やっぱ誰もいねぇか。今頃凄まじい修行の最中なんだろなぁ。」
「あら珍しいわね。アナタが校庭に出ず教室にくるなんて。」
コユキが入ってきた。
「よう。俺はできる限りの修行はしたからな。あとはゆっくり時がくんのを待つのみだ。」
「そう。」
「前から聞こうと思ってたんだけど、俺んちに入学パンフレット送ってきたのってお前なんだろ?神を語る学園によく大魔王の俺様を入れようと思ったな。」
「過去の情勢のことかしら。たしかに大魔王は神を名乗る戦士に倒されたとなってるわね。でも過去は過去よ。最強を求める勇士として立ち位置は皆同じよ。わたしもアナタも。」
「なんか先祖を倒した神を名乗る戦士っつーのが、お前の先祖って気がしてならねーんだよな。」
「それは100%あり得ないことだから安心なさい。いまでこそ、この学園の生徒が神の名を持つ戦士と詠われるなら、それは否定することの事実になるわね。でもわたしには昔のその戦士とは何も関係ないわ。」
「そーか。まあ、どーでもいいんだけどな。だれよりも強くあれさえすればいい。志は他のやつらと一緒だ。」
「わたしはアナタのその信念と魔の血に期待してる。楽しい学園祭にしましょう。学園祭前日にもう一度召集をかけるから必ず出席するように。でわ、ごきげんよう。」
自分の全てをかけて戦いに挑む!!




